307 / 696
-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章九節 道を遮る者達と鎧武者と剣戟合戦-
しおりを挟むマサツグに言われてライザは急ぎ最奥!…マサツグは突如現れた鎧武者と
急遽一騎打ちに!…その際鍔迫り合いをしている鎧武者も徐々に押して来る
マサツグのパワーに驚いた様子で!…慌てて仕切り直す様に打ち払って
見せると、マサツグとの距離を改めて図る!…そしてライザも最奥目指して
先の道に進むと、意外と直ぐそこが最奥だったのか!…同じ様に天井から
日の指す場所を…何ならこれ見よがしに日の当たる所には緋色の草花が
咲いて居り、ライザも見つけた!と言った様子でその草花を調べようと
すると、突如何者かの邪魔を受ける!…
__タッタッタッタッタッ!!……
「ッ!…あった!…あれか!?…ここが最終ッぽいし!!…
オマケにそれっぽいのも咲いてる!!…
…確認も鑑定をすれば!!…」
__シュン!!…カカカッ!!!…
「ッ!?…な、何や!?…急いどるってのにまた邪魔か!?…
罠にしては明らかに狙いが………ッ!!…誰や、出て来んかい!!!」
やっとの思いで見つけた草花を!…回収しようと自生している地面へ向かい
歩いて行こうすると、次の瞬間ライザの足元に手裏剣が投げられる!…
それこそライザの脚に刺さる事は無かったのだが、当然ライザは驚き!…
一度は仕掛け罠である事を考えるのだが狙いが正確過ぎると!…オマケに
明らかな人の気配も感じられ、その気配を探るよう神経を一瞬だけ研ぎ
澄ませると、案の定反応が!…それは如何もライザから見て対面の奥の方の
天井から視線を感じ!…ライザが威嚇するよう声を掛けると、その視線の
主も言われた通りに地面へ降りる!…
__ズルッ……スタッ!……
「…ッ!…ほう?…何処のモンやこの野郎?…
邪魔すんねんやったら容赦せぇへんで!?…」
「……邪魔者は…滅!…」
「なぁにが滅!…や!…ぶっ飛ばしたる!!!…
…ッ!!…チッ!…他にも居ったんかい!…」
まるで液体が滴り落ちる様にその視線の主は地面に降り!…丁度日の光が
微かにだがその視線の主を照らすと、忍び装束がチラッと目に付く!…
そしてマサツグには見覚えの有るガラなのだが…その忍び装束は赤黒く
何処か不気味で!…ライザもこれには警戒の意を示し!…再度威圧を
掛けて見せるが、その忍者は臆するどころか敵意を見せる!…ただ静かに
ライザを消す!…と宣言すると、ライザもその言葉に反応!…その忍者に
対してツッコミを入れては返り討ちにすると言い!…しかしそれと同時に
また人の気配を感じた様子でライザが身構え始めると、次の瞬間無数の
苦無がライザに向けて放たれる!…
__シュバババババ!!!…
「ッ!?…うわっぶな!!!…っとぉ!…
…随分なご挨拶やなぁ?…覚悟せぇよ?…」
「……滅!……」
その飛んで来た苦無をライザは見事に読み切って回避!…さながらその
回避する様は某・赤く美しい二頭身ヒーローの様で!…ちゃんと体勢を
立て直しては拳を握り!…今度はこちらの番!と言った様子で睨み付けると、
その目の前の忍者はまた闇に溶けて行く!…そうして目的の物を目の前に
「待て」をさせられている様な!…そんな一方で場面はマサツグの方へ
代わって行き、睨み合いが続くなか先手を打つようマサツグが動き出すと、
初手安定から入り出す!…
__紅葉化石洞窟・ボスエリア マサツグside
「……鑑定!!」
__ピピピ!…ヴウン!…
-----------------------------------------------------------------------
「紅葉霊樹の亡霊大将」
Lv.55
HP 65000 ATK 550 DEF 500
