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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章七十三節 喧しい怒声と異様な本丸への道と裏切り者?…-
しおりを挟む__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「……フゥ~!!…何とかここまで来れたな?…
…にしてもデカい城やなぁ!…こんな間近で見んの初めてやわ!…」
「…まず城へ近付く事自体無いからな?…
ほぼほぼ俺らからしたらただのランドマークでしかない!…
てかここからが本番って言っても過言では!…」
__ッ~~~~~!!!!…ッ~~~~~~!!!!……
「……ッ!…何やこの騒がしいの?……てかこの声は?…」
大惨事を生みながらもライザ達はそのまま南門を潜って、二の丸への侵入を
果たすとそこで漸く本丸である城へと近付いている事に自覚を持つ!…
それまでは敵兵だったり妖怪だったり!…面と向かって城の方を見ると
言った事はなかったのだが、それでも漸く!…敵の本拠点前まで来れた事に
やっとホッと安堵しようとして居ると、その反対側?…何やら北門が有った
方向より騒がしい声が聞こえて来る!…それは徐々にこちらに向かい大きく
聞こえるよう響いて来ると、如何やら喧嘩をして居る様にも聞こえ!…
それと同時にその声に何やら聞き覚えが如何にも有って、ライザやレイヴン…
はたまたオリハにシロと!…まさかと言った具合にその声の聞こえる方に
視線を向けると、そこで何かと戦って居る人影の姿を目撃する!…
「……ッ!…人?…しかもあの様子だと敵兵達と戦ってますかねぇ?…
…と言うよりここ等辺で戦ってそうな人と言えば…」
この時オリハもその騒がしい様子に気が付いた具合で耳をピクと反応させ!…
その騒がしい方向に視線を向けると、そこで何やら多人数が敵兵達に対して
大乱闘をして居る光景を目にする!…その際その敵兵を相手にして居る多人
数の方を心配するのだが、明らかに無双して居る様子が伺え…何なら喧嘩を
しながらその敵兵達を相手にして居る様で、オリハも何と無く察しが付いたよう
想像で言葉を口にすると、シロもその声の主の言葉が耳に入ったのか!…
嬉々として耳をピクッと反応させると、その声の聞こえる方へと駆けて行く!…
「…ッ!!…ご主人様!!」
__バッ!!…テテテテテテテテテ!!!…
「ッ!?…あぁ、シロちゃん!?…」
「ッ!?……はあぁ~…しゃ~ない!…追い駆けるで!」
シロはその声の主がマサツグである事に気が付くと勢い良く駆け出して行き!…
オリハもオリハで突如シロが駆け出して行った事に驚きを露わにすると、慌てて
手を伸ばしては一度引き留めようとして見せる!…だがそのオリハが伸ばした
手は掠る事無く空しく空を斬って見せると、そのままシロを行かせてしまい!…
当然そうなるとシロ一人だけを行かせる訳には勿論行かず!…ライザが呆れた
様子で溜息を吐いて見せると、その駆け出して行ったシロを追い駆ける様に
号令を出す!…さてそこからは一度や二度のエンカウントに巻き込まれる事を
ライザ達は覚悟するのだが、何事も無くその騒がしい声の方へと近付く事に
成功し…何ならその騒がしい方へ近付いた事でハッキリと確信!…その声の主が
やはりシロの言う通りマサツグの物である事に気が付くと、更にはその会話の
内容に頭を抱える!…何故なら!…
「だぁ~かぁ~らぁ~!!!…
あっちは元の道に戻る方向だっつってんだろうが!!!!…
テメェはもう帰りたくて仕方が無い駄々っ子ちゃんかっての!!!」
「ッ!?…五月蠅い!!!…
貴様こそ先程まで同じ所をグルグルと馬鹿みたいに回って居たでは無いか!!!…
