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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章二十一節 奇妙な爺様と二度目のクラスアップクエストと試験官-

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ギルドに入る手前でご老人を助け!…他の冒険者と一触即発になりそうだった

のを逆に宥められると、その際ご老人は手を貸してくれたマサツグが剣士で

ある事に気が付く。この時ご老人は興味深そうにマサツグの事をマジマジ観察

すると、顎に手を当ててはジッと見詰め!…まるで品定めをする様に上から

下までまるっと何やら確認し!…マサツグもそれに気が付いてやはり何か怪我を

したのか!?…と心配をして居ると、ご老人はふと口を開くなり質問をする!…


「……いやはや…お主は見た所剣士様の御様子で…

今までどんなモノを相手にしてしてこられましたかな?」


「ッ!?…え?…き、急に何を?…」


「いやいや!…ただ単なるジジィの興味本位と言う奴ですじゃ!…

してどの様な?…」


「ッ!?…え、えぇ~っと……と、盗賊……とか?…」


ご老人は口を開いたかと思えば奇妙な質問を口にする!…その質問と言うのも

マサツグが剣士である事を見抜いた上で今まで戦って来たモノを聞く内容で、

マサツグも突如そんな話を振られた事でえ?…と戸惑って見せると、そのご老人は

興味本位と訳を言う!…そしてその訳を言った上で再度マサツグに質問をし

始めると、更にマサツグは戸惑い!…答える上でマサツグは色々と誤魔化し!…

何なら信じて貰えないだろう事を含んで盗賊だけと答えると、そのご老人の

視線は何故かシロやフィロに抜けられる!…するとその目は依然として優しい

眼差しをしたモノなのだが、何かを見破った様子で…


__……スッ……ッ!……ッ?…


「……ふぉっふぉっふぉ!…

そうかそうじゃったか!…あ、いや…急に変な質問をして失礼した!…

…にしても…その狐耳の子は何と言うか……良いモノを持って居るのぅ?」


「ッ!?…え?…」


ご老人がフィロとシロに視線を向けるとフィロは何故か警戒!…シロはシロで

そのご老人に対して首を傾げ…マサツグもそんなご老人の心変わりにただ

戸惑いっ放しで、一体何が何だかと言った戸惑いの表情を隠す事無く露わに

して居ると、突如としてそのご老人は笑い出す!…この時そのご老人の様子は

まるで何かを悟った様子で笑って居り!…マサツグの居る方へスッと視線を

戻すと、次には頭を下げて謝り始める。この時一連の質問に行動と色々意味が

有った様子で語ると、最後には何やら意味深な言葉を口にし!…すると当然

何の事か分らないマサツグはトコトン戸惑い!…戸惑いの言葉を漏らして

何の事かと言った具合にそのご老人の事を見ていると、ご老人は再度フィロに

視線を向けるとその胸元に目を向ける!…


「いやいや…眼福眼福!……

ワシも少しばかり若返った気がするのぅ?…

ふぉっふぉっふぉ!…」


「……え?…え??…」


「ッ!…こ、このスケベジジィめ!!…

わっちの体は安くはないのじゃ!!」


ご老人が言うフィロの持っている良い物とは、それは如何やら胸の事らしく…

ご老人は良いモノを見たと言った様子で笑顔を見せると、マサツグに若返った!

