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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章四十四節 裏切り者のアヤ?…とくノ一頭と目覚めの前兆-
しおりを挟むまるで殺し屋のよう静かにマサツグの背後から抱き着くようアヤが腕を回すと
動きを拘束!…更に右手で苦無を持つとマサツグの首筋に刃先を当て!…
その際鋭いのかマサツグの首筋から軽く出血の様子が見られると、フィロは
さっさと動かなかった自分に後悔をする!…それこそ最初から何か様子が
可笑しい事には気が付いていた筈なのに!…もしもの時の事を考えるとその
動きを鈍らせ!…マサツグはマサツグで静かに両手を挙げると降伏のポーズ!…
だが一切慌てる事無くただその頭目に対して視線を向けると、何か様子を
伺って居た!…
「……にしても無様だねぇ?…えぇ?…
確か情報によればアンタは他の大陸では英雄なんて呼ばれてるみたいだけど?…
その英雄様も女に捕まって無抵抗状態!…
それも自分より小さな幼子に助けを求めるしかない状態なんて!…
情けなくてあたしなら舌を噛んで死んじまうよ!!…」
「……一応聞くけどアヤに何かしたか?」
もはや勝った気で居るのか頭目はマサツグを見て笑い!…そして他でも聞いた
事のあるテンプレの様な煽りの言葉を口にすると、そのマサツグの置かれて
ある状況を自分にも置き換えたよう!…更に虚仮にした具合で言葉を続ける!…
その際思いっきり馬鹿にするよう皮肉を込めて今の言葉を口にすると、
マサツグは挑発には乗らない様子でふとある質問をし始め!…その質問と言う
のもただ冷静にアヤに何をしたか?と言うモノであり、そのマサツグの言葉に
頭目も何やらピクっと反応して見せると、問い掛けに答えるようただ自分達の
話をしたと返事をする!…
「ッ!…んん~?…別にぃ~?…何も…
ただあたし達の話を聞かせて…心が寝返っちまったのかもねぇ?…」
「……そうか…フィロ?…頼めるか?」
__ッ!……ニヤッ!…パチンッ!!…ゴウッ!!…ゴオオオオォォォ!!!…
特段何もして居ないとばかりに頭目はお道化て見せ!…アヤが寝返ったのでは?
と答えると、マサツグはその返事に納得をする!…と、言うよりも何かを確信した
様子で突如俯き!…フィロにもう大丈夫とばかりに名前を口にすると、続けて
フィロへ向かってあるお願いを口にする!…するとフィロもそれを理解した様子で
徐に耳をピクっと反応させると、次には笑いながら指でパチンと!…まるで
形勢逆転と言った具合に不敵な笑みを浮かべて見せると次にはマサツグを拘束する
アヤの体を突如発火させ!…更には牽制するよう自身の前に並んでいるくノ一達の
前に炎の壁を作って見せると、あっと言う間に逃げる算段を整えてしまう!…
「ッ!?…な!?…こ、これは!?……妖術の類!?…」
「……やれやれ…一時とは言えマサツグ…気が気でなかったぞ、わっちは?…
あの様子だと分かって居っただろうに!…そして何故さっさと始末をせぬ?…」
「念には念をって奴だ!…正直確認する方法があれしか無かったからな?…」
突如目の前に炎の壁が出来た事でくノ一達は戸惑い!…アヤは自身の体に点いた
火を消すのに必死になると、藻掻き苦しむ様に地面を転がり回る!…そしてこの時
さすがは頭目と言った所か、慌てながらも騒がずその炎の壁を見ると妖術と
見破り!…そんな中その炎の壁に内側ではと言うと、フィロとマサツグが合流を
果たし!…フィロはマサツグの今までの一連の様子を見てヒヤヒヤだったと!…
その際マサツグが既にアヤが偽者であった事を知って居たかの様に話しをすると、
何故事を引っ張ったのかについて尋ね始める!…するとその問い掛けに対して
