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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章八十節 地鳴りの正体と均衡破壊とやっとの一撃-

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__ドガアアアァァァァン!!!…ッ!?!?!?…


「ッ!?…な、何が起きて居ると言うのだ!?…

…ッ!…こ、これが魔王復活による地響きと言うのか!?…」


{…いや違う!…もっと別の何かがこっちに向かって走って来てる!!…

そしてそんな物が向かって来て居ると言う事は!!…マサツグ達!!…

あの者達がそれにやられたか!!…師匠がここまで来たかのどちらか!!…

……どちらにせよもう後には引けない!!…鬼が出るか蛇が出るか!!…}


「……まさかとは思うけど…ヤブが来た?…」


「ッ!?…そ、そんな筈ないでしょ!?…だってあの怪我なのよ!?…

幾らマサツグでもそこまでの体力は!…」


天守閣全体を揺らす様にして下から地鳴り!…これにはさすがの宗徳も驚いた

反応を露わにし、グレイも下からの地鳴りに対し考えられる可能性を考慮して

更に警戒を露わにして居ると、モツがある事口にする!…と言うのもこれ

もしかしてマサツグでは?…と言うと、その言葉にアヤが反応!…アヤは

あり得ないと言っては怪我の事を話し!…さすがにそこまで行ったら化け物と

ばかりに戸惑った様子で話しを続けて居ると、次にはその正体不明の地鳴りを

起こして居た原因達が姿を現す!…


__ドッ…ドッ!…ドッ!!…ドッ!!!…ボガアアアアァァァァァン!!!!…


「ッ!?…なっ!?…」


それは駆け上がる様にして階段の方から!…それと同時に何かを吹き飛ばす様な

音にも聞こえ!…とにかく全員の視線がその地響きの聞こえる階段の方へと

向けられており、その地響きの正体も姿を現す様にして階段を駆け上がって来る

物音を立て続けると、宗徳が慌てた具合に言葉を漏らす!…まるでこんな事に

なるとは思っても居なかった様子で目を見開くと、思わずタジタジとした反応を

見せ!…しかしその一方でその正体も階段から姿を現す際に、敵兵を吹き飛ばし

ながら来た様子で宙に敵兵を舞わせて見せると、同時に埃を立たせては姿を隠す!…


__ゴワ…ゴワ…ゴワ…ゴワ……ギッ…ギッ…ギッ…ギッ……ピコピコッ…


「…ふぅ~……一応は手加減したつもりなんだが…

…こりゃド派手な登場になっちまったか?…」


「ッ!?…マ、マサツグ!!…貴方!!……ッ!?…」


別に意図して埃の中に姿を隠した訳では無いのだが、その者は埃の中に姿を隠すと

やり過ぎた!と…その際何やらケモミミの様なモノをピコピコと動かしては堂々と

仁王立ちをして見せ!…肩に大剣を掛けてその埃の中から姿を現そうとすると、

その声に聞き覚えの有る仲間達がハッとする!…そう、その声の主とはマサツグで

あり!…マサツグが来た!と安堵するのだが!…それと同時にやはりフィロに

やられた怪我を心配すると不安を覚え!…アヤがその事を尋ねる様に声を掛けよう

とするのだが、次にはその姿を現したマサツグの姿を見るなり慌て始める!…

何故なら…


__ギッ…ギッ…ギッ…ギッ…ふわぁ……ピョコッ!…ッ!?!?!?…


「…さぁて?…好き勝手やっていた分の代価を!!…

キッチリ支払って貰おうかぁ!?…

…な?…勘定奉行さんよぉ!?…」


「「「ッ!?…マ!?…マサツグゥ~!?!?…」」」×3


慌てる事無くマサツグが埃の中から姿を現すと、そこには何故か狐耳が!…

だが改めてその容姿を確認するとそこにはちゃんと人間の耳も付いており、

計四つの耳が!…しかし当の本人は全く気にして居ない様子で宗徳を凝視!…

その際今からお前をぶっ倒す!とばかりに挑発的な言葉を口にすると、更に

モツ達を戸惑わせる!…だがそれも当然である!…人間である筈の友人の

