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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章六十四節 狂人の化け物と無残な援軍と狂人の能力-

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時間は少し戻る…話としてはモツ・アヤ・レイヴン・シロ・ライザ・オリハの

六人がそれぞれ瘴気を如何にかする為に動き出した所であり、マサツグも謎の

怪人に喧嘩を売られた所より始める!…その際マサツグ一人だけが弾き飛ばされた

よう連れ去られると、マサツグはその化け物を相手にすると言い!…その化け物を

目の前に覚えが有るのか若干警戒した様子で大剣を構えて居ると、その化け物は

マサツグと二人っきりになれた事で喜びを露わにする!…


「……クハハハ!!…本当ニ良イノカイ?…

何ナラ今カラデモオ仲間サンヲ呼ンデモ良インダゼェ?…

俺ァ全員ガ相手デモ構ワネェンダカラヨォ?…」


「…別に要らねぇよ…テメェを倒す位ならよ!…

てか、テメェも随分様変わりしてんじゃねぇか?…えぇ?…

この出禁野郎!…」


その化け物はマサツグに対してニヤニヤと笑いながら刀を肩に掛けると、中腰に

なるよう足を開き!…左肘を左膝に乗せてはまるで下から舐める様にして視線を

向け!…まるで自分の方が強いと言った具合に余裕の態度を取って見せると、

次には今からでも遅くは無いとばかりに忠告をする!…その際忠告した内容と

言うのは先程の仲間を連れて来ても良いとの事で、それを聞いたマサツグはその

言葉に対して真っ向から反論!…要らないと答えるだけに終わらずそれどころか

余裕を見せる様にその化け物の事を馬鹿にして見せ!…更には続けて見た目が

変わった事も口にし出し!…その事についても気色が悪い!と言った具合に

嘲笑うよう言葉を続けて見せると、その話を振られた事で化け物もイラっと

する!…と言うよりも見た目の事を言われて腹を立てたのでなく、自分が

軽んじられて居る事に腹を立てて居る様で!…だが簡単にキレると言った様子を

見せるのではなく!…まだ対話を続ける様に不敵な笑みを浮かべて見せると、

更にマサツグへ質問をする!…


「……ヘッ!…相変ワラズ舐メタ口ヲ利キヤガル!…

…マァ良イ!…トニカク俺ハ今!…テメェヲ斬リタクテウズウズシテンダ!…

…理由ハァ?……言ワナクテモ分カルヨナァ?…クハハハ!…」


「……知りたくもねぇし考える気もねぇ!!…

用がねぇならとっとと消えろ!…こちとら忙しいんだからよ!…」


「ッ!…オォ~オォ~!…サスガ英雄様!!…大層忙シソウデイラッシャル!…

…ケドヨォ?…コウシテ今俺ハテメェノ前ニ立ッテルンダゼ?…

勿論ヤル事ハ分カッテンダヨナァ?…」


「ッ!…チ!!…何処までも面倒な奴だ!!…

そんな形になってまで俺に恨み持つとか!…暇人過ぎんだろうがよ!!…」


それこそこの時の化け物の様子はメンヘラみたく、面倒臭い質問をすると

マサツグをイライラさせ!…マサツグはマサツグでそんな化け物に対して

忙しい!の言葉でバッサリ切り!…さっさと掛かって来い!とばかりに

言葉を続けると、その目の前の化け物は更にマサツグを煽り出す!…だが

いつまでも煽ってばかりで無い様で、次には漸く重い腰を上げる様に刀を

握るとまるで蛮族みたいな構えを取り!…マサツグとしてもその化け物が