マサツグは念には念をと言うと、慎重になって居た事を話し!…次には確証を
持つのに時間が掛かったと!…その確信を持つ方法についても手段を選んでいる
暇が無かったと話すと、フィロはその方法に興味を持つ!…
「ッ!…ほほう?…どの様に確認したのじゃ?」
「ッ!!………ア、アヤの…」
「ッ!…アヤの?…」
「……ッ~~~~!!!…
…ア、アヤの胸が!!…こんなにデカい訳無いんだ!!!…」
マサツグの確認方法に興味を持つとその方法について尋ね!…すると尋ねられた
マサツグも何故か顔を赤く!…その際別に答えなくても良いのに素直に問い掛けに
対して答え出そうとすると、言葉に詰まった様子でアヤがと言う!…となると
フィロもそれに合わせてやはり疑問を持ったようマサツグの言葉を復唱すると、
更に尋ねるよう首を傾げ!…マサツグはマサツグで何か覚悟を決める様に一度目を
閉じて見せ!…そして決意したようプルプルと震えつつ!…その確認した方法に
ついてフィロに打ち明けるようその言葉を口にすると、フィロはその言葉に
戸惑ったよう返事をする!…
「ッ!!………ふぇ?」
__……ハッ!?……じぃ~~~~……
マサツグの言葉に理解出来ず固まってしまい!…気の抜けた様な返事を口に
すると、マサツグも暫くしてハッ!と気が付いたよう辺りを見回す!…
何故なら…幾ら炎の壁に囲まれて居ようとも今だ包囲は解けて居らず!…
その外側では今だくノ一達が待機しており!…何なら同じ様に話を聞いて
居た者達はマサツグをジッと見詰め!…それもまるで何か卑しい者を
見るかの様なジトッとした目で見て居ると、マサツグもその視線に気が付く
なり言い訳をする!…
「ッ!?…ち、違!!…そう言う意味じゃなくて!!…
…えぇでも違くなくて!…ッ!!…そ、そう!!…
アヤなら!!…{何で助けに来たのよ!!…馬鹿!!!}って!!…
文句を言いそうって事で!…」
「……まさかそんな事で見破られるなんてねぇ?…
さすが英雄は色好むって所か?…」
「だ!!…だぁ~かぁ~らぁ~!!!…俺とアヤはそう言うんじゃなくて!!!…
たまたま偶然知ってしまう機会が有って!!!…」
その周りからの最低!…と言わんばかりの視線にマサツグが慌て!…今更に
なってそのアヤの反応からして可笑しかった事を口にするが時既にお寿司!…
頭目もバレていた事に対して意外と話し!…マサツグも事を助兵衛の様に
言うと、マサツグも形振り構わず否定をする!…それは宛ら子供の様に!…
両腕を振って否定をすると同時にアヤとの関係についても否定!…その胸の事に
関してもはぐらかすよう!…たまたま知る機会が有ったと言葉を口にして
居ると、フィロがその話に興味を持った様子で茶々を入れる!…
「……ふむ…マサツグもやはり大きい方が好みなのかや?」
「ッ!…い、いやぁ…俺は大きさより形かな?…
綺麗に整ってる子の方が……って、違ぁ~~う!!!…ッ!?…」
__ジト~~~~!!!……
「ッ~~~!!!…そ!…そんな話をしている場合じゃ無いだろ!?…
とにかくここから出るぞ!!!」
フィロは徐に自慢の胸を持ち上げるとマサツグにアピール!…クイクイッと
持ち上げてはその大きさを確かめさせる様に質問の言葉を口にするのだが…
マサツグはその質問に対してクソ真面目に回答!…その際照れながらも自身の
好みを口に…大きければ良いと言うモノではない!と言う事を口にしようと
すると、途中でハッと我に返ってはフィロにツッコミを入れ始める!…しかし
時既にお寿司!…くノ一達の視線は更に冷たいモノになっており、炎が近くに
在るにも関わらず氷点下!…それはそれはとても寒い場所へと変わって居た!…
そしてマサツグとしても当然居た堪れなくなると話を打ち切り!…フィロに