……いや違うな?…馬鹿だから回って居たと言うべきか!?…」
「ッ!?…ンだとこのナルシスト野郎!!!…
何だったら今ここで他の奴らとまとめてぶっ飛ばしてやってもいいんだぜ!?…」
「ッ!?…上等では無いか!!!…
一度貴様には礼儀と言うモノを叩き込んで!!!…
無様に地面へ這い蹲せ泣きを見せてやる!!!…」
その声は明らかに修羅場を迎えて居り、会話の内容も正直に言って幼稚と…
しかし如何やらマサツグの他に誰かが居る事に間違いは無い様で、その誰かは
分からないがもう片方も負けじとマサツグに噛み付いて怒気を挙げると、
マサツグの事を馬鹿にする!…さてそうなるとその修羅場の空気は一気に
一触即発の状態になり、もう近付く事を躊躇いたくなるのだが!…しかし
この時シロは構わずマサツグに向かってドンドン突き進んで行って見せ!…
遂にはマサツグに向かい飛び掛かって行く体勢へ移行すると、その向こうでは
モツとアヤが二人を宥めに掛かっていた!…
「お、落ち着けって!!!…
こんな所で言い合いをして居ても仕方が無いだろ!?…
てか、敵の本拠地の中心部まであと少しなんだ!!!…
こんな所で無駄に体力を消耗する様な事をするなよ!!…」
「そ、そうよ!!…どっちも冷静に!!…
それに私達から言えば二人共五十歩百歩なんだから!!…
くだらない事で喧嘩を!!!…」
「「ッ!!…だって、コイツが!!!…ッ!!…アァン!?…」」×2
それこそ重要な戦力を削る訳には行かない!と言った具合に必死に説得!…
何とか穏便に済ませようとするのだが、二人はヒートアップする一方で!…
この時アヤもまるで二人のお姉さんになったよう注意を口にし!…二人に
それぞれ非が有った事を口にすると、マサツグとグレイはその言葉を聞くなり
擦り付け合う!…さてそうなって来るともはや仲が良いのでは?…と思わず
考えてしまうのだが、依然としていがみ合い!…まだ互いに剣を向け合って
居ないだけマシかと!…とにかくその二人を宥める方法についてモツが
ひたすらに頭を抱え悩んで居ると、そこへ核弾頭と化したシロが突っ込んで
来る!…
__バシュウウゥゥゥン!!!!…ドゴオオォォ!!!…
「ッ!?…ンゴ!?!?…」
「ごしゅじんさまぁ~~~~!!!!」
「ッ!?…シ、シロちゃあぁん!?」
自身の間合いにマサツグを入れるとスイッチオン!…この時並み居る敵兵達に
触れる事無く波を潜り!…マサツグの脇腹に向かって頭突きを繰り出す様に
飛び掛かって行くと、見事マサツグの脇腹を貫いて見せる!…その際マサツグも
シロの気配に気が付いて居なかった様子で諸ノーガードに吹き飛ばされて行くと、
奇妙な悲鳴?…を上げては地面に倒れ!…だがその一方でシロはマサツグと
再会出来た事に歓喜しては頭をグリグリ!…まるで追い打ちを掛けて行く様に
倒れるマサツグに懐いて見せると、その光景を目にしたモツ達が慌て始める!…
さてそうしてシロがその一触即発の空気を壊した所で!…後から合流して来た
ライザ達もその光景を目にすると!…
「……なにこれ?…何やってんだ?…あいつ等?…」
「…一応敵に囲まれては居る様だが?…解らん…」
__シュン!…バババッ!!…シュパパパアァ!!!……ドサドサドサドサ!!…
空気特攻のシロが作り出した現状にライザ達は困惑!…一応援護に入れる状態で
構えると、目の前の光景にただただ戸惑い!…互いに何が如何してこうなった?…
と言っては理解に苦しみ!…本当に何をすれば良いのか?と思わず悩み出して
しまうと、オリハは語るよりも先に!と動き出す!…この時勿論その手に鉄扇を
握って見せると、敵兵達を薙ぎ払う様に一掃!…鉄扇を閉じた状態で敵兵達を
峰打ち!…まるで流れる様に敵兵達を一気に制圧をしてしまうと、モツ達の逃げ
道を確保する!…