頭に狐耳が着いて居るのだから!…それもまるで生えている様にピコピコと

動かしては大剣を突き付け決めポーズ!…もはや何が如何なって居るのか

分からず!…ただマサツグを見詰め困惑に困惑をして居ると、宗徳も驚いた

様子で言葉を口にし始める!…


「ッ!?…こ、この者が…マサツグ?…

な、何と出鱈目!?……ッ?…ん?…

報告には人間と聞いて居ったが?…」


「こりゃあ~~!!!…ッ…幾ら回復したとは言え!!…

その様に暴れては意味が無いじゃろうが!!…

もっと落ち着いて行動をせんかあぁ!!!」


「フィ、フィロちゃん落ち着いて!…」


「ほえ~!…さすがご主人様です!!!」


宗徳も予めマサツグの情報は仕入れて居た様子で言葉を口にするのだが、如何にも

その情報と食い違いが有る様で…しかしその一方でそんな宗徳の事など知った事

ねぇ!と…マイペースを貫く様にしてフィロが後から追い駆けて来ると、追い付く

なりマサツグの背中へ飛び付いて行く!…と言うのもマサツグの体力は回復した

様で、マサツグに落ち着け!と説教を始め!…するとその後から更にゾロゾロと

オリハとシロが追っ駆けて来て!…オリハは説教をするフィロを落ち着かせに!…

シロはシロでマサツグの猪突猛進ぶりに感心した様子で言葉を漏らすと、その場の

空気をぶち壊しに掛かっていた!…それこそ今劣勢で色々と緊張感に包まれて居る

と言うにも関わらず、この砕けよう!…これには宗徳も戸惑った様子で固まって

しまい!…モツやグレイも呆れた様子でそんなマサツグ達の光景を見て居ると、

ここでライザの身に何か異変が!…


__……ヒュウウウゥゥゥゥ!!…ドゴス!!!…ッ!?…ッ~~~!!!…


「ッったぁ~~~!!!…何や言うねん!?…

こっちは血管が切れそうな位にムカついてるってのに!!……ッ!!…

な、何やこの状況!?…一体何があったって言うんや!?……ッ!?…

うお!?…マ、マサの頭に耳が!?…」


マサツグが天守閣に登って来た際、吹き飛ばした敵兵の一人が梁に頭をぶつけ!…

するとその梁は偶然にもいい感じのサイズに折れてグラグラの状態になって

しまい!…そこから少し時間が経過して遂には持たなくなった様でそのまま

落ちてライザの頭に命中すると、ライザは驚いた様子で痛みに耐える!…

その一連の流れは宛らピタゴ〇スイッチの様!…しかしこれが功を奏した様子で

ライザはハッと我に返り!…振り返ってはいつもの様に文句を言い出し!…そこで

今の現状に酷く驚いた様子で言葉を口にすると、マサツグも気の抜けた様子で

返事をする!…


「ッ!…あぁ、これ?…いや実は?…」


「ッ!!…そんな話をしている場合か!!…

とにかく助けろ!!!…一旦体勢を立て直す!!!」


「ッ!?…あぁス、スマン!!…」


「…ったく!…どっから湧いて!?…」


この時そこで自身の耳についてマサツグが説明をしようとするのだが、当然

そんな話をしている場合では無い訳で!…するとすかさずモツが激しく

ツッコミを入れては助けてくれ!と…すると勿論それを聞いたマサツグ達は

慌て出し!…一度モツ達の救出に動きあっと言う間に敵兵達を蹴散らせて

見せると、漸くここで仕切り直す事に成功する!…それこそこの場面を漫画に

起こすと三コマ位に!…手早く片付け!…そして自身の兵士が一掃された事に

宗徳も驚き!…改めてここから本番と言った様子で何やら身構える様な素振り

を見せて居ると、モツがハッと気が付いた様子で注意を促す!…


「……ッ!?…そうだ!!…ライザ!!…マサツグ!!…

あの柱を見てくれ!!…あそこに札が張って有ると思う!!…

アレを何とかしない限りはあのクソ野郎に近付く事が出来ない!…

…後は言わなくても分かるな?…」


「「了解!!!」」×2


「……クッ!…

よもやたった数人増えただけでこの様に場面を引っ繰り返されるとは!!…

…だがまだ兵が尽きた訳では無い!……いでよ!!…