MATK 0 MDEF 450
SKILL
豪傑 Lv.11 剣術 Lv.15 槍術 Lv.12
-----------------------------------------------------------------------
「……ったく!…最近アンデット共ともよく係わる様になったみたいだな!…
…まだ今回は物理が効く!…それだけでも有難いが…」
__チャキッ!!…バッ!!…
マサツグが安定の初手から入るとその侍大将のステータスが眼前に表示される!…
そしてそこには名前で幽霊…亡霊と言った名前が書かれて有るのだが、如何やら
霊体等の表記は無いので物理が効くらしい!…更に武人らしくスキルもその両手に
持って居る物がメインの様で!…マサツグも面倒と言った様子で両手に刀を握り
構えて見せると、次には打って出始める!…その際様子見でまずは雷撃刃を
鎧武者に向けて放つのだが!…
「雷撃刃・弐式!!!」
__バジュウバジュウウウゥゥ!!!……ッ!…スウゥ…フォンフォン!!…
「ッ!?…やっぱ一筋縄じゃ行かないか!…」
__…チャキッ!!…ッ!…オオオオオォォォォ!!!…
牽制目的で放ったマサツグの弐撃の雷撃刃は、真っ直ぐ鎧武者に向かって飛んで
行くのだが!…鎧武者は当然そのまま喰らう事無く刀を振り!…そのマサツグの
雷撃刃弐撃を打ち払って見せると、何事も無かったかの様に自身の刀に電気を
帯電させる!…そしてマサツグもその様子を見てやっぱり!…と零すと、予想は
出来て居た様で!…本格的に鎧武者へ対して身構え始め!…鎧武者もそんな
マサツグの様子に来るか!…と感じたのか腰を落とし身構えて見せると、次には
マサツグもそれに合わせて再度動き出す!…その際愚直とばかりにまた自身の
刀に電気を纏わせると!…
「雷撃刃・弐式!!!」
__バジュウバジュウウウゥゥ!!!……ッ!…スウゥ…フォンフォン!!…
「ッ!!…今だ!!…ダッシュ斬り!!!」
__バシュン!!…コオオォォ!!!…ズガガァン!!!…ッ!?…
「ッ!?…固ってぇな、その鎧!!!」
マサツグは先程同様鎧武者へ向かって雷撃刃を弐撃!…しかし鎧武者もそれを
見てもう大した事は無いと!…その飛んで来た雷撃刃を先程同様右手の刀で
薙いで見せると再び自身の刀に電気を纏わせる!…しかしマサツグとしては
雷撃刃はあくまでも陽動で有り、本命は別で!…マサツグはすかさずフリーに
なった鎧武者の右半身に向かいダッシュ斬り!…一気に肉薄し回転を加えて
その鎧武者のノーガードボディに弐撃を叩き込むと、鎧武者を驚かせる!…
この時鎧武者も斬られた事でマサツグに仰け反って見せるのだが、ダメージは
あまり入って居ない様子で…精々鎧の胴回りにキズが二閃!…マサツグも
手応えが可笑しかった事に気が付き!…文句を言いながら体勢を立て直し
鎧武者に構えて見せると、今度は鎧武者が反撃を繰り出す!…
__ッ~~~!!!…オオオオオォォォォ!!!…グッ!!…
「ッ!?…なんのぉ~~!!!」
__ドヒュン!!!…スウゥ!!…ッ!?…
「貰ったあぁ!!!…」
よろめきながらも鎧武者は耐える様に踏ん張って見せると朱槍で攻撃!…その際
マサツグ目掛けて躊躇いも無く突きを繰り出すのだが!…マサツグはそれ見て
紙一重に回避!…そして続け様にステップを踏み追撃を放つよう懐に入ると、
また回転を入れながら斬り掛かろうとする!…この時相手はまだよろめいて
居る為、これ以上は踏ん張りが効かず!…マサツグもこの状態だと入った!と
確信してそのまま行き!…何も心配をする事無く刀を振り下ろそうとすると、
次には鎧武者が意地を見せる!…それは!!…
__ッ!?…ッ~~~!!!!…フォンッ!!…
「…ッ!?…なっ!?…」
