上 下
346 / 787
-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章四十七節 植え付けるトラウマと百鬼夜行と三度くノ一!…-

しおりを挟む



場面は変わって竹林の中!…マサツグ達は何だかんだで紅月衆の隠れ里を後にし、

急いで秋雲オータムクラウド国に向かって戻って行くのだが!…その道中忘れていたが如く

難所が!…それこそフック状の岩の仕掛けを越えてあの飛び越えるのに大分時間の

掛かった谷の前までやって来ると、例によってマサツグ達はまたもや足止めを

喰らわされていた!…と言っても戸惑って居るのはマサツグだけなのであるが…

それでも足を止めると今度は如何やって越えるかで悩み出して居た!…


「……で、如何するよ!?…ここを飛び越えないと町に戻れないし!…

最悪追手が来るかもしれん!!……アヤをおんぶして跳ぶのは無理だしぃ!…」


「……ッ?…へ?…飛び越える?…まさか貴方この谷を飛び越えて来たの?」


谷を目の前にして右往左往!…腕を組み慌てた様子で如何越えるかで悩んで

居ると、ふとマサツグが口にした言葉でアヤが戸惑う!…その言葉を言うのも

おんぶをして飛び越えると言うモノで、まずこの谷を飛び越えて来たと言う

事実に驚いた様子で!…普通は考えないと言った具合にマサツグへ質問!…

この時飛び越えて来たと言う事実に対して全く疑って居ない様で!…まるで

他に手段が有ったかの様にアヤが言葉を掛けると、マサツグもその質問を

受けた事で返事をする!…


「ッ!……へ?…当たり前だろ?…

でなきゃアヤを助けに来れないし!…何なら橋が掛かってるように見えるか?」


「いやそうじゃなくて!…

よくこの谷を跳んで来れるだけの脚力が有ったなと…

と言うかよく考えてみなさいよ!…

あの忍者達は私を連れてこの谷を越えたのよ?…

でも実際はアレな訳だし……本当に私を抱えて飛んで来れたと思う?」


もはやこのゲームの中において常識など毛頭無いのか…マサツグがさも当然の様に

返事をすると、そうしないとアヤを助けに来れなかったと口にする!…その際

橋等が無い事を改めて指を差しながら話すと、若干アヤを煽る様にして言葉を

口にし!…そのマサツグからの言葉にアヤは思わず戸惑ってしまい!…ただ単純に

マサツグの脚力に驚いたよう言葉を口にすると、それと同時にある事をマサツグに

話す!…そしてこの時アヤが言ったある事と言うのは捕まった里に居た忍者達の

事で、アヤはあの忍び達にマサツグ同様の脚力が有る様に見えたか?と…改めて

考えさせる様にマサツグへ話すとそれは無いとばかりに!…あの忍者達にそんな

身体能力が無い事を突き付けて見せると、マサツグに何か有るとばかりに質問を

する!…するとマサツグもその質問を受けてはたと気が付いたよう目をパチパチと

させると、次には…


「ッ!……無いなぁ?…

…じゃあどうやって?…どっかに何か仕掛けでも有るのか?…

……感知サーチ!!」


__ピィーン!!…ヴウン!!…


「…ッ!…え?……樹に何か有る?…

どれどれ?……っ!…こ、これは!…」


アヤの言葉を受けてマサツグは否定!…忍者達にそんな身体能力が無い事を

認めると、改めて冷静になるよう考え出す!…相手は如何やってアヤを連れて

来たのか?…となると何処かに仕掛けが有るのか?と…すると思い立ったが

吉日とばかりにマサツグは感知サーチを発動!…するとそのマサツグの目には谷の

近くに生えている樹に何か有ると反応が出て!…ミニマップ上にも黄色い点と

なって仕掛けがある事が表記されると、マサツグはすかさず近付いて確認を

し始める!…その際反応が有るのは異様に横へ伸びた木の枝で、そこには

何やらテーピングが!…しかもかなり乱暴に扱われて来たのかザクザクに

