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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章六節 流行り病と友人三人目と奇人変人!…-

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全く持って災難な一日を終えて次の日、マサツグが目を覚まするとそれは突如

起きる!…いつもの様に目を覚まし動かない体に呆れて言葉を零して居ると、

ふと何か様子が可笑しい事に気が付き!…それこそ昨日の事を振り返っては

改めて自身のスキル・超幸運とは?…みたいな感じに考えて居たのだが!…

自身の腹の上で寝ているシロ…そして隣で寝ているフィロの様子が如何にも

可笑しい事に気が付くとマサツグは起きて早々不安に駆られていた!…


「………動けん…まぁいつもの事なんだけ……ど?…」


__スゥ~…スゥ~…ケホッ!…ケホッ!…


「ッ!…シロ?……ッ!…それにフィロも?…

顔は赤いし額から汗…それに咳も出て居る?……

ッ!…まさか言ってた流行り病って奴か?…」


「………ッ!…ご…主人…さま?…」


「ッ!!…だ、大丈夫かシロ!?…如何したんだ!?…」


動ける範囲で体を起こしシロの様子を確認すると、シロの顔は赤くなっており…

額から大量の汗を流し、苦しそうに咳もしており!…シロだけでなく隣に居る

フィロも!…シロと同様の症状が見られては息苦しそうに呼吸を乱して居た!…

そしてそれを見てマサツグが不安になって居ると、マサツグの様子を察してか

シロが目を覚まし!…マサツグは慌ててシロに声を掛けて状態を尋ね!…シロは

シロで熱で潤んだ眼をマサツグに向けると、自身が感じている状態について

話し出す!…


「あ…あついですぅ~……のどがイガイガぁ~…頭もクラクラ…

ごしゅじんさまぁ~…これは……何です…か?…」


__パタッ!……


「ッ!?…シ、シロォ!?!?…」


「うぅ~ん…うるさいのじゃ~……ケホッ!…ケホッ!…」


シロは自身でも何が起きているのか分かって居ない様子で掠れ声ながらに

説明をする!…目は虚ろながらもマサツグを見て居るのだが何処か焦点が

合って居らず、掠れているせいか声も聞き取りにくい!…それでもマサツグに

言われた通りに説明をし始め!…頭もぼ~っとしているのかフラフラとし、

マサツグに何が起きているのかシロ自身が尋ねようとすると、次の瞬間には

糸が切れた様に意識を失う!…そしてマサツグに寄り掛かる様にしてシロが

倒れると、マサツグは慌ててシロに声を掛け!…するとそんなマサツグの

慌てる声で目を覚ましたのかフィロが目を覚まし始め、若干文句を言いながらも

同じ様に咳をして見せると、マサツグはシロを抱えつつフィロに視線を

向ける!…


「ッ!?…フィロ!!…

お前も大丈夫か!?…酷い声だぞ!?…」


「クッ!…魔王たるわっちが病に掛かる等!!…

何たる不覚じゃ!…しかし安心せいマサツグや?…

病に掛かって居ようともマサツグを護る位の事は!!…」


「ッ!!…おい無理をすんな!!!…

それに今日は仕事に行く予定は無い!!…

…とにかく二人共安静にして居ろ?…

直ぐに薬か何か買って来るから!…」


__ガチャガチャ!……バアァァンッ!!…


マサツグがフィロに視線を向けるとやはりシロと同様汗を掻きながら赤い顔を

しており!…その文句を聞いた際声が酷く枯れて居るとフィロを心配するよう

声を掛けると、フィロは自身でも理解した様子で病に掛かったと言う!…

この時それでも問題無いと言った様子でフィロが起き上がろうとすると、

仕事は出来ると言い!…だが当然そんな仕事が出来る様に見える訳もなく!…

マサツグが慌ててフィロを寝かせ!…その隣にシロも寝かせるようベッドから

起きると、手早く支度を整え始める!…その際シロ達に薬を買って来る!