そんな構えを取った事に若干驚き!…それと同時に自分に恨みを持って

居る事についても気が付いたよう!…とにかく面倒の言葉を口にすると、

次には互いにぶつかるよう鍔迫り合いをし始める!…


__ザッ!……バババッ!!…コオオォォォ!!!…ギイイィィィン!!!…


「ッ!?…お、重!!…」


「yeeeeeeeeeeeeeeeeeeehaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」


「ッ!?…クッ!!…人間止めやがってぇ!!…

何なんだこのパワーは!?…一体何が如何なってるって言うんだ!?…

…おい聞いてんだろ!?…鹿えぇ!!!」


互いに袈裟斬りを放つ様にして剣を振り下ろし!…そのまま鍔迫り合いの押し問答

になると、マサツグはその異様な板らの強さに驚かされる!…まぁ確かに最初吹き

飛ばされた時に力がダンチである事には薄々気付いてはいたのだが、改めて受けて

みると驚くモノで!…何なら目の前から迫って来る化け物は奇声を発しながら

マサツグを圧し!…マサツグも何とか耐えるので精一杯!…相手が元人間である

事を口にすると、その正体をあの鹿之助と口にする!…その際何処でそんな力を

手に入れたのかについて尋ねると、鹿之助はニヤリと笑い!…ただこの瞬間を

待って居たとばかりに奇声を発し続け!…遂にはマサツグとの鍔迫り合いに圧し

勝って見せようとすると、マサツグもそうはいかない!とばかりに崩しに

掛かる!…


「キヒヒヒ!!!…ヒャアアッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!」


「ッ!!…完全に狂ってやがん!…な!!」


__ガキンッ!!…ッ!……フォン!!…ドザアアァァンゴロゴロゴロゴロ!!…


「はぁ!…はぁ!…単純に力が強ぇ!…けど!…

技は今まで通り大した事はねぇな!…

…何より気になるのはアイツの持っているあの薄気味悪ぃ刀!……

何かアレから嫌な気配を感じる!!……鑑定アプレェィザァル!!」


圧して来る鹿之助に対してマサツグは重心をズラす様に!…逃げる様にして

鹿之助の攻撃を後方へ流して見せると、鹿之助はそのままマサツグの後方へと

転がって行く!…それこそ今まで押していた分が反映される様に!…勢い良く

飛んで行くと地面を滑るよう複雑に転がり!…その勢いはまるで乗用車に撥ね

飛ばされたよう何度も弾み!…何処か骨折して居ても可笑しくない程に地面に

体を打ち付け!…約5m位の所で漸く鹿之助が止まって見せると、暫くの間

地面に横たわって居た!…そして逃げたマサツグとしても改めて体感したその

パワーに息を切らして居ると、冷静に分析をし!…パワーは有れど技量

イマイチ!…その際鹿之助の持っている刀を気にし、一度詳細を調べる様に

鑑定アプレェィザァルを発動すると、マサツグの目の前にはその鹿之助の

開示される!…


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「奇術の馬場鹿之助(瘴気狂人化)」  

 Lv.55

   HP 66500 ATK 540    DEF 500

      MATK   0   MDEF 450


 SKILL

 瘴気吸収 Lv.10 殺人剣 Lv.10 血の渇望 Lv.10 
 -----------------------------------------------------------------------


