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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章四十五節 忍びよりも隠密と甲乙付け難き質問とアヤとの脱出!…-

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屋敷を出て早々に忍者達に襲われるが何のか凌ぎ!…改めてアヤの救助に

乗り出すと、まずは近くの茂みへと身を隠す!…その上で辺りを探る様に

感知サーチを発動すると、当然の様に辺りから敵反応を感じ!…それはまるで巨大な

アイコンとなってミニマップに反映されて見え、マサツグもそんなミニ

マップの反応に戸惑いつつ!…隈なくそのミニマップに他の反応が無いか

を探して居ると、ふとここからそう遠くない距離である物を見つける!…


__ピィーン!!…ヴウン!!…


「ッ!…うわぁ~…面倒この上ない状態だなぁ…

まるで警戒区域に入ってるみたいだ……でもって?…何でここに青い点が?…

確か青い点は友好モブ…或いは味方の表記の筈だが?…

…そこにアヤかフィロが居るって事か?…

…とにかく移動するしか無いって所か…」


__スッ…チラッ?…チラッ?…


「……一応近くに敵は居ないし…まだ隠密ステルスも効いてる…

今の内に移動!…」


マサツグが見つけた物とはここより若干丘になって居る一軒の民家、そこにある

一個の青い点で…ミニマップにおける青い点と言うのは言わば味方!…まさか

こんな警戒区域に他の味方が居る筈が無いと!…その反応をアヤかフィロと見た

マサツグは合流を考えると移動を決め!…その際辺りを一通り確認するよう

茂みの中から頭だけを出してキョロキョロと自身の周りを見回すと、近くに誰も

居ない事を確認する!…この時同時に忍者達からやり過ごす為の隠密ステルスがまだ

生きている事も確認すると、茂みの中から出てはその民家に向かおうとする

のだが!…


__ザッザッザッザッ!!……ッ!!…バババッ!!…


「…おい!…誰も通して無いだろうな!?…」


「通す訳が無いだろう!!…この先には誰も行かせて居ない!…」


「……あからさまに何かが居るのを物語っているなぁ…

…にしても…如何やって進む?…見た感じ隠れて進もうにも……なぁ?…」


その民家に行く道中当然の様に敵が鎮座して居る光景を目にしてしまい!…

一応隠密ステルスを発動しては居るものの反射的に物陰へと隠れてしまうと、またもや

その場から動けなくなってしまう!…その際更に間が悪い事にその民家への

道は如何やら他にはなく、一方通行の様で!…そしてこれまた遮蔽物等も

全然無い事で身を隠す事が出来ず!…一気に駆け抜けて行こうにも地味に

坂がある事で駆けて行き辛く!…完全に隠密ステルスの存在を忘れた様子で何とか

切り抜ける方法が無いかを考えて居ると、ふとマサツグはある物に目を

向ける!…


__ザワザワ!…ザワザワ!…


{……クッソ邪魔クセェ!!…さっさとどっか行きやがれってんだ!!!…

てか他に道がねぇのが辛い!…道の周りは段々畑だから動きが目立つし!…

何なら水田だから余計に面倒に!……如何すりゃ!!……ッ!…}


__……コロッ……


{……石ころ?…それも何でこんな数が?…

…ッ!!……試してみるか!…}


幾ら待った所で当然何処かへ移動する気配もなく!…ただウダウダと坂の上で

喋りながら警戒をしている忍者達に苛立ちを覚えて居ると、マサツグはふと

足元に!…するとそこには何故かこれ見よがしに数個石ころが転がって居るのを

目にし、マサツグも何故石ころが?と…何なら意図的に数個置かれてある事に

疑問を持ち…一体誰が?…等と考えて居ると、そこはマサツグも気が付いた

様子でハッとする。そして次にはその石ころを拾うと辺りを見回し!…狙いを

定め!…


__チャリッ……チラッ?…


{……狙うならあっちの方だな?…

あっちなら誰かが通った様に装える!…後は!!…}