と言うと、部屋を飛び出す様に後にし!…とりあえず隣の部屋に居る筈の

アヤに声を掛けに行くと、アヤは眠そうな声を返事をする!…


__ドンドン!!…ドンドン!!……


「……はぁ~い?…何方さまぁ~?…」


「ッ!…俺だ、マサツグ!!…

シロとフィロの様子が可笑しい!…

少しの間で良いから様子を見ててくれないか!?…

俺は直ぐに薬とかを買って来る!…」


「ッ!!…シロちゃんとフィロが!?……

…えぇ~っと、状況はイマイチ把握出来てないけど…分かったわ!…」


扉越しにアヤの声が聞こえた事でマサツグは安堵!…如何やらアヤは病に侵されて

いない様で!…安堵する一方でアヤに自分だと慌てて名乗り!…シロとフィロの

様子について簡単に説明をすると、面倒を見る様にお願いをする!…するとその

マサツグの慌て様にアヤも一気に眠気が醒めた様で、途端にその声は困惑へと

変わり!…とにかくマサツグの慌て様からして普通じゃないと!…状況を理解して

居ないながらも仲間の危機!を感じ取った様子でアヤがそのお願いを了承すると、

マサツグもアヤに感謝をしては買い物に出かける!…


「ッ!…恩に着る!!…じゃあ行って来るから!!」


__ドタドタドタドタ!!!……


「……あの慌て様からしてドッキリとかでは無い様ね?…

…まぁドッキリを仕掛けられる理由も分からないけど…

とにかくその様子を見て見ない事には!……て言うか…

魔王でもやっぱり病気に掛かるのね?…」


扉の向こうからマサツグの感謝の言葉が飛び出すと、次には慌ただしく駆けて

行く足音が聞こえ!…その足音にアヤも本当なんだと理解し、新手の悪戯を

警戒して居た様子を見せると、とにかく自身の身支度を整え始める。その際

別にマサツグの事を疑って居た訳では無いのだが、如何にも信じられなかった

様子で!…魔王である筈のフィロが病気と!…魔王だろうが何だろうが掛かる

時は掛かるんだ…と思わず関心を深めて居ると、その一方ではマサツグは

道具屋に向かい走っていた!…何故なら!…


「ハァ!…ハァ!…ハァ!…ハァ!…ッ~~~!!!…」


__バアァン!!…ガランガラアァン!!!…


「ッ!?…な、何だ何だぁ!?…って、昨日の?…

…ちょっとアンタ!…まだ営業時間じゃないんだけど…」


「ぜぇ!…ぜぇ!…き、昨日!!…

昨日言ってた!!…病の事について!!…教えて欲しい!!…

それと!!…薬は置いて居るかぁ!?…」


マサツグは昨日道具屋の店主から病の話を聞いた事を思い出し、詳しい話を

と思い刹那を発動してまでも全速力で走っていた!…そして店に辿り着くなり

勢い良く入店!…扉の荒々しい開閉音に荒ぶるベルと!…当然そんな物音に

店主も驚き!…一体何が来たのか!?と慌てて覗くと、そこで息を切らす

マサツグの姿を見つける!…そしてマサツグが居る事に店主も戸惑うと、

まだやっていない!と注意をしようとするのだが!…マサツグはマサツグで

急いでいる!と言った様子で!…店主の事など御構い無しに話をし始めると、

鋭い眼光を店主に向ける!…


__ギラン!!…ッ!?………


「き、昨日言ってたや、病の話?……あ、あぁ!…

流行り病の事かい?…けど急に如何して?…」


「ッ!…い、急いでんるだ!!…手早く頼む!!」


マサツグに睨まれる様にして話をせがまれた事で店主は委縮!…しかし話を

聞いた様子で店主は思い出し!…マサツグに確認を取る様に恐る恐る声を

掛け出し始め!…マサツグもその確認を聞いて肯定するよう急ぎ話すよう

店主に返事をすると、店主はそのマサツグの気迫に圧された様子で更に戸惑う!…

それでもマサツグの願いには答えるよう返事をすると、その流行り病に

ついて詳しい説明を!…自身が知って居る部分だけで話をする!…


「ッ!?…あ、あぁ…わ、分かったよ!…