__ガキイィィン!!!!……チャキッ!!…
「ッ!?…ンなクソォオオオオオオ!!!」
攻撃に合わせて右手の刀でマサツグをパリィ!…その際薙ぐ様にして攻撃を
受け止め空振りを誘い!…その反動で自身は体勢を立て直し!…マサツグは
逆に体勢を崩したよう前によろめき戸惑って居ると、すかさず鎧武者の反撃を
目にする!…この時鎧武者はマサツグ目掛けて朱槍を構えると、これまた突き
刺す様にして攻撃を繰り出し!…しかしマサツグもマサツグで意地を見せ!…
体を捻る様にしてその突き刺しをまた紙一重に回避して見せると、反動を
利用して体勢を整える!…
__クルンッ!!…ガキイィン!!…ザザァ!!…
「はぁ!…はぁ!……あっ…あっぶなぁ~!!…
危うく串刺しにされちまうところだった!!……にしても…ッ!?…」
__オオオオオォォォォ!!!…ザッザッザッザッザッ!!!…
「ッ!?…息を整える間もくれねぇってか!?…おわぁ!?…」
無理矢理体勢を整え息を切らし!…マサツグも青褪めた具合に危ない!…と
口にして居ると、更に鎧武者の追撃は飛んで来る!…それこそマサツグを
追い駆ける様にして朱槍を構え!…軽く振り被ると突き出し!…マサツグは
マサツグでそんな様子に驚き戸惑い!…本能の赴くままに回避をして見せると、
大幅にTPを失ってしまう!…それでも被弾するよりはマシと考えると、必死に
回避を続け!…その間にも鎧武者の追撃は止まる事を知らず!…徐々に徐々に
その勢いも増して行くと、それは一つの技へと変わって行く!…
__驟雨突きいぃぃ!!!…ボババババババ!!!…
「ッ!?…シャベッタァ!?…って!!…ンな事言ってる場合じゃ!!…
クソッ!!…埒が明かねぇ!!!…こっちも負けられねぇんだ!!…」
__ザザァ!!…チャキッ!!…
「斬裂想刃!!!」
さながらその槍捌きは横殴りの雨の様に!…マサツグも必死に回避をし続け!…
その際初めて鎧武者が喋った事に驚きを露わにすると、同時にそれ所では無い!
と自身でツッコミを入れる!…そして何とか間合いを図る様に後ろへ後ろへと
下がると、何とか自身でも攻撃を繰り出せる位の余裕を作り!…次にはマサツグも
負けじ!と剣戟を繰り出し!…互いの連続攻撃がぶつかり合い押し問答になり
始めると、それは突如不思議な事を巻き起こす!…それはそこいらに転がっていた
石や岩をも砕き始めた時に起きる!…
__ドガガガガガガガガ!!!!…オオオオオオオォォォォ!!!…
「ウオオオオオオォォォォォォ!!!!」
__フォンッ!!…ザシュン!!!………ッ!?…グラァ!!…
「ッ!?…フラ付いた!?…それに心成しか動きが鈍く!…」
マサツグと鎧武者の攻撃が真っ向からぶつかり合い!…辺りにも被害が及び
出した頃!…互いに押し返すのに必死になって技を繰り出し!…その際
流れ弾が鎧武者の背後にあった楓の樹にも被弾すると、突如鎧武者の動きに
乱れが出て来る!…それは明らかにダメージを負った様に膝が一度だけ
カクンと折れると、何やら背後の楓の樹を気にし始め!…当然それを見た
マサツグもその鎧武者の背後に疑問を持ち出し!…鎧武者の動きに関係が
有る事を直ぐに悟ると、互いがタイミングを見計らった様にバックステップ
で弾き合う!…
__ドガガガガガガガガ!!!!…ギイイィィン!!…ザザアアァァ!!!…
{…さっき…あの楓の樹に流れ弾が被弾した時に!…
何か急に鎧武者の様子が可笑しくなった!…
まるで自分も攻撃を受けた様に!…しかも斬られた部分も大体同じ高さ!…
……試してみるか!…}
__チャキッ!!…ッ!?…
「火炎斬り!!!」
互いに攻撃を弾き合うタイミングを見計らってバックステップで宙に浮き!…
その弾き合った反動で互いに距離を取ると、一度呼吸を整える!…その際鎧武者の