「本当に変わり過ぎだろ!!…何なんだこれ!?…

前と変わって強そうじゃねぇか!!」


「…イチチチチ!……アァ~ア?…酷ェジャネェカ?…

折角ノ鍔迫リ合イカラ逃ゲルナンテヨォ?…

アンタソレデモ剣士カイ?…見損ナッチマウゼ!…」


「ッ!!…テメェ!!…」


マサツグの目に前に表示されたのはあの時と打って変わって殺意に塗れた

ステータス画面!…そこには前に見掛けた筈のあの猿達を活用したスキルが

何処にも無く!…代わりに追加されたのは人を殺すのに特化した!…もはや

そこら辺に居るモンスターと変わりの無い物がそこには表示されており!…

マサツグも驚いた様子で文字通り人間を辞めている事に戸惑いを覚えて居ると、

その間にも鹿之助は目を覚ます様に体を起こす!…その際マサツグの事を

嘲笑うか様にゆっくりと上体を起こして見せると、鍔迫り合いから逃げたと

笑い!…更には見損なったと剣士の恥とばかりに言葉を口にし!…マサツグと

してもその言葉を言われた事で何かムカッとするモノを感じて居ると、次には

何処からともなく人が来る!…


「ッ!!…おい!…アンタ大丈夫か!?…今助けに!!…」


「ッ!?…馬鹿!!…こっちに来るんじゃねぇ!!!」


「ッ!…何ダァ?…折角人ガ楽シイ思イヲシテイル最中ニィ?…」


「ッ!?…な、何だコイツ!!…人間か!?…」


騒ぎを聞きつけた様子で援軍の冒険者達が戦闘に参加をする!…その際マサツグを

労わるよう声を掛けると武器を手に鹿之助の背後を取るのだが、マサツグは直ぐに

逃げるようその冒険者達に指示!…鹿之助もそんな冒険者達の存在に気が付き!…

邪魔が入ったと言葉を口にすると、そのターゲットをマサツグから冒険者達へ

向け始める!…その際完全に振り向くのでなく中途半端に首だけ回して後方を確認

すると、その鹿之助の顔色を見た冒険者達は不気味がり!…その一方で鹿之助も

ゆっくりと体を振り向かせ始め!…目の前にその冒険者達を据えてみると、次には

その冒険者達に向けて襲い掛かる!…


「……オイ?…邪魔ヲスルッテ事ハ覚悟シテンダロウナァ?…」


「ッ!!…く、来るぞ!!…直ぐに身構え!…」


__ズバシュン!!!……ッ!?……ッ!?!?…


この時マサツグの援護に入った冒険者は三人!…騎士の男性と魔術師の男性、

後は回復役の女性なのだが…鹿之助はその内しぶとそうな騎士に目を付けると

ゆっくりと騎士に向かい歩き始め!…騎士もそれに合わせて仲間に身構える

よう指示を出し!…鹿之助に向かいその大盾を構えて見せようとするのだが、

次の瞬間には身構えるよりも先に斬られてしまう!…その際驚くは鹿之助の

機敏さ具合で、騎士が大盾を構えるよりも先に懐へ潜り!…更にはその騎士は

プレートアーマーを着けていた訳なのだが、そのプレートの合間を狙い一閃!…

見事にその騎士の片腕を飛ばしてしまい!…助けに来た他の冒険者達に恐怖と

言う驚きを与えると、騎士を行動不能にする!…


「ッ!?…ウガァ!?…」


「…チッ!!…ヤッパソノ鎧ガ邪魔ダヨナァ?…

ンナモン着テ来ナカッタラ苦シマズニ世ヘ送ッテヤッタノニ!…」


鹿之助が斬ったのは右腕!…恐らくその冒険者の利き腕であろう剣を持つ方で!…

当然斬られた事により騎士はその場で蹲り!…出血を押さえる様に脇の動脈を

押さえに掛かると、動けなくなる!…その際騎士の表情からは明らかに苦痛の

様子が見て取れると、額には我慢をするよう血管が浮き出て!…その一方で斬った

張本人である鹿之助はケラケラと!…上手く行かなかった事に残念と嘲笑う様に

言葉を口にすると、その鹿之助の言葉に魔術師が怒る!…しかし!…


「ア!…アベルゥ!!…テメェよくも!!…」


__フォン!!…ズバシュン!!!……ッ!?…ッ!?!?…


「ッ!?…グハアァ!!!…」


「ッ!…アァ~アァ~!…イイナァ!?…コノ感ジ!?…

コノ感触コソ人ヲ斬ッテ居ルト!…一番楽シイト実感サセテクレルゥ!!…」


__ッ~~~!!……チラァ?…ッ!?…


魔術師が魔法を唱えるよりも先に動くと袈裟斬りに斬り捨て!…更にマサツグと

その女性を驚き戸惑わせると、鹿之助は恍惚の笑みを浮かべ出す!…そして

斬られた魔術師も何も出来ないまま地面に向かい崩れて行くと、左肩から右脇腹

に掛けて大きく出血をし始め!…その後はまるで痙攣するようピクピクとして

見せ、明らかに普通じゃない様子を見せて居ると、鹿之助は堪らないとばかりに