__スッ…ビュッ!!………ぽちゃんッ!…ガッ!!…


「ッ!?…誰だ!?…曲者か!?…」


マサツグが視線を向けた先は段々畑の近くに在る茂みの方で、人が隠れるにしても

十分な!…理由としてはそこに人が隠れている事を装う事が出来る事で、更に

水音を立てる事でその効果も絶大!…人は警戒をして居る時ほど物音に敏感になる

もので!…それを利用してマサツグが水切りの要領で石を投げると、見事に水音を

立てた後、石は茂みの中へと消えて行く!…するとこれまたマサツグの狙い通りに

忍者達もその物音に気を取られると、声を出して戸惑い!…次にはその物音のした

方に警戒を強めた様子で視線を向け!…遂には身構える様な素振りを見せると、

更に忍者達は疑心を強めて行く!…


__チャキッ!!…ジリ!…ジリ!…


「か、隠れてないで出て来い!!…この化け物め!!…」


{……完全に釣れたみたいだな?…よし!…}


__スッ…バババッ!!…チラッ?…ッ!…


もはや完全に標的が居る!と思い込んで居る様子で怯えて居り!…マサツグも

そんな忍者達を尻目にシメシメと!…完全に忍者達が釣れた所でマサツグは

背を向ける忍者達の後ろを一気に駆け抜けるよう!…忍者達顔負けの素早さで

坂を上がり!…その謎に警護されていた民家の門扉を潜ると、その門扉の影に

隠れては先程の忍者達の様子を伺う!…するとそこには今だ田んぼを挟んで

警戒をする間抜けな忍者達の姿が有り、マサツグはそんな忍者達の様子に思わず

笑ってしまいそうになり!…


「…クソッ!!…出て来い!!…卑怯者ぉぉぉ!!!」


__ッ~~~!!!……ケフッ…ケフッ…


{ひ、卑怯者って!!…

誰も居ない田んぼに向かって忍者が刀を手に文句を言うとか!!…

シュール過ぎんだろ!?……こ、こんなの見てられねぇ!…

と、とにかく調べよう!…}


誰も居ない田んぼに武器を構えては卑怯者呼ばわり!…しかしマサツグは

これを噴き出す事無く耐えて見せ、そのままシュールな忍者達を放置!…

そして屋敷での一件で学習したのか玄関から侵入をするのではなく、民家の

裏庭へと回ってチラッと見えた縁側からの侵入を試みようとするのだが!…

その裏庭に回った所で妙な光景を目にする!…何故ならそこに居たのは!…


__タッタッタッタッタッ…ッ!………ズズズ……ハアァ~!……


「…お茶が美味しいわねぇ~…」


「……あれ?…」


民家への侵入を試みる前にアヤを発見!…それも縁側で日向ぼっこをする様に

座って居るとお茶を啜り…それはもう老後の生活の様に振舞ってはイキイキと

した!…いや、ほのぼのと表情を見せて居た!…その際お茶の感想を口にしては

外の事等一切気にして居ない様子で、当然その様子にマサツグは戸惑い!…

何なら攫われたにしてはあまりにもエンジョイして居る様子で!…とにかく

色々とツッコミどころが多い事に混乱したようマサツグがアヤに声を掛け出すと、

アヤもその呼び掛けに反応した様子で返事をする…


__…スッ…パクッ!…モグモグ……ズズズ……ハアァ~!…


「……いやズズズ…ハアァ~!…じゃなくて!…

アヤさん?…貴方攫われた筈じゃ?…」


「ッ!…あれ?…何処からかマサツグの声がする?…」


「ッ!…っと、そうだった!……解除!」


お茶と一緒に用意したであろうお茶請けを一口含み、再度お茶を飲んでは

ご満悦!…しかし当然それ所では無いのでマサツグがツッコミ!…改めて

誘拐された筈では!?とツッコミを入れると、アヤもそのマサツグの問い掛けに

気が付いたよう反応する!…しかし肝心のマサツグの姿は見えて居ない

様子で、声が聞こえる?…と言っては辺りを見回し…するとそんなアヤの

反応にマサツグもハッとし!…自身でも隠密ステルスを解除すると、アヤの前に

姿を現す!…


__……シュンッ!!…


「ッ!?…うわあああぁぁ!?…ビ、ビックリしたぁ!!…

……って、あれ?…あなた本当にマサツグ?…」


「…この格好については後で話す!…それよりも何でこんな!?…

本当に誘拐されたんだよな!?…一応助けに来たんだが!?」


