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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章九十四節閑話 女王様の暴走とそれに乗っかる者達とボディビル-

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この話はマサツグ達がユグドラドを去って大分日数が経ってからの話である。

突然だが一つここである事実を紹介したいと思う…エルフの国ユグドラドに

居る女王様は[筋肉フェチ]である!…まぁこれはこの話を読むまでの途中の

数節を読めば分かる事なのだが、その筋肉への執着振りはクラウスにロディに

似たゴーレムを作らせる程であった。さてそんな彼女の筋肉フェチが暴走した

結果が今回の話なのだが…


「……はあぁ~~!!!…堪りませんわぁ!!!…

嗚呼!!…ロディ様!…貴方は如何してロディ様なのかしら!?…

この大胸筋から腹筋に掛けてのボディライン!!…

まるで筋肉の山脈みたいですわぁ!!!…

…一度で良いから直に触れてみたい!!!…」


__……コンコンッ!…ッ!…


この日の女王様は今日も今日とて絶好調であった!…手紙と一緒に送られて

来たロディのポージング写真を見てはウットリ!…とある部屋に飾られて

在るロディの彫像を見てはウットリ!…それはそれはロディに対してメロメロ

であった!…しかしそうしてそう言ったモノを見て居る内に彼女の中である

モノが芽生えて来る!…それは…折角本物が居るのだから会って触れたい!…

と言った意味不明な動機であった!…それこそ最初は思っても小さな願望程度

だったのだが、日を重ねる毎に徐々に大きく!…それは淑女としてはしたない

と分かって居ようが抗えなくなり!…最終的には如何すれば会う口実を

作れるのか?…直に触る事が出来るのかと考えては、眠れぬ夜を過ごす事も

増えて来て居た!…とは言えそれで執務を疎かにする事は無く、ちゃんと

執務もこなしており!…この日も執務の合間を縫ってその様に一人悶えて居り、

ルティナが部屋の扉をノックしては声を掛け!…女王様もそれに反応して

写真を仕舞い返事をすると、ルティナは女王様にある相談をし始める!…


「…何方かしら?」


「…失礼します女王陛下!…少しご相談が…」


「ッ!…ルティナ…何か有ったの?…」


「はい…例年行われて居る兵士達の武勲祭について少々…

日程及び場所など…観客を入れるか等色々と…」


女王様の返事を聞いてからルティナが部屋に入り…女王様に一礼をしてから

声を掛けると、女王様に相談があると声を掛ける。当然その言葉を受けて

女王様も若干気にした様子で返事をすると、ルティナは悩んでいる様子で

内容を口にし!…その内容と言うのも何やら祭典の事らしく、色々と決め

かねている様子で戸惑いの言葉を口にすると、女王様もそれを聞いて悩み

始める!…その際何か思う所が有るのか、その祭典がある事を聞いてピクっと

反応して見せては!…


{……そう言えばもうそんな時期でしたか…

…私はあまりあの様に人が傷つけ合う様な事を見たくは無いのですが…

これも一つの士気高揚の為!…致し方が…

…でも私としてはその様に戦っている姿よりも日々鍛えている体を見る方が…

……ッ!?!?…}


__ガタタッ!!!…ッ!?!?……


「じょ!…女王陛下?…い、如何為さいましたか?…」


表ではルティナの相談に乗るよう悩んで見せ、しかし心の中では乗り気でない

様子で本音を零して居ると、更に飛躍して違う願望もポロリする!…その際色々と

混在しては女王様も何が何だかと言った様子で悩み続けるのだが、ここでハッと

女王様に電流が走ったかの様にひらめきが!…突如目をカッと見開いては立ち

上がってルティナを驚かせ!…ルティナもそんな女王様の様子に何が有った!?…

と言った具合で若干引き気味に目をパチパチとさせて居ると!…


「ッ~~~!!…こ!…」


「ッ!……こ?…」


「これですわあああぁぁぁぁ!!!!」


「ッ!?…じょ、女王様ぁ!?…」


まるで何かに打ちひしがれる様に体を痙攣させ、自身の目の前にある机に

手を突き俯いて見せると、ルティナもそんな女王様の様子に声を掛けるかで

悩み出す!…そしてルティナがオロオロとしている一方で、女王様は徐に

一言言葉を発し!…それを聞いてルティナも当然困惑した様子で反応し、

如何言う意味かを尋ねるよう復唱して見せると、女王様は突如奇声を上げる!…

まるで自身に素晴らしい天啓が降りて来たと言わんばかりに!…女王様は

喜びを露わにし!…そして当然そんな女王様の様子にルティナも酷く驚いて

見せ!…本当に何が有った!?…とばかりに女王様へ声を掛けると、その

女王様はルティナの方へ振り向くなりこう指示を出す!…