毛羽立ってはボロボロで!…それと同時に何やら金属具の様な物を見つけると、

マサツグはそれを手に取って更に細かく確認をする!…


__……カッ……ジッ…


「……鉤爪?…しかも見た感じ縄が付けられてた様にも見える…

…ッ!…なるほど?…そう言う事か!…」


「…因みに私がここに連れ去られた時…もうベロベロに酔っちゃってて…

一体如何やって運ばれて来たのか覚えてないのよねぇ?…

…ただ覚えて居るのは何か強い衝撃を受けた事位で…」


そのボロボロの枝に喰い込む様にして放置されて有る金属具は如何やら鉤爪の

様で、その金属具の反対側には何やらロープ状の物を縛れる様に輪っかが!…

するとそれらを確認した所で当然マサツグも察した様で、金属具を片手に自身の

アイテムポーチから丈夫な縄を取り出して見せると、早速作業に取り掛かる!…

するとそんなマサツグを知ってか知らずかこの時アヤは…連れて来られた時の

話を徐に話し始め!…アヤ自身若干困惑した様子で覚えてないと…しかし何か

妙な衝撃を受けた事に関しては覚えて居る様子で!…マサツグの作業をしながら

その話を聞いて確信を持てたよう返事をすると、徐にアヤへ声を掛ける!…


「…だとするとその方法も理解した!……

…よし!…これで良い筈だ!…アヤ、ちょっと良いか?…」


「ッ!…何かしら?」


「この谷を渡るぞ!…コイツを使って!…

その際距離が距離だから一緒に飛ぶ!…いいな?」


「ッ!…え?…これってぇ……ッ!…あぁ、ちょっとぉ!!…」


作業を終えた様子でその金属具と縄の具合を確かめるとアヤを呼び!…アヤも

呼ばれた事でマサツグの元へと向かうと、何をするのか?と声を掛ける!…

するとマサツグはアヤに作った物を見せる様にして突如谷を越える!と言うと、

意気揚々とした具合にアヤの手を握り!…アヤはアヤで突然の事に驚き戸惑い!…

それでもマサツグが作った物に対して察しが付いたのか若干困惑しながらも

マサツグの後を付いて行くと、二人揃って谷の淵へと立って見せる!…勿論

二人揃って現状に絶望し身投げをするとかそう言う訳では無く!…マサツグは

万が一を考えた様子で更にアイテムポーチよりおんぶ紐を取り出すと、自身と

アヤの体を縛って固定する!…


_……ッ!…ゴソゴソ!…シュパァ!!……グルグルグルグル…ギュッ!!…


「ッ!?…ちょ、ちょっと本当に大丈夫なの!?…

確かにマサツグがやろうとして居る事は分かったかったけど!!…

対岸の木の枝を狙えるの!?…それに何だかその鉤爪も古そうだし!!…

引っ掛からないで折れたりしない!?…私達最悪谷底に真っ逆さま!!…」


「大丈夫だって!!…俺を信じてくれ!!…

…最悪対岸の壁にまでさえ届いてくれたらそれで大丈夫だ!…

俺がアヤをおぶって登り切る!!!…」


「ッ!?…だからその余計な恐怖心が嫌だって言ってるのおぉぉ!!!」


アヤの合意など聞かずにマサツグはおんぶをするよう縛り!…アヤもされるがまま

困惑した様子でマサツグに心配を訴えるのだが、マサツグは大丈夫の一点張り!…

それこそ先程までの恐怖心も忘れた様子で笑みを浮かべ!…鉤縄を手にアヤに

当たらないよう振り回し始めると、対岸にある樹の枝へ狙いを定める!…その際

信じるようマサツグが言葉を口にすると、最悪の事態を一応想定した様子で!…

しかしアヤはマサツグを信頼して居ないのか嫌だと訴え!…今すぐ考え直すよう

言葉を口にしようとするのだが、マサツグは聞く耳を持たずに鉤縄を投擲する!…


「……よっと!!…」


__シュパアアアアァァァァ………ガサァ!!………グッグッ!…


もう時間が無いとばかりに投擲した鉤縄は弧を描くと対岸の樹へ命中!…その際

ゲームの補正かしっかりと引っ掛かる部分に鉤爪が食い込むと、マサツグの手元