と言い出す!…すると当然そんな話を振られた事でマサツグはこれまた戸惑うと、

何も反応出来ず!…ただ言葉をしどろもどろに零しては思う様に返事も出来ない

まま!…フィロもフィロでハッと気が付いたよう腕で自身の胸元を慌てて隠して

見せると、そのご老人に対して文句を言う!…その際良い物なのは当たり前!と

言った様子で更に文句を続けると、珍しく頬を染めて威嚇をするのだが!…

そのご老人は全く聞いて居ない様子で涼しい顔をしており!…これまたマサツグ

達に対して軽快に笑って見せると、一緒にギルドへ入るよう勧め始める!…


「ふぉっふぉっふぉ!…あぁ、いや失敬!…

ほんに良いモノを見れたものでな?……それよりも…

…如何やらお主達もここに用が有って来た事じゃろうて…

一緒に入って行かぬか?」


「ッ!…え?…」


「ワシも少しばかりここに用が有って来た次第…

ワシの馬鹿…ッ!…ン゛ン゛!!…

弟子がここに来る事になって居るのじゃが?…」


「ッ!…さっきから話し聞ぃとったら…爺さんナニモン何や?…」


本当に掴み所が無い様子で笑い飛ばし!…フィロに対して軽く謝って見せると、

本題に入る!…その際一緒にギルドへ入るよう声を掛けると、マサツグ達の

目的も見透かした様子で声を掛け!…と言うよりもマサツグ達も冒険者なの

だから当然ギルドに用があり!…そんなご老人の話に益々マサツグが付いて

行けない様子で戸惑って居ると、ご老人はここに来た理由をふと話し始める。

何でもご老人がここに来た目的と言うのは、自身の弟子を探してここへ来た

と言う事らしく!…まるで事前に集合場所をギルドと決めて居た様子で

マサツグ達に話し!…その話を聞いてライザも漸く会話に参加するよう逆に

そのご老人に質問をし始めると、そのご老人は笑いながらこう言い出す…


「ッ!…ふぉっふぉっふぉ!…なぁに!…

ワシはただの隠居したいだけの老兵じゃよ!…

もう戦う理由も無いのに…今だこうして老兵をやって居る…」


「……老…兵?…」


「……ッ!…っと、イカンイカン!…湿っぽくなってしまうわい!…

さぁ、とにかく中へ!…お主達も仕事が有るじゃろうて!…

…こんな老いぼれの与太話に付き合ってくれて感謝するわい!…

達者で過ごすんじゃぞ?」


ご老人は自身の事を老兵と言うとしんみりして見せ…何かを思い出すよう

俯き隠居したい事を口にすると、ライザを困らせる!…この時ライザも

そのご老人の話を聞いて言葉を復唱するよう口にすると、何故かその

ご老人の雰囲気に引き込まれそうになり!…するとご老人も暫くして

ハッと気が付いた様子で我に返り!…話を元に戻すよう慌ててギルドに

入るよう再度勧めると、先に自身が入って行くよう扉に手を掛ける!…

そして最後に話に付き合ってくれた事に対して感謝の言葉を口にすると、

そのまま扉を開けっ放しにしてギルドに入って行き!…マサツグとライザは

そんなご老人の話に揃って戸惑い!…一体何が何だか?と言った様子で

呆けて固まって居ると、ライザがただ者では無いと口にする。


「え?…あ、あぁ……

な、何やあの爺さん?…違う意味でただ者じゃないで?…」


「……それだけではないぞ?…」


「ッ!…え?…それは如何言う?…」


ギルドの中に姿を消して行くご老人に返事をし…ライザが思った事を口にすると、

それに便乗する様にフィロも言葉を口にする!…その際フィロは今だ若干警戒した

様子で口を開くと、意味深な事を言い出し!…その言葉を聞いてライザも若干

戸惑った様子でフィロに質問をして見せ!…何がそんなにヤバいのか?と言った

具合にその表情までもを戸惑わせると、フィロはあのご老人から感じた気配に

ついて語り出す!…


「あの者!…かなり出来る!!…

わっちが本来の力を取り戻したとしても勝てるかどうか!…