何でも掛かると酷い発汗に熱に侵され…

呂律も回らない程に頭が働かなくなるらしい!…

…症状としては熱や風邪にも似てるんだが如何にも違うらしくて…

市販されている薬だとイマイチ効きが悪いとか?…

因みにウチでもその薬を扱って居るんだが、あんまり期待しない方が良い…

…えぇ~、とにかくその医者が言うには専用の薬草が要るらしくて…

その薬草ってのが如何にも東の山脈に在る[紅葉化石洞窟]って所に

自生しているらしい!…

その薬草を使って薬を作れば大抵の病は完治させる事が出来るらしいんだが…

今あそこはモンスターの巣窟でなぁ?…」


「ッ!!…そうか、すまない!!!…情報感謝する!!…」


「ッ!?…あぁ!!…ちょ、ちょっとぉ!?……」


店主が言うのはその流行り病は熱や風邪に似て居るらしく、市販の薬では

太刀打ち出来ないと!…当然それを聞かされたマサツグは顔を青褪めさせ、

他に手段は無いのか!?と表情で訴えるよう苦悶の様子を見せると、次には

解決策が店主の口より出て来る!…何でもどんな病だろうが直すと言われて

いる薬草なる物が存在するらしく、その薬草が自生している場所についても

マサツグに話し!…この時店主としては話しの弾みで話したのだろう…

危険性等の考慮は二の次に!…とにかくマサツグを落ち着かせる様に穏やかに

思い出しながら話をすると、マサツグはマサツグでその話を聞いてはハッと

した表情を見せる!…そして最後まで話を聞かずに店を飛び出すと、店主を

また戸惑わせ!…飛び出したマサツグも一旦情報を持ち帰る様に宿屋へ駆けて

行くと、その様子をある者に見られる!…


__ダダダダダダダダダ!!!……ッ!…


「…あれ?…あの名前は?…もしかして?…」


__タッタッタッタッタッタ!!!…バアァン!!!…


「アヤ!!…シロと!!…フィロの!!…様子は!?…」


トンデモナイ勢いで街中を駆けて行き!…周りの目など気にしない様子で

宿屋に戻って行くと、知り合いか?…何か覚えのある者に気付かれる!…

そしてその者も何を思ったのかそのマサツグが駆けて行った後を追い駆けると、

同じくマサツグの後を追って宿屋の中へ…しかしマサツグはそんな事など

気にせず勢いよくシロとフィロが寝ている部屋へと戻り!…扉を開けて

開口一番アヤに容態を尋ねると、アヤはそんなマサツグにツッコみを入れる!…


「ッ!?…ちょっと!!…急に何なのよ!!…驚かさないで!!!…

…それにここには病人が居るのよ!!…もうちょっと静かになさい!…」


「ッ!?…ス、スマン!…で、容態は!?…」


「……あんまり宜しくないわね!…

一応精霊の力も借りて看病はしているけど……

これが昨日聞いた流行り病とするなら厄介な病気ね!…

完治に時間が掛かりそう!…」


「ッ!!…そ、そうか……」


当然病人が居る訳なのでアヤは安静に!と吃驚した様子でマサツグを叱り!…

マサツグもアヤに注意を受けて反省をすると、改めて二人の容態を聞く!…

するとその質問を受けてアヤもあまり芳しくない表情を浮かべると、視線を

シロとフィロに向け!…改めて流行り病が厄介なモノである事をマサツグに

告げると、精霊達の手を借りながら看病をしていた…因みに如何言った

看病なのかと言うと、水の精霊に桶へ水を張らせるとそれで額のタオルを

冷やし!…何ならあのキュアウォーターなのでヒーリング効果と!…樹木の

精霊に力を借りては心地よい森林の匂いを!…それこそ部屋に置かれて有った

植木よりアロマな匂いを漂わせると、少しでシロ達の回復に尽力して居た!…

その他にも火の精霊や風の精霊など!…部屋にある暖炉の火の調節を任せ!…

アヤの多彩な精霊応用技にマサツグも驚きつつ!…それよりもシロ達の心配と

言った様子でその返事を聞いて落ち込んで居ると、アヤがマサツグに質問をする。