にもその手応えが伝わるようビンと張る何かを感じる!…そしてそれを感じた

マサツグもちゃんと本当に引っ掛かったのかを確認するようニ~三回引っ張ると、

縄はその都度抵抗するようクッと引っ掛かり!…それらを確認した所でマサツグも

大丈夫と踏むと、アヤに行く!と声を掛ける!…


「……よし!…これで準備オッケー!!…行くぞおぉ!!!」


「ッ!?…い、いやああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


__ダッダッダッダッダッ…ンバ!!…コオオオォォォォォ!!…


「ヒイイイイイイイィィィィィィィィィ!!!!!」


マサツグが覚悟を決めた様子でアヤに声を掛けると、アヤは拒否する様に絶叫!…

しかしマサツグは聞き入れる事無く強制的にドナドナするよう駆け出して行き!…

そのまま縄を弛ませない様にしながら思いっきり谷の淵で踏み切って見せると、

いざ谷の底へと落ちて行く!…しかし縄がそれを阻むかの如くビンと伸びると、

次には切れる事無く振り子の原理でマサツグ達は谷の間をスイングし!…アヤは

アヤで今だ恐怖を覚えた様子で悲鳴を上げ!…マサツグも何とか風に煽られたり

しながらも対岸の壁まで辿り着くと、そこで壁に叩き付けられないよう踏ん張って

見せる!…


__……ダアアァァァン!!!…


「ッ~~~!!!…つぁ~~~!!!…

…これは痛い!!……けど!…行ける!!!」


振り子の原理で勢いが付いて居り!…そのままだと壁に激突なのでマサツグが

両足を前に出し衝撃に備えると、その踏ん張った際に何とも言えない

あのジィ~ンとした痛みが込み上げて来る!…それは足裏を伝って足首~脹脛!…

そして太腿へと渡って行き!…当然これにはマサツグも堪らず痛いと漏らし!…

思わず若干涙目になってしまうのだが、それでも痛みに耐えるとアヤを背負って

壁を登る!…


__…ギッ…ギッ…ギッ…ギッ……数分後…


「……だはぁ!!…ふぅ~!…何とかなったぁ!!…

…な?…案外行けるもんだって……って、アヤ?…」


ギシギシとマサツグ達の体重を支えている樹の枝がしなって不穏な様子を見せる

のだが、何とか折れる事無く!…マサツグも折れない事を祈りながら縄を手に!…

必死に壁を登って遂に対岸の減りに手を掛けて見せると、そこから這い上がる様に

して谷を登り切る!…そして無事到達した事で大きく声を零し出すと、一度崩れる

様にしてへたり込み!…その際アヤを上にして地面に転がり!…やってやった!

と言う達成感を感じつつ、アヤからの応答が無い事に気が付き声を掛けると、

そこでアヤが気絶して居る事に気が付く!…


「………。」


「ッ!…あれま気絶してらぁ……まぁそれもそうか…

あんな体験は二度とゴメンだろうからな?……てか…俺も疲れた!…

……まだ日は若干高いか?…時間的に……夕方四時…

もう少し進みたい所だな……よし!…」


__ザッ!!…グググッ!!……


背中越しでも分かる位にアヤは白目を剥いて居り、口からは少量ながらも涎が…

するとそんなアヤの様子にマサツグも戸惑い!…気絶して居る事にそこまで?と

感じてしまうと、改めて今の体験を思い返す!…すると改めて思い返してみては

納得!…マサツグも思わずアヤの立ち位置に立って考えるともう二度と御免!と

思い!…徐々に襲って来る疲労感に休もうかとも考えるのだが!…まだ日が落ち

切って居ない事に気が付き時間を確認すると、マサツグはアヤを背負って進む事を

決意する!…さてそこからは一人辺りを警戒しながら!…隠密ステルスを使いつつ進み!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「はぁ!…はぁ!……そ、そこそこ歩いたかな?…