とにかくわっちの中の本能がヤバい!と警告する位に出来る!!…

…奴とは真面に戦いたくは無いな!…それ位に手練れじゃ!!…」


「ッ!?…ま、マジで!?…」


フィロが言うには歴戦の戦士と言った様で、フィロ自身本当にヤバい!と感じる

レベルらしく!…本人が言うには本気で戦って勝てるかどうか!…そんなレベルに

あのご老人が強い事を口にすると、フィロは今になって徐々に警戒を解いていく…

すると当然そんな形になっても魔王であるフィロがそんな事を言うものだから、

ライザは驚き!…信じられない様子でギルドに姿を消して行ったご老人を視線で

探し!…フィロに何度もホンマに!?…と尋ねそうになって居ると、マサツグも

ハッと我に返った所で本題に戻る!…


「……ッ!……と、とにかく不思議な爺さんであった事に変わらないか…

……ギルドに入るか…」


「そ、そうだな……うん…今は気にしてもしゃ~ないしな?…」


「……ッ?…」


最初から最後まで振り回されっぱなしのマサツグももはや考える事を放棄した

様子で…とにかくギルドに入る事を口にすると、シロの手を引いては扉を潜る。

しかしその表情はと言うと今だ先程の事を引っ張った様子で戸惑って居り!…

何ならフィロが言って居た話も聞いていたのか信じられない様子で!…マサツグが

シロの手を引いてギルドに入って行った事でライザも慌てて返事をし、マサツグ

同様考える事を放棄した様子で言葉を口にすると、マサツグの後を追い駆けて

行く!…そしてそれに続くようフィロもマサツグ達の後を追い駆けてギルドに

入って行くと、扉は自動で締まり!…シロはシロでマサツグ達の様子に今だ理解

出来ていない反応で首を傾げ!…とにかく一同はギルドに入るなり皐月の居る

カウンターに向かい歩いて行くと、その皐月から挨拶をされる!…


「……ッ!…あっ!…おはようございます、マサツグ様、ライザ様!…

…今日は如何言ったご用件でしょう……ッ?…如何か為さいましたか?…」


「ッ!…え?…あ、あぁ!…ゴメン何でもない!…気にしなくて良い!…」


「……ッ?…はぁ…」


マサツグ達に気が付くと皐月はいつもの様に挨拶をするのだが、そこで見たのは

奇妙な事に戸惑った表情を浮かべ続けるマサツグの姿で…そんなマサツグの状態に

シロも心配した様子でマサツグの事を見詰め続け!…皐月もマサツグ達の様子が

可笑しい事に気が付くと、戸惑った様子で声を掛ける。するとそこでマサツグも

二度目となるハッとした反応を見せると、次には慌てて何でも無いと言い!…

だが先程の様子を見て居た限りでは当然大丈夫そうには全く見えず!…しかし

深入りも出来ないと言った具合に皐月が対応に困った反応を見せて居ると、

ライザがすかさず助け舟を出す!…


「ッ!…そ、それよりもコイツ!…

クラスアップクエストに挑むみたいやさかいに…

受けれるかどうか見たってくれへん?…

まぁ大丈夫やとは思うけど?…」


「ッ!…あっ!…はい、分かりました!…

少々お待ちになって下さいね……よっと!…」


「ッ!…出たスカウター!…」


「では失礼しますねぇ?…」


ライザは慌てた様子でマサツグのクラスアップの話を持ち出すと、まずは

受けれるかどうかの審査をお願いし!…この時ライザ的に見ても恐らく

大丈夫である事を確信した様子で言葉を口にし!…皐月のそのライザの

話を聞いて承ったよう返事をすると、次にはカウンターの下より見覚えの

有るモノを取り出す!…それは某・七つの竜玉を集めると願いを叶えて

くれるアニメに出て来る測定器の様で、マサツグもそれを見るなり名前を!…

皐月はそれを装着すると慣れた様子で電源を入れ、マサツグに断りを入れて

からその計測に入り始めると、直ぐにその合否が通知される!…