我が屈強なる兵士達よ!!!…この侵入者達を即刻!!…排除せよ!!!」


__どんどろ!…どんどろ!…どんどろ!…どんどろ!……ッ!?…


また暴走されては敵わない!と言った具合にモツが慌てて指示!…その標的を

柱に張って有る札に定め!…すると今度はちゃんと話を聞いて貰えた様子で

ライザがモツに返事し!…マサツグも状況を理解した様子で振り返りながらに

サムズアップをして見せると、すぐさま行動に移すようオリハ達も交えて展開

する!…だが当然それを良しとしない様子で宗徳も動く!…その際マサツグ達

数人が増えただけで状況が引っ繰り返った事に驚きを示しつつ、まだ終わって

無い!と…例の妖気玉を掲げては辺り一帯に兵士達をスポーンさせ!…すぐさま

マサツグ達の妨害に向かわせると、マサツグ達を驚かせる!…だがしかし!…


「…ンなモン何ぼ呼んだって無駄や!!…

要は邪魔される前にこの札を取ってしまえば!!…」


__ババッ!!…ガッ…ビリビリビリビリ!!……ッ!?!?…


「…っと!…エェんやからな!?」


「クッ!!…何をして居る!!…早くこの者達を排除!!…」


ライザはお得意のフットワークで敵兵達の間を潜り抜け!…柱に近付き大きく

その札に向かって飛んで見せると、いとも簡単に柱から札を剥がして見せる!…

そしてそのまま回収すると札をビリビリに破いてしまい、余裕とばかりに

言葉を口に!…それこそ今までのお返しとばかりに宗徳へ向かって不敵に笑い!…

宗徳もそんなライザの様子を目にして怒りを露わにすると、兵士達に怒り

散らす!…だがそんな宗徳の怒りも空しく!…今度はグレイがその宗徳の

言葉に被せるよう!…


__ズバアアァァン!!!…ドゴオオオォォォン!!!…ッ!?…


「…別に取って破かなくても良いのだろ?…

だったら斬ってしまえばいい!…」


「ッ!?…クッ!!…何処までも邪魔をする凡愚共め!!!…

兵士よ!!!…札を守れ!!!…このままでは我々に勝利が!!…」


__ッ!!…ガッチャガッチャガッチャガッチャ!…


グレイはまるで柱ごと斬った様に!…剣を縦に振り抜くと札をスパッと両断して

見せ!…その際何か物々しい音も辺り一帯に響かせ!…グレイ自身もイライラと

来ていた様子で宗徳に言葉を口にして見せると、更に宗徳を慌てさせる!…

この時点で四枚あった内の二枚は駄目に!…残るは二枚の札のみなのだが!…

そこは宗徳も必死なったよう兵士達に命令!…排除するのではなく札を守る様に

シフトさせると、その柱の前に兵士達を固めて見せる!…だがそれも直ぐに

無駄だと悟ってしまう!…何故なら!…


「どっこいしょおおぉぉぉ!!!」


__グオオォォォ!!!…ドガアアァァァァン!!!!……ッ!?!?…


「……フゥ~…これで三枚!…後は?…」


マサツグは大剣をバットを振るが如くフルスイングする!…すると札を守る為に

先頭に立って居た敵兵の一人はぶっ飛ばされ!…そこからはまるでボウリングの

よう敵兵達をドミノ倒しに薙ぎ倒して行くと、遂には柱を木っ端みじんにして

しまう!…となるともう札など如何でも良くなってしまう状況になり、そんな

怪物プレイを目の当たりにした宗徳も戸惑い!…一体何が起きて居るのか理解

出来ない様子で固まってしまい!…マサツグの一仕事終えた様に一息吐く姿を

見詰めると、思わず考える事を放棄する!…さてその一方で最後の柱の方では

シロが懸命にお仕事!…と言ってももはや余裕の様子を見せて居り!…兵士達の

足元を素早く駆け抜けては柱に飛び付き!…そこから柱を登って札を剥がして

しまうと、マサツグに見せるよう手を振り出す!…


__ヨジッ!…ヨジッ!……ビッ!…ごしゅじんさまぁ~!!…


「ッ!…あれで最後…だな?…」


「ッ!?…しま!!…ッ~~~!!!!…」


「……やっぱマサツグが来た途端にこれだよ…

先程まで苦戦してたのに…ある意味で空気を読まない!…」


柱にしがみ付いたままマサツグに向かい声を掛け!…シロは笑顔でアピールを