言葉を零す!…さてそうなると残るはヒーラーの女性だけとなるのだが、当然

鹿之助に怯え切っており!…鹿之助は鹿之助で視線をそのヒーラーに向け出し!…

まるで獲物を見つけた様に目を爛々と輝かせて見せると、その女性に対して刀を

構える!…


「……へへへ!…マァダ良イノガ残ッテルジャネェカァ?…

女ッテノハ良イヨナァ?…柔ッコクテ甘イ匂イガシテ!…

ソシテトテモ良イ声デ啼キヤガルゥ!!……」


__チャキッ!!…ッ!?…ヒッ!!…イ、イヤァ!!…


「ッ!…クハハハハ!!…イイネェソノ表情かお!!…

モット俺様ニ見セテクレヨォ?…ソノ可愛イ顔ガ絶望ニ染マル!!…

最ッ高ノ恐怖ノ様子ッテ奴ヲヨオォ!!!…」


まるで子羊を追い詰めるが如く!…獲物を見つけた鹿之助はゆっくりとその

女性に近付き!…女性は女性で恐怖のあまり足が動かず!…まるで産れたての

小鹿のようプルプルと足を痙攣させると、その場から逃げるに逃げられない

様子を見せて居た!…その際近付いて行く鹿之助はまるで本当に人斬りに

目覚めたよう狂気的な事を口にすると、その女性に狙いを定めては楽しいと!…

当然徐々に近付いて来る死に女性は怯えに怯えて居り!…とにかく言葉も

しどろもどろ!…恐怖のあまり涙を流し何とかして助かりたい!…と言った

反応を見せて居る、遂に鹿之助が斬り掛かろうとする!…


__スラァ!!…ッ!?…ッ~~~~!!!…


「止めろやこのボケナスゥ!!!」


__バシュン!!!…ゴオオオォォ!!!…ドゴオォォ!!!…


「ッ!?…ンゴヘェ!!!」


__ボガアアァァン!!!…ガラガラガラガラ…


それこそ鹿之助がその女性に対して刀を振り上げ!…今まさに斬り掛かろうと

すると、次にはマサツグが刹那を!…発動した途端一直線に鹿之助へ向かって

突撃して行き!…その鹿之助の左頬に向かって鋭い右ストレートを繰り出すと、

鹿之助をそのまま殴り飛ばす!…するとその殴られた勢いでか近くの壁に

叩き付けられるようぶつかって行くと、叩き付けられた鹿之助はその壁ごと

後ろに薙ぎ倒され!…何ならその叩き付けられた壁にはぶつかった衝撃で

風穴が開き!…円形状の通気性の良い!…瓦礫の下敷きとなってまた鹿之助が

固まったよう動かなくなると、マサツグは再び指示を出す!…


「……今すぐここから逃げろ!!…コイツは俺が相手にする!!…」


「ッ!?…え?…」


「ちゃんとその騎士の兄ちゃんも連れてギルドに迎え!…

そこでならまだ何とか出来るかもしれない!……あの魔術師はもう正直無理だが…

とにかく!!…ここは危険だ!!…さっさと行け!!…」


ただ単純に今すぐここから逃げる様に指示を出すと、女性に一切視線を合わせる

事は無く!…ただいつ起きて来るか!と言った具合に鹿之助を殴り飛ばした方向へ

視線を向け!…女性も女性で戸惑った様子でマサツグの言葉に返事をすると、

マサツグは急かす様に言葉を続ける!…その際戻るのではなく先に進んでギルドに

向かうよう声を掛けると、仲間を助ける様に助言をし!…だが魔術師の方は何処を

どう見てももう助かる見込みは無く!…マサツグとしても心苦しいのは勿論!…

だが見限る様に言葉を口にすると、とにかく邪魔だとばかりに急かし続ける!…

するとそんなマサツグの言葉に女性は戸惑った様な顔色を見せるのだが、理解は

した様子で!…


「ッ!?……は、はい!!…

アベル大丈夫!?…立てる!?…」


「ッ!…ア、アァ…それよりも!…」


「……如何やら私達がここに居るとあの人の足手まといになるみたい!…

だから逃げるの!!…

それにまだギルドに行けば何とかなるかもしれないって!…」


「ッ!!……クッ!…確かにそうかもしれないな!…

…おいアンタ!!…死ぬんじゃねぇぞ!!…」


__ッ!…グッ!!……ッ!………


女性は返事をするなり騎士の元へと駆け寄って行き!…肩を貸す様にして騎士の

男性を立たせて見せると、マサツグから言われた通りに先へと進む!…その際

最後まで騎士の男性はマサツグの事を気に掛けた様子を見せるのだが、回復役の

女性がそれを制止!…逆に自分達が邪魔になる事を口にすると治療を最優先にと

言い聞かせ!…騎士の男性もそれを聞かされた事でハッとしてた様な反応を

見せると、次には口惜しそうにしながらも納得した様子で女性に従う!…だが

やはり最後にマサツグへ言葉だけでも残したいと言った様子を見せると、死ぬな!