…で、一応…今物凄く嫌な所に戻って来た訳なんだが?…」


__ヒュウウゥゥ~~……ぷらぁ~ん……


「……うん…何度見ても思う…アレは絶対に慣れる事は無いな?…」


マサツグ達はあの童歌の三唱目…縄が樹に括られている場所まで戻って来る!…

この時既に日は落ち約五時頃と言った所か、俗に言う「逢魔が時」と言う奴で…

辺りに冷たい風が吹くと縄揺れ!…辺りも暗く不気味な雰囲気を放ち出すと、

心成しか嫌な気を感じ始める!…そしてマサツグとしても疲労がピークで、歩く

のも億劫…ただ縄が樹に括られて居る様子を見ては慣れないと漏らし…今日の

移動をここまでにするかどうかで悩んで居ると、ふとある異変にも気が付く!…


__……ふうううぅぅ……


「…ッ!…ッ!?…グッ…こ、これは!!…

何処の宿屋よりも嗅ぎ慣れた瘴気の臭い!!…

…一体何処から!?………ッ!?…」


__どんちゃん!…どんちゃん!…ギャハハハハ!!!…


「ッ!?…な、何だあれ!?……ひゃ、百鬼夜行?…」


それは幾らゲームのシステム上匂いが分かり難くとも否応なしに記憶させる

もので、瘴気が何処からともなく漂い出し!…マサツグもそれに気が付くと

途端に反応!…機敏に自身の鼻を押さえて症状を軽減!…その際アヤの事も

心配して布を押し当てようとするのだが、アヤは何か神聖なモノ!…優しい

光に包まれては瘴気を寄せ付けないで居た!…そしてマサツグもそれを直ぐに

確認した所で辺りを警戒!…正気の原因を探る様に見回すのだが!…何やら

遠方よりどんちゃん騒ぎの音が聞こえ!…それと同時に誰かが笑う声の様な

物も耳にすると、そこである異様な姿を見つける!…それは俗に言う「妖怪」

と呼ばれる類のもので、列を成してはお祭り騒ぎ!…マサツグもその様子を

目にしては百鬼夜行?と…とにかくアヤを連れて物陰に隠れるようその様子を

見て居ると、何やら更に不穏な様子を見せ始める!…


「……漸く!…漸くだ!!…あのお方が漸く復活なされる!!…」


「もう世を手に入れたも同然だあぁぁぁ!!!…」


それらは何かを崇め奉って居るのか…仕切りに何かに対し喜ぶよう言葉を口に

すると、竹林の外へ向かい列を作る!…それはまるで何かが復活するのに

合わせて動く魔物達の様!…いや、魔物である事に変わりはないのだが…

「あの方」と言っては意気揚々と踊る様に歩いて居り、また自分達の天下が

戻って来る事を信じる様子を見せると!…マサツグ達が近くに隠れている事等

気付く様子を見せないで居た。


「ッ!…あのお方?…」


「長かった!!…あのお方が封印されてから我々の天下も終わり!…

影に追いやられてしまったが!!……また天下を取り戻す事が出来る!!!…」


「では行こうでは無いか!!!…あのお方が復活なされるかの地へ!!!…

我々も今こそ反撃の狼煙を挙げる時!!!!」


__おぉ~~~!!!!…どんちゃん!…どんちゃん!…


そしてその様子を見ているマサツグとしてもその妖怪達の言葉に何か気掛かりを

覚え!…一体如何言う事なのか?と言った具合にとにかく様子を見て居ると、

その妖怪達の列…百鬼夜行は止まる事無くチンドン騒ぎを続ける!…やはり

マサツグ達の事に気付く事無く行ってしまう際、全員で意気込むよう掛け声を

上げ!…そんな様子にマサツグも更に戸惑ってしまい!…止めるかどうかで

思わず考え込んで居ると、その百鬼夜行は竹林の外へ向かい姿を消す!…

思えば突如瘴気が漂い始めたかと思えば妖怪の列!…そして何かを思わせる様に

復活と!…とにかく訳が分からないままマサツグはその場で固まるよう呆然とし…

徐々に考えるのも面倒になって来ると、今日はもう休もう…と結論を出すので

あった。


さて次の日!…トライアルチケットの効果としても今日がラストで、効果が切れる