すると、マサツグも気が付いた様子で手を振り返す!…そして徐に宗徳の方に

視線を向けると、これで終わりとばかりに言葉を口にし!…すると宗徳も

そんな反応を見てハッとしたよう!…最後の札も剥がされた事で結界が解けて

しまう事に歯を食い縛り怒りを露わにすると、マサツグの事を睨み出す!…

その一方でそんな手早い作業を目にしたモツはと言うと、先程まで自分達が

時間稼ぎをして居たのは何だったのか?と…助かった事に感謝はして居るのだが

釈然とせず!…何かモヤッとした様な感情を覚えると、思わず本音を漏らして

しまう!…するとそんなモツの本音にマサツグも反応!…ツッコむ様にして

文句を口にするのだが!…


「ッ!…あんだよそれぇ!…

まるで俺が普通じゃないみたいな言い方じゃあねぇか!…

普通じゃねぇのはシモだけだろ!?…」


「ッ!?…ちょと待てぇ!!…何で俺に飛び火すんねん!!!…

確かに百歩譲って俺が普通じゃない事は認めよう!!!…

けど飛び火した事に関しては!!…」


「……お前はそう言う運命さだめの下…キャラが成ってるねん!…」


「じゃかあしいわ!!!」


モツの言葉に対して不服とばかりに反論を!…その際ライザを引き合いに出すと

自分は真面と口にし!…となるとそのマサツグの言葉に対してライザも当然の

様にツッコミを入れ!…自分に飛び火した事に対して関西のノリを諸に文句の

言葉を口にすると、マサツグはその理由に運命と!…もはやライザはそう言う

立ち位置に居る事を改めて説明するよう口にし、遠い目をして仕方が無い!…と

言った呆れる表情を見せると、ライザが更にツッコミを入れる!…そうなると

もはや先程の緊張感も何処へやら!…当然その間にも結界は崩壊し!…これで

漸く黒幕である宗徳とご対面が叶い!…最後と言った具合に一同が呆れつつ

動こうとして居ると、更に宗徳は足掻き出す!…


「……まだ終わってない!…これを見よ!!…」


__スゥ…ゴゴゴゴゴゴゴッ!!…


「ッ!?…い、いかん!!…また洗脳か何かをして来るつもりじゃ!!…

皆の者!!!…直視をするな!!!…精神を持って行かれるぞ!!!」


「もう遅い!!…さぁ、英雄マサツグよ!!!…

我が手駒となりて眼前の敵を葬れ!!!」


__カッ!!!……ッ!?!?…


宗徳は結界を破られても尚抵抗をし続ける!…と言うのもあの妖気玉を何処から

ともなく取り出すと、マサツグ達に掲げて怪しく光らせ!…するとそんな様子に

フィロは慌てて警戒を示し!…全員にその妖気玉を直視しない様に急いで忠告を

するのだが、宗徳は遅いとばかりに笑って見せる!…その際標的をマサツグに

絞った様子で更に怪しい光を強めて見せると、やはり洗脳する気で居るのか同士

討ちを!と…すると間が悪い事にマサツグもその妖気玉を凝視!…これには

フィロもしまったとばかりに更に慌てた表情を浮かべて見せるのだが!…何故か

他の仲間達は一切慌てる様子を見せないでいた!…何故なら!…


「……人選ミスだな…ヤブに洗脳は効かない!……」


「…てか想像出来ないよな?…ある種反骨精神の塊みたいな奴だし…」


「…それはそうかもしれないけど?……でも確かに…

何でか分らないけど?…大丈夫そうな気がする…」


「シロも大丈夫だと思います!!…ご主人様は強いのです!!!」


モツはマサツグのあるスキルを差して無理だと言い!…宗徳のやろうとして居る

事に対して時間の無駄!と言った様子で効かない!と口にすると、レイヴンも

そもそもの話を口にする!…と言うのもマサツグの性格上あり得ない!と口に

して見せると、そのマサツグの性格を反骨精神の塊!と…まるで反抗期真っ只中

に居る様な具合でマサツグを語ると何故か呆れ!…アヤもその話を聞いて何と無く

理解したよう言葉を口にすると、自分でも何故理解出来たのかに若干苦しむ!…

それこそ一度はマサツグに心配した様子で視線を向けて見せるのだが、次には

レイヴンの話に妙な説得力を感じ!…ただとにかくマサツグなら大丈夫とシロも

