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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章七十六節 一応魔王…とベルベッタの用事と騒がしい朝!…-

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シロやマリーの能力を確認し終えて後日…話はいつも唐突に始まる!…事の

発端はマルティスからの伝言で有り、寝ているマサツグ達をベルベッタが

起こしに来て!…それまでの間マサツグはシロとマリーを抱えて寝ており、

時間もまだ朝の5時位と…とにかくとんでもない時間に来てはノックをして

マサツグ達を起こそうとするのだが、当然返事は無く…仕方なしにマサツグ達が

起きるまでの間、そのマサツグ達の泊っている部屋の前でただぼぉ…待つ様に

ベルベッタが居座っていると、事件が起きる!…


「……はあぁ~…全く!…

シャーマンの突発的な思い付きにも困ったものだわ…

何でこんな朝早くから!…まだマサツグ達が起きて居る訳!……ッ!?…」


__ズズズズズズ!!!


{な!!…何これ!?…この地を這う様な不気味さ!?…

マサツグの部屋から!?……ッ!?…まさか何か変なのが!?…

……ッ!!…考えて居ても仕方がない!!…嫌な予感がする!!!}


壁にもたれ掛かっては溜息を吐き…思わずマルティスに対する愚痴を零すと、

ただただ脱力する…そして何で私ばかり!…と言った様子で気を滅入らせる

のだが、次には何やら不気味な気配を感じ!…その不気味な気配は如何にも

マサツグ達の泊っている部屋より漏れ出す様に感じられ!…何やら異様な

までに不安感を刺激されると、ベルベッタも思わず警戒をする!…そして

その不気味な気配に対し異常事態と考えたのか、次には身構え!…もはや

一刻の猶予も待てない!と…マサツグを助けるつもりでそのマサツグ達の

泊っている部屋に対し突貫を始めると、そこである物を目にする!…


__……バッ!!…タッタッタッタッタッ!!…ドォン!!…バキャアァ!!…


「ッ~~!!!…たたたた!!…あ、案外脆いドアで良かった!…

そんな事より!!…マサツグ!!…無事!?…ッ!?…」


「…ん?…何じゃお主?…マサツグの友達かえ?…」


ベルベッタは若干助走を付けるとその扉に向かいタックル!…すると以外にも

ドアは簡単に開き!…ベルベッタは部屋の中に倒れ込むよう侵入を果たすと、

転けた際の衝撃で痛みを覚える!…しかし直ぐに体勢を立て直すと、上半身

だけを起こし!…次には慌ててマサツグの心配をし始め!…その不気味な

物の正体を探るよう気配を感じるベッドの上に視線を向けると、そこでフィロ

ネウスの姿を見つける!…その際そのフィロネウスの格好はと言うと、何故か

マサツグに馬乗りになっては上半身だけを開けさせており…そして見つかった

フィロネウスも特段慌てる事は無く、ただ跳び込んで来たベルベッタに対し

疑問を投げ掛けると、更にベルベッタを戸惑わせる!…


「……き、狐の獣人?」


「……まぁよいわ!…邪魔はするなよ?…

これよりわっちはマサツグとの睦事を!…」


そこに居たのは狐耳を付けた幼女の姿!…まぁ一部幼女らしからぬ部分が有る

のだが、それよりもその幼女が不気味な気配の正体と感じると、ベルベッタは

戸惑う!…マサツグが連れて居るシロより凶悪な気配を放ち、マリーより

威圧的な!…世の中にはこんな幼女が居るのか!?と!…ただ戸惑った様子で

ベルベッタがフィロネウスの事を見ていると、フィロネウスはベルベッタの

事等お構いなしに事に及ぼうとする!…その際邪魔をしない様にだけを言うと、