__ピピピ!!……ピピィーー!!…


 --------------------------------------------------------------------------------

 「マサツグ」 剣豪  I---------------------------------I 100% Lv.50

              「クラスアップ可能」

 --------------------------------------------------------------------------------


「……はい!…大丈夫ですね!…如何されます?…

今からでも受ける事は可能ですが?…」


「ッ!…じゃあお願いするよ!…

受けといて損はないし!…」


恐らくスカウターからだろう計測完了の音が聞こえると、皐月のスカウターには

その結果が…それを見て皐月も大丈夫と言うとスカウターを外し、改めて

マサツグに案内するよう声を掛けると、マサツグもそれ聞いて返事をしようと

する!…その際受ける旨を皐月に話そうとするのだが、その話を聞いたのか

何処からともなく笑い声が聞こえると、次には馬鹿にする様な言葉も飛び出す!…


「……ケッ!!…だぁ~っはっはっはっはっは!!…

コイツは良い!!…またカモがネギを背負ってやって来てたぜ!!」


「ッ!…何だぁ?…」


「…へへへ!…ようニィチャン?…

そのクエスト受けるんなら俺を試験官に選べや!…

ちゃあんと審査してやるぜぇ?…」


「……誰やコイツ?」


まるでゴロツキの様な笑い声が聞こえたかと思えば次にはマサツグの事を言って

居るのか、鴨葱と馬鹿にするよう言葉を口にし!…当然その話声はマサツグの

耳にもしかと届き!…一体誰が騒いで居るのか?と言った様子で振り返ると、

そこで何やら本当にゴロツキ達が屯して居るのを見つけてしまう!…まるで

ギルドの一角を占有するよう数人がその場で固まって居ると、その内のザンバラ

頭でそこそこイケメンの派手な羽織袴を来た男が徐にマサツグへと近付き!…

次にはニヤニヤとゲスな笑みを浮かべながら自分を選べ!言い出し!…一体

何の事を話して居るのか分からないでライザがチンピラを見る様な目でソイツの

事を馬鹿にすると、次には取り巻きのゴロツキ達も集まり始める!…


__ッ!…あぁ~ん?…ゾロゾロ…ゾロゾロ…


「テメェ!…誰に向かってそんな口を利いてやがんだ?…」


「ッ?…あぁ~ん?…ンなモン知るか!…

こんな見るからに頭の悪そうな奴!…俺の知り合いには居らんでぇ!…」


「ッ!?…テ、テメェ!…鹿之助さんを!!…」


如何やら本当にゴロツキ達の様で、ライザの一言が耳に入ると途端にその

ゴロツキ達の様子は不機嫌に変わり!…ライザに対して喧嘩を吹っ掛ける様

言葉を口にすると、次にはライザも乗っかり始める!…この時非戦闘区域で

あるギルド内である事も忘れた様子で挑発すると、そのゴロツキも目を

ピクピクとさせて更に怒り!…次には武器を手に振り被ろうとし始め!…

それに合わせてライザも身構えるよう瞬時に拳を握って見せると、今度は

その鹿之助と呼ばれている男が仲裁に入る!…


「…まぁ待てよ!…こんなしょうもない事で騒ぎを起こすんじゃねぇよ!」


「ッ!…け、けど鹿之助さん!…」


「いいから!…な?…」


「ッ!?……へ、へぇ!…」


身構えるライザと男の間に割って入る事無くただ腕を突き出すと制止を促し!…

ライザの挑発を若干気にしつつも男の方を止めると、男はその鹿之助に止め

られた事で動きを止める!…その際止められた男の方は戸惑った反応を見せると、

鹿之助にどうして!?とばかりに声を掛けるのだが!…鹿之助は訳を答える事無く

ただ男を言い聞かせ!…同時にまるで威嚇する様にも睨み付けると、男は鹿之助の

言葉を聞いた様子で思い止まる!…この時男は鹿之助に対して若干ビビった反応を

見せると、スゴスゴと下がり…鹿之助もそれを見た所で軽く何度も頷き!…改めて

マサツグ達の方に視線を向けると、態度は相変わらずのまま話しを続ける!…


「……すまねぇなぁ?…ちぃっとばかし血の気が多くてなぁ?…

で、さっきの話なんだが…」


「し、鹿之助さん!!…勝手に話を進めないで下さい!!…

それに試験官を決めるのは挑戦者であるマサツグ様が決める事で!!…」


「ッ!…あぁ~ん?…何?…俺に文句あんの?」


「ッ!?……ッ…」


一度は落ち付いた様子で切り替える様に謝ると血気盛んと言い!…先程の話を

掘り返す様に言葉を続けようとすると、今度は皐月が話を遮る!…その際何かを

警戒した様子で鹿之助に注意をすると、如何やら試験官は選べるのか選択権の

話をし!…しかし再び話を遮られた事で鹿之助はピキり!…皐月に対して威圧を

掛けるよう言葉を口にし眼光を鋭くさせると、今度は皐月を委縮させる!…

するとこの時この状況に誰もが気が付いた様子で反応するのだが、次には誰もが

また始まった…と言った様子で放置し!…しかもじゃれ合って居るとかそんな

優しい物ではなく本気で面倒事から逃げる様に放置し、皐月が今危ないと言う事に

関して誰も助けようとしないで居ると、鹿之助は更に皐月へ威圧を掛け出す!…


「…ッ!…そうだ!…

そんなに出しゃばってくんならお前が俺の相手をしてくれても良いんだぜぇ?…

お前もそこそこ可愛いし!…たぁ~っぷり可愛がってやるよ!…

前任の受付の嬢ちゃんみたいによう?…皆で回してヒィヒィ!…」


「おいコラ!…無駄話を駄弁りに来たんなら失せろや!…下種野郎が!!…」


「ッ!?…ッ~~!……あぁ~ん?…」


皐月の事を睨み付ける様にメンチを切り!…皐月もその眼光に怯んだよう

ビクビクとし始めていると、鹿之助はふと思い付いた様子で口を開く!…

その際口にした内容と言うのは如何にも見事なまでに下種野郎な発言で、

何やら性犯罪を臭わせる事を口にし!…この時その話を聞かされた皐月も

怖いのか涙目になっており!…今にも泣き出しそうな様子でプルプルと

小鹿のよう身を震わせて居ると、次にはマサツグがキレた様子で鹿之助を

黙らせる!…その時のマサツグの怒り様はゲスデウスを前にした時みたく

静かに怒りを露わにし、鹿之助に対して眼光を鋭く!…すると鹿之助も

さすがに驚いた様子で一歩後ろに下がっては思わず戸惑い!…しかし直ぐに

立て直すようマサツグに威圧を掛けると、マサツグは全く気にして居ない

様子で皐月に声を掛ける!…


「……皐月ちゃん?…

確かクラスアップクエストの試験官はその口ぶりだと選べるんだよね?…

悪いけど詳しい話をしてくれるかな?」


「……え?…あっ…は、はい!…スンッ!…

…今回マサツグ様がお受けになられる試験の内容は…

試験官との手合わせにて相手を認めさせる事です!…

如何なる方法を用いても相手を認めさせる!…それが試験の内容です!…」


「……じゃあ次にその試験官について聞かせてくれるかな?」


「ッ!?…テ、テメェ!!…

さっきから涼しい顔して無視してんじゃねぇぞ!?」


皐月に声を掛けるなりクラスアップの話の内容を聞き出すと、その際鹿之助を

ガン無視!…これには鹿之助も更にキレた様子で静かに怒り!…皐月も皐月で

突如クエスト内容を聞かれた事で戸惑うと、その問い掛けに対しての返事に

遅れる!…しかしそれでも鼻を啜って涙を拭うとマサツグに返事!…クエストの

内容をマサツグに伝え!…マサツグはマサツグで続けてその試験官の事について

質問し始め!…そんなマサツグの態度に鹿之助も遂にキレた様子でマサツグに

手を出そうとすると、マサツグに睨まれる!…


__ガバァ!!…ギッ!!!…ッ!?!?………


「……まだなんか用か?…てか、大人しく待ても出来ねぇのか?…」


「ッ!?…テ、テメェ!!……」


「…続けて?」


マサツグに睨まれた際の鹿之助はまるで蛇に睨まれた蛙のよう固まり、更には

動けなくなり!…マサツグはマサツグで鹿之助の事を流し目で睨んでおり、

邪魔をするな!…と言った様子で鹿之助の事を馬鹿にすると、更に鹿之助の

神経を逆撫でする!…するとこれには鹿之助も顔を真っ赤にするとマサツグに

対して怒りをMAX!…しかし動けず四苦八苦しており!…そんな鹿之助を余所に

マサツグは皐月に説明を求め!…その際皐月に声を掛ける時だけ笑顔になると、

そんなマサツグの表情に皐月が戸惑う!…


「ッ!?…は、はい!…

し、試験官は[碧眼の司馬]…[元御庭番の菊]…[呪術の鞍馬]…

そして[奇術の鹿之助]となっています!…

…そこに居られるのは先程から言って居た通り!…

試験官の[馬場鹿之助]と言う者で…先程申し上げた

[奇術の鹿之助]その人です!」


「……へぇ?…口だけ野郎じゃないのか?…」


「ッ!?…い、言わせて置けばぁ!!!…」


皐月は戸惑いながらもマサツグの質問に答える!…その様子からは思わずプロ

意識が感じられ、マサツグも笑顔で皐月の話を聞きながら頷くと、理解している

様子を見せる!…しかし鹿之助を見る時だけは途端にキッチリ眼光が鋭くなり、

やはり鹿之助を目で威圧し!…一通り皐月から話を聞いた所で鹿之助の素性を

確認し、一応本物の試験官である事を確認して言葉を口にしようとすると、その

口から出てくる言葉はやはり鹿之助を馬鹿にする言葉であった!…すると当然

その言葉を聞いて鹿之助も更にキレた様子で言葉を口にすると、マサツグを睨み!…

しかしマサツグは依然として涼しい顔をしており!…二人の間で一触即発の状態に

なって緊張感が漂い出して居ると、マサツグは止めの言葉を口にする!…


「…で?…コイツをぶっ倒せば良いって事かな?」


__どよ!?…ざわざわ!…ざわざわ!…


「ッ!……へへへ!…良いのかよぉ?…俺を選んで?…後悔するぜ?…」


「……ほおぉ?…」


マサツグは皐月に笑顔を見せると鹿之助を指差し!…最終確認とばかりに

ぶっ飛ばすと言葉を口にすると、周りで話を聞いていた他の者達をも驚愕

させる!…この時その周りから上がるどよめきはまるで鹿之助を選んだ事に

対して驚きを露わにする様に聞こえ!…それと同時にマサツグの豪胆さに

驚いた様にも聞こえ!…とにかく自分が選ばれた事に対して鹿之助は笑い!…

今までの発言を後悔させるとばかりにマサツグへ挑発を仕掛けて行くと、

マサツグは表情を冷徹にしては返事をする!…さてそうしてその場で直ぐ

戦闘が開戦されそうな場面になって居ると、更に鹿之助は!…調子に乗った

様子でマサツグを挑発し始め!…ある賭け事を提案する!…


「……ッ!…へへへ!…

どうせなら互いに緊張感のあるやり取りをしてぇよなぁ?…

そこで提案が有る!……お前のとこに居るそのキツネ娘!…

俺が勝ったらソイツを渡して貰う!…」


「ッ!…何?…」


「へへへ!…いい感じに胸もありゃ美人じゃねぇか!…

…どうせお前も楽しんだんだろ?…この体をよぉ?…」


「………。」


鹿之助が提案して来たのはフィロの身柄?…について!…何を思ってそんな

事を言い出したのかは不明なのだが、明らかに動機不純の様子でフィロを

要求し始めると、目をギラギラとさせた様子でフィロの胸や顔に視線を向ける!…

宛らその視線は飢えた獣の様に下卑たモノになっては舐め回す様に見詰めて

おり!…そんな視線にフィロも気持ち悪がると通り越して呆れた様子で首を

左右に振って見せると、小さく溜息を吐いて見せる!…まるでそんな視線には

慣れているとばかりにただ呆れて見せると、鹿之助は鹿之助で調子に乗り!…

まるでマサツグと自分は同類とばかりに言葉を続け!…それを聞いてマサツグも

更に怒りを覚えた様子で静かに拳を握って見せると、鹿之助の話は続く!…


「…勿論タダって訳じゃねぇ!!…もしテメェが勝ったら!…

俺はここの試験官を辞めてやる!…」


__どよ!?…


「…当たり前だろ?…これだけ言っておいて無様に負けんだ!…

続けられる訳がねぇよなぁ!?……なぁ、如何なんだよ?…

受けるのか!?…受けねぇのか!?…」


まだ終わってないとばかりに話は続き!…マサツグが勝った場合の話をし始める

と、鹿之助は試験官を辞めると言い出す!…するとその瞬間周りで話を聞いて

いた連中はこれまた驚いた様子で反応を示し、マサツグはマサツグで黙って話を

聞いて居り!…鹿之助は啖呵を切った手前引けねぇっと言ってはマサツグに逃げ

られないよう言葉で丸め込み!…更に挑発をするようマサツグの顔に自身の顔を

近付け不敵に笑みを浮かべて見せると、マサツグを激昂させようとするのだが!…

しかしマサツグはそれでも動かず黙っており!…鹿之助の問い掛けに対して答える

気などサラサラなく、真っ向から断ろう!と振り返り鹿之助を睨み付け文句を

言おうとすると、次にはマサツグが答えるよりも先にフィロが返事をする!…


「……良いじゃろう!…その勝負!!…乗ってやる!!」


「ッ!?…フィ、フィロ!?…」


「なぁに!…こんなひよっこにマサツグが負ける訳無いのじゃ!!…

…まぁ万が一に勝てたとしたら……その時はわっちも素直に従おう!…

このわっちの胸でも尻でも何でも!!…好きにするが良い!!」


「ッ!!……クッ!!…ハッハッハッハッハッハッハ!!!…

交渉成立だぁ!!…覚悟しとけよ?…足腰立たなくしてやる!…

嬢ちゃんも!…コイツもなぁ!!!」


まるでマサツグではなくフィロが挑発に乗ったよう返事をすると、当然マサツグ

及び周りの者達は驚き戸惑い!…マサツグも慌てた様子でフィロに声を掛け

出し!…一体何を考えているのか!と叱咤しようとするのだが、それを言うよりも

先にフィロが笑って見せる!…この時マサツグの事を信じているとばかりに

言葉を口にすると、二言は無い!とばかりに堂々覚悟を決める言葉を続けて

口にし!…その言葉を聞いてますますフィロが気に入ったのか鹿之助は笑い!…

これで決まりとばかりにマサツグの事を挑発すると、クラスアップクエストの

試験官が鹿之助に決まる!…その際既に勝った気で居るよう言葉を口にすると、

マサツグにとって胸糞の悪い言葉を言い!…その言葉を聞いてマサツグも完全に

ブチ切れ!…コイツだけは絶対に地面を這わせる!!…と闘志に火を付け鹿之助を

睨むと、戦いの火蓋が斬られようとするのであった!…


因みにこの時シロはと言うと…


{……もういっそシロがこの人を倒しちゃいましょうか?…

…でも!!…ご主人様とのお約束!!…ご主人様とのお約束!!!…}


__ギュウウゥゥゥ!!!……ポタッ…ポタッ……


…と、マサツグが馬鹿にされて居る事に気が付いては静かに!…かつ怒りが

爆発する寸前の所で必死に殺気を押さえていた!…何故なら怒りを爆発させる

事はマサツグも望んで居ない事で、何なら力加減も出来ないと!…他の者を

巻き込む可能性を自分でも重々承知しており!…マサツグの勝利を確信しつつ!…

シロは必死に握り拳を握ってその自身の怒りを抑えると、血を滲ませつつも

その話の成り行きを見守って居るのであった!…

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