元気に返事をし始め!…誰もがマサツグの無事を信じて居ると、フィロだけは

違う!と言った様子で心配をし続ける!…


「ッ!?…何故じゃ!?…何故なのじゃ!!!…

わっちですら抵抗が出来なかったのじゃぞ!?…

このままだとマサツグが!!…」


「…いやだって……なぁ?…

マサツグがあの手の洗脳にやられる所事態想像出来ないし!…

何ならフィロのチャームですらガン無視出来るんだぞ?…」


「ッ!?…ウ、ウグゥ!!…た、確かににそうじゃが!…」


フィロからするとその周りの反応は薄情に見えて居たのか、更に慌てた様子で

マサツグの救出を訴え!…だがレイヴンはそんなフィロの慌てる様子に対して

首を傾げ!…フィロとマサツグが戦って居た時の!…フィロの誘惑がマサツグに

効いて居なかった事等を徐に挙げて大丈夫と口にすると、フィロもその話を

聞いてショックを受ける!…と言うのもその時のマサツグの反応を思い出した

様子で、自身の誘惑が効かなかった!と…だが今はショックを受けている場合

ではなく!…思わず同意しそうになりながらも改めてマサツグの救出を訴えよう

として居ると、グレイが最悪の事態に対して返事をする!…


「…最悪、アイツとやり合う事になっても我が相手をすれば良いだけの事!…

何も心配はいらん!…」


「ッ!?…有っては困るから言っておるのじゃ!!!」


__ズモモモモモモ!!!…ッ!?…


「ッ!?…あぁ!!…しまった!!!…」


グレイはマサツグとやり合う事を覚悟!…その際いつでも動ける様に剣を構え!…

だがそれはフィロが望んで居る事では当然無く!…そんなグレイの様子に対して

フィロが思いっきり文句の言葉を口にして居ると、その一方でマサツグは黒い靄に

包まれて行く!…この時そのマサツグを包む靄と言うのは、如何やら宗徳の持つ

妖気玉から出て居る様で!…勿論そんな様子を目にしたモツ達は驚き戸惑い!…

フィロも遅かったとばかりに言葉を漏らし慌てて居ると、マサツグはそのまま靄の

中に姿を消す!…


__ズモモモモモモ!!!…ゴゴゴゴゴゴゴッ!!…


「クッハッハッハッハッハッハッハ!!!…こうなれば全ては儂のモノ!!…

さぁ!…存分に楽しませて貰おうか!?…その英雄の力とやらを!…

…いでよ!!…我が忠実なる僕!!…」


黒い靄がマサツグを完全に飲み込んだ所で何やら光を!…すると宗徳ももう

こうなってしまえばマサツグは傀儡と!…高笑いをしてはマサツグを捕まえた

事に興奮を示し!…さも同士討ちが楽しみと言った様子で言葉を口にすると、

もう洗脳が終わったのか自身の僕と口にする!…となるとその言葉を聞いて

グレイとフィロも途端にピクッと反応すると、その靄に対して警戒を強め!…

モツ達もモツ達でこの時一応は緊張した様子で…とにかく何が起きるのかと

その光景を見守り!…それぞれが緊張した面持ちを見せようとして居ると、

次にはモツ達の予想が当たって居たとばかりの光景を目にする!…


__バシュン!!…ッ!?…ガッ!!…グイィ!!…ッ!?!?……


「…いきなり何すんだってんだ!…人様の視界を遮りやがって!…

あまつさえあの靄ん中でウダウダと!!…鬱陶しい事この上ないんだが!?…」


「ッ!?…グッ!?…ば、馬鹿な!?…な、何故!?…何故洗脳が!?…」


この時宗徳とその靄に包まれたマサツグとの距離は約11~12m!…そこから

宗徳が出て来る様に言葉を口にすると、マサツグはグレイ達に向けてではなく!…

宗徳に向かい思いっきり飛び出して行っては宗徳を肉薄!…勿論これには宗徳も

驚いた様子で思わずたじろぎ!…何も出来ないままにただ近付いて来るマサツグに

ワタワタとした反応を見せて居ると、マサツグはそんな宗徳の胸倉を掴んで

見せる!…そしてそのまま持ち上げる様にして宗徳の動きを封じると、次には

文句の言葉を並べ!…すると宗徳は宗徳で困惑し始め!…マサツグが洗脳されて

居ない事に戸惑いを隠せない様子で言葉を口にして居ると、マサツグは効かない!

とばかりに言葉を続ける!…


「……ッ?…洗脳?…あの靄ン中で聞こえた濁声がかぁ?…

あの程度で洗脳って言うんなら…世の中今頃ヤベェ者だらけだっての!!…

…それよかテメェは今から起きる事に対してよぉ?…

しっかり覚悟は出来てるんだよなぁ!?…」


「ッ!?…グッ!!…」


「歯ぁ食い縛れえぇ!!!」


__グオオォ!!!…バキイィ!!!……ズサアァァ!!!……


マサツグはその時の体験を語る様に何があったのかを話す!…その際あの靄の

中では何か言葉が響いて居たらしく、マサツグはその声を濁声!と…だがやはり

マサツグには効かなかった様でまるで聞くに堪えない鬱陶しい!言った様子で

文句を続け!…あの程度!と更に言葉を口にして見せると、遂にはその怒りの

矛先を宗徳に向ける!…と言うのも今自身の目の前に居るのは今回の事件の

首謀者で、コイツをぶっ飛ばせば話は終わる!と…となるとマサツグは今までの

事を思い出す様に怒気を強めると拳を握り!…歯を食い縛れ!と文句を一言!…

宗徳もヤバい!と感じたのか身を固める様な挙動を見せ!…だがマサツグは

構わない!とばかりにその固めた拳を宗徳の顔面目掛けて放つと、宗徳を祭壇の

方から離して見せる!…そして殴られた宗徳も転がる様にして天守閣の中央に

飛ばされると、痙攣しては倒れ!…だがこれで終わる筈も無いと言った様子で

更に影が!…それは物凄い勢いで怒りを燃やし!…宗徳を立たせる様にして

抱き抱えて見せると、言葉を掛け出す!…


__……ガッ!…スゥ……トッ…


「ッ~~~!!……ッ!?…」


マサツグに殴られた事で鼻から強烈な鼻血が!…そして突如起こされた事で戸惑う

のだがそれよりも痛みに耐え!…だがいつまでも怯んで居る訳には当然行かず!…

一体誰が自分を起こしたのか?と恐る恐る目を開き出すと、そこで怒りを露わに

するライザの姿を目撃する!…と言うのもライザと宗徳では身長差がそこそこ有る

のだが、この時宗徳から見たライザと言うのは自分よりライザが大きく見え!…

その一方でライザはライザでそんな事など知らない様子で両手をバキバキ!…


__バキバキッ!!…バキバキッ!!…


「……よぅ?…さっきはようも人の事散々馬鹿にしてくれとったのぉ?…

…人を馬鹿にするんは…馬鹿にされる覚悟がある奴がする事や!…

…で、今から俺はお前を殴る!!…完膚なきまでにボコボコにする!!!…

…俺にはそんだけの覚悟があるっちゅう事やけど?……お前は如何や?…」


「ッ!?!?!?…」


{な!…何故だ!?…何が駄目だったと言うのだ!?…

あの者の力を持ってしても操れない!?…その様な事が!?…

…あのフィロネウスと言う強力な女狐ですら操れたと言うのに!?…

何故!?…如何してこの様な事に!?…

…あ奴が天守閣に現れただけで!!…こんな!?……ッ!?…}


まるで今から公開処刑をするとばかりに自身の覚悟を口にすると、宗徳に対して

スッと拳を構えて見せる!…さてそうなって来ると宗徳はもはや絶体絶命!…

操ろうにも今からではとても遅く!…そしてこの時頭に有ったのはマサツグを

操れなかった事に対しての疑問なのだが、勿論それ所では無いため混乱!…

もはや何が正しいのか訳が分からない状態に陥ってしまうと、次にはライザから

一撃を貰う!…


__グオオォ!!…バキイィ!!!……ッ!…スッ…ドガシャアアァァン!!!…


「……ふぅ…やっと一発か!…」


大きく振り被っては重い一撃!…それも左頬に向かって右ストレートを繰り出す

と、宗徳の体は錐揉み回転しながら飛んで行く!…そしてその飛んで行った方向と

言うのもマサツグが立って居る方向で有り、マサツグは受け止める事無く宗徳を

回避!…すると飛んで行った宗徳はそのまま奥にある祭壇へと激突して行き!…