改めて逃げる事を口にして居ると、くノ一達も業を煮やした様子で襲い掛かろう
として見せる!…
「…もういい!!…こんな助兵衛の話など聞いて居られるか!!…
逃がすな!!…ここで始末しろ!!!…我らの悲願成就の為に!!!」
__ハッ!!!…バババッ!!!…フォフォフォン!!!…
「ッ!?…あぶな!!」
「ッ!!…チッ!!…
折角面白くなって来たと言うに!……無粋な奴らじゃ!…」
頭目もお腹が一杯の様子でご立腹!…直ぐに攻撃の指示を出すとくノ一達も
返事をしては苦無や手裏剣を投擲!…その際散開する様にして陣形を組み!…
よりマサツグ達を逃がさないよう強固なモノにしようとすると、マサツグと
フィロはそれぞれ左右に分かれる様にして攻撃を回避する!…この時マサツグも
突如攻撃された事で驚くと、回避した流れに乗ってそのままその場を後に
しようとし始め!…フィロも文句を口にしながらマサツグに続くよう!…
しかしそれを良しとしないのが頭目で有り!…フィロに目もくれる事無く
マサツグの動きを抑えに掛かると、短刀を片手に襲い掛かる!…
__バッ!!…バババッ!!!…
「ッ!!…させるかあぁ!!!」
「ッ!?…マジか!?」
__ギイィン!!!…ッ!?…
くノ一達を引き連れているだけの事は有る様で、見事にマサツグの動きを読むと
その前に立ちふさがり!…マサツグもマサツグで自身の動きに付いて来れる者が
居た事で驚き戸惑い!…その頭目が仕掛けて来た攻撃に対して刀を抜くよう鍔迫り
合いに持ち込まれると、その動きを止めてしまう!…すると当然フィロがそれに
気が付いたよう驚いて見せると、マサツグの助太刀に入ろうとするのだが!…
「マサツグ!!…待って居れ、加勢を!!…」
「ッ!!…いや、フィロはそのまま外を目指してくれ!!…」
「ッ!?…なにぃ!?…」
「最優先はアヤだ!!…多分別の所に居るに違いない!!…
先に外に出てアヤを探してくれ!!!…
…なぁ~に!…これ位の相手なら訳はねぇ!!…
ついでに外の敵でも減らしておいてくれ!!…遠慮は要らん!!!」
フィロがマサツグの加勢に入ろうとするのだがマサツグはそれを拒否!…
その際マサツグはそのまま外に出るようフィロに指示を出すと、フィロは
当然の様にその指示に戸惑い!…一体何故!?と言った具合に一言言葉を
口にすると、マサツグは鍔迫り合いを続けながら最優先事項を口にする!…
あくまでもアヤを助けるのが重要と口にすると、その居場所については
この里に居ると!…まるで確信を持って居る様子で外に出てはアヤを探せ!
と言葉を続け!…今自分が対峙して居る頭目に対して余裕とばかりに
言葉を口にすると、ついでのお願いとばかりに外の掃除もお願いする!…
するとそのマサツグの言葉で頭目もカチンと来た様子で、取り巻きの
くノ一達に!…
「ッ!?…何だとぉ!?…ッ~~~!!!…
お前達!!!…その幼女を逃がすな!!!」
「ッ!!…ハッ!!……ッ!…いやしかし!…」
「……この里を訪れた事を後悔させてやれ!!…
あたしはこの男をここで殺す!!!……くノ一頭のあたしを前に!!!…
ふざけた口を叩いた罪を!!!…償わせてやる!!!」
「ッ!……おぉ~おぉ~…折角の美人さんが台無しだぜぇ?…っと…」
意外と煽り耐性は無いのかマサツグの挑発に乗っかり!…自らも一対一で
マサツグと戦う事を決めると、フィロを追い駆ける様に指示を出す!…
するとその指示にくノ一の一人が反応すると、一度はその指示を聞き入れた
様子で反応するのだが!…次にはやはり心配した様子で戸惑い出し!…
同じ様に他のくノ一達も間誤付くようオロオロとして見せると、頭目は
構わず行くよう檄を飛ばす!…その際何か逆鱗に触れたのか、マサツグの
事を目の敵にして見せ!…その間にもフィロはマサツグの事を信頼した様に!…