ベルベッタに対しニヤッと微笑!…そんなフィロネウスの様子にベルベッタも

ビクッと警戒!…マサツグを助けるにも自分で如何にか出来るか!?と考えて

いると、突如マサツグの腕が動く!…


__ガッシ!!…ッ!…


「……随分と五月蠅いなぁと思って目を覚まして見れば……

こんな朝早くにご苦労なこったなぁ?…フィロネウスゥ?…」


「ッ!?…あっ…マ、マサツグ……」


マサツグの腕が真っ直ぐに上がったかと思えば次には的確にフィロネウスの

頭を掴み!…フィロネウスも頭を掴まれた事で何か不味い!と言った戸惑いの

表情を見せると、次には青褪め始める!…まるで起きる前に仕留めたかった

と言った様子で!…恐る恐るマサツグの名前を呼んでは振り返り…そこで

マサツグも徐々に上半身を起こして視線をフィロへ!…その際マサツグの目は

当然笑って居らず!…怒った様子でその眼下に居るフィロネウスに対し軽蔑の

視線を向けると、更に言葉を続ける!…


「両脇には一応お子様が寝てるんだぜぇ?…なのにお前は事に及ぼうとした…

何ならこんなモーニングコールを頼んだ覚えも無いんだが?……」


「あっ…あぁ!…」


「これは……一つキッツいお仕置きが必要かな?…

…なぁ?…フィロネウスゥ?…」


「あぁ!!…ああぁぁ!!!…ッ~~~!!!…

ゴメンナサイなのじゃああぁ~~~~~!!!!…」


マサツグは倫理的な事を口にすると、両脇に寝ているシロやマリーの事を

口にし!…それでも尚行為に及ぼうとしたフィロネウスについて呆れるよう!…

言葉に怒りを滲ませつつ続けると、フィロネウスを逃がさない様にその掴んで

居る手に力を入れる!…するとそのマサツグの様子にフィロネウスは更に青褪め

出し、小刻みにプルプルと震え!…依然としてマサツグはフィロネウスの事を

見下しており!…反省させる意味も込めて静かにお仕置きをする事だけを口に

すると、最後にフィロネウスの名前を口にする!…するとそれを聞いてフィロ

ネウスはますます青褪め、遂にはマサツグに許しを請い!…その様子にベル

ベッタは呆気に取られ…マサツグが何者なのか分からなくなって来ると、

マサツグは寝ている二人を起こさない様にベッドから起きる。


__ゴソゴソ……バッ!!…ストッ!……


「……んん~~!!!…あぁ!…おはよう?…今朝は早いな?」


「ッ!!…え?…あっ…お、おはよう…

…じゃなくて!!…そ、その子は?…」


「ッ!…あれ?…紹介…って、してないよな?…そうだな…

…ゴホン!…えぇ、一応魔王でこの前の大戦を引き起こした元凶…

フィロネウスだ。」


「ッ!…こりゃマサツグ!!…一応とは何じゃ一応とは!!…

れっきとした魔王でこの世で一番美しい!…」


手慣れた様子でシーツから脱皮をする際!…フィロネウスの襦袢の首根っこに

手を回すと、捕まえたままベッドから降り…大きく伸びをしては何事も無かった

かの様にベルベッタへ挨拶をし始め!…この時そんなマサツグに挨拶をされた

ベルベッタも当然戸惑うと、思わず挨拶を返す!…だが直ぐにハッと気を取り

直すと、改めてマサツグにフィロネウスの事について尋ね出し!…すると

マサツグもそこで漸くフィロネウスの紹介がまだだった事に気が付き!…

最初は戸惑った反応を見せるのだがとにかくフィロネウスの事を簡単に

説明すると、その説明をサラッとされた事でベルベッタは更に困惑する!…

そしてフィロネウスも不服とばかりに文句を言い出すのだが、マサツグはある

行動に出る!…


__ズイ!!…ッ!…


「この成りでか?…」


「ッ!?…うぅ~~~!!!…マサツグは酷いのじゃぁ!!…」


「ま、魔王を相手にこんな!…一体何なの!?…」


フィロネウスの首根っこを掴んだまま姿見の前へ!…そこでフィロネウスに

改めて自身の全身像を見せ、マサツグは止めとばかりに言葉のナイフで

一刺しにしてしまうと、遂にはフィロネウスも泣き出してしまう!…その間

フィロネウスはマサツグに首根っこを掴まれたままで、これと言った抵抗も

せず!…そんな光景にベルベッタも戸惑いを隠せない様子で!…とにかく

マサツグの蛮勇振りに驚かされていると、マサツグは手早く着替えて見せる。


__ガサゴソ…バサァ!!…


「ッ!?…ちょ、ちょっとぉ!!…」


「おぉ~!…眼福♪…眼福じゃ♪」


「……フィロネウス、お前幾つだ?…何か年寄り臭いんだが?…」


レディが居る中で突発的に着替え出し…ベルベッタが頬を染め戸惑った反応を

見せて居ると、フィロネウスは逆に喜んだ様子でキャッキャとする!…この時

マサツグは器用にもフィロネウスを捕まえたまま着替えて居り、そんな目を

輝かせながら言葉を口にするフィロネウスに対し!…マサツグが呆れた様子を

見せつつツッコミを入れると、改めて話は最初に戻り…マルティスからの伝言を

聞く事となる!…


「……オホン!!…こんな朝早くからごめんなさい!…

でも一応急用であって!…」


「…急用?…内容は?…」


「そ、それがぁ……シャーマンが言うには自分達の集落にその…

ギルドを置きたいって…」


「……ギルド?…」


ベルベッタは今だ頬を染めつつ気を取り直すと、咳払いを一つ!…そこからやっと

本題に入ると戸惑った様子で…マサツグもそんなベルベッタの戸惑い様に疑問を

持ちつつ何事か?と尋ねると、ベルベッタはやはり困惑した反応のまま話し出す。

その際フィロネウスは今だマサツグに捕まっては、胡坐を掻くマサツグの足の中に

納まり…何なら抵抗もない様子でただ一緒に話を聞いて居り、そんな様子を気に

しつつもベルベッタが本題を話すと、マサツグはその話に首を傾げる。何故なら…


「………何で俺に尋ねる?…

ギルドを立てたいならロディか女王様に話を聞けば?…」


「ッ!!…バ、馬鹿!!…出来る訳がないでしょ!?…

女王様は何か凄いキラキラしてて近付き難いし!…

あのゴーレムみたいなのは単純に近付きたくない!…

生理的に受け付けないの!!…」


「ヒ、ヒデェ言われよう!…で、俺に話しをしに来たと?…」


「そう言う事!…しかも頼まれたのは私だけだし!!…

ギルドの話で頼れそうなのが貴方とレイヴン位だったのよ!!…

…レイヴンは最近見掛けないし!…」


「あぁ……そう…だな?…」


マサツグが思った疑問と言うのは、何故自分にその話を持ち掛けて来たのか?と

言う事で…ベルベッタへ単刀直入に質問をすると、ベルベッタは慌てた様子で

返事をする!…何でも女王様は元から話し掛け辛く、キラキラしていると!…

打って変わってロディは生理的に受け付けないと!…思い出しただけでも身震い

するよう自身の体を抱き締め青褪めて見せると、マサツグはその様子に戸惑いを

覚える!…そしてロディに対して同情するよう言葉を口にして居ると、マサツグの

胡坐の中ではフィロネウスが同意するよう腕を組み頷き!…とにかく相談された

理由に対して納得し!…ベルベッタも話を続けるよう頼れるのはマサツグと

レイヴンだけと話すと、その肝心のレイヴンが行方不明である事を話し出す。

それを聞いてマサツグも何と無く検討を付けるのだが、如何にも答え辛く!…

とにかく内容を理解した所で立ち上がり!…その際フィロネウスを解放して仕事に

行くよう準備を整え出すと、フィロネウスに伝言を残す。


__ギシッ!…ッ!…


「…フィロネウス?…ちょっと出て来るからお留守番を頼む。

で、シロ達が起きたら心配しないようギルドに居るって言ってくれ。」


「ッ!!…わっちを置いて行く気かえ!?…

嫌じゃ!!…わっちも一緒にマサツグと付いて行く!…」


「じゃあ、お仕置きが待ってるけど……如何する?…」


「ッ!?………お、お留守番するのじゃ!…」


淡々と準備を整えるさなか、自身の行き先をフィロネウスに伝え!…シロ達に

心配を掛けない様に!…ちゃんとお留守番をする様に言い聞かせようとする

のだが、当然の如くフィロネウスは反対をする!…その際本当に子供になった

ようフィロネウスは地団太を踏みながら腕を振り回し!…これが本当にあの

魔王なのかと!…ベルベッタも戸惑った様子でそんなフィロネウスの事を見て

おり!…マサツグはマサツグで呆れたようフィロネウスにお仕置きと言う名の

脅しを掛けると、途端にフィロネウスはビクッと反応しては動きを止める!…

この時フィロネウスの中でどんな罰を想像したのか?…とにかく固まった後、

冷静さを取り戻したよう返事をし!…その時のフィロネウスの顔はまるで苦虫を

噛んだ様な表情をしており、マサツグが本当にフィロネウスを飼い慣らして

居る事にベルベッタが驚いて居ると、マサツグはベルベッタに声を掛け出す。


「じゃあ、とにかくギルドに向かうか!…

俺に聞かれても出来事って言えば紹介する事位だし…」


「ッ!?…え?…えぇ…って、私があのゴーレムと話すの!?」


「……余程嫌いなんだな…まぁそこの話は俺が通すから!…

とは言っても最終的にはマルティスにも話を聞く事になると思うけど…」


「べ、別に嫌いって訳じゃないのよ!?…ただ…やっぱり…如何にも…」


フィロネウスに言う事を聞かせ…マサツグがベルベッタに声を掛けると、

ベルベッタは戸惑いながらも返事をする。その際ちゃんと話は聞いていた

のか…ふと思い出した様にロディと話す事に抵抗を見せると、明らかな

までにその表情を戸惑いに満ちさせ!…マサツグもそんなベルベッタの

反応を見て苦笑いをし…ベルベッタの気を遣って仲介役を買って出ると、

この時本当にロディの事を不憫に思ってしまう!…そしてロディに同情

しつつも最終的な話をベルベッタに説明をすると、そのマサツグの問い

掛けにベルベッタも慌て!…何とか大丈夫!…と気を遣って言おうと

するのだが、やはり脳裏にロディの顔が過る度に顔を曇らせると、徐々に

その視線も下がって行く!…そんな重症具合にマサツグも笑うしか無く、

とにかく移動する事にし…本当にフィロネウスに留守番を任せ!…

マサツグ達がギルドに移動すると、何やら変な話が話題になって居た!…


__わいわい!…がやがや!…


「なぁ!!…あのワールドニュースってガチなのか!?…」


「あのフィロネウスをテイムしたって奴だろ?…デマに決まってんだろ!…

あんな化け物連中をテイムするとか!!…絶対に無理だし!!…

何よりあんなのチートでも無けりゃまともに相手も出来ねぇよ!!…」


「……だよな?…魔王一人に対して八人掛りのフルパーティ!…

それも上位者で固めねぇとまともに戦えねぇってのに!!……

しかも相手はフィロネウスだろ!?…フィロネウス!!…

バーン熱傷ダメージがエゲツナイあの!!…」


「……とは言え…あのワールドニュースが誤報とは思えないし…

何よりチートを使えば直ぐに運営が気付く筈!!…

なのに何の音沙汰も無いって事は!…」


ギルドにやって来ると話題は今になってフィロネウスの騒ぎ!…その際

マサツグがテイムした事に関しては名前は公表されておらず!…誰もが

フィロネウスをテイムした!?と噂しては色々な憶測が飛んで居た…

その際ある者は有り得ない!と言ってはチートを疑い!…またある者は

魔王と戦った事が有るのか同じ事を疑う!…しかし誤報だったとしても

いつまで経っても撤回はされず!…誰もがマジ!?…と言った様子で噂に

どよめき戸惑って居ると、マサツグ達もその話を聞いてか戸惑いの色を

見せて居た。


「……今になってフィロネウスの事が噂になってるのな?…

まぁ確かに魔王をテイムしたとあっては大騒ぎともなるだろうが…」


「……それよりもちょっと良いかしら?」


「ッ!…何、如何した?」


「ッ~~~!!!…如何したも何も無いでしょ!!…

何で私が貴方におんぶされるのよ!!…」


テイムした張本人だけに目立ちたくないと言った様子で話だけを聞き…改めて

自分のした事についてそりゃそうか…と同意をすると、ギルドの中へ足を進める。

その際ベルベッタはマサツグに対し文句有り気に声を掛け出すと、マサツグも

そんなベルベッタの様子に若干戸惑い!…とにかく何が有った?とばかりに

返事をすると、ベルベッタはマサツグに背負われた状態で文句を言う!…当然

マサツグに背負われている事で恥ずかしさを覚えると、顔を真っ赤にし!…

マサツグはマサツグでそんなベルベッタの問い掛けに対して驚き戸惑い!…

思わずフラ付く様な足取りを見せると、文句を言うベルベッタに対し落ち着くよう

声を掛ける。


「ッ!?…耳元で叫ばんでくれ!!……ったく!…

俺は高所恐怖症なの!…だからこの国を歩く際は目隠しして貰わないと…」


「だったら布でも巻けばいいじゃない!!…

何で私が背負われなきゃいけないのよ!!…

と言うより!!…早く降ろしなさいよぉ~!!!」


「わああぁぁぁ!!…暴れるなって!!…分かった、分かったから!!…」


背負っている理由について目隠しが欲しかったと!…ベルベッタに正直な話を

して理解して貰おうとするのだが、ベルベッタからすれば当然理解出来る筈も

なく!…寧ろその話を聞いて更にツッコミを入れ出し!…マサツグの感覚が

ズレて居る事に続けて文句を言うと、早く降ろす様に腕を振り回す!…その時の

ベルベッタはまるで子供の様に暴れて居り、マサツグもベルベッタが暴れ出した

事で慌て!…ギルドに着いて居るので降ろすと言い、ベルベッタを床に降ろした

所でベルベッタも落ち着きを見せると、改めて文句を続ける!…


「……ふぅ!…大体!…

何の説明も無しにおんぶする事自体が可笑しいのよ!!…

今まで如何して居たのよ!!…今回は私が居たけど!…」


「え?…いや、シロが顔にビタっと…」


「ッ!?…さも当然の様に言うんじゃないわよ!!…

ハアァ~…もう疲れたぁ…何で朝からこんな疲れなきゃいけないのぉ?」


「えぇ?…勝手に燥いで疲れてるのはそっち!…」


「ッ!!…何!?…」


「ッ!?…いえ!…何でも無いです…」


マサツグももはや慣れた具合にベルベッタをおんぶして居た様子で、突然

おんぶをされた事にベルベッタは文句を言い!…その際疑問に思ったのか

今まで如何して居たかについて聞き出し始め、マサツグも戸惑った様子で

シロが目隠し代わりをして居た事を話すと、その話を聞いたベルベッタは

ツッコミを入れる!…そして同時に呆れた様子も見せると、朝から疲れた…

と言っては近くに有る椅子に座り…そんなベルベッタの様子にマサツグは

自業自得とばかりに言葉を呟き…そのマサツグの言葉に反応してベルベッタが

マサツグに睨みを利かせると、マサツグもすかさず誤魔化しに掛かる!…

さてそんな風にギルドの片隅で燥いで居ると、当然ある人物に目を付けられ!…

マサツグ達も次如何しようか?と悩んで居ると、その人物はマサツグ達の方に

やって来る!…


__ギュッピ!…ギュッピ!…ギュッピ!…ギュッピ!…


「あら!…こんな朝早くからご機嫌ね?…

今日はどんなご用件で来たのかしら?…」


「ッ!?…で、出たぁ!!…」


「ッ!?…んま!!…失礼しちゃうわね!!…

人をお化けみたいに!!…」


その人物と言うのは当然ロディ!…明らかに人間の足音では無い何かを鳴らし!…

気さくに挨拶をしようと笑顔で手を振りマサツグ達に声を掛けると、途端に

ベルベッタが警戒をする!…やはり実物が目の前に現れると違う様で、マサツグの

後ろに隠れるよう瞬時に移動し!…当然これにはロディもムッとした様な表情を

見せると失礼と言い!…お化け扱いするんじゃない!と内股で地団太を踏むと

言ったオネェ全振りの動きでベルベッタに抗議をすると、その様子にマサツグも

苦笑いをする…


「あはははは……ッ!…」


{…あれ?…そういや俺も最初はこんな風に敬遠して居た様な?…

今では何ともない?……ッ!?…慣れちまったって事か!?…}


「全くもう!!……あれ?…マサツグちゃん如何したの?…」


「ッ!?…え?…あぁ、いや何でも無い!!…何でも無いっス!!」


あからさまに敬遠するベルベッタとムッとするロディ!…それを見てマサツグは

苦笑いをして居るのだが…ふと思い出した様子で自身の時の事を思い出すと、

違和感を覚え…いつの間にかロディのキャラに慣れてしまって居る自分に改めて

戸惑いを感じ出すと、慣れと言うモノに恐怖を覚える!…自身でも気付かない

内にロディに対しての抵抗が無くなり!…いつ失った!?…と言った様子で

思わず固まってしまうと、次には落ち着いたロディから声を掛けられ!…その際

マサツグにはこれと言った如何わしい事は無いのだが、思わず過剰に反応して

しまうと、ロディから不思議に思われてしまう!…


「……ッ?…変なマサツグちゃんね?」


「あ、あははははは…」


__…スッ…クイクイッ…


「ッ!…っと、そうだった!…ギルマス、話が有るんだ!」


「ッ!…あら?…マサツグちゃんからのお話?…

ッ!…なぁに?♥…愛の告白かしらぁ?♥…」


まるで外国のコメディーの様なノリで両手を上げ、首を傾げて見せるロディに

マサツグが苦笑いしか出来ないで居ると、後ろではベルベッタがマサツグの

服の裾を掴み引っ張り出す。それはもはや早く話を進めるよう急かして居ると

しか思えず、マサツグも思い出した様にハッとし!…次には話が有るとロディに

言い!…ロディもその話を聞いて更に何事?と言った様子で興味を持ち出すと、

話は漸く本題に入る!…


「ンな訳ねェだろうが!!……じゃなくて!!…

如何やらダークエルフ達の方でギルドを設置するみたいな

話が上がってるらしくて…」


「ッ!?…え!?…マジで!?…あらららら!…お仕事の話ね!!…

分かったわ!…で、そっちで隠れて居るのが代表って訳ね?…

……因みにこの話は全体で?…」


ロディが冗談交じりに返事をするとマサツグがツッコミ!…改めて話を戻すよう

本題のギルドの件について話すと、ロディは途端に驚いた反応で返事をする!…

まるでそっち方面には縁がないだろう…と思って居た様で、突然の仕事の話に

願ったり叶ったりと!…次には全てを理解した様子でマサツグの後ろに隠れて居る

ベルベッタを代表と見抜き!…ベルベッタに質問をするよう声を掛け出すと、

マサツグもチラッと自身の背後を見る様にベルベッタへ視線を移す。


__……チラッ?…ッ!…


「え…えぇ!…私達の族長!…マルティスが決定すれば全員が従う!…

故にその族長が決定したと言う事は全員の総意と受け取って貰って

構わない!…です!…

…それで建てるに当たって詳しい話を聞かせて貰いたいと…」


「なるほどねぇ!!…じゃあここだと何だし…とりあえずついて来て頂戴?…

こういう話はちゃんと会議室でやらないと!…」


「……だってよ?…行くぞ?」


マサツグが視線を移すとベルベッタも気が付いた様子で、マサツグの背中に

隠れながらもロディに返事をして見せ…マルティスが全てと言った様子で

全員の意思と改めて伝え!…詳しい話をベルベッタ自ら求めると、その返事を

聞いたロディも納得する!…この時何度か頷いたのち笑顔を見せると、差し

当たってロディも説明が必要と言い!…ここで話をするにしても場所が悪いと!…

会議室に案内すると言って付いて来る様に言い聞かせると、ロディは先程の

事も忘れた様子でウッキウキに跳ねる!…まるで久々の仕事♪と言った様子で

スキップしながら喜んでいると、マサツグも背後に隠れて居るベルベッタに

声を掛け!…ロディの後を付いて行き!…二人揃って会議室に案内されると、

早速その話を始めようとするのであった!…


さてその頃…お留守番を任されたフィロネウスはと言うと?…


「あああああぁぁぁぁ!!!…暇じゃ暇じゃ暇じゃああぁぁ!!!…

えぇ~い、はよう起きんかこの小娘共!!…

早起きは三文の徳と言うじゃろうが!!…

…とまぁ言ってもたかが三文じゃが…それでもグッスリ過ぎるじゃろうが!!…

寝る子は育つと言う奴かえ!?……はあぁ~…

本当ならあんな約束聞くまでもなく付いて行くのじゃが…

あの折檻だけは勘弁ならん!…なしてあの様に痛いのか?…

それも愛が成せる業と言うのなら話は別じゃが…」


フィロネウスは暇を持て余した様子で部屋の中を行ったり来たり!…絨毯が

敷かれてある事を良い事にただ往復するよう機敏に転がり回り!…お留守番を

させられた事について不満を口にすると、その文句は寝ているシロ達にも

向けられていた!…その際寝ているシロやマリーの事等御構い無し!…

とにかく早く起きないか!と言った様子で文句を言い続け!…そして徐々に

話はマサツグの方へと変わり始め!…何故この様にお仕置きに怖がっている

のか?…自分でも分からないと言った様子で独り言を喋っていると、遂に

シロが目を覚ます!…


「…うぅ~ん…うるさいのですぅ~…何なんですかぁ?……ッ!…

…あれぇ?…ごしゅじんさまはぁ?…」


「もうとっくに出て行ったわ!…を置いてな!…

今頃ギルドに居る頃…」


__ビクンッ!!…サアアアァァ!!………バッ!!…


シロはフィロネウスに対して文句を言うよう目を覚ますと、眠い目を擦りながら

辺りを見回し…その際マサツグが居ない事に気が付き…一体何処へ行った?と

眠そうに言葉を口にすると、そのシロの問い掛けにフィロネウスが返事をする!…

この時フィロネウスは簡単に説明を済ませるつもりで何の気なしに答えるのだが…

それを聞いた瞬間シロは途端に青褪め!…一気に眠気も飛んだ様子でベッドから

跳び起きると、慌てて自分達の泊っている部屋を後にする!…


__バアァン!!!…ダッ!!…


「ッ!?…あっ!…おい!…何処に行くんじゃ!!…」


「ご主人様!!…ご主人様!!!…ご主人様!!!!…」


「……あぁ~もう!!…これじゃからお子様は!!…

もしこれであの白いのが行方不明にでもなれば!!…

わっちの責任になるでは無いか!!…急いで捕まえねば!!…」


ドアを蹴破る様にしてシロは飛び出し!…フィロネウスもそんなシロの様子に

戸惑うと、慌てて止めようとした手で空を斬る!…そしてシロもフィロネウスの

制止を聞き入れる事は無く、ただ一直線にマサツグの匂いを追って駆けて行き!…

フィロネウスも固まっている場合では無いと!…シロが飛び出して行った事で

自分の責任になる!…と考えると、部屋にマリーを残したまま追い駆け出す!…

さてこうしてマリーは今だ眠ったままなのだが!…シロとフィロネウスに

よってこの後!…マサツグ達に波乱が押し寄せて来る事を!…本人達は全く

知らないのであった!…

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