「ッ!?…オ、オリハ!?…」
「話は後!!…早く逃げて下さい!!…
このまま進んで東門に入って本丸に!!…
そこの馬鹿兄は私が!!…」
「ッ!!…ば、馬鹿兄って!!…
…と、とにかく助かった!!…行くぞ!!!」
突如自身の周りの敵兵達が倒れ出した事でモツ達は戸惑い!…そこから更に
オリハが駆けて来た様子で姿を現すと、モツ達は安堵すると同時に驚きも
する!…その際オリハに何が有ったのか?を尋ねようとするのだが、オリハは
その話を聞かずに急かし!…その際シロに懐かれて居るマサツグは自分に
任せるよう!…マサツグの事を馬鹿兄と言って更にモツ達に逃げるよう道の
案内まで済ませると、更にモツ達を戸惑わせる!…だがそのオリハの厚意を
無下にする訳には行かず、オリハの言う事を聞いた様子でその逃げ道から
戦闘の脱出を試みると、オリハは手早くマサツグを回収するなり走り出す!…
__バババッ!!……ガッ!!…ダッダッダッダッダッダッ!!!…
「……ッ!…あっ!…出て来たな?…
って、ンな事言ってる場合やないか!!…」
「ッ!!…イカンイカン!!…俺もぼぉッとしてた!!……殿位は!!…」
「キッチリ務めよかぁ!!!」
マサツグにシロをくっ付けたまま!…オリハは自身の肩にマサツグの腕を
回して抱え!…まるで火事場の馬鹿力を発動するよう!…機敏にその敵兵達の
波から脱出をして見せると、モツ達の後を追う様に逃げ始める!…すると
その様子を見ていたライザ達もピクッと反応!…モツ達やオリハ達が逃げて
来た事でハッと意識を取り戻し!…その後を追い駆けて来るよう敵兵達も
こちらへ向かって走って来て!…その様子を目にして迎撃の構えを取り
始めると、ライザは龍撃破を!…レイヴンは魔法を持って殲滅に掛かる!…
__……スッ…コオオオォォォ!!……
「龍!…撃!…波あぁ!!!」
「…ッ!!…エクスプロード!!!」
__ゴッ!!…ギャアアァァス!!!……キンッ!!…ドゴオオオォォ!!!!…
ほぼ同タイミングでオリハ達との距離を考えつつ!…何の躊躇いも無しに
勢い良く技を撃ち出して行くと、その着弾地点で大爆発を起こして見せる!…
その際ライザの龍撃破はその向かって来る連中を飲み込んでしまい!…
レイヴンのエクスプロードは二の丸にクレーターを作って見せ!…勿論加減は
しているがそれでも強力である事に何も変わらず!…敵兵達を軒並み死屍累々
に変えてしまうと、無事にモツ達との合流に成功する!…さてこうして何とか
本丸を前に全員が合流する事に成功すると、ここでふと疑問が…
「はぁ!…はぁ!……ッ!…
ライザ!!…レイヴン!!…無事だったのか!!」
「当たり前やろ?…こんな所でくたばれるかい!!…
…てか俺ら反対側に居ったんやけど…何か豪い怒鳴り声が聞こえとったで?…
一体何が有ったんや?……って、何方さん?…何か見覚えは有るんやけど?…」
「ッ!…助けて貰ったのに紹介が遅れて申し訳ない!…
私はグレイ!…グレイ・レンボルト…」
「ッ!?…ちょ!?…はぁ!?…グ、グレイって言ったら!!…
あの数人しか居らん剣王様の一人やないかい!!…何でこんな所に!?…」
その疑問と言うのも何やらメンバーが一人増えている様な?…そんな疑問を覚え
つつ!…とにかく全員が無事である事に話しを咲かせようとして居ると、やはり
気になった様子で質問が出る!…するとその質問を受けて本人もピクッと反応
すると、紹介が遅れた事を謝っては改めて自己紹介をし始めるのだが!…その
グレイの名前が出て来た途端!…ライザとレイヴンもそのグレイの名前を知って
居る様子で慌て出し!…何故ここにそんな有名人が!?…と言った具合に目を
見開き驚きを露わにして見せると、モツが呆れた様子で事の経緯を説明する!…
「……ヤブが言うには兄弟子らしい…
…ヤブ…まさかのあの剣神の弟子になったみたいで…」
「ッ!?…ちょ!?…はぁ!?…で、弟子って!!…
あの鬼みたいな特殊条件でなるになれない弟子をぉおぉ!?…」
「……認めたくは無いがな!!…しかし師匠が弟子と決めた以上!…
私とて受け入れるしかない!……確かにコイツには底知れぬ素質がある!…
だがそれはまだ全然開花して来る様子は見られない!!…
…恐らく師匠はそこに興味を持たれたのであろう!……はあぁ~…
全く!…師匠の変わり者好きには本当に困らさせる!……あと女好きも!…」
モツは簡単にグレイの事をマサツグも交えて説明をする!…その際口にした
言葉と言うのはトンデモなかったらしく、グレイはマサツグの兄弟子と!…
それと同時にマサツグが剣神に弟子入りした事についても軽く触れ出し!…
そのモツの話しを聞いてライザ達が更に目を見開き驚き戸惑った様子を見せて
居ると、その条件についても軽く触れる!…何でも弟子になるには相当敷居が
高い様で、まず普通にはなれないと言い!…だがそれを否定する様にグレイは
弟子と肯定して見せ!…認めたくない!と言った具合に不満を口にしつつ!…
その剣神に対しての愚痴を思わずモツ達の前で零してしまうと、ライザはその
話に麻痺する感覚を覚える!…
「ッ!?……と、とにかく!!…マサツグを早よ起こして先行こか…
何や普通って感覚が麻痺しそうになって来た!…」
「ッ!……お前に普通なんて言葉が有ったのか…」
「ッ!?…俺の事なんやと思ってんねん!!!」
もはや何が正しいのか分からなくなって来た様で…考えたくも無い具合に
先を急ぐよう言葉を口にし!…その際率直に先程の話を聞いて感覚が麻痺
して来たかの様に話しを続けると、ライザは徐に自身の頭を抱え始める!…
それこそ突如頭痛を覚えたかの様に片手で頭を抱えて見せるのだが、そこへ
マサツグもスッと目を覚ました様子で徐にツッコミを入れ!…この時辛辣に
も普通の感覚を持って居るのかと!…当然この言葉にライザもピクっと反応
して見せ!…すかさず振り返りマサツグに対して文句の言葉を言い放つと、
更にマサツグは続けてこう返事をする!…
「奇人変人。」
「ッ!?……って、そこは有ってるから否定出来ん!!!…
何やコレ!?…ものごっつ何かモヤモヤする!!…」
「……そんな訳の分からん話をしている場合でも無いだろ?…
ほら!…さっさと先に……」
もはやライザの代名詞なのか?…マサツグはただ真顔でライザの事を
奇人変人と!…するとその言葉にライザが怯んだ様子で一歩後ろに
下がってたじろいで見せ!…言われた事に対して否定出来ない!…
寧ろ有って居る!と思わず認めてしまうと、更に頭を抱える様にして
悶え出す!…それは自身の中の何かと葛藤する様に!…ライザ自身
モヤモヤする!と言ってはクネクネ!と…当然そんな様子に周りの面々は
呆れ出し…モツが仕切る様に先を急ごうとばかりに声を掛けようと
すると、次の瞬間その本丸への道の門が独りでに開き出す!…
__ガゴンッ!!…ギイイイィィィィィ!!……ッ!?…
「……え?……じ、自動ドア?…」
「ンな訳ないやろ!!…
…誘われてるみたいやな?…罠かそれとも…」
「…何方にしろ行くしか無いだろ?…全員警戒は怠るなよ?…」
それはまるでBOSS戦の様に!…ゆっくりと軋む音を立てながら独りでに門は
開き始め!…当然その事に気が付いた全員が驚いた様子で反応して見せ!…
それぞれが突然の事に対して戸惑った表情を浮かべて居ると、その門の先からは
何やら不気味な雰囲気が!…それはまるで何か大物が居る様な謎の緊張感を
覚えるモノで、マサツグが思わず小ボケみたいな事を口にすると、ライザが
すかさずツッコミを入れる!…そしてその独りでに開いた門に対して警戒を
強め言葉を口にして居ると、モツも警戒した様子で言葉を!…その際全員に