その場を後にするとマサツグの言う通りにアヤを探しに外へ!…マサツグも
それを確認して更に煽るよう頭目を上から見下ろしつつ言葉を口にすると、
更に頭目は激怒する!…
「ッ!!!…きぃ~さぁ~まぁ~~!!!!」
__グググッ!!!…
{ッ!…意外と強い?…いやでもジッチャンとかに比べればやっぱまだまだ…}
「クッ!!!…さすがは英雄と呼ばれている男と言った所か!!…
けどねぇ!!!…あたしも伊達にくノ一頭は!!!…」
激怒する頭目はマサツグを必死に押して見せ、すると当然そんな頭目の様子に
くノ一達も依然として戸惑ってしまい!…それでも指示は指示と困惑しながらも
動き出し!…先に出て行ったフィロの事を追い駆けて行くと、その座敷牢には
二人!…マサツグと頭目だけが取り残される!…そしていつしかマサツグ達を
護っていた炎も鎮火されて消えると、互いに動きの制限が無くなり!…頭目は
それにいち早く気が付くとマサツグを往なして距離を取り!…マサツグも往な
された事でバランスを崩しつつ!…されどそこまで酷く崩れた様子を見せる事
無くすぐさま持ち返して見せると、互いに得物を構えて睨み合う!…
__ギギギギッ!!…グンッ!!…ッ!…
「ッ!…っと!…とと!……フゥ~…仕切り直しかい?…」
「クッ!!!…女だからって!!!…舐めんじゃないよ!!!」
「ッ!…別に舐めた覚えはないが?…」
相当頭に来ているのか殺気立ち!…もはやその様子からはとても忍者と呼べる
状態では無くなって居るのだが!…それでもその頭目の構えは忍びその物で
残っており、マサツグに対して若干前屈みに!…右手に持っている短刀を逆手に
持つと顔を覆う様に!…腕を回し反対側の自身の顔の横に持って来ると、刃を
マサツグに向けて構えて見せる!…そして腰もスッと落として足に体重を乗せる
と、いつでも駆け出して行けるよう足を開いて踏ん張って見せ!…怒りを露わに
した状態のままでマサツグに対し舐めるな!と文句を言い出し!…更に左手を
腰に差して有るもう一本の短刀へと伸ばして行くと、その短刀を抜く事無く構え
続ける!…そしてそれは誰が如何見ても本気で怒って居ると言うのが容易に
伺えるモノなのだが、マサツグはそんな頭目に対してまだ余裕と!…覚えが無い!
と言った様子で返事をすると、頭目にすっ呆けて見せ!…頭目もそんなマサツグの
態度にカンカン!…更にキレた様子でその形相を鬼の様に歪ませて見せると、
マサツグへ向かって突貫する!…
__ババッ!!…ッ!?…
「そのふざけた口も!!…直ぐに叩けなくしてやる!!!」
__チャキッ!!…スウゥ!…チカッ!!…ッ!?…
「疾風迅雷!!!」
何の躊躇いも無く頭目は真正面からマサツグに向かって突貫!…すると当然
マサツグも瞬時に身構え攻撃を往なす様な構えを取るのだが!…その攻撃を
仕掛けられる刹那に頭目はもう一本!…左手の短刀を徐に抜刀して見せると、
次の瞬間まるで稲光が走ったかの様な閃光を覚える!…そしてその閃光は
いとも容易くマサツグの視界を奪うと、同時に怯ませ!…その隙を狙うかの様に
頭目は肉薄!…怯んでいるマサツグに向かい貰った!とばかりに技名を口に
すると、マサツグの胸部や腹!…二撃の鋭い斬撃を繰り出す!…
__フォフォンッ!!…ズバババシュ!!!…
「ッ!?…ツ~~~!!!」
「ッ!!…チッ!!…仕留め損ねた!!」
__バババッ!!!…チャキッ!!……
頭目が繰り出した斬撃はマサツグに命中!…しかし最初に構えを取って居たせいか
思う様に刃が通らず!…致命傷にならず浅い状態でマサツグを更に怯ませるだけに
終わってしまうと、マサツグも刀を手にしたまま痛がるだけでまだ立ち続ける!…
すると頭目もそれに気付いて居る様子で舌打ちをしては、一旦距離を取る様に
後ろへ下がり!…また左手の短刀の納刀しては構えを取り直し始め!…頭目の
戦闘スタイルとしてはヒット&アウェイ!…マサツグも目をシパシパとさせながら
確認はした!と言った具合に目を慣らして行くと、もう一度構えを取って
見せる!…
__ッ~~~………チャキッ!!…
「…今のは効いたぜ?…何なら真面に喰らったの今のが初めてかも!…」
「ッ!…チッ!…まだその様に調子に乗った口を!…
だが良いだろう!!…今度こそ仕留めてくれる!!…
中途半端に生き残ってしまった事を!…後悔するが良い!…」
__チャキッ!!…スウゥ!…チカッ!!…
ぼや~ッとしている視界の中で頭目を映し!…まだ懲りて居ない様子で軽口を
叩くと、そのマサツグの言葉に頭目が苛立つ!…それはまるで効いて居ないと
言っている様に聞こえたのか、またもや舌打ちをして!…すると続けて文句を
言うよう言葉を口にすると今度こそ始末すると!…再度突貫の構えを見せて
マサツグに左手の短刀を抜く動作をすると、再び同じ様に技を繰り出す様子を
見せるのだが!…この時マサツグは何を思ったのか徐に目を閉じては正眼の
構え!…閃光だけでも如何にか出来ないのか?と言った苦肉の策を見せると、
その様子に頭目は笑って見せる!…
__スッ…チャキッ!!……
「ッ!?…フハハ!!…閃光を辛うじて避けたと言った所か!?…
だが無駄な事を!!…もうお前は私の攻撃間合いに入って居る!!!」
__チャキッ!!…コオオォォ!!!…
「これで終わりだ!!…」
偶然なのか狙ってなのかマサツグが目を閉じた事で左の短刀の閃光を回避!…
しかしその時には既に頭目はマサツグを自身の攻撃間合いに入れて居り!…
反撃もままならない・ただ弾くも難しい状態にしてしまうと、構わず技を
繰り出そうとする!…その際既に頭目は攻撃モーションに入って居る為、
今から目を開けて確認したのでは回避も遅く!…頭目もこれで終わり!と
ばかりにマサツグを仕留めた気になったよう!…自身の技名を口にしこれで
終わった!と思い込んで居ると、ここでマサツグはある事を思い出す様に
行動に出る!…
__…マサツグの回想…
{……よいか?…動きを看破すると言うのはただ動きを見るだけに限らん!…}
{ッ!…え?…}
{先程から見て居るとやはり目だけで攻撃を追って居る!…
それでは咄嗟に気が付いた時には反撃!…
或いは回避も覚束ず危ういモノになってしまう!……五感じゃ!…
五感を研ぎ澄ませ気を感じる事が大切なのじゃ!…
その飛んで来る攻撃の音だけに耳を澄ませ方向を読む!…
触れて往なしその技の癖を盗み!…
それはまるで食事をするが如く味や匂いの様にも感じると、
自ずとそれは相手の動きを読むに繋がる!…
そして最後は目でその姿を捉えては動きを網羅!…
それすなわち相手の動きを看破する!…
ただ回避する術を見つける事を看破すると言うのではなく!…
相手の動き全てが手に取る様に分かる事を看破すると言うのじゃ!!…
…無論、それこそ極まると相手が朝何をして来たのか?が分かる程!…
と言った具合にな?…}
{ッ!?………}
この時マサツグが思い出して居たのはヴェルとの修行時に教わったその看破をする
と言う本当の意味!…ヴェルに指摘された時の所から思い出すとまるでイベント
シーンの様に!…やはり打ち負かされては地面にへたり!…そんな様子にヴェルも
苦笑いをしつつマサツグに教えると言ったシーンをふと思い返して居ると、その時
聞いた言葉も一言一句間違う事無く思い出して居た!…それは今現在進行形で
頭目の攻撃が迫って来ているにも関わらず!…静かにその心得を思い出すと実践
する様に!…目が使えなくともその攻撃を耳に聞き!…その攻撃が飛んで来るで
あろう方向から頭目の攻撃の風圧を感じると、マサツグは突如覚醒したよう目を
閉じたまま回避をする!…
「疾風迅雷!!!」
__フォフォフォン!!!…
「ッ!?…な!?…」
「……ボディが…ガラ空きだぜ!!」
初撃!…右逆手持ちの薙ぎ払いを上体を逸らして回避すると、次撃の左手の右回転
薙ぎもバックステップで回避!…そして最後の回転を生かした右逆手からの
アッパー斬撃も体をズラす様にして回避して見せ!…躱された本人も驚いた様子で
思わず言葉を漏らして居ると、その最後のアッパーを繰り出す際飛んで跳ねて居る
ので無防備に!…首からへそまでノーガードで浮遊をしており!…短い時間ながら
マサツグはその隙を逃がさないよう一気に攻勢に出ると、自身の技を繰り出す!…
「ダガーじゃないけど!!…ダガーラッシュ!!!」
__ズババババババアアァァァ!!!…ッ!?…グハァ!!…
構えていた刀を順手に持ち!…もう一本の刀も抜いて二刀流に構えて見せると、
絶え間ない斬撃を容赦なく打ち出す!…それはその宙に浮いている頭目の体に
向かって放たれると、その宙に浮いたままの状態を維持する様に!…そして当然
攻撃を受けている頭目は苦痛に顔を歪めて見せ!…吐血も見られた所でマサツグが
フィニッシュに入ると、ゼロ距離でのマンイーター殺しを披露する!…
「止めのゼロ距離サイクロンエッジィィ!!!!」
__ダンッ!!…ゴオォォ!!!…ズバババアァァ!!!…クルッ!…ドン!!…
「ングッ!?…」
__ブオン!!…ダアアアァァァン!!!……
「ッ~~~!!!…グハアァ!!!……」
__……ズ、ズシャアァ……
マサツグは途中で相手の体を貫かないよう攻撃を中断すると、クルッと宙で
回転しては頭目を蹴り飛ばし!…蹴り飛ばされた頭目は抵抗もなくそのまま
壁に激突!…その際またもや吐血が見られると気を失う様にして壁にもたれ
掛かる!…そして徐々にそれも力無く崩れる様にして地面へヘタると、マサツグも
見事に着地を決めて刀を納刀して見せ!…
__スタッ!……フォン!!…スゥ…キン!…
「……スゥ~……ハアアァァァァ~!!……
終わったぁぁぁ!!……で、あっちはと?…」
__………。
「……応答なし!……ちっとばかしやり過ぎたかね?…
でもまぁこれでよぉく分かったこったろう?…
相手を殺すって言うのは自分が殺されるかもしれない
覚悟がある者だけがやる事だって!…って事がよ!…
…さて、急ぐか!…」
次には終わったとばかりに溜息を吐き!…この時その若干遠くで倒れている
頭目に対して視線をジッと向けるのだが、やはり頭目は気を失って居るのか
ピクリとも動かない!…するとそんな様子を目にしてマサツグも思わず心配を
すると、同時にこれで分かったと!…まるで深淵を見る時向こうもこちらを
見て居る!と言った様子で言葉を口にし!…フィロが先に出て行った階段の
方へ視線を向けて自分も急ごう!と言った具合に地下を後にすると、そこで
フィロらしいトンデモナイ光景を目にする!…
__ザっザッザッザッザッザッ!……ッ!?…ゴオオォォォォ!!……
「あぁ~あぁ~!…派手にやってんなぁ?…
確かに敵の数を減らしておいてくれると有難いとは言ったが…」
「ッ!!…居たぞぉ!!…曲者だぁ!!!」
マサツグが忍者屋敷を後にして外に出て来るとそこは地獄絵図!…さすがに
里全体が焦土と化している訳では無いのだが、民家らしき物の影が灰と
なって消えて居り!…その他にも地面には数十人近い忍者くノ一がゴロゴロ!…
死んでは居ないものの動くに動けず!…呻き声を挙げる様な苦しむ姿を見せて
居ると、そんな様子にマサツグも戸惑う!…そして思わずその光景を見て
呆然として居ると、まだ生き残りが居た様で曲者と!…その忍者達はマサツグを
見つけるなり得物を手に取り囲み始め!…まるで仲間の仇!と言った具合に
殺気を放つと、襲い掛かろうとする!…
「でやああああぁぁぁ!!!」
__ッ!?…フォン!!!…
「ッと!!…ヤッバ、見つかった!!…」
「こっちだ!!!…こっちに曲者が居る!!!」
忍び刀を手に大きく振り被るとまるで武士の様に!…そんな攻撃にマサツグも
ハッとすると寸でで回避!…そして見つかった事に対して危機感を持ち!…
囲まれている事に気が付き如何するかで考えて居ると、更にその忍者達は仲間を
呼ぶ!…もはや何が何でも逃がさないと言った様子で!…当然そんな様子に
マサツグも慌て!…どうやって切り向けるか!で辺りに注意を払い様子を見て
居ると、増援が駆け付けて来ては更にマサツグを窮地に追い込む!…
__ババッ!!…ババッ!!…
「この野郎!!…右京の仇!!…」
「佐門次の仇!!…」
「ッ!?…右京も佐門次も知らねぇっての!!…水〇豊か!!…
…こうなりゃ仕方がねぇか!?……確かまだアイテムポーチに!!…
…ッ!…あった!!」
集まって来る忍者達は同胞の名前を口にしては仇!と…その際忍者達が口にする
名前についてマサツグも知らない!と文句を入れると、某・俳優の名前を口にして
更にツッコミを入れて行く!…そしてゾロゾロと群がって来る忍者達に対して
鬱陶しさを覚えると、遂には強行突破に出る事を考え!…自身のアイテムポーチに
まだある物がある事を確認し出し!…それを取り出すようアイテムポーチから
そのある物を取って見せると、忍者達は途端にマサツグに対して警戒をする!…
__どよっ!!……クッ…ピンッ!!……
「…何が何だか知れねぇがこっちは急いでんだ!!…
遊んで欲しかったらついて来な!!」
__ブンッ!!…ッ!?…パシュン!!…ッ~~~~~~~………
マサツグが取り出した物とは缶状の何か!…するとその缶には何やら安全ピンの
様な物が付いて居り、マサツグは躊躇いも無くそのピンを抜き!…忍者達に
掲げて危険物で有るようアピールをすると、文句の言葉を口にする!…そして
マサツグが文句を言い切った所でその缶を地面に向かって叩き付けると、
忍者達も反射的に不味い!と言った様子で防御の構え!…しかし次に起きた事と
言えば強烈な閃光が辺りを包む位の事であり!…音が無くなる様な無音の衝撃が
耳を襲うと、その自身の体に何の害も起きて居ない事に戸惑い出す!…だが!…
__ッ~~~~!!!……ッ?…
「い、一体何……ッ!?…」
「く、曲者が居ない!!…逃げられた!!」
「さ、探せ!!!…絶対に逃がすなぁ!!!」
既に分かって居ると思われるがマサツグが投げたのは閃光弾!…そして今まで
そんな物を目にした事が無いのか忍者達は戸惑い!…自身に身を見回しては
何も無いと…一体何なのだ?と言った具合に困惑して居ると、次にはマサツグの
姿が消えて居る事で慌て始める!…この時誰も見て居なかった様子で驚き
戸惑うと!…ひたすらに慌てた様子で探せと!…マサツグを逃がした事で失態と
言った具合に!…すぐさま散開してマサツグの姿を探しに四方へ散って行く
のだが!…その肝心のマサツグはと言うと!…
{……ざんねぇ~ん!…マサツグさんは何処にも移動はして居ないのだぁ~!…
ただ隠密使っただけだよぉ~!……っと、馬鹿にするのもこれ位にして!…
何とかフィロと合流!…そんでもってアヤを助けねぇと!!…}
ただ閃光弾を利用して姿を隠しただけで、実際はその場から一歩も動いて
居らず!…心の中で勝手に四方へ散って行った忍者達を馬鹿にして見せ!…
とにかくこれで何とかなったとばかりに安堵すると、改めてアヤの捜索!…
及びフィロとの合流を図るのであった!…
応援ありがとうございます!
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