の言葉を口にし!…するとその言葉にマサツグもピクッと反応してはチラッと

振り向き!…その騎士の男性に向けて無言でサムズアップをして見せると、騎士の

男性もそれを見て安堵した様な様子を見せる!…その後は二人揃って足取りが

遅くもギルドへ向かうと、また鹿之助との一騎打ちの状態になり!…鹿之助も

鹿之助で瓦礫の中から起き上がり!…何かを思い出した様子で徐に自身の頭を

叩き出すと、また不気味に笑って見せる!…


「……アァ…マァタ殴ラレタァ……アァ…アァソウダ、ソウダッタ!…

思イ出シタ!!…俺様ハコンナ風ニ殴リ飛バサレタンダッタッケナァ?…

ソレモ一発ヤ二発ジャネェ!!…何発モダ!!!…アレハ痛カッタナァ?…

エェ?…ケヒヒヒヒ!!!…」


「ッ!…まだ殴られ足りねぇんなら相手してやるが?…」


「……ソノ馬鹿デカイ剣デ相手シテクレンダロ?…

ダッタラ剣士ラシク剣デ語ロウヤ!……ナァ?…英雄サンヨォ!!!」


__ジャキンッ!!!…バババッ!!!…


まるでその時の事を思い出す様に言葉を口にし出すと、その鹿之助の言葉に

対してマサツグも冷徹!…一切の容赦もしないと言った具合に眼光鋭く!…

ただ起き上がって来た鹿之助に対してぶちのめす!と言った感情を丸出しに

すると、大剣を手に身構え出す!…するとそんなマサツグの様子に興奮した

よう鹿之助は更に笑って見せると、マサツグに向かい対抗するよう刀を構え!…

その構えと言うのも鹿之助独特なモノとなっており!…やはりまるで蛮族!…

腰を落としては脚を開いて踏ん張りを利かせ!…さながら片手斧でも握るかの

よう刀を顔の横に持って来て構えて見せると、ギョロギョロと忙しなく目を

動かす!…それはもはや爬虫類の域を出て何か違うモノになっており、マサツグ

としても嫌悪感を持ち!…だがそうこうしている間に鹿之助は動き出すよう

更に踏ん張り!…マサツグもそれ見て動き出し!…互いに身構えた所でそれが

合図と言った具合に飛び出して行くと、激しい鍔迫り合いの始まりを告げるので

あった!…


そして時は戻って今現在!…数時間に及ぶ鍔迫り合いを続けに続け!…マサツグ

としてもさすがに疲弊しており!…


「…ぜぇ!…ぜぇ!…クッソしぶてぇなぁ!!!…

いい加減にしろよクソ野郎!!!…こっちは急いでんだよ!!!」


「クハハハハ!!!…ダッタラ倒シテ見ロヨォ!?…コノ俺様ヲヨォ!?…

マァソノ様子ジャ?…先ニ潰レルノハテメェノ方ガ先ダロウガナアァァ!?…」


__ブオン!!!…ガインッ!!!…


「ソレニ!!…俺様ニハモウアンナ奇襲紛イナ攻撃ハ通ジナイ!!…

何故ダカ分カルカ!?…エェ!?…」


度重なる押し問答と鍔迫り合い!…激しくTPを消耗しては息を切らし!…更には

その呼吸の邪魔をする様に瘴気が漂い!…TPの回復効率を著しく低下させると、

ジワジワとマサツグの事を追い込んで居た!…その一方で鹿之助の方はと言うと、

同じ条件下で在りながらピンピンとしており!…寧ろ生き生きとして居るまで

感じられる状態で!…疲弊するマサツグを目の前に、笑いながら煽る事を止めず

ただ勢い任せにマサツグの事を追い込むと、嬉々とした表情を浮かべていた!…

そしてマサツグに対してヒントを出す様に言葉を口にすると、奇襲は効かないと!…

それはブラフなのかそれとも真実で語って居るのか?…ともかくマサツグはカチンと

来た様子で突発的な一計を考えると、早速仕掛ける!…


「ッ!!…だったら今ここで試してやるよ!!!…オラァ!!!」