注意するよう声を掛けると門へ近付き!…堂々と入るのではなく、何か攻撃が
飛んで来るかもしれないと警戒した調子で門の向こうの様子を確かめると、
そこで何やら人影を…
__ザッ!…ジリィ……チラッ?……ッ!…
「…人影が一人…ッ!…いや二人か?…でも片方は如何見ても子供っぽく…
…人質にしても何で…もっと早い段階で何かできた筈じゃ?…」
瘴気の中に姿を隠すよう!…その内一人は何やら鎧武者の様で、本丸前にて
長物を持った様子で仁王立ちしており!…そしてその傍ら!…身長はシロと
同じ位か、とにかく何か何処かで見た事のあるシルエットがその瘴気の
カーテンよりチラチラと見えて居ると、モツがそのシルエットを目撃しては
疑問を持つ!…と言うのも何故こんな所に子供が居るのか?…そして何故
瘴気の中に居るのか?…人質にしては色々と何か様子が可笑しい事に気が
付いて居り、アレは何なのか?とモツが何かの罠なのか?と思考を駆け
巡らせて居ると、突如マサツグがハッとした様子で反応する!…
「………ッ!!…ま、まさか!!…」
「ッ!?…あっ!…おい!!……ったく!!…全員行くぞ!!!」
__ザッザッザッザッザッザッザッ!!……ッ!!…
「…やっぱり!!…おいフィロ!!…
今まで何処に行ってたんだよ!!…心配したんだぞ!?……ッ?…」
それこそ何か探して居たモノを見つけた様子で!…マサツグは驚いた具合に
その本丸の方へと駆け出して行くと、周りの面々を置き去りに!…となると
そんなマサツグを放置しておく訳には当然行かず!…モツが慌てた様子で
一度は引き留めようとするが、マサツグは呼び止める前に行ってしまう!…
さてそうなると結果としてマサツグを追い駆けなくてはならなくなってしまい、
モツは呆れた様子で全員に声を掛け!…その一方でマサツグはその二人の前に
立つよう移動をして見せ!…若干距離を開けた所でその幼い方の影に!…
その影の事をフィロと呼んで心配した!と言葉を口にして見せると、次には
その瘴気のカーテンが晴れて二人の姿が露わになる!…するとそこには…
__……ふぁあああぁぁぁ!……
「………。」
「……フィロ?…」
そこに現れたのはあの紅月衆の里を最後に別れたフィロの姿が…その際着ている
服は前と変わって陰陽師っぽい物に変わって居り、何やら虚ろ気な様子を…
そしてマサツグの呼び掛けに対して何も返事を一切せず!…ただ無気力に目の前に
立って居るマサツグに視線を向けると、何やら不穏な空気を漂わせる!…すると
これにはマサツグも思わず警戒!…若干後ろに下がる様な挙動を見せると、思わず
身構え!…とにかく何がか可笑しい事に感付いて居ると、その隣の鎧武者が
話し出す!…
「…その者はもうお主の知って居る者では無い!…
この者は我ら秋雲国の忠実な僕!…管狐となったのだ!!…
…そして!!…今より!!…貴様たち侵入者を排除する!!…」
__チャキッ!!…スッ……ッ!?……
その鎧武者はマサツグに対して槍を構える様な素振りを見せ!…フィロはもう
マサツグのペットで無い!と言葉を口にすると、管狐と存在を改めさせる!…
その際忠実な僕になった事も続けてマサツグに話して見せると、敵意を露わに
してはマサツグ達を排除すると言い!…するとその言葉に反応してかフィロも
身構える様な素振りを見せ!…二人揃ってマサツグに敵意を向ける様な!…
そんな会話をされた事にマサツグとしても更に戸惑った様子を見せて居ると、
後からモツ達も合流する!…
「ッ!!…マサツグ無事か!!…って何だこりゃ!?…」
「オ、オイあの嬢ちゃん!!…マサのペットやなかったんか!?…」
「………。」
モツ達が現場に到着するなりまずは心配の一言、そして辺りの様子を確認して
フィロが敵対して居る事に驚き戸惑い!…するとその様子にライザも戸惑った