「え?…う、うん…私誘拐されて……ッ!?…

な、何で私こんなマッタリしてるの!?」


アヤの目の前に突如白いローブを身に着けた様な大男が現れ!…アヤもそれに

驚いたよう思わず仰け反ってしまうと、直ぐにマサツグと気が付いた様子で

声を掛ける!…その際やはり若干怯えた様子で声を掛けると、マサツグはアヤの

事など御構い無しにツッコミを入れ!…再度誘拐された事について尋ね出し!…

アヤを助けに来た旨を伝えると、アヤは混乱した様子で返事をする…この時

戸惑った様子で誘拐された事実については認めるのだが、次にはハッと慌てた

様子で今の自分に驚き!…遂には自分で自分の変わり様にツッコミを入れ、

マサツグもそんなアヤの様子に更なるツッコミを入れると、呆れて見せる!…


「遅ぇよ!!!…てか馴染み過ぎだろ!!!」


「い、いやぁ~…あまりの待遇の良さに…

思わず自分が誘拐された事なんて如何でも良くなってたかも…」


「ッ!?…しっかりしてくれよぉ~!…

…本気で心配したんだから…………っと、そうだ…」


マサツグがアヤにツッコミを入れるとアヤは言い訳を…その際特に乱暴な事を

されたとかは無い様で、寧ろ待遇が良かったと!…その証拠は先程のアヤの

様子からも伺えた所で…マサツグが更に呆れたよう言葉を口にすると、とにかく

アヤと無事合流出来た事でマサツグは安堵する!…のだが、危機的状況である

事には変わらず!…ここからアヤを連れてこの里を脱出する!…更に難易度が

跳ね上がった事を考えつつ!…その逃走経路について考え出すと、その前に

ふと思いついた様子で!…


__……ギュッ!!…


「……ッ!?…な!…なん!!…」


「……この感じにこの反応……って事は本物のアヤだ…」


__グッ!!…バキィッ!!…


何の許可も無しにマサツグは突如アヤを抱き締める!…するとアヤは一旦状況が

飲み込めていない様子で戸惑うのだが、次には理解したよう顔を真っ赤に!…

何なら恥ずかしいのか驚いた具合に呂律が回らず!…オロオロとした様子を

見せて居ると、その一方でマサツグはアヤが本物であるかどうかを確かめる!…

その確認方法と言うのもやはりある部分が関係して居る様子で、ギュッと

抱き締め!…更にその時のアヤの反応を見るよう顔を確認!…そこでアヤの顔が

真っ赤になって居る事を確認すると、マサツグは再度ホッと安堵するよう

言葉を口にするのだが!…アヤはそれ所ではない様子でマサツグの左頬向けて

綺麗にフック!…必死に抵抗するよう力を込めてそのフックを繰り出して

見せると、マサツグの首は九十度に回転する!…


「ブハァ!!…い、いきなり何すんだ!!…」


「そ、それはこっちの台詞よ!!!…

きゅ!…急に抱き締められる方の身にもなりなさい!!!…

てか何なのよ!!!」


「……いや…本物かなって?…ここに来るまでにアヤの偽物が居て…

で、確かめる方法がこれしか思いつかなくて…」


「ッ!?…で、何で抱き締めるに至るのよ!!…全くぅ!!…

…もう良いでしょ!?…放して!!」


マサツグもいきなり殴られた事で抗議をするのだが、それ以上にアヤは文句が

有ると!…突然の事に気が動転したよう文句を言い!…何でこんな事になった

のかその経緯について説明を求めると、マサツグは殴られた痛みに耐えつつ

正直に話す!…その際理由として偽物のアヤが居た事を話すと、マサツグは

これしか思いつかなかったと…するとその理由を聞いたアヤは当然の様に更なる

ツッコミを入れ出し!…マサツグに対して戸惑い照れながらも放すよう文句を

続けると、マサツグも聞き入れた様子でアヤを放す!…さてこれで漸く話は

ここからの脱出!…となる筈なのだが、ふとアヤが疑問を持った様子でピクッと

反応すると、マサツグに背を向けたままある質問をする!…


「……ハアァ~……全く!!……ッ!……ねぇマサツグ?…

貴方私が本物か如何かを確かめるのにって言ってたけど?…何で抱き締めたの?…

貴方なら抱き締めなくても本物かどうか位何かわかる手段が有った筈じゃ?…」


「ッ!…あぁ~!…それはだなぁ?…単にスキルを使うのが面倒だったてのと!…

見分け方が一番簡単だったから!…だってアヤの偽物胸がデカくて!…

…ッ!?…」


「……へぇ~?…そうなんだぁ?…

じゃあ私のは小さいから見分けが付き易いって事かしらぁ?…」


「あっ!…いや!…そのぉ~?…」


アヤが疑問に思った事と言うのはそのマサツグの確認方法!…アヤはマサツグが

鑑定アプレェィザァルを持って居ると言う事を知って居るので、余計に疑問を持ち!…何故

それを使わなかったのか?について質問をすると、マサツグは何も考えて居ない

様子で返事をする!…それもクソ正直に!…単純に使うのが面倒だった事を口に

すると続けてその偽物についても話し!…その触れてはいけない部分に対して

大きかったと!…当然この言葉にアヤもピクッと反応して見せ!…マサツグも

その殺気に気が付いたよう途端にハッとした反応を見せると、そこで殺気立つ

アヤの姿を見つける!…その時のアヤはまるで某・休載中?の人気漫画に出て来る

主人公の様で、全てを解き放ち髪が全て逆立って居る様に見え!…更には

マサツグに対して質問をする様に言葉を口にし始め!…マサツグもその問い掛けに

対して答えに詰まるよう言葉がしどろもどろになって居ると、アヤはゆっくりと

マサツグの方へ振り返る!…


__くるぅ~り?……ニコオォ……ッ!?…


「……私…怒ってないから……正直に話して欲しいかなぁ?」


「ッ!?!?!?!?……す!…すんませんでしたあああああぁぁぁぁ!!!!」


__スッ…ダアアアアァァァン!!!!…


その動作一つ一つに殺気を感じ!…マサツグが徐々に青褪めて居ると、アヤは

静かに笑みを浮かべる!…するとこれには当然マサツグもビクッとした反応を

見せて居ると、次にはアヤから質問を受け!…まるで尋問の如くアヤは笑みを

浮かべたままマサツグに真実を話す様にお願いをし!…徐々に!…また徐々に

とマサツグへ近付いて行くと、遂にはマサツグが命の危機を感じた様子で

土下座をする!…それこそ地面に頭を減り込ませる勢いで頭を下げると、敵に

バレるかもしれない勢いで謝り!…そしてこの時アヤはアヤでそんな土下座を

するマサツグをただただ見下ろし続け!…少しの間黙って居たかと思えば更に

何かを思ったのか?…次に口を開き出すと、更にマサツグへ質問をする!…


「………いいの?」


「ッ~~~!!……ッ!…へ?」


アヤは確かにマサツグへ質問をするのだが、その質問の内容はマサツグから

すると聞き取り辛く!…と言うよりもアヤが照れて居る様子で質問をしており、

この時自ずと問い掛ける声も小声になってしまうと、マサツグとしては戸惑った

様子で反応をするしか無いのであった。それこそアヤから質問を受けるまでの間、

プルプルとしていたのに!…アヤから質問を受けた事でマサツグは頭だけを

上げて見せ…何を言ったのか?とばかりに気の抜けた声を出すと、アヤはビクッ

とした様子で再度尋ねる!…


「ッ!?…だ、だからぁ!!…その……がいいの!?」


「……ス、スマンが何て言ってるんだ?…

何か肝心なところが聞き取り辛いんだが?…」


「ッ!?!?……ッ~~~!!!…もおおぉぉぉ!!!」


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


二度目のアヤからの質問!…しかしやはり照れが残って居るのか聞き取り辛く!…

マサツグがまた何て言ったのか?について質問をすると、ハッキリ言ってくれ!と

ばかりに言葉を続ける!…この時点でほぼ形勢逆転!…マサツグも徐々に上体を

起こして首を傾げ!…アヤに疑問の表情を向けると、アヤは更に伝わって居ない

事で顔を赤くする!…そして更にそこから怒りを再燃させる様に突如悶絶する様な

素振りを見せると、遂にはもどかしい様子で発狂?…これにはマサツグもまたもや

戸惑い!…何が何だかと言った混乱具合を見せて居ると、ついにアヤが

吹っ切れる!…


__ガッ!!…グイィ!!…ッ!?!?…


「やっぱり男は胸が大きい方が好きなのかって聞いてるの!!!

マサツグだって私を確かめる際胸の大きさで判別した位だし!!!…

やっぱりみんなそうなのかって聞いてるのよ!!!」


「ッ!?!?…ア、アヤが壊れたああぁぁ!?!?」


アヤはマサツグを起こす様に腕を伸ばすと両手で襟首を掴み!…そして引っ張る

様子にしてマサツグの顔を自身の前に持って来ると、その必死の表情をマサツグに

見せる!…するとこれにはマサツグも戸惑った具合に反応すると、ただただ更に

頭の中は状況に付いて行けない様子で困惑し!…とにかく一体何が何だか全く

分かって居らず!…アヤの次の動向に注意を向けて居ると、アヤはマサツグに

三度質問をする!…そしてその質問の内容と言うのは如何にも先程の胸の話で、

大きい方が良いのかと!…顔を真っ赤にしては若干目に涙を浮かべ!…必死にその

答えを求める様にマサツグを揺すりながら質問をすると、マサツグもそんなアヤの

様子に壊れた!?とばかりに声を上げる!…あくまでもまだ敵陣に居る事を忘れた

様子で!…何ならまだ合流出来ただけで!…とにかくそんな問答にマサツグも

ハッと我に返り!…アヤの両手を掴んで落ち着くよう声を掛けると、何とか話を

はぐらかそうとするのだが!…


__バッ!!…ガッ!!…


「と、とにかく落ち着け!!…今はそんな話をしている場合じゃ!!…」


__要人の居る方から声が聞こえるぞ!?…見張りは何をして居た!!…


アヤに掴まれている襟首を払い除けると両手を掴み!…まるで悪者さながらに

詰め寄りアヤに落ち着くよう声を掛けると、次には自分達の居る民家の外より

声が!…明らかにこちらの揉めている声を聞き付けた様子で、そこの見張りを

任されていた者達に対して文句の声が聞こえて来ると、マサツグ達もハッと

気が付いた様子で慌て出す!…その際見える訳でも無いのに思わずその声が

聞こえた方に視線を向けると、次には不味いと!…


「ッ!?…あぁ~もう!!…やっぱ見つかった!!…

その話はとにかく後!…今はここから逃げるぞ!!…

他の奴らも心配してんだ!!…」


「ッ!?…あっ!…」


「ここを出たら幾らでも話を聞かせてやっから!!…

何ならメンバー会議を開いても良いから!!…今は黙ってついて来てくれ!!」


「ッ!?…そ、そこまでしなくても良いわよ!!…馬鹿ぁ!!!」


居場所がバレた事に対してマサツグは頭を抱え出すと、何でこうも上手く

行かない!と嘆き!…しかしその嘆いている時間ですら惜しいと言った

様子ですぐさま開き直り!…アヤの問い掛けを後に、とにかく手を掴んでは

逃げる事を訴え出し!…モツやレイヴン達が心配して居る旨をそのまま

アヤに伝えると、アヤもハッと我に返る!…そしてアヤが正気を取り戻した

所でマサツグはアイテムポーチから幻影コートを取り出すと、それをアヤに

手渡し!…上から羽織るようジェスチャーをしては改めて話しは後で聞くと!…

何なら会議でも開いて議論もしてやるアヤに答えて見せると、アヤはその

ジェスチャー通りにコートを羽織り!…マサツグに対して顔を真っ赤に

しながらやり過ぎ!と文句を言うと、その近くに在る影の中へと息を潜める!…


__バサァ!!…バッ!!…スウゥ………ザッザッザッザッザッ!!…


「……曲者ぉ!!!……って、居ない!?…」


「しまった!!…逃がしたか!!!…」


「……まだ遠くに入って居ない筈!!…

探せぇ!!…里の玄関を封鎖しろぉ!!!」


丁度マサツグ達が影に身を潜めた所で忍者達がやって来る!…それこそ

絶対ここに曲者が居ると言った様子で駆け込んで来ると、武器を手に

構えるのだが!…そこには誰も影も形も無いと!…意気込んで入って来た

にも関わらず誰もいない事で出鼻を挫かれ!…逃がした事に直ぐに気が

付いたようヤバい!…と声を漏らして居ると、直ぐに次の手を考えた様子で

動き出す!…それこそ完全封鎖!…捕まえるまで里を開けないと言った

徹底ぶりを見せ!…それを聞いたマサツグ達も面倒になる前に移動を

決めると、影に身を隠しながら脱出を試みる!…


__……スッ…ッ!…スッ…スススッ…スッ……コクリッ…


「……クソ!!…やっぱりここにはもう居ない!…別の所を探すぞ!!…」


「…屋敷の方に行く訳が無ければ…家の中に隠れた!?…

一軒一軒調べるか!!…」


「……やむを得まい!…全ての可能性を潰して行くぞ!!!」


マサツグは声を上げる事無くアヤにジェスチャー!…その際手を突き出し

待った!を掛けると次に忍者達を指差し!…奴らが出て行ったら動き出すと

言った手の動きを見せると、アヤは理解した様子で頷いて見せる!…そして

忍者達が消えるのを待って居ると、忍者達もここに留まるのは時間の無駄だ

と悟ったのか…別の所へ移動する事を話すとその隠れて居そう場所について

話し出し!…民家に隠れているのでは!?と言った無謀極まりない結論に

行き着くと、その可能性を信じた様子で移動を開始する!…


__……ザッ……ザッザッザッザッザッ!!…


「……幾ら何でもその結論に行き着くのは可笑しいと思うのだが?…

何でわざわざ自分から逃げ道の無い方に逃げる?…」


「……とにかくここから脱出しましょう!…皆が待ってる!!…」


「ッ!……そうだな!…俺が先行するから付いて来てくれ!…

…はぐれないでくれよ?」


さて、影に隠れていたお陰で見つかる事無くやり過ごし!…やはりマサツグ

から見てもその忍者達の結論は可笑しいのかツッコミを入れて居ると、

アヤが気を取り直す様に声を掛ける!…その際自分のせいで皆に心配して

居ると知ってか気負う様な素振りを見せると、マサツグはそんな様子に

苦笑いをするしか無く!…とにかくマサツグはアヤとはぐれないよう気を

配りつつ先行すると、まずは民家からの脱出を図り!…この時門扉の影に

隠れてまずは外の様子を見回し確認をすると、そこであの時田んぼに武器を

構えて見せて居た見張りを見つける!…


__…チラッ?…チラッ?……ッ!…


「……クソ!!…い、いつの間に侵入を許したんだ!?…

確かにあの茂みの中で牽制をして居た筈なのに!!…」


{……如何やらアイツは臆病者で何処か抜けているらしい…

…だったらもう一回利用させて貰うか…}


如何やら駆け付けて来た仲間に怒られたらしく、ブツクサと門番は文句を

言って居り!…この時まるでマサツグのせいと言った具合に言葉を漏らし!…

今だ自分は牽制出来ていた!と誤解した様子でとにかく不服感を全面に

出して居ると、それを見たマサツグは冷静に門番の性格を読んで行く!…

その際その門番は怒られた事に対して怒りに身を震わせて居るのか、それとも

恐怖で身を震わせて居るのか!…とにかくプルプルと震えては辺りを

キョロキョロと見回しており!…そんな様子からマサツグは後者と受け取った

様子で行動に出ると、ここに入った時と同様の手口で脱出を図る!…