身に何があったのかを振り返り出すと、自ずと答えが自身の中で出て来て!…
マサツグとしてもこれは好機とばかりに刀を構え!…相手も悪い予感を察したのか
身構え始めると、マサツグは構わず楓の樹に向かい火炎斬りを放つ!…すると
如何だろう?…鎧武者もそのマサツグの行動に酷く驚いた様子で動き出し!…
楓の樹を護る様にマサツグの火炎斬りを朱槍で弾くと、身構えて見せる!…
__ッ!?…ザッザッザッザッザッ!!!…ボシュウゥ!!!……チャキッ!!…
「……如何やら間違いは無さそうだ!……ただ…」
__オオオオオオオォォォォ!!!…
「あっちも簡単にはやらせてくれんだろうなぁ?…」
火炎斬りを朱槍で弾いた際!…如何やら鎧武者はマサツグに対して怒りを燃やして
居るらしく、マサツグが確信を得ている一方で一度刀を鞘に納刀!…左手に握って
いた朱槍を両手で握り構え始めると、肩で息をする様にマサツグを睨む!…宛ら
本気モードに入ったよう!…低い唸り声でマサツグを威嚇!…マサツグもそれに
合わせて焦りを覚え!…ここからが本番と言った様子で刀を握り直すと、戦闘は
再開される!…
__チャキッ!!……バシュンッ!!…
「ッ!?…さっきまでと動きが!?…」
__オオオオオオオォォォォ!!!…ブオン!!…ブオン!!…
「ッ~~~!!…違う!?…」
鎧武者の動きは急に鋭敏なモノに!…先程までは本当に遊びだったらしく!…
マサツグへ向かい一直線に突貫して行くと、自身の攻撃間合いにマサツグを
捉える!…そして当然突如動きが変わって事でマサツグも戸惑い!…相手の
動きに対して攻撃の手が言って遅れると、鎧武者はまるで朱槍を棒術の様に
扱い出す!…しかしマサツグとしても攻撃を喰らう訳には行かないので
ギリギリの所で回避に努め!…それでも驚くべき事に変わりはないので驚き
倒し!…こんなの聞いて居ないとばかりに嘆いて居ると、更に鎧武者の猛攻は
続く!…
__ブオン!!…ブオン!!…ドヒュ!!!…
{ッ!?…っとあぶねぇ!!……チッ!!…
真面にダメージも与えてないのに刹那を使うのも何かだし!…
相手の攻撃もまだ見切れてないから如何にも反撃の隙を見つけられない!!…
…せめて何か相手のリズムを崩せる何かが在れば良いんだが!!…ッ!!…}
__オオオオオオオォォォォ!!!…
「…一か八かあああぁぁぁ!!!」
薙ぎに打ち上げに振り下ろして突き!!…多彩な攻撃かつ流れる様な連携で
マサツグを翻弄し!…マサツグも回避するのでやっとの様子を見せて居ると、
如何にも反撃の隙を見出せずに居た!…しかしそれでマサツグも諦めると
言った事はせず、ただひたすらに相手の攻撃を回避し見極め!…その際
刹那を最後の最後まで温存して見せ、一気に片を付けるチャンスをこれまた
必死に目で追い駆け探して居ると、その予兆とも言える攻撃が目に映る!…
それは鎧武者がマサツグの動きを見て鈍って居る様に見えたのだろうか、
腰を落として朱槍を握り!…そして勢い良く突きを出す構えを見せ、マサツグも
それを見てチャンスと感じると!…次の瞬間には刀を握って突っ込んで行く!…
そして!…
__オオオオオオオォォォォ!!!…ドヒュ!!!…
{ッ!!…ここだ!!…刹那!!!…}
__ヴウン!!!…ババッ!!……スッ、カアアァァン!!!…ザクンッ!!…
鎧武者は掛け声と同時に突きを繰り出し!…マサツグもそれを見て朱槍の下に
潜り込むよう攻撃を回避すると、ここが最大のチャンスと言わんばかりに
刹那を発動する!…その際上体を仰け反る様にして回避した事でそこから
流れる様にバク転をし!…鎧武者が突き出して来た朱槍を思いっきり下から
蹴飛ばして見せると、その朱槍は鎧武者の手から離れては天井に向かって飛んで