「……ッ!…それはそうとマサツグ?…貴方薬は?…

確か薬を買いに行くって言ってたんじゃ?…」


「ッ!……その事なんだがな?…

もうちょっとの間だけ二人の事を見ててくれないか?…」


「……ッ?…別に構わないけど?…」


アヤが質問をしたのはマサツグが出て行った理由について…マサツグは宿屋を

出て行く際、道具屋へ薬を買いに行く!と言って出て行ったのだが!…その

マサツグはと言うと手ぶらで有り!…アヤが疑問に思って質問をして見た所、

マサツグもそれを問われてハッとする!…そして次には真剣な表情を見せると、

アヤにもう少しだけ面倒を見る様にお願いをし始め!…アヤもそのお願いに

対して戸惑いながらも返事をし!…そして肝心の答えは?と言った様子で首を

傾げて見せると、マサツグは何故手ぶらなのかを説明する!…


「店主に話を聞いて来たんだが!…

如何にも市販されている薬では流行り病は直せないらしい!…

けど東の山脈に在る[紅葉化石洞窟]って所に如何にも

その流行り病に対して効果の有る薬草が有るらしくて!…

だから今からそれを取って来ようと思う!…」


「ッ!?…東の山脈!?…って、ここから見えてるあの山脈の事?…」


「多分な?…

実際マップで確認すると確かにそこに洞窟が有るって書かれて有るし!…

ちょっくら行って摘んで帰って来るから!…それまでの間!…」


「いや!…それは分かったんだけど!……貴方一人で行く気!?…

洞窟って事はダンジョン化してる可能性がある訳じゃない!…無謀よ!!…

せめてギルドで協力者を探して!!…」


「ッ!?…そんな時間がある訳!!…」


マサツグは改めて道具屋で仕入れた話をアヤに話し始める!…東の山脈に

[紅葉化石洞窟]!…そして薬草と!…それらを話して自身が取りに行くと

説明をし、アヤもそれを聞いてマサツグに再度確認するよう窓から見えて

居る山を指差すと、マサツグはそれを肯定する様に返事をする!…その際

昨日道具屋で買ったマップを開いて見せると場所を指し示し!…自分が

取りに行く!と焦った様子で再度説明をするのだが!…アヤはそのマサツグ

の説明を聞いた所で反対し!…マサツグ一人だと危険!と言い聞かせると、

洞窟がダンジョン化している事も視野に入れて少なくとももう一人!…

ギルドで協力者を募るようマサツグに説得をしようとする!…しかし

マサツグも焦っているせいかアヤの忠告を聞き入れず、時間が無い!と

言おうとし!…アヤの反対を押し切って一人で行こうとし始め!…

その様子にアヤも慌てた様子で止めようとすると、次の瞬間部屋の外より

何者かに声を掛けられる!…


「何や豪い…おとろしい事になっとるみたいやな?」


「ッ!!…誰だ!?…ッ!…」


その者は関西弁でマサツグ達の泊っている部屋の状況について一言口にし、

マサツグも突如声を掛けられた事でビクッと驚くと、その声を掛けて来た

人物に対して警戒をする!…その際振り返ってその姿も確認するのだが、

そこに居たのはまるで某・に○さん○所属の緑髪Vチューバーの様で!…

髪は黒く後方には三つ編み、パッと見女か?と見間違う位に肌も白く

華奢で!…身長もアヤとイーブン位か?…とにかく中性的で辛うじて男だと

言う事が分かる位の美少年が立っている事にマサツグは困惑する!…しかし

それでも誰なのかは分からず!…マサツグが何者か!と声を掛けると、その

男はキザったらしく笑う!…


「……へへ!…誰だ!?…って、お前は何処ぞの敵役かっての?…

…よう!…久しぶりやなぁ!…元気にしとったみたいで安心したわぁ!…」


「ッ!!…お、お前は!!……………誰なんだ?…」


まるでドラマかアニメのワンシーン見たくなった部屋の中でキザったらしく

笑ったその者は続け!…マサツグが息災であった事に!…再会出来た事に