__……チャリ………スッ…ビュッ!!………ぽちゃんッ!…ガッ!!…


「ッ!?…な、何だ!?…またか!?…

…さっきは狐か何かだったかもしれないが!!…

偶然は二回も起きる筈が無いよなぁ!?…

今度こそ逃がさない!!…出て来い!!…卑怯者ぉぉ!!!」


「ッ!……一体何をしたの?…」


「ッ~~~!!…ベ、別に何も?…ただ水切りをしただけ!…」


そこら辺に落ちている石ころを拾うと回転を加える様にして投擲!…すると

マサツグが投げた石ころは回転するとあの時同様田んぼの水面を斬る様にして

跳ねては茂みに!…また似た様な音が鳴った事で門番は慌て!…また何の

疑いも持つ事無く侵入者と疑った様子でその音の鳴った方へと近付いて行くと、

刀を構えては卑怯者呼ばわりをし始める!…それこそ全く懲りて居ない様子で!…

当然その様子をマサツグの後ろで見ていたアヤも戸惑った具合に反応すると、

マサツグに何をやったのか?を尋ね出し!…するとマサツグはその問い掛けに

対して笑いを堪え!…ただ自分のやった事に対して水切りと答えて見せると、

そのマサツグからの回答にアヤは首を傾げて見せる!…さて、そこからの流れは

言わずもがな!…見事に門番を欺くとその隙を突いて脱出!…生垣の影まで

移動すると、まずは里の玄関口へと目指すのであった!……因みに…

この時シロはと言うと…


「……お、オリハ叔母さん?…本当に大丈夫ですか?…

お顔がまだ真っ青なのです!……」


「あ、あははははは…だ、大丈夫…

ただ綺麗なお花畑が見えただけ…

…それに折角のお買い物だし…遠慮しないでね?…」


「……全然大丈夫そうに見えないのです!…

やっぱりジッとして居た方が?……」


「あ、あははははは…」


ゴートゥヘブンし掛けたオリハと一緒に町へ買い物へ!…この時オリハの顔は

まだチアノーゼが収まって居らず顔面蒼白!…勿論その様子を心配してシロは

オリハに声を掛けるのだが!…オリハはシロの問い掛けに対して大丈夫の

一点張り!…だが顔面蒼白なのには変わらず、シロが信じられない様子で

言葉を口にすると、オリハは苦笑いをするしか無いのであった!…因みに

言わずもがなオリハがこうなったのはシロのせいであり、オリハはその事を

咎める事無く決して口外もせず!…自身の中にその真実を秘める事にし!…

シロとの買い物をこの時楽しむのであるのだが!…この時この二人はまだ…

いや、この秋雲国オータムクラウド国に住まう者達全員が!…この後に起きる大騒乱に対して

全く誰も予期して居らず!…ただただその予兆を見逃し!…国家が引っ繰り

返る様な出来事に何も出来ず!…ただただその様子を見て居る事しか出来なく

なるのであった!…
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 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
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転生騎士団長の歩き方

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

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