「ルティナ!!!…今回の武勲債は中止です!!!」


「ッ!?…えぇ!?…し、しかしこれは例年やってきた祭事では!…」


「それよりもっといい祭事を思い付きました!!!…

誰も怪我をしなくて済む!!…

更にどれだけ自分達の国に屈強な兵士が居るのかをアピールする場!!!…

…待っていなさい!…今すぐ仕様書を書き上げます!!!」


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


__シュババババババ!!!…ババッ!!……ッ!?……パラッ…パラッ……


いつになく大興奮の様子で女王様はルティナに指示を出し、その指示にルティナも

酷く戸惑い!…勿論突然の仕様変更にルティナは恐れながらに物申すのだが、

女王様はもっと良いのを思い付いた!と言うと、その祭事で大事な部分は補えると

興奮気味に豪語する!…そしてすぐさま自身の席に着くとペンを取ってはその仕様

変更についてまとめ出し!…当然そんな女王様の様子に!…ルティナも付いて

行けない!とばかりにただただ戸惑い!…物凄い勢いで仕様変更を纏める女王様の

様子を見詰めて居ると、女王様はものの数分でその仕様変更を纏める!…そして

それをルティナに急いだ様子で差し出すと、ルティナはビクッとした反応で

受け取り…A4サイズの紙六枚にも及んだ企画書に目を通し…その内容に驚きと

戸惑いを更に隠せない様子で表情を困惑させると、徐に女王様へ確認を

取り出す!…


「………あのぉ~…女王様?…

もしかして本気でこれをおやりになるおつもりですか?…」


「本気も本気!!…大真面目です!!!」


「ッ!?……わ、分かりました!……ではその様に手筈を整えますが…」


「えぇ!!…お願いします!!!」


__フンス!!…フンス!!……ッ!?………ペコリッ……


恐れ多くも意見申し上げたく…そんな感じで声を掛けると恐る恐るルティナは

確認を取り、そのルティナからの問い掛けに対して女王様も本気!と大真面目の

表情で答えると、ルティナはその女王様の余り見ない圧に負けたのか折れた

様子で了承する!…その際本当に大丈夫かな?…と思いつつ女王様に返事を

すると、女王様は気合の入った様子で返事をし!…その様子にルティナは更に

圧倒されて何も言えず!…ただ退室する際女王様に一礼をして部屋を後にすると、

思わず頭を抱えてしまう!…さて、そこからのユグドラドはある種の混乱を招く

事態へと発展する!…何故なら!…


__……ザワザワ!…ザワザワ!…


   ---------------------------------------------------------------------

        自分の筋肉に自信がある者は来たれ!!

     上腕ニ頭筋・トウ側手根屈筋・三角筋等々鍛えし者!

    我こそは世界一の筋肉美を持つ者と自負する者に告ぐ!!

    ユグドラド王国にてボディービルの大会を開くものとする。

  優勝者には金一封と女王に望みを一つ聞いてもらう権利を授ける!!

       我こそはと思う者は是非に申し込まれよ!!

   ---------------------------------------------------------------------


「……何だこれ?…」


それはまずユグドラドのあらゆる場所に張られたポスターから始まる!…今回の

祭事をボディービルの大会に帰ると言うモノであり、一般からも参加を募ると!…

当然こんなポスターを目にしたエルフ達は戸惑い!…一体何が起きた!?と困惑

しては女王様のご乱心と誤解する!…まぁ誤解されても仕方が無いのだが…

それ以上にそのポスターは何故か海を渡り!…果ては春野原スプリングフィールドにまで届き!…

夏海原サマーオーシャン全域に届いては隣の大陸!…秋羊雲オータムクラウドにまでまさかの宣伝が届いて

いた!…


 __スプリングフィールド大陸・首都・ストロべリンズ・王城…


「お、王妃様!!…サマーオーシャンより奇妙な告知が!?…」


「ッ!……あら、エルフの国の女王様も面白い事を考えるのねぇ?……

……ッ!…そうだわ良い事を思い付いた!…」


開催まで後どれ位か?…ここ春野原スプリングフィールドの王城に例のポスターが届くと衛兵の

一人が慌てた様子でスティングの元へ!…しかしその時丁度留守にして居た為

ポスターはアムネスの手に!…アムネスはマジマジポスターを見た後面白いと

笑い!…ふと何かを思い付いた様子でニヤリと笑うと、その大会に向けて何やら

準備をするのであった!…そして更にそのポスターはハーフリングスに!…


 __サマーオーシャン大陸・獣人の国・ハーフリングス・王宮…


「……ほほぅ?…外の者嫌いのエルフの女王がこんな物を!…

うむ!…実に愉快!!…

ならば我々からも一人選出して大会に出してみようではないか!!