喜ぶようマサツグへ笑い続けて居ると、マサツグも一度はハッとした様子で

戸惑い始める!…そして次にはその人物の正体に気が付いた様な反応を

ハッと見せるのだが、当然マサツグにはその人物との面識が無い事に気が付き!…

それでもと思い記憶を遡り確認をするのだが幾ら記憶を掘り返し見ても

誰だか分らず!…コントみたく徐々に顔は困り果て!…最終的に困惑気味に

誰だ?とその者に声を掛けると、その者もノリが良いのかズッコケる!…


「ッ!?…お前!…ここでそれは無いやろ!?…

折角アニメみたいにカッコいい友人の登場シーンみたいな事したのに!…」


「知らん!!…お前みたいなヒョロいのを友人に持った覚えはない!!!…

こっちは急いでるんだ!!…そこを退け!!!」


「ッ!!…はあぁ~…落ち着け!!…

そないに慌てとったら出来る事も出来ん様になるで!!…

それと!!!…ちったぁ俺の名前を確認しろや!……」


「ッ!!…アァ~ン!?……ッ!…[ライザ]?…

ライザって言ったら…」


宛らどこぞの新喜劇宜しく綺麗にその者が転けるとマサツグにツッコミを入れ!…

軽くツッコミの中に自身がマサツグの友人である事を滲ませるが、マサツグは

その者の話を聞こうとしない!…寧ろ苦しんでいるシロやフィロを背後にマサツグ

は慌て切っており!…目の前の者を跳ね除け無理やりにでも部屋を後にしようと

すると、更にその者は呆れた様子で呼び止める!…その際マサツグの肩に手を

伸ばすと落ち着く様に声を掛け!…自身の名前を確認するよう言い!…マサツグも

再び呼び止められた更にカチンと頭に血が上り!…キレ気味に振り返りその者の

名前を確認すると、ふと気が付いた様子で反応する!…そして!…


「……フッ!…やっと分かったか!…あの山に行くんやろ?…

だったら俺も協力…」


「…お前の何処にその太腿ムチムチの錬金術師味を感じろってんだ?…

コスプレするにしろしっかり作り込めや!!…

無駄な時間を取らせやがって!!…」


「ッ!?…ダあほ!!!…違うわい!!!…

それにこっちの方がライザの使用歴は長いっちゅうねん!!…

おまけにまだ分からんのかい!!!…

…ったく!……本ちゃんやかっつぁんから何も聞いてないんやな!!」


「ッ!!…何でその二人の名前が!?……ッ!?…

え!?…まさか!?…」


その者もやっと理解して貰えた!…と言った様子で決め直すと、クールに

マサツグへの協力を申し出ようとするのだが!…やはりマサツグは分かって

居ない様子で口を開き!…その際別のゲームの某・錬金術師系の主人公を

引っ張り出して来ると、文句を言う!…そのキャラになりきるにしても

格好に役作りロールが中途半端と!…まるでその事に対して情熱を持つ様に!…

すると当然そのマサツグの反応にその者もツッコミ!…改めてマサツグの

友人二名の名前を上げると、マサツグも漸くそこで関心を示す!…そして

その名前を口に出来るのは!と考えると、自ずとマサツグもその者の正体に

ついて理解し!…マサツグは若干驚きつつも後ろに下がり!…

そんなマサツグの反応を見てその者も諦めた様子で溜息を吐くと、改めて

自己紹介を軽く済ませる!…


「……はあぁ~!…

何で出会って早々こんなコント紛いな事しやなあかんねん!…

…俺やシモや!…それともモナカって名乗った方が良いか?…」


「う、嘘だろ!?…な、何でお前がここに!?…」


「…ったく!…

久々に友人見つけたさかいカッコええ登場の仕方しようと思ったらこれやがな!…

ほんま敵わんわ!……とにかく急いでんやろ?…ほなさっさと行くで!…」


先程からマサツグを相手にコント紛いな事をしていたその者こそ、マサツグの

三人目の友人!…通称シモで有り!…シモは頭はキレるのだが難点として変人…