反応でマサツグに質問!…マサツグに状況を説明するようフィロはペットで
無いのか!?と…それこそ慌てた様子でフィロを見詰めてマサツグに事の成り
行きについて尋ね出すと、マサツグも困惑した様子でただフィロの事を見詰め
続ける!…さてその間フィロは全く動じる事無く身構え続けると、マサツグ達に
対して無言を貫き!…するとそんな様子を見てか鎧武者も何やら反応!…この時
やり辛そうに若干言葉に詰まった様子で呼吸を口にし!…徐に自身の名前を口に
し出すと、明確にマサツグ達へ向けて敵意を見せる!…
「……ッ…我こそはこの秋雲国・秋川時継軍の懐刀!!…
千石源次郎義光!!!!…
我に挑まんとする者よ!!!!…目に物を見よ!!!!!」
「ッ!!…フィロは俺に任せてくれ!!!…
…何か可笑しい!!…モツ達はその鎧武者の方を頼む!…」
その紹介は名乗りを上げる様に!…勇ましく十文字槍を構えては懐刀と!…
まるで門番を務めるが如くマサツグ達に覇気を放つよう言葉を口にして
見せると、マサツグもハッとした様子で気を取り直す!…この時呆けている
時間が無い事に素早く気付くと、慌てた様子でモツ達に指示!…と言うのも
フィロは自分一人で何とかすると!…その際余程鎧武者に邪魔をされたくない
からか、とにかく鎧武者の方は任せる!と言った具合に慌てて指示を出すと、
そのマサツグの言葉にモツが慌てる!…
「ッ!?…ちょ!!…ちょっと待て!!…
ヤブ一人で如何こう出来る!!…」
__チャキッ!!…ババッ!!…
「ハアアアアアアアァァァァァ!!!」
「ッ!?…ちょ!?…こっちも!?…」
それもその筈!…相手は一度屈服させた事が有るとは言え魔王であり!…
そう簡単に何度も勝たせてくれる筈が無いからである!…そしてそれを
心配したモツはマサツグに待った!を掛けようとするのだが、その
マサツグの指示をまるで受け入れたかの様に!…グレイは突如として
鎧武者に向かって突貫をし始め!…更にその場に居る全員を戸惑わせると、
遂にはその二人との戦闘に突入し始める!…
「ッ!!…甘いわ小童がぁ!!…」
__ガキイイィン!!…ッ!?…フォンッ!!…ドゴォ!!…
「ッ!?…ガハッ!!…ッ~~!!…貴様心眼持ちか!…」
「ッ!…フン!…
一度の攻撃でそれを見破るとは!!…
小童風情がやりおるな!!…」
グレイはまるで抜刀術を繰り出す様に義光へ突貫!…そして自身の間合いに
義光を入れた所で剣を抜刀しようとするのだが!…義光はそれを読んで居た
かの如く槍を振り上げては回転させる様に弾いて見せ!…その勢いそのままに
柄の部分でグレイの事を突こうとすると、グレイも咄嗟に回避に入る!…
しかし結果として回避はし切れなかった様子で左肩に被弾!…思いっきり
突かれてはバランスを崩し!…だがタダでは転ばなかった様子であるスキルを
特定!…それを踏まえて左肩を庇いつつ!…改めて剣を構えて見せると、
義光もオッ?…とばかりに称賛する!…だがやはりグレイの事を小物と見て
居る様で、依然として上から目線で!…その一方でやはり戦闘が始まった事で
モツ達は慌てに慌て!…思う様に上手く行かないと嘆きそうになって居ると、
アヤがある質問をし始める!…
「……ね、ねぇ?…さっき言ってた心眼って?…」
「ッ!…あ、あぁ…心眼って言うのはちょっとした技能で…
簡単に説明をするとどんな攻撃でも弾く!…更に痛い所を突ける!…
って、言った特技みたいなもんだ!……で、厄介なのがその打破する方法!…
これも簡単に説明をすると…要は不意を突ければいいんだが?…」
「ッ!…不意を突ければ何とかなるのね?…
だったら私が何とかするから!…皆はあの鎧武者に専念して!…」
「ッ!?…あぁおいちょっとぉ~!?…」
アヤが気になった事と言うのはグレイが言ったスキルの事で、「心眼」とは