ライザもやっと一発殴れた事でフッと一息吐いて見せると、次にはマサツグから

文句を受ける!…


「……ったく、あぶねぇだろうが!!…もっと考えて殴り飛ばせっての!!…

てか折角祭壇から離したってのに!!…何でまた戻すんだよ!!…

妙な事されても知らん…」


「ッ!…うっさいわい!!…ちょっとばかり感情的になっただけや!!…

…てかいつまでその狐耳生やしとんねん!!…一体何をすればそんな事に!…」


「ッ!?…ちょ、ちょっと今はそれ所じゃないでしょ!?…

早くその子を助けないと!!…」


「そうじゃ!!…ついでにその妖気玉も壊さんと!…」


飛んで来た宗徳が当たりそうだった事を指摘すると考えろと!…その際続けて

祭壇から離した事についても文句を!…するとライザはそんなマサツグの文句に

対して開き直る様に言葉を口にし!…改めてマサツグの耳について再度ツッコミ

を入れる様に言葉を続けて行くと、そのまま二人で喧嘩をする様に口論を始める!…

と言ってもノリは関西よりなので本気で喧嘩をして居る訳では無いのだが!…

その様子を見せられている方としては呆れてしまい!…更には心配した様子で

アヤやフィロが止めに入ろうとして居ると、その一方で殴り飛ばされた宗徳も

復帰する!…


「ッ~~~!!!…い、一度ならず二度までも!!…

…クッ!!…よくも!!…よくもおぉ!!…

…ッ!…こ、これは!!…」


__ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!…


「…フフ!…フッフッフッフッフッフッフッ!!!…

…やっと!…やっとこの時が来たか!!!…」


「「ッ!…あぁん!?…」」×2


恨み言を口にしつつ、フラフラとしながらも祭壇に手を着き!…少しづつでは

あるものの体を起こすと、そこであるモノを目にする!…それは祭壇の中央に

置かれて有る妖気玉の様な水晶なのだが!…その水晶の中では忙しそうに瘴気が

グルグルと逆巻き!…それは今にも暴発して弾けそうな様子を見せて居り!…

宗徳もそれを見て時が来た!とばかりに歓喜すると、漸く立ち上がる事に成功

する!…そして徐にマサツグ達の方へ振り向き出すと、歓喜の言葉を口にし!…

するとそんな宗徳の言葉にマサツグとライザが反応!…まるで拳かを売る様に

メンチを切り!…まだ抵抗するのか?と呆れた様子を見せて居ると、更に宗徳は

言葉を続ける!…


「……小童共が!!…調子に乗りおって!!……遊びはもう終いじゃ!!!…

これより、この地に魔王が再臨し!!…儂は天下を手に入れる事となる!!!…

この様な仲良しごっこの支配では無い!!!…本当の支配を!!!…

今ここに!!!…実現する時が来たのだああぁぁぁ!!!!…

ウゥアッハッハッハッハッ!!!!…アァッハッハッハッハッハッ!!!!…」


「……おっさん壊れたんか?…」


今までの事は遊びだったと言うと宗徳は徐に両腕を大きく広げ出し!…そして

天を仰ぐ様にスッと天井を見上げて見せると、次には何故かニタァッと笑みを

浮かべて行く!…そして今度は淡々と自身の目的について語り始めて行くと、

当然そんな豹変具合を見せ出した事でモツ達は困惑したよう思わず身構え!…

その一方でマサツグとライザは共に[は?…]と言った具合に呆れて見せ!…

あまりにも重い一撃を見舞ったせいか壊れたのか?とライザが零すと、次には

天守閣全体が震え出す!…それはまるで何かが生まれ出ようとして居る様にも

思え!…ここで漸くマサツグとライザも何か可笑しいと感付くと、次にはその

天守閣は崩壊を始めるのであった!…

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