妙に変な所で拘りを持つ人物なのである!…例えば自分が好きな事に対して

情報をフルオープン!…それが自分の趣味であれ性癖であれ何でもであり!…

ひたすら我が道を行く!をカンストした様な人間であり!…その結果周りからは

異質!…若干警戒される様な変人扱いをされる破目になってしまう!…しかし

本人にしてみればこれが良いらしく、満更でも無い様で!…座右の銘が奇人変人

と言う位に奇抜で有り!…決して話の通じない大馬鹿野郎と言う訳では無いので

マサツグも仲良くしている!…寧ろ話はよく分かる方でウマも合い仲の良い親友

である!…因みに立ち位置としては弄られ方で、現にこうして格好良く登場

しようとしても!…滑ってしまうのである!…さて、そんなシモ!…もとい

ライザは呆れた様子で言葉を続けると、さすがに時間が無い!と言った様子で!…

自己紹介に時間が掛かった事に戸惑いつつ!…マサツグを連れてその話を聞いて

居たよう部屋を後にしようとすると、アヤに呼び止められる!…


「ッ!…あ、あのぉ?…どちら様?…」


「ッ!…あぁ!…

今は時間が無いさかいに自己紹介は帰って来てからでええか?…

なぁに安心しぃ?…俺はマサツグの友達やさかい!…

君の心配は俺が請け負ったる!…とにかく任せて!!…ほら行くぞ!…」


「ッ!!…あ、相変わらず強引だな!!…」


__タッタッタッタッタッ!……


「……行っちゃった…」


アヤも当然そのライザの突然の登場に戸惑って居り、ライザを捕まえては

誰なのか?と…するとライザもその呼び掛けに対して気さくに返事!…

しかし時間が無い事を上げると自己紹介は後に!…とにかく安心するよう

笑顔でアヤに話し掛けると、マサツグの背中を押して部屋を出る!…そんな

ライザの様子にマサツグも戸惑った様子で相変わらずと零すと、とにかく

嵐が去った様に部屋の中はガランとし…これにはアヤも困惑した様子で

椅子に座ってキョトンとして居り…静かになった部屋の中で如何反応した

ものか?と考え出して居ると、その部屋のベッドの上ではシロとフィロが

今だ咳き込んでは病に苦しんで居た!…


さてその一方代わってマサツグ達!…ライザに押される様にして宿屋を後に

すると、道具屋の店主の話の通りに洞窟を目指すのだが!……


「…おい何処まで知ってるんだ?…

それに何であんな所に居て!…」


「んん~?…あぁ…たまたま街中ブラついとったらヤブを見つけて…

興味本位で後付いてたらあの現場に鉢合わせた!…

と言ってもほぼほぼ盗み聞きやけど…

丁度ええ機会やと思てこうしてるっちゅう事や!…」


「……相変わらずだなホント!!…ステ-タス見るぞ?…」


「おう、構へんで!…」


宿屋を後にした一行は足を止める事無く町の外へと駆け出して行く!…

その道中当然人混みを掻き分けて行く訳なのだが、マサツグとライザは

手慣れた様子で!…人にぶつかる事無く飛び越したり!…壁を走ったり

してはパルクールで町の中を縦横無尽に駆け抜けて行く!…当然そんな

様子を目にした人達は驚き戸惑うのだが、マサツグ達は一向に構わず!…

寧ろ談笑しながら走っており、マサツグは疑問をぶつけライザは笑い

ながら答え!…とにかく呆れた様子を見せたりしながら山に向けて

一直線に走っていた!…その際マサツグはふと興味を持った様子でライザの

ステータス画面を!…徐に開き出しては確認を取り、ライザのその確認に

気前良く返事をすると、マサツグは自身の目の前にライザのステータスを

表示する!…


__ピッ!…ピピッ!…ヴウン!!…

 ----------------------------------------------------------------------

「ライザ」

「妹をこよなく愛する男」

 Lv.50    「拳聖」