何かと!…この時偶々近くにいたレイヴンがその質問を受けては反応して
見せ!…アヤにも分かる様に厄介なスキルである事を口にすると、その対処法に
ついても話し出す!…この時その対処法に置いてもレイヴンは簡単に不意を
突ければ!と答えると、アヤはふと何かを思い付いた様子で反応し!…そして
次には私に任せろ!と口にしては移動し始め!…突如弓を手に場所を選ぶよう
何処かへと向かって行くと、そんなアヤの突拍子もない行動にレイヴンが
驚く!…さてその際アヤは何やら天候が気になる様子で空を見上げると、
敵に悟られないよう移動し!…
__ザザッ!!…ザザッ!…チラッ?…
{……よし!…ここからならあの鎧武者も狙える!…
…恐らく私の場所も悟られて居ない!…
あのグレイって人が注意を集めてくれている!……あとは!…}
__カッ…ギリィ!!……ッ!!…
この時その義光の注目は一点にグレイへと注がれており!…アヤの事など
アウトオブ眼中!…それを良しとばかりに絶好のポジションを見つけ出し!…
後ろから射貫く様にして義光に向かって弓を構えて見せると、その様子に
気が付いた面々が動き出す!…と言うよりももう戸惑って居る時間など当然
無い訳で有って!…とにかくこの事態をさっさと終わらせる様に!…思考を
切り替え事の終結に尽力するよう身構えて行くと、次にはアヤが矢を放つ!…
「……ッ!!…いっけぇ!!…」
__カッ!!…バシュン!!!…
「ッ!!…甘いわ小娘!!!…」
__フォン!!…バキィン!!!…ッ!?…
それこそ最後の最後まで油断はしない!…気配を隠しつつ義光の背後から矢を放つ
のだが!…義光はそれをも悟った様子で突如振り返り!…その振り返り様で飛んで
来た矢を甘いわ!の一言で弾いて見せると、その矢を放った張本人を驚かせる!…
と言うのもアヤとしても会心のタイミングで狙ったのだが、奇襲は見事に失敗!…
だがアヤからすればそれは別に本命とかでは勿論なく!…別に狙いが有ると言った
具合にただ義光の注目を集めて居ると、更に奇襲を掛けるようグレイとモツが動き
出す!…
__ババ!!…チャキッ!!…
「背後を見せたな!!…おっさん!!!」
「これも命を懸けた戦い!…卑怯とは言うまい!!!」
「ッ!?…更に奇襲を掛けて来るか!!…しかし!!…」
それこそ義光がアヤの方を振り向いた瞬間!…グレイは義光の背後より斬り掛かる
様にして剣を握り!…するとそれに合わせてモツも剣を手に奇襲を仕掛け!…二人
揃って背後から!…勿論グレイ自身卑怯とは感じつつも!…致し方が無い!と
言った具合に掛かって行くと、更に義光は物凄い抵抗をして見せるのであった!…
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たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
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ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
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大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
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これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
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