前にアヤを助けられた事でマサツグが安堵して居ると、マサツグ達は無事に次の

日の朝を迎える事に成功する!…その際アヤに幻影コートを着せて横にすると、

マサツグ自身は隠密ステルスを駆使しながら仮眠と!…途中で切れるかも

しれない!…と不安を覚えつつやってみたのだが案外持ち!…とにかく朝を迎え

られた事でマサツグも大きく伸びをし目を徐々に覚まし始めて居ると、気絶して

いたアヤも目を覚ます!…


「……うっ…んん~~?……あれ?…ここはぁ?…」


「ッ!…目ぇ覚めたか?」


「ッ!…マサツグ……ッ?…何でこんな所で?……ッ!?…

そ、そうよ!!…あの時マサツグが谷に向かって!!…ッ~~~~!!!!」


普通に目を覚ましたよう軽く唸り!…眠い目を擦りながらゆっくりと上体を

起こすと、辺りを見回す…そして最後に見た光景と違う事に疑問を持つと、

独り言を漏らす様に如何して?と口にし…マサツグもマサツグでそんなアヤの

言葉を耳にし、目を覚ました事に挨拶するようアヤへ声を掛けると、アヤは

寝惚けた様子でマサツグの名前を呼ぶ…そして今だ何が何だか分かって居ない

様子で首を傾げて見せるのだが、徐々に意識がハッキリして来たのか!…

次にはハッとした様子で目を見開き!…最後に見た光景を思い出し改めて

恐怖を感じて居ると、マサツグがそのアヤの様子にツッコミを入れる!…


「…今更になって鳥肌になるのか?…まぁいい…

アヤが気絶している隙に渡り切ったよ!…

で、一応ここまで移動して来たけど疲れて野宿!…

やった事と言えばそのコートを着せた位!…他に何もして居ませぇ~ん!…」


「ッ!?…何かしてたら大問題よ!!!……ところで!…

この若干残る様に漂ってる瘴気は何?…何か嫌な感じがするのだけど?…」


戸惑うアヤにツッコミを入れつつ!…とにかくアヤが気絶して居る内にやった事を

隠さずに話すと、アヤに対しコートを着せた以外何もして居ないと話す!…勿論

怪しまれないと言う意味も込めておちゃらける様に両手を広げて無実と言うと、

アヤはその着せられたコートに包まるよう両腕で防御の体勢を取り!…頬赤らめる

とマサツグに文句を言い出し!…そして同時に気が付いたよう辺りに漂っている

微かな瘴気について質問をすると、マサツグもピクッと反応しては返事をする。


「ッ!…あぁ、百鬼夜行と遭遇して?…」


「……ひゃっき…やこう?……何それ?…」


「ッ!…知らない?…

…って、まぁ…日本に精通して無いと分からんか…

簡単に説明するとモンスター達の群れ!…

それが列を成して通った跡だってこった!…

幸い戦闘にはならんかったが…その時瘴気がな?…」


「ッ!?…しょ、瘴気が残る程の行列!?…

気絶してて正解だったかも…」


マサツグはその瘴気の正体について百鬼夜行と語り、さもアヤも知って居るで

あろうと言う考えの元で話しをするのだが…アヤにとってはその百鬼夜行と

言う言葉は初めてらしく…マサツグに尋ねるよう疑問形で百鬼夜行と復唱すると、

その意味について尋ね出す。するとマサツグもアヤが百鬼夜行を知らない事に

軽く驚いた反応を見せると、その意味を説明…それもかなり簡単に説明をしては

ついでに状況についても触れ出し!…とにかくその影響で瘴気が残って居ると

アヤに説明をすると、アヤは驚いた様子で反応する!…その際自身が気絶して

居た事に対し正解だったよう言葉を口にすると、その言葉にマサツグは思わず

苦笑いをし!…改めて町に向けて進み出し!…今日で竹林を抜ける事を目標に

移動を再開すると、そこで面倒な場面に遭遇する!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ!!…スッ…ッ!……