丁度勉強に行かせたミスティーの事も気になっておったからな!!」


王宮に届くとこれまたそのポスターはフィアナの目に!…フィアナは珍しい!…

と言った様子でそのポスターに一通り目を通すと、やはりこれまた面白い!と

思い付いた様子で参加を決め!…一応留学中のミスティーの顔も見ようと!…

自分に使えている兵の中でも選りすぐりの筋肉を持つ者を決め出すと、その様子に

衛兵達は当然困惑し出すのであった!…そして場所は少し変わってギルド内!…

暇を持て余したロディの元にそのポスターが届く!…


 __同じくサマーオーシャン大陸・中央中立港町・ホエールビアード・ギルド…


「ッ!?!?…な!?…なななな!!!…何ですってぇぇぇぇぇええ!!!」


__ドドドドドドドドド!!!…バアアァン!!…


「ど、如何されたのですか!?…ギルドマス!!…タァー?…」


「こんな催しがされるなんて!!!…

ちょっと滾るじゃないの!!…もぅ!!♥」


「……えぇ?…」


そのポスターを目にした途端ロディはギルド内に響く勢いで声を上げ!…当然

その声を聞いたギルド職員達は驚き!…一体何が有った!?とロディの居る

部屋へと駆けつけ!…慌てて扉を開けて中に居るロディに声を掛けると、そこで

やる気満々のロディがスクワットをしている姿を目撃する!…当然これには

ギルド職員達も困惑すると、首を揃って傾げて見せ!…それこそ事件性が

感じられる声が聞こえたと言うのに本人はピンピンとしており!…寧ろポスター

を片手に闘志を漲らせて居るのだから更に困惑してしまう!…そうして各場所

それぞれがこの催しに参加をする意思を見せて居る一方で、女王様も!…


{……これで準備は整った!…後はロディ様!…

いや或いはあの方を越える筋肉に出会えるかもしれない!…

嗚呼!!…待ち遠しいですわ!!}


「……なんか最近の女王陛下如何にも様子が可笑しくないか?…

やはり皇女様を逃がした事を!…」


「ッ!…だからあの様に毎日遠い目をしては憂いて居られるのか!?…

クッ!!…我々が不甲斐ないばかりに!!!…」


窓から外を見ては遠い目で期待に胸を膨らませ!…何やら待ち切れない様子で

祭り当日になる事を願って居ると、その様子に周りから誤解を受ける!…

あの様に外を見て居られるのは皇女様を思って!…自分達が逃がしたばかりに!

と兵士達はショックを受け!…それ以降衛兵達は更に訓練へ励み!…その様子に

リリーやアルスも驚くと、更に厳しい訓練を与えるのであった!…さて話は進み

祭り当日!…さすがにあの様なポスターを配った事でユグドラドは今までにない

位に賑わって居り、店を出して居る所はテンヤワンヤ!…街中もホエールビアード

クラスに混雑しては往来に支障を来していた!…


__ワイワイ!!…ガヤガヤ!!…ワザワザ!!…ドヨドヨ!!…


「……ほ、本当に行うのですか?…女王陛下?…

た、確かに今回の祭典…今までに類を見ない程に人を集めて居ますが…

これでは防犯上色々とボロが!…それに…」


「…人員が足りなければ今直ぐギルドに依頼を!…

何としてでも成功させるのです!!…」


「ハ…ハァ……畏まりました…」


宮殿のバルコニーから下を見下ろし…そこで人の往来が激しい事を確認すると、

女王様は満足げに笑みを浮かべる!…その際女王様の後ろではルティナがやはり

戸惑った様子で立って居り、色々と不安を述べるのだが!…女王様は頑なに

中止を聞き入れず!…人員の補充はギルドへ!…とにかくこの一大イベントを

成功させると意気込むと、ルティナの話を聞こうともしない!…これには

ルティナも半分説得を諦めると、スゴスゴと後ろへ下がって行き!…女王様は

女王様で上からwatching!…まるで鳥を観察!…ならぬ往来の行き交う人達の

筋肉の観察をし始めると、祭典が始まるまでの間の時間潰しとしていた!…

一体何が彼女をそこまでそうさせたのか?…それは本人にしか分からず!…

その時が来ると意外にも会場はトンデモナイ盛り上がり様を見せて居り!…

その様子に周りのエルフ達も圧倒された様子で立ち尽くして居ると、いよいよ

開会の言葉が取られようとしていた!…


「……時間だな……ンン!!…ではこれより!…

ユグドラド王国主催のボディービル大会を始める!!」


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


「各選手は壇上に上がり!…指定の位置で自身の筋肉のアピールをして貰う!!…

尚今回の審査委員には…ハーフリングスよりお越しになられた

レフィリアナ女王陛下!!…ミスティー皇女殿下!!…

ダークエルフのマルティス殿に加え!…我らが女王陛下!!…

[クリミア・エルヴンフォード」が執り行う事となって居る!!!…

奮って競われよ!!!」


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


まさかの大会MCをリリーが勤め!…大会の開催が宣言されると、一気に会場は

沸き上がる!…それは文字通りお祭り騒ぎ!…各々が拳を突き上げ声を上げ!…

待ったました!とばかりに会場が異様な熱気に包まれて居ると、リリーは淡々と

進行を務める!…その際参加者は壇上に上がるよう指示を出すと、ルールも簡単に

説明し!…更には審査委員の紹介まで挟み!…隣国?…を巻き込んでの大イベント

となって居ると、その審査委員席では色々な話が交わされていた!…


「……いやぁ~参加するとは言ったのだが…

…よもや余も参加する事になるとは!…」


「……我はあまりこの手のモノは得意として居ないのだが?…」


「まぁまぁ!…皆さま!!…そんな事を言わないで!!…

今日は祭典!…思う存分楽しんで行って下さいまし!…」


「……汝の方が楽しんではいないか?…」


フィアナは予想外の展開になったと言った様子で若干驚き!…審査委員席に座ると

辺りを見回す!…それはまるで落ち着きのない子供の様!…そんな姉の隣では

ミスティーが座り、何が何だか…と言った戸惑い様を見せると、借りて来た猫の

様に縮こまっていた!…更にその隣にはマルティスが座るのだが、マルティスは

相変わらずで…ただ一応は戸惑って居るのか何故ここに?と零し出し…そのマル

ティスの様子にクリミアが宥めるよう声を掛けると、マルティスからツッコミを

受けていた!…その際クリミアの目はギラギラと輝いて居り、まるで肉食獣の

様で!…さすがのマルティスもこれには戸惑い!…本当に何が有ったのか?と

戸惑って居ると、壇上にはその選手達が続々と登壇していた!…


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


「何でこんな所に立つ羽目になって居るのだ?…

リイシアの奴め!…バカンスだか何だか知らんが!!!…」


{女王陛下に言われるまま大会とやらに出て見たらこれは!?…

一体何が行われると言うのですか!?…}


壇上に上がった選手の中には見覚えの有る姿が!…一人はロディ程ではないのだが

白熊の様に猛々しく胸毛が鬱蒼!…もう一人は狼の獣人か!…黒い毛並みが映えて

居ながら流線形の綺麗な筋肉を披露していた!…その他にもエルフや人間、その他

種族も参加しており!…総勢としては約数十名程度ではあるのだが、それぞれが

自身の体に自信が有る!…と言った様子で仁王立ちをして居ると、ロディが徐に

辺りを見回してはライバルのチェックをし始めていた!…因みに参加者は全員

ブーメランパンツ!…他の着衣の使用等は認められて居なかった!…


{……ッ!…あのお年を召したダンディーな叔父様!…

腹筋の割れ具合がまるで板チョコだわ!…

それに腕もいい感じにパンプしてる!…それにあの獣人のボウヤ!…

全体的に綺麗に整って居てまるでフェラ○リみたい!…

筋肉を付けながらしなやかな流線形ボディ!!…

これは!…私もウカウカしてられないわね!!!…燃えるじゃない!!!}


「……では参加者全員が登壇した所で始めようと思う!…

全員正々堂々アピールする様に!…では!!……開始!!!」


大会参加者の中でもロディの目に付いたのは二人!…と言っても二人とも先に

上記に書かれていたあの見覚えの有る二人で有るのだが…ロディ自身もそれを

見て仕上がって居ると!…油断ならない!と自身の心の中で判断すると、

更に内に秘めた闘志を燃やし出す!…そして大きく深呼吸をすると、ロディは

リラックスのポーズで構え出し!…リリーも選手全員が登壇した所で競技に

入るよう合図を取り、その合図に合わせて全員が身構えるようポージングに

入る様な体勢を軽く見せ始めて居ると、遂に開始の声と太鼓の音が響く!…


__ドドン!!…ウオリャアアァァァ!!!!…ワアアアアァァァァァ!!!!…


「ッ!!…これは!!!…」


「……開始と同時に全員が奇妙なポーズを取り出したな?…

しかしそのポーズをする事で筋肉が…」


「あ、あのぉ~…ど、如何反応すれば?…」


「きゃあああぁぁぁぁ!!!

キレてますわぁ!!…キレテマスワアァァ!!!」


太鼓の音が鳴ったと同時にスタートダッシュを掛け出す選手達!…各々がそれぞれ

全力でポージングを取り出すと汗を流し!…その様子に審査委員席のフィアナや

マルティスが驚いた様子で反応すると、ミスティーはミスティーで慣れたのか

戸惑い出す!…まぁ、ロディと共に居る時間が長かった為か、そのインパクトに

付いて行ける様子で!…女王様は女王様でノリノリに燥ぎ出すと選手達に掛け声を

かけ始め!…それに釣られて周りの観客達も掛け声を掛け出すと、会場は更に

ヒートアップする!…


__ナイスバルク!!!…キレてるキレてるうぅ!!!…


「……バカンスと思って来てみたけど…些かここは熱過ぎるわね?…

いっそラインをここに置いて避暑に徹しましょうか?…」


「ッ!?…い、いやぁ~…さすがにそれはあんまりじゃないかな?…」


ヒートアップする会場の中にはこれまた見覚える有る夫婦が!…周りの冒険者達や

民間人達は勿論気付いて居ない様子で!…ただその夫婦は選手の付き添い?…か

とにかく予想外に熱い!…とハンカチで汗を拭いつつ言葉を口にすると、選手を

置き去りにして違う所へ行こうか?と考え出す!…しかし旦那の方がそれに反応

すると、苦笑いをしては奥さんを宥め!…そんな夫婦の会話をして居る内に審査は

粛々と行われ!…惜しくも落選した者達は壇上を後にすると、残るはロディと

その置き去りにされそうになって居た選手の一騎打ちとなって居た!…


__ウオリャアアァァァ!!!!…ワアアアアァァァァァ!!!!…


「フフフ♪…やはり睨んだ通り!!…貴方が最後まで残ったわね!!」


「フンヌゥゥ!!!…貴殿こそその肉体!…

一体どの様な訓練を積んで来たのだ!?…まるで鋼の様では無いか!!…」


「そう言う貴方は野性味溢れる化け物って言った所かしら!?…

…ホント良い筋肉してる!!…張り合いが有るってモンよ!!!」


互いに向かい合い!…と、言う訳では無いのだが…ポーズを取る際チラチラと

互いに体を確認!…その時感じた印象に互いがコイツ!…ヤバい!…と言った

衝撃を受けると、二人は自然と言葉を交わしていた!…その際ロディは相手を

称賛するよう言葉を掛けると、相手の選手はロディの体に驚きを示し!…

ロディの体を鋼の様だと!…まさに二つ名の通りの言葉を口にすると、ロディも

相手選手の事を化け物と言う!…そうして互いに驚き褒め合い?…とにかく

ポージング合戦は続き!…最終段階に入り始めると、ロディが仕掛ける!…


「スウゥゥ!!……フン!!!」


__モリッ!!!…ムッキイィィン!!!…


「ッ!?…フロント・ダブル・バイセップス!!…

フロント・ダブル・バイセップスです!!!…王道中の王道!!!」


「ッ!?…ク、クリミア殿?…」


ロディは肩幅に足を開くと左右平行に両腕を伸ばし!…そこからマッスルポーズを

取る様に力瘤を作って見せると、自身の上腕二頭筋!…三角筋のデカさ、広背筋の

広がり、脇腹の絞り具合などをアピールする!…それはまるで中世期に掘られた

彫像の様!…芸術的にも感じられ!…これには女王様も大興奮!…目をギラギラと

させた様子で卒倒しそうになって居ると、フィアナから違う意味で心配の声を

掛けられる!…すると相手選手もそれに応じるよう負けじとポージングを取り

出すと、更に会場が沸き上がる!…


「ッ!!…何のこれしき!!!…ムゥン!!!」


__ガッ!!…グッ!!…ムッキイィィン!!!…


「ッ!?…サイドチェスト!?…サイドチェストです!?…

野性味溢れるその姿で!!……嗚呼!!♥」


「……これは即刻中断した方が良いのでは?…」


ロディに対抗して徐に手を組み出し!…観客席に向けて自身の体の右側面を

見せると、上半身だけを捻って体全体に力を入れる!…その際片足だけ爪先

立ちをすると、両膝を曲げて見せ!…横向きになり胸の厚みをアピールすると

同時に三角筋~腕にかけてのカットやデカさ!…片脚側面のカットや太さ等!…

下半身に対してアピールをするようポージングをすると、当然の様に女王様が

食い付き出す!…もはやキャラが完全に壊れた様子でこの時恍惚としており、

マルティスもドクターストップを促すのだが…競技はまだまだ続けられ!…

最終的には観客を交えての投票で勝敗が決まる事になると、全員が固唾を飲んで

見守って居た!…


__ワイワイ!!…ガヤガヤ!!…ワザワザ!!…ドヨドヨ!!……ッ!!…


「……集計結果が出た!!…今大会における最優秀ビルダーは!!…」


__ドゥルルルルルルルルル!!!……


その場に居た全員が投票を終えるとその集められた表結果は大会裏へ!…そして

数十分を掛けた後開票を終えたのか一人のエルフが舞台裏から姿を現すと、

リリーに結果を伝え出す!…そしてそれを聞いてリリーも結果が出た事を口に

すると、貯める様に言葉を引っ張り!…それに合われて用意が良いのかドラム

ロールも鳴り響き始め!…全員が自ずと妙な緊張感を覚えると、この時リリーも

何だかんだでノリノリの様子で発表する!…


「最優秀ビルダーに輝いたのは!!……」


__ドゥルルルルルルルルル!!!……チャンン!!…


「…ッ~~…ロディ~ロディ・ガンブレオ選手です!!!

皆盛大な拍手を!!!」


__ワアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


ある程度ドラムロールでも引っ張り!…リリーが改めて発表する!とばかりに

言葉を口にすると、次にはシンバルの音で〆られる!…そして勢いを付けるよう

息を吸うと、改めて最優秀ビルダーがロディである事を宣言し!…その宣言を

された途端にロディは感涙!…自身の口に両手を当て喜びを露わにするよう

左右を見渡すと、その隣では相手選手が拍手をして居た!…まるで互いの健闘を

称え合う様に笑みを浮かべつつ、数度ロディに対して頷き!…ロディはロディで

ゲームの中の事ながら!…自分が選ばれた事にただただ感動すると、心の中で

やった!…と喜ぶ!…


{やった!!…やったわ!!!…これよ、これ!!!…

これが堪らなく気持ちいいから止められないのよ!!!…}


「ロディ選手!…今のお気持ちは?…」


「ッ!…今とっても最高にハッピーだわ!!

皆も声援!…ありがとおおぉぉ!!!!」


__ワアアアアアアァァァァァ!!!!…ロ・ディ・イ!!…ロ・ディ・イ!!…


自身の鍛えた体を見て貰い称賛して貰う!…これが醍醐味と言った様子でロディは

歓喜に震え!…そんなロディの元へリリーがやって来ては勝者インタビューを

し始め!…ロディもマイクを向けられた事でハッと我に帰るよう笑みを浮かべて

見せると、率直に自身の感想とお礼の言葉を口にする!…そうして会場の参加者に

お礼をするよう手を振って見せると、更に一際歓声が上がり!…次には称える様に

ロディコールが巻き起こり!…その様子に女王様も胸を打たれた様子で感涙すると、

無事この一大イベントは終了するのであった!…


…因みにこのイベントのお陰で一部お店とユグドラド財政が潤ったお陰か!…

その後年に一回は行われるイベントとして今後も起用されてしまい!…

ルティナが何故!?…と言った様子で頭を抱える事になったのは言うまでも

無いのであった!…更にこれは未来の話で有るのだが、後にロディはこの大会に

おいて殿堂入りを果たし!…レジェンドとして君臨する事にもなるのであった!…

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