突き刺さる!…そして蹴られた反動で鎧武者もよろめき体勢を崩して居ると、
マサツグは既にバク転から復帰しては刀を構えており!…相手はノーガードで
こちらは既に攻撃態勢!…言わずもがなマサツグはそのノーガードの相手に
向かい駆けて行くと、有りっ丈の一撃を繰り出す!…
「ダッシュ斬り!!!」
__バシュン!!!…グッ!!…ガキイイイィィィン!!!……ドシャアァ!!…
「……だはぁ!!……ぜぇ!…ぜぇ!…
へ、へへ!…どんなモンよ?…
…幾ら固かろうと耐久を削っちまえば!!……ッ!…」
__……ズシャ…ズシャ……オオオオオオオォォォォ!!!…
「……やっぱ動けるってか……こっから第二ラウンドかぁ?…
……鎧の中身はスカスカだな?…まぁ霊体だから当たり前か…」
よろめいて居る隙を狙って一気に肉薄!…勢いそのままに二刀で共に薙ぐよう
刀を振り抜いて見せると、次の瞬間鎧武者の鎧を一部破壊する!…丁度右脇腹
部分だろうか、ポッカリと穴が開くとそこから白い靄が!…その白い靄が霊体
なのかユラユラと揺れており!…そして鎧武者も斬られた反動で一度は地面に
倒れて動かなくなると、マサツグは息を切らしながら強がって見せる!…
しかし幾ら強がった所でまだ鎧武者は倒せておらず、ゆっくりと立ち上がり
始め!…マサツグもそれを見て再度刀を構え出し!…その際右脇腹から見えて
居る白い靄に気が付いた様子で言葉を口にして居ると、次の瞬間驚くべき
光景を目にする!…
__……オオオオオオオォォォォ!!!…パキッ!!…パキパキパキパキ!!!…
「ッ!?…な、何だ何だ!?…」
__パキャアアアァァァン!!!……チャキッ!!…スラァ!!…
「ッ!?…マッ!?…マジで!?…
これ!…第二形態とか!…有り!?…」
刀を構えるマサツグに対して鎧武者は突如吠え出す!…それは鎧を壊された事で
怒っているのか、はたまた別の事か…とにかく仁王立ちしては一歩も動かず!…
そんな鎧武者の様子にマサツグも戸惑った様子でその鎧武者の様子を伺って居る
と、次にはその鎧武者の鎧にヒビが入る!…それはマサツグが壊した脇腹から
伸びる様に亀裂が入ると、全体に回り!…そして最後には鎧自体がブルブルと!…
まるで鎧武者の声に呼応するよう一気に弾けて中身が露出すると、次にはその姿は
浪人!…着流しを着た浪人の姿の様な形になる!…実質第二形態!…その幽霊は
腰に佩いて居た刀を拾うと、静かに抜刀!…マサツグもこれには驚きを隠せず!…
戸惑った様子でただその光景を見詰めて居り、その幽霊もマサツグに対して答える
よう!…刀をしっかと構えて見せると、マサツグはその様子に嫌な予感を感じ
始める!…
__オオオオオオオォォォォ!!!……グッ!!…
「ッ!?…来る!?」
__バシュン!!!…ババババババババババババ!!!!…
「ッ!?…ちょ!?…急にゲームが!?…
てかこれってぇ!?…」
幽霊はマサツグに対して正眼の構え!…まるで神経を研ぎ澄ませた様に
見据えて居り!…マサツグもそれに対して警戒を強め!…いつ攻撃が
飛んで来ても大丈夫な様に腰を落とし刀をしっかりと構えて居ると、
その幽霊は突如として突発的な行動に出る!…そしてその行動と言うのは
マサツグにとって如何にも見覚えが有るモノで、姿を消したと思えば
物凄い勢いで辺りを駆け回り!…その範囲は壁や天井と隅々にまで行き
渡り!…マサツグもその光景を見て思わず某・流浪人の漫画を思い出すと、
その幽霊の攻撃は突如として始まる!…
__ババババババババババババ!!!!…フォフォフォン!!!…
「ッ!?…後ろ!?…」
__ガギギイィン!!!…ザザアアァァァ!!!…
辺り一帯から響く様に聞こえる足音に圧倒され!…マサツグが完全にその幽霊を
見失って居ると、突如攻撃はマサツグの背後より飛んで来る!…するとマサツグも