__ギャギギギィン!!!…スッ!!!…


{ッ!!…右ノ拳!!…フッ!…見エ見エナンダヨォ!?…

ソンナモン斬リ落トシテ!!!…}


__……ギュン!!…グオオオォ!!!…ッ!?…ババッ!…


マサツグは文句の言葉を口にすると、鹿之助との鍔迫り合いに勝つよう刀を

弾き!…するとそこから右手で拳を作ると若干振り被っては鹿之助を殴ろう

とするのだが!…鹿之助もそんなマサツグの様子を見てすぐさま反応!…

それこそマサツグが出して来る右ストレートに合わせて怯みを直すと刀を

構え!…逆にそのマサツグの右腕を斬り落としてしまおうとするのだが!…

マサツグは更にそれを読んだ様子で腰を捻る!…その際左手に大剣を握った

まま片手で肩を回す様にして持ち上げて見せると、続け様に大剣を振り

下ろし!…するとそんなパワープレイに鹿之助も途端に驚いた表情を見せ!…

思っていた攻撃と違うモノが飛んで来た事で慌てた様子を露わにすると、

直ぐさま腕を上げてはガードに入る!…しかしマサツグは構わず容赦なく

鹿之助に向かい大剣を振り下ろす!…


「どおおぉっせいぃ!!!!」


__グオンッ!!!…ガキイイィン!!!…


「ッ!?…な!?…」


「……フゥ~!…驚カサレタゼ!!…思ワズ腕ヲ上ゲチマッタァ!!…

…マダコノ体ニ慣レテナイナァ?…ダガ無意味ダ!!!…

俺様ハコノ通リ!!!…無敵ナンダヨォ!!!」


この時マサツグとしても確実に入ったと確信する!…何故なら相手はガードを

しているとは言えその場から動けず!…ただ攻撃が飛んで来るのを待って居た

からである!…そしてそれを見越してマサツグも思いっきり攻撃を振り下ろした

訳なのだが!…マサツグの攻撃はその鹿之助の腕に阻まられるとそのまま

弾かれ!…当然そんな手応えにマサツグも驚いた様子でノックバックしてしまい、

鹿之助も何とか間に合ったとばかりに一息吐くと、言葉を零す!…その際

マサツグの手にはまるで何か金属の塊を殴ったかの様な痺れだけが残ると、

ただ戸惑いの感情しか出て来ず!…その間にも鹿之助はガードを解くとニヤッと

笑い!…自分が無敵である事!…もうマサツグに勝ち目は無い事を口にすると、

今だ体勢を立て直せないでいるマサツグに向かい反撃を繰り出す!…


__チャキッ!!…ドヒュッ!!…ブシャアァ!!!…


「ッ!?…グハァ!!…」


怯んでいるマサツグに向かいすかさず突きを繰り出す際、鹿之助は狙いを

腹のど真ん中に絞るのだが!…この時いい加減な構えをしている上に先程の

衝撃でか腕に痺れを覚え!…思う様に狙いが定まらず!…咄嗟に繰り出した

突きもそのまま狙いがズレてマサツグの右脇腹を抉るだけに終わってしまう

と、折角のチャンスを棒に振る!…しかしダメージを与えた事には変わりは

ないので、マサツグの表情は苦痛に歪み!…そして鹿之助も鹿之助で狙いが

ズレた事で思わず苛立ち!…何故ズレたのか?とその原因について考え出そう

として居ると、ふと自身の腕に違和感を覚える!…


「ッ!?…チッ!…狙イガズレチマッタァ!…

何デ……ッ!?……オイオイ!…腕ガ痺レテヤガル!…

ドンダケ馬鹿力ナンダ!?…英雄様ヨォ!?…」


「ッ!!…クッ!!…ツゥ~~~!!!…」


__…ザザァ!!…ジャキンッ!!……ジワアァァ……


鹿之助はふと自身の腕に痺れを感じている事に気が付き、視線を自身の右腕に

移すとそこで…ハッキリと分かる位に大剣が振り下ろされたであろう跡を

見つけて驚き戸惑い!…更に痺れを覚えている事でこれが原因だと理解すると、

改めてマサツグの一撃に驚かされる!…その際若干恐怖した様な表情をチラッと

だけ見せるのだが、それも直ぐに消えると笑みを浮かべ!…と言うのもその

お陰で逆に自信が付いた様なモノがあって、マサツグの一撃にも耐えれる!…

そう言う風に受け取り絶対的な自信を持ち!…マサツグの事を嘲笑う様に!…

その今の状態を確かめるよう徐に視線を向けて見せ!…そこで体勢を立て直しを

図るマサツグの姿を見つけると、更に鹿之助は笑い出しそうになってしまう!…

そしてこの時マサツグとしても今だ苦痛に表情を歪めて見せるのだが、斬られた

部位を押さえては痛みに耐えながらも大剣を構え!…だが幾ら押さえた所で出血

は決して止まる事は無く、Tシャツに赤いシミを徐々に広げ!…鹿之助もその

様子を目撃しては更に好機とばかりに!…やはりニヤニヤが止まらない様子で

ジッとマサツグの事を見詰めると、次には挑発の言葉を口にする!…


「…クククク!!……アァ~ッハッハッハッハッハッハ!!!!…

ドオォダヨ英雄様ヨォ!?…コレガ俺様ノ実力ダアアァ!!!…

…ソシテコノ刀ノ切レ味!!!…ンン~?…最ッ高ダロゥ!?…

イイモンダロォ!?…チョット触レタダケデバッサリダ!!!…

…本当ニ!…御上モ気前ノ良イ事ヲスル!!…」


マサツグにダメージを与えられた事がそんなに嬉しいのか、鹿之助は大笑い

して見せ!…何かしら仕掛けがある事に間違いは無いのだが!…それをさも

自分の実力の様にマサツグへ自慢をして語って見せると、その延長線上で

刀の自慢もし始める!…その際鹿之助はその刀の切れ味にゾッコンなのか、

その刀身を掲げてはウットリとした表情を見せ!…するとその刀は如何にも

あの「宗徳」から貰った物なのか、鹿之助が珍しく感謝をする様な言葉を

口にするとマサツグも気になり!…その鹿之助の掲げる刀に目を向けると、

そこで奇妙なモノを目にする!…


__ゴオオオオォォォォ!!!……ウワアアアァァァァ……


「ッ!?!?…はぁ!…はぁ!……クッ!…」


__ズシャッ!!…ッ!……


「…オイオイ!…豪ク辛ソウジャネェカ?…如何シタッテンダヨ?…

何モ致命傷ッテ訳ジャネェンダゼ?…タダノカスリ傷程度デ…

モウヘバッチマウノカァ~?……ケッハッハッハッハ!!!…」


マサツグが見たモノと言うのはその刀身から放たれている気であり、刀からは

物凄い勢いでどす黒い気が放出され続け!…さながらその刀身には数多の怨念が

憑いているかの様に!…とにかくマサツグの目から見ても相当ヤバいモノだと

一発で分かる程の凶悪さで!…マサツグはアレに斬られたのかと!…何かしら

負荷デバフが付いたのでは!?と心配になって居ると、次にはそんな心配をしている

暇も無いと言った様子で崩れてしまう!…それは普通に出血が酷くなっての

ダウンで有り、その場で片膝を着いてしまい!…するとそんな様子を見ていた

のか鹿之助も機敏に反応!…やはりマサツグの事を煽る事に心血を注いでいる

のか、とにかくマサツグの事を馬鹿にするよう笑って見せると、マサツグも

いよいよ覚悟を決めようとするのであった!…

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辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

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