 HP 4650          TP 680          装備 

 ATK 495+100  DEF 475+330    E 武器 ミスリルナックル 

 INT 190     RES 230+20            頭装 拳闘士の鉢金
                     
 AGI 420       LUK 150      体装 拳闘士の道着 

                   足装 拳闘士の靴

 MS [拳闘術Lv.10]  [気功術Lv.8]   装飾 波動のお守り

 SS [鑑定Lv.8]    [感知Lv.7]    

      [技術向上]  [鋼の拳]                 

        [上級拳闘術皆伝]  [念話]         

 EX [鋼の意思]  [己の限界に挑みし者]

                    

   [術技]

 疾風拳    TP 10  鉄鋼拳    TP 15  ボディブロー TP 20

 連弾脚    TP 20  裂鋼拳    TP 25  旋風脚    TP 20

 虎破撃    TP 30  飯綱落とし  TP 35  疾駆連弾   TP 35

 龍撃波    TP 40  獄・裂鋼連撃 TP 45  気孔治癒   TP 25

 回生孔    TP 45  柔の構え   TP 30  剛の構え   TP 30

 虎狼戦撃破  TP 50

 [術技2]

  破撃の衝動  ゲージ式

 -----------------------------------------------------------------------

「ッ!?…称号よ!!…何なんだこれぇ!?」


「んん~?…何か可笑しな所でも有るか?」


「有るよ大アリだっつうの!!…この称号名を何とかしろ!!…

思いっきり誤解をされっぞ!!」


「……ッ?…だって事実だからしょうがねぇじゃん!…

それにその称号って自力で変える事出来ないし!…

如何しようもねぇよ!…それに結構気に入ってんだけどなぁ?…

その称号!…」


マサツグがライザのステータスを開示するとそこには初っ端呆れポイントが…

特にステータス等には問題無いのだが、称号名に問題が在り!…これ本当に

大丈夫なのか!?と言いたくなる位に犯罪集を感じさせ、マサツグもそれを

見てすかさずライザにツッコミを入れると、ライザは何食わぬ顔で返事をする!…

するとそんなライザの返事にマサツグもステータスを見ながら更にツッコミを

入れるのだが、ライザは何の問題も無いと言った様子で飄々と返事をして見せ!…

事実である事と変えれない事を挙げて話し、これは正当!と言ってはそれこそ

気に入っている様子で受け入れ出すと、そんなライザの返事にマサツグも更に

呆れて見せる!…


「ッ!?…本当に相変わらずな奴!…寧ろ安心するわ!…ハアァ~……」


「だろ?」


「褒めてねぇよ!!…」


ライザの変人ぶりを久方ぶりに目の前にし!…その言葉を聞いて思わずマサツグが

呆れと同時に安堵感を覚えると、大きく溜息を吐いて見せる!…これを壁走り

しながら話して居る訳なのだが、当然周りの人達には何も聞こえず!…ただ突如

忍者宛ら!…人が縦横無尽に走っている姿を目撃しては一々どよめきが上がって

聞こえる!…そしてそんなマサツグの言葉をライザは誉め言葉と受け取ったのか、

ライザは何故かドヤッて見せ!…そんなライザの様子にマサツグも更に呆れて

ツッコミを入れ!…遂には衛兵達に見つかり注意を受けそうになるのだが!…

マサツグ達は構わず東の山脈に向かっては足を急がせるのであった!…

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