その気配に気が付いた様子で振り返ると、慌ててガードを固め!…しかし幽霊は
構わず数撃打ち込み!…またマサツグの目の前から姿を消すと、撹乱し始める!…
その際幽霊から数撃を貰ったマサツグはと言うと、勢い良く飛んで来たその攻撃に
押された様子で!…踏ん張った所で押されて滑り!…改めてその幽霊の攻撃に
ツッコミを入れて居ると、突破口を探そうとしていた!…
「ッ~~!!!…ガードは出来たけど重い!!…
今までの攻撃が嘘の様だ!!!……ったく!!…
速ェなんてモンじゃねぇぞ!?…る○剣の宗○朗かってんだ!!…
…とは言えウダウダも言ってらんねぇ!!…
何とか攻略の糸口を!……ッ!…」
__ババババババババババババ!!!!………
「……案外何とかなるかもしれん!…」
その余りの速さに匙を投げたくなる所なのだが、投げる訳には行かず!…
目で追えない相手を如何追うか!…マサツグが辺りに警戒をしながら必死に
攻略法を考えて居ると、ふとマサツグは気付く!…それはよくこう言った
場面に陥った主人公が思い付く行動で有り、マサツグは徐に目を閉じると
耳を澄ませ!…相手の足音を頼りに幽霊の場所を探り!…自分でも何とか
気配を追えると確信して居ると、その間にも幽霊の攻撃は飛んで来る!…
__フォフォフォン!!!…ッ!?…ガギギイィン!!!…ザザアアァァァ!!…
「グッ!!…まだまだあぁ!!!
舐めんじゃあねぇぜぇ!!!」
__グググッ!!!…ババババババババババババ!!!!…ッ!?…
「オオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!」
__ガギャギャギャギャギャギャ!!!!…………
幽霊からの攻撃に対してマサツグはまたもやガードで耐える!…しかしその幽霊の
攻撃が重い事には変わらず!…その攻撃も火力特化なのか一気にHPを持って
行かれると、徐々にマサツグの体力は危険域に入り出す!…当然ポーションを
飲んで回復を図ろうものなら一刀両断!…死を意味し!…それでもマサツグは
逃げる事なく気配だけを追い!…歯を食い縛り相手を倒す事だけを考えると、
遂にはマサツグもその気配を追って天井を走り始める!…当然これには幽霊も
驚いた様子で反応すると、そこからの戦いはもはや超次元!…互いに壁や天井を
走っては斬り合い!…これまた互いに決定打を生み出す事の出来ないままHPと
TPを消耗させて行くと、気が付けば二人は楓の樹の前に立っていた!…
「ハァ!!…ハァ!!……そ、そろそろ…頃合いか?…」
__…グウゥ!!…グウゥ!!…チャキッ!!…サアアアアァァァァ……
「ッ!……へへ!…いいねぇ?…
何方が速いか勝負って奴か!…」
__……サアアアアァァァァ……チャキッ!!…
冷たい風が洞窟内を流れ…互いに落ち着いた様子で向かい合っては刀を握る!…
するとマサツグも激しく息を切らした様子で残りHPとTP…刹那の稼働時間の
限界を口にし始め!…この時その幽霊も体力的に限界なのか、息を切らしては
その霊体を震わせて見せると、まるで人間みたく肩で息をして居た!…そして
いよいよ互いに限界を悟った所でマサツグとの勝負にケリを着けるよう幽霊は
腰を落とし出し!…抜刀術の要領で刀を構えて見せ!…するとその幽霊の様子に
マサツグも乗っかった様子で!…同じ様に腰を落とし始め!…片方の刀を鞘に
戻し、一刀の構えでその幽霊を向き合うと、最後の一騎打ちに打って出る!…
__……サアアアアァァァァ…………
互いに何も発さず!…ただその時が来るのを待ち始める!…この時互いの耳に
聞こえるは風の音だけで、他に何も…そして合図と言っても誰か出す訳でも
無いのでずっと固まっており、徐々に辺りは静寂に包まれ更に緊張感を高め