「…こっちに居たか!?…」


「いや居ない!!…クソッ!!…まさか取り逃がす事になるとは!!!…」


それはマサツグを先頭に竹林の出口を目指して居る時の事!…道中進んで居ると

マサツグが突如ある事に気が付き!…アヤに止まるようジェスチャーを送ると、

アヤも気が付いた様子で足を止める!…すると次に聞こえて来た言葉は誰かを

探す様な何者かの声で、それは如何やら焦って居る様にも聞こえ!…少なからず

その声の感じで自分達を探して居るとマサツグ達は悟り!…息を殺し隙を伺いつつ

先を急ぐ様に影を歩いて居ると、更にその忍者達と思わしき声が続けて聞こえて

来る!…


「紅椿の奴!!…何が玄関口は任せておけだ!!!…

達者なのは口だけなのか!!!…」


「今は無駄口を叩いている暇はない!!…

とにかく何としてでも見つけないと!!…

今戻られるのはとても不味い!!!…」


「……まだこの竹林を出て行ってはいない筈!!…

探せ!!!…生死は問わん!!!…

何としてでもここで食い止めるのだ!!!」


__ハハァ!!!…


如何やらあのくノ一頭は紅椿と言うらしく、逃がした事でボロクソに言われて

おり!…下っ端?…の忍者達からは当然の様に不満が漏れ!…全部の責任は

アイツのせい!と言った具合に一致団結する様な話をして居ると、上忍らしき

者の声も聞こえて来る!…その際その忍者は近くに複数人居る様で、不満を

漏らす忍者達を注意し!…とにかく逃がした事を不味いと言うと形振り構わず!…

挙句の果てにもう生死は問わないと!…何が何でもここから逃がさないよう

指示を出すと、周りの忍者達は威勢よく返事をする!…そしてそれを聞いた

マサツグ達としても厄介な事になった!と考えると、より一層辺りに警戒をし!…

忍者達の目を掻い潜っては竹林の外に!…二唱節目・一唱節目の場所と越えて

見せると、遂に竹林の玄関口前まで戻って来る!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……ふぅ~…何とかここまで来れたな?…もう出れたも同然!…」


「ッ!…ちょ、ちょっと!…最後まで気を抜かないで!!…

…それに何かこの先から嫌な気を感じるのだけど…まさか…ね?…」


「ッ!……だとしたらまたそん時はアヤに突破を頼もうか?…」


「ッ!?…勘弁して頂戴よぉ~!……」


もうすぐで外に出られると言う所までやって来ると、マサツグもやり切った

様子で…思わず気を抜く様な感じで言葉を漏らし!…そんなマサツグの言葉に

アヤが思わず戸惑ったよう注意をすると、更に気になる事を口にする!…

その際アヤが言った気になる言葉と言うのは、全責任を押し付けられそうに

なって居る彼女の事で!…アヤ自身もまさかと言った具合に言葉を口にし!…

そのアヤの言葉を聞いてマサツグも察したようピクっと反応すると、アヤに

任せる!と押し付ける!…すると当然その言葉にアヤは嫌だ!と嘆き出すと、

マサツグに助けを求めるのだが!…そうこうして居る内に二人は遂に竹林の

外へ!…しかしアヤの嫌な予感は的中したよう!…出た所でくノ一達の集団!…

更には紅椿の姿を見つけると、二人は一気にゲンナリする!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ぱああああぁぁぁl!……


「……よう?…これで三回目だねぇ?…」


「ッ!…出た!……もう追って来ないよう言った筈だが?」


出口から漏れ出る光に若干視界を奪われつつ!…マサツグ達が遂に竹林の外へ

出て来ると、そこには紅椿が!…その際紅椿は酷いお仕置きを受けて来たのか、

全身…と言う程では無いのだが怪我を負った様子で包帯を巻かれており!…

マサツグ達の姿を見つけるなり不敵に笑みを!…しかしやられた怒りは決して

忘れて居ない様子でマサツグ達に向かって殺気を放ち!…マサツグも

やっぱり居た!…と言った具合に言葉を零し呆れて見せると、警告した筈と

続ける!…しかしそんなマサツグの言葉に対して紅椿は突如怒りを覚えた表情を

浮かべると、次には!…


「ケッ!…追って来るなと言われて!…

獲物をみすみす逃がす馬鹿が何処に居るって言うんだい!!…

それも自分の誇りプライドが掛かって居るとあっちゃ尚の事だろ!!!」


「……随分と難儀な性格してんだなぁ?…ある意味で同情するわ…」


「グッ!!…五月蠅い!!!…

…こっちはもうアンタ達の命の保証はしなくて良いって聞かされているんだ!!…

ここからは本気!!…全力でアンタ達を殺しに行く!!!…覚悟しな!!!」


「……はあぁ~…一応機会は二回やった!…

仏陀フェイスもスリーフェーズまで!!…って奴だぜ?」


悪態を突く様に文句を口にすると両手を短刀に!…最初から殺る気MAXで

紅椿は身構え始め!…周りのくノ一達も合わせて身構えるよう自身の得物に

手を掛けると、一気に警戒態勢へと入る!…その際これが最後と言った

様子で紅椿は誇りプライドが掛かって居るとマサツグに話すと、マサツグはその言葉に

呆れ!…首を左右に振ってはまるでちっぽけとばかりに…すると当然そんな

マサツグの態度に紅椿は更に怒り!…何が何でも仕留める!…とばかりに

もう殺気を隠す事無く全開で威嚇をして見せると、マサツグもそれに乗っかる

よう武器に手を伸ばし出す!…この時何故かルー〇柴みたいな言葉を口に

するのだが、マサツグ自身は真剣そのもので!…同時にアヤはこの時弓を

持って居らず!…せめて精霊魔法でマサツグの援護だけでもと詠唱の準備を

して見せると、その場の空気は一気に一触即発の事態になる!…


__……チャキッ!!……スウゥ…


「……覚悟は良いかい!?…もう泣いて謝った所で手遅れだよ!?…

何が何でも!!…ここで!!!…」


「…元よりこの状況は慣れっこなんで…いつでもどうぞ?…」


「ッ!?…ッ~~~~!!!…その顔!!…気に喰わないねぇ!!!…

あたし等くノ一の力!!!…思い知るが良い!!!」


マサツグ達を取り囲む様にしてくノ一達は散開!…マサツグも辺りに警戒の目を

向けると身構えて見せ!…更に弓を持って居ないアヤの事も心配するとアヤに

近付き合図を送り!…その際辺りに警戒しつつ肘鉄砲で軽くアヤの体を2~3回

突くと、アヤもピクっと反応する!…すると次には察したようマサツグに背を

合わせるよう身構え出すと、互いに背中を預け!…いつでも動けるとばかりに

相手を睨み!…紅椿ももう遅い!…とばかりに怒りの言葉を口にすると、

マサツグも大丈夫とばかりに挑発をする!…この時これ位の数へでも無い!と

言った具合に鼻で笑って見せると、更に紅椿は怒り!…歯を食い縛る様にして

怒りの表情を浮かべ出し!…マサツグに対して気に入らない!…言葉を口に

すると、次にはくノ一達へ嗾けるよう指示を出す!…さて、こうして秋雲オータムクラウド国が

トンデモナイ事に発展しそうになって居る一方で!…マサツグ達は最後?…と

なる忍び達との戦いを始めようとするのであった!…

しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

処理中です...