合って居ると、その時は突如として訪れる!…
__……ぽっ……ぴちゃん!…ッ!!!…
「疾風の型!!!…春一番!!!」
__オオオオオオオォォォォ!!!………ズバシュン!!!………
二人を動かした合図!…それはたまたま洞窟の天井に溜まっていたたった
一滴の水滴であった!…風に吹かれて落ちて来たのか?はたまた重みに耐え切れず
落ちて来たのか?…丁度マサツグと幽霊との間に落ちるよう零れると、地面に
ぶつかって弾け消え!…その際軽く音を立てて消えると二人は途端に動き出す!…
互いに最後の力を振り絞り通り過ぎる様に一撃!…それはそれは本当に殺陣の様に
決着が着いては後は斬られた音のみが洞窟内に響き!…互いに刀を振り切ったまま
少しの間動かないで居ると、先に倒れる様にして動いたのは!…マサツグの方で
あった!…
「……グッ!!…」
__グラァ!!…ドサァ!!…
マサツグは崩れる様にして倒れるとそのまま受け身を取る事無く突っ伏し!…
幽霊もマサツグが倒れた事で徐々に構えを解き出すと、ゆっくりと振り返る!…
その際自身が斬った相手がまだ生きている事に気が付くと、しばしの間見詰め…
そして止めを刺そうと思ったのか倒れているマサツグに向かい歩き始めると、
何故か刀を鞘に戻す!…そしてマサツグの元に辿り着くなり仰向けにして見せ!…
__…カッ…カッ…カッ…カッ…スウゥ…チャキン!……ゴロン……
「……へ、へへへ!……どんなもんだい?…
負けた相手の顔を眼下に見下ろす感覚ってのは?…」
__……シュル……スッ……
幽霊はマサツグの顔をジッと見詰め!…マサツグも仰向けにされた事で
幽霊の御尊顔を確認すると、不敵に笑う!…その際自分が勝った!と
言った感じに満身創痍ながらも口にすると、幽霊は佩いて居た刀を抜き!…
刀を抜くと言っても鞘ごと腰から抜いて見せ!…倒れるマサツグの体の上に
その刀をそっと置いて見せると、次には一言呟いてスゥ…消える!…
__…見事ナリ!!……スゥ……パキッ!!…
「ッ!……」
__ギギギギギ!…ズダアアァン!!!…
「……だはあぁ~~!!…ぜぇ!…ぜぇ!…
ひ、久々の満身創痍ってか?……はあぁ~……」
マサツグを称える様に一言残し幽霊は消え!…それと同時にエリア中央に
生えていた楓の樹が突如縦に裂けると、そのまま真っ二つに倒れては音を
立てる!…そしてその場にマサツグだけが倒れて置き去りなって居ると、
風が吹くのだが!…風が吹いた所でもうさざめく葉の音も聞こえず…
マサツグも漸く終わったとばかりに息を大きく吐くと、暫くの間動けない!…
休憩に勤めるのであった!……因みに幽霊に貰った刀と言うのは…
-----------------------------------------------------------------------
秋雲刀 参式
レア度C
ATK+75 MATK+10 SPD+30
[秋雲の加護]
一定時間ごとにHPを2%ずつ回復する。
特殊武器条件未達成 現在装備不可。
-----------------------------------------------------------------------
「……もはやご恒例だな?…抜けない刀…」
幽霊から貰った刀は如何やら春風刀や夏海刀と同じく特殊条件の武器、
今のマサツグでは抜けない様で…しかしマサツグはそれでも重い腕で
それを握ると掲げて見せ!…もはや当たり前!…と言った様子でポソっと
言葉を口にすると、ただその刀を満足げに眺めるのであった!…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
539
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる