上 下
273 / 696
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章七十二節 怪しい依頼主と依頼後の宴会とデバッガーの実力-

しおりを挟む



無事地下を抜け出して来た事で安堵するマサツグ達一行…その際マサツグは

シロとマリーを前後に抱え!…いざその指定のアイテムをギルドに届けよう

とするのだが…例によって高所恐怖症が発生し、その場から動けなくなって

いた…しかしいつまでもそうして居る訳には行かず、ある苦肉の策を使い…

アヤと共にマサツグ達は何とかギルドに辿り着こうとして居た。さて、その

苦肉の策とは?…


__ギイイィィィ!…


「……アヤ?…もう大丈夫…ありがとう…」


「ッ!…はあぁ~!…やっと着いたぁ~!…」


ギルドに辿り着いた時にマサツグの格好…それはもはや人を辞めた様な恰好を

して居た!…簡単に説明をするとアヤをおんぶしたのである。勿論シロと

マリーを抱えて!…その際シロとマリーを一纏めで抱っこするとアヤをおんぶ

するのだが、当然足は遅くなり!…何ならアヤをおんぶした理由に目を隠して

貰うと言う理由があり!…だったら普通に目隠しをすると言った案も出たのだが

歩き辛く!…身長差が有る為おんぶしたと言うのが真の理由である!…そして

当然そんな恰好で歩いていた訳なので、道中エルフ達の視線が刺さり!…それは

ギルドに戻って来てからも続いて冒険者達の視線が刺さり!…とにかくアヤが

顔を真っ赤にしながらやっと着いた!と安堵して見せると、マサツグもアヤに

謝り出すのであった…


「いやぁ…本当にスイマセン……ほら、今解くから…」


__シュルシュル…ストッ…ツカツカツカツカ!!…ガタッ!………


「あ、あからさまに距離を!…まぁあんだけ視線を集めて居れば当然か…」


「……ん…んん~!……あれ?…ごしゅじんさまぁ?…」


そうしてギルドに辿り着いた事でアヤのおんぶ状態を解放すると、アヤは

すかさずマサツグから距離を取り!…顔を真っ赤にしては誰とも目を

合わせる事無くギルドのカウンター席へ直行!…この時やはり誰とも

会話が出来ない!と言った具合に身を丸め!…とにかくお酒を注文する様な

素振りを見せると、そんなアヤの様子にマサツグは若干のショックを

受ける…まぁ当然の言えば当然の事なのだが、その一方でアヤを降ろす際の

ゴタゴタでシロ達も目を覚ましたのか…大欠伸をしながら伸びもすると、

自分達が今ギルドに戻って来ている事に疑問を持つ…


「……あれ?…何でここに?……ッ!…おにぃちゃん?…」


「ッ!…おはよ!…シロ!…マリー!…」


「「………ッ!?…ごしゅじんさま(おにぃちゃん)!!」」


眠い目を擦っては辺りを見回し…いつの間にかギルドに戻って来ている事で

若干の眠気と戸惑い様を見せて居ると、マサツグはそんな二人に声を掛ける…

その際何事も無かったかのよう二人に挨拶をすると、二人は揃ってピクっと

反応し…徐にマサツグの顔を見上げてはジッと見詰め、徐々に記憶も取り

戻して来たのか途端にその表情も強張り出すと、次の瞬間には慌てた様子で

マサツグに抱き付く!…


__ガバアァ!!…ッ!?…


「うおおぉぉ!?…な、何だぁ!?…落ち着けぇ!?…」


「………音は聞こえるのです!…ふぅ!…よかったぁ~!…」


「ッ!…おいおい、勝手に殺すな?…」


当然そんな二人の様子にマサツグは戸惑うと、落ち着くよう声を掛ける

のだが!…シロとマリーはマサツグに張り付いては何かを確認するよう

胸に耳を当て!…暫くマサツグが固まったまま動かないで居ると、

シロ達も漸く安堵したのか落ち着きを取り戻す!…この時恐らく確認して

居たのはマサツグの心音で、正常な心音が聞こえて来た事でシロは

良かった!と漏らし!…そのシロの一言にマサツグも気が付いた様子で、

優しく微笑みながらシロに対しツッコミを入れると、二人の頭を撫で始める…


__ポンッ…なでなで…なでなで…


「ッ!…~~♪……ハッ!!…

も、元々はと言えばおにぃちゃんがいけないんだからね!!…

あんな無茶して!!…運が良かったから良いモノの!…」


「はいはいゴメンよしぃ~!…パンケーキ食べさせてやるから許してくれ?」


「ッ!!…こ、子供扱いしないで!!…私は六森将の!!…」


マサツグは誤魔化すつもりで二人の頭を撫でるのだが、マリーだけは誤魔化

せなかった様で!…頭を撫でられた事でほわほわとした気分になるのだが、

マリーはハッと我に返り!…途端にマサツグに対して説教をする様な口調で

指を差し文句を言うと、マサツグは更にはぐらかすよう適当に返事をする。

その際マリーはまだ子供なので食べ物で釣って何とかしようと考えるのだが、

マリーは逆に反発し!…いつもの様に自分の肩書を名乗ろうとしては

プンスコと怒り!…マサツグに言う事を聞かせようとするのだが、意地悪な

質問を返される!…


「ッ!…じゃあパンケーキ要らない?…

シロだけになっちゃうけど?……」


「ッ!?…ッ~~~!!!………要る!…」


「ッ!…素直でよろしい!…じゃあ!…

まずは依頼完了の報告を!…ッ!…」


マサツグは手慣れた様子で意地悪そうにニヤッと笑うと話を続け!…まるで

勿体ない!と言った様子でシロを巻き込み再度要らないかについて尋ねると、

マリーは驚いた表情で若干ピクンと反応する!…その際若干恨めしそうに

マサツグへ対し俯くと、文句有り気に見詰め!…だがやはり根本的な所は

子供なのか?…マサツグの問い掛けに対して葛藤した様な反応を見せると、

次には不機嫌そうに要る!と返事をする!…そしてそれを聞いたマサツグも

マリーに対して苦笑いをすると、再度マリーの頭を撫で!…改めて気を

取り直し!…地下で手に入れて来た結晶をカウンターに持って行こうとすると、

そこである人影を見つける!…


「うふふふふ!……ッ!…あっ!…

クラウスさん!…貴方の依頼を受けた方達が戻ってきました!」


「ッ!……やぁ、君達か…」


「ッ!…クラウスさん!…何でここに?…」


受付カウンターに行こうとする際、マサツグが見つけた人影と言うのは

見覚えのある白衣!…間違いなくあのレイヴンの師匠のクラウスその人

であり!…ルンもそんなクラウスを前に若干緊張しながらも談笑を続けて

いると、マサツグ達の存在に気が付く!…その際ルンはクラウスに対して

手を伸ばしマサツグが来た事を伝えると、クラウスも振り返って

マサツグ達に声を掛け!…マサツグもマサツグで何でここにクラウス?…

と言った様子で戸惑い、次には単刀直入にその理由について質問をすると、

そのクラウスから意外な話をされる…


「いやなに…

今まで誰も受けようとしなかった私の依頼を受けた者が現れたと…

何なら物を絶対に持って来るとギルドの者達から絶大な支持を

集めている者が依頼の品を今日持って来るかもと報告を受けてな?…

受け取りに来た次第だよ…」


「ッ!…今まで誰も受けなかった依頼?……ッ!…

えぇ~っと、ルンさん?…今回のこの依頼主って?…」


「はい!…

マサツグさん達が受けた依頼はこのクラウスさんからの依頼で!…

この国の十貴族のトップに立っておられる方です!!」


クラウスが言うにはこうである…如何やらクラウスは過去ギルドに対し

依頼を出して居たらしく、その依頼を受けた者が現れたと連絡を受けて

ギルドにやって来た様で!…そしてその依頼を受けた者と言うのも

如何やら凄腕らしく!…依頼の品が今日届くかもしれない!と言う事で

期待に胸を膨らませつつ、ルンと談笑をしながら待って居たらしい!…

そしてその一連の話を聞いてマサツグも何かピンと来た様子で、徐に

ルンへ質問をするようその依頼について声を掛け!…するとマサツグの

考えは有って居た様で!…ルンはクラウスの事を紹介するよう依頼の

主がクラウスである事を明かし始めると、クラウスはその紹介に卑下

して見せる。


「……別に私からすれば大した事は無いのだがね?…

……それよりも…」


__ジッ…ッ!…


「…さっき君は皇女様を背負って更にその幼子達を抱えて

ここにやって来てたね?…その体力は一体何処から?…

…ふむ…気になるなぁ…良かったら今度詳しく見せて貰っても!…」


__ガッシ!!…ッ!?!?…


クラウスは謙遜をするよう大した事無いと苦笑いをして見せると、それよりも

気になるモノが有ると言った様子で…その視線を徐にマサツグの方へ向け出し、

まるで観察でもするよう途端に研究者の目になってマジマジと見詰め出すと、

マサツグもその視線を向けられた事で戸惑った反応を見せる!…だが見せた所で

クラウスはマサツグの事など御構い無しに、次には興味を持った様子で声を

掛け!…その際マサツグが三人を背負った状態で姿を現した事にも気が付いて

居たのか!…そのマサツグのフィジカルに興味を持っては調べさせてくれ!と

迫る様にお願いをすると、マサツグは途端に恐怖を感じる!…何故ならその時の

マサツグの目から見たクラウスの様子はと言うと、自身の探求欲に忠実な

科学者の様で!…メガネが光っては相手の目が見えないと言うアレな状態!…

クラウスもマサツグの事をガッチリ掴んで逃がさない!と言った狂気具合を

見せると、マサツグも逃げるため必死に首を全力で横に振る!…


「い、いやいやいやいや!!!…

え、遠慮させてくださいお願いします!!!…

そ、それよりも件の物を!!!…」


「ッ!…あっ…あぁそうだった…

…んんッ!…では見せてくれ!…」


「は、はいぃ!……こ、これなんですけど?…」


その時のクラウスにトラウマを覚えそうなレベルで!…マサツグは嫌だと言うと

話を逸らす為に世界樹の結晶の話を持ち出し、その話を聞いてクラウスも途端に

冷静な様子に戻ると、マサツグを解放する!…その際自分の様子が可笑しかった

事にも気が付いて居るのか、咳払いをして気を取り直し!…マサツグもまた気が

変わらない内にその件の依頼品をアイテムポーチから取り出すと、世界樹の

結晶をクラウスに手渡す。


__パアアアアァァァ!!!…どよ!?…


「……ふむ…間違いない!…

これは私が頼んで居た結晶だ!…感謝する!…」


「ッ!………ふぅ!…とりあえずこれで依頼完了…」


取り出した結晶は光りを吸収するが如く輝き!…ギルドの受付カウンターで

眩い光を乱射させると、その場に居た冒険者達をどよめかせる!…まるで

あんな結晶見た事が無い!と言った様子で驚き戸惑い!…クラウスはその

光が眩しくないのか瞬き一つせず確認すると、本物と零す!…そして漸く

念願のモノが手に入ったとばかりに持って来たカバンに仕舞うと、マサツグに

感謝の言葉を口にし!…その際差し出された手はマサツグに握手を求め!…

マサツグもそれに気が付いた様子でクラウスと握手をしようとすると、

次には何処からともなく奇声が聞こえる!…


「いぃ~~~やっほぉ~~~~う!!!!」


「ッ!?…な、何だ!?…ッ!…」


「ハアァ~♥…五臓六腑に染み渡るわぁ~♥…

これで幾ら飲んでも大丈夫よね!?」


「ッ!…程々にしてくれよ?…」


その奇声は如何やらカウンターテーブルの方から聞こえて来る!…当然その

奇声にマサツグ達は驚き!…一体誰の声だ?と確認をすると、そこに居たのは

出来上がったアヤの姿であった!…如何やらマサツグ達が話を進めている間に

アルコールをトンデモナイ量を摂取した様子で、上機嫌で酒を煽っており!…

更にはまだ飲む気で居るのか、笑顔でマサツグの方へ振り向き!…わざわざ

酒盛りの許可を取って愛嬌を振り撒くと、そんなアヤの様子にマサツグは呆れる…

この時同時に止めても無駄だと悟ると、ただ加減をする様に言い…そしてそれを

聞いたアヤはパーリナイ!…もはや誰も止められない!と言った様子で更に

テンションをぶち上げると、お酒を注文し始める!…


「ッ!!…ッ~~~!!!…いぃ~~~やっほぉ~~~~う!!!!…

おねえさん、追加でお酒持って来て!!…今日は飲み放題だああぁ!!!」


「ッ!?…いや、加減してって…」


「ごしゅじんさまぁ?…そろそろ降ろしてぇ~」


「うぅ~…足が痛くなって来た…」


「ッ!?…あぁ!…ちょっと待ってな直ぐに降ろすから!…」


もはやこうなると握手どころの騒ぎではない!…アヤはタガが外れた様に歓喜し

始め、マサツグも再度加減をするよう言い聞かせるのだが!…アヤは関係無い!

とばかりに酒を流し込む!…その様子はまさに蟒蛇うわばみ!…マサツグはその後の

お会計と介抱に頭を抱え…シロとマリーもさすがにずっとだっこ紐で縛られて

居るのに疲れて来たのか…マサツグに解放するよう訴えると、マサツグは慌てて

しゃがんでは二人を解放し始める…そうしててんやわんやの様子にクラウスも

空気を読んでその場を後にしようとすると、ルンに呼び止められ…そしてついでと

ばかりにマサツグの事をも呼び出すと、二人にあるお願いをする。


「あぁ、クラウスさんちょっと待って下さい!!…

書類に依頼完了のサインをお願いします!…

で、マサツグさんはこれを!…依頼完了報酬の5500000Gになります!!」


__ジャラッ!!…どよおぉ!?…


「ッ!?…うっわぁ!?…改めて見るとスゲェ!!…

今日だけで所持金が偉い事に!…」


「……これで良いだろうか?」


「ッ!…えぇ~っと……はい、大丈夫です!!…

有難う御座いました!!!」


ルンやギルド職員達だけは慣れていると言った様子で、淡々と自分の

仕事を熟し!…クラウスにはサインを求め、マサツグには報酬金として

漫画で見た様な!…某・どう○つのもり見たくお金袋でカウンターの

上に巨額の富を置いて見せると、そのお金袋の大きさに冒険者達から

二度目のどよめきが聞こえる!…そしてマサツグも見た事が無い!と

言った様子で戸惑って居ると、その隣ではサラサラとサインを書き!…

クラウスは全く気にも留めて居ない様で、とにかく早く研究に戻りたい

と言った感じでルンに確認を求めると、ルンも若干慌てた様子でOKを

出す。そうして確認を貰った所でクラウスはマサツグに会釈をすると、

そのままギルドを後にし…マサツグもマサツグでそのお金を回収し!…

漸く一息吐くようその場で脱力して見せると、次には酔っ払いから

絡まれる!…


「マ~サ~ツ~グ~うふふふふ♪…ほら貴方も飲みなさいよ!!」


「ッ!?…こっちにまで絡んで来た!…」


「ッ!…んん~!…何よぉ!…

こんな可愛い女の子に誘われてるんだから付き合いなさいよぉ!…」


「…酒癖が悪くなかったら付き合うんだけどな?…」


マサツグに絡んで来た酔っぱらい!…言わずもがなアヤで有り、アヤは

ジョッキを手に項垂れるマサツグに対し肩を組み出すと、酒盛りに付き

合うよう上機嫌で声を掛ける!…そしてそんなアヤに対しマサツグも

面倒臭いと言った反応を見せると、アヤは女の子らしく膨れて見せ!…

文句を言うよう更にマサツグへ絡んで見せると、マサツグは更に返事を

する…その際もアヤに対して苦言を言う様ツッコむのだが、言った所で

聞く筈もなく…シロとマリーを巻き込んでの酒盛りが徐に始まり!…

その様子を他の冒険者達が遠巻きに見ては気の毒そうにマサツグの事を

見ていた。何故なら…


__ゴッキュ!…ゴッキュ!…ゴッキュ!……ぷはぁ~!!!…


「でねぇ?…わらひはいっへやっはの私は言ってやったの!!…

それはまんほらほらマンドラゴラらって!!…そしたらそのほきの!…」


「あぁ~分かった!…分かったから落ち着け!…な?…」


「ご主人様、牛乳おかわり!!」


「ッ!…はいはい!…ルン~!!…スマンが注文を頼むぅ~!!」


「ッ!…わらひもついか私も追加ぁ~!」


「ッ!?…本当に一旦落ち着けって!!…」


この時のマサツグは完全に上司の飲み合いに付き合わされた部下の様!…

アヤを宥めながらシロ達の面倒を見て居り!…とまぁ言ってもシロと

マリーは大きなパンケーキを頬張り!…どこぞの狼娘で賢狼と名乗って

いる何某みたいな事にはなって居ないのだが、色々とてんやわんやと

して居た!…牛乳を飲み干せば手を上げて追加を要求、マサツグがそれを

聞いてルンに注文をし!…それに乗じてアヤも追加で注文をしようとし、

マサツグがベロベロの状態のアヤに対して落ち着くよう声を掛けていると、

そこのオーナーが顔を出しては話し掛けに来る!…


「……随分と気前が良いみたいね?……本人は大変そうだけど?…」


「ッ!…えぇ…そこそこ苦労してます!…」


「ッ!…あんれ?…ぎるどまふたーギルドマスター?…

ちょうどひいわ、いっひょにのみまひょ丁度良いわ、一緒に飲みましょう?」


「……まだ飲む気で居るのね?…恐ろしい子!…」


ギルドで飲んで居るのだからそこのオーナーは当然ロディで有り…

何か噂を聞き付けた様子でマサツグ達の前に姿を現すと、マサツグの状態を

見るなり気の毒そうに声を掛ける。その際マサツグはと言うと若干やつれた

様子を見せて居り、ロディの言葉に対して苦笑いをすると素直に返事…

アヤもロディの姿を見つけるなり一緒に酒盛り!と言った様子で誘い出し!…

ベロベロになっても尚!…そんな状態でも酒盛りに誘って来るアヤにロディも

戸惑った反応を見せると、ある意味で恐れる!…そうしてロディとそんな

話をして居ると、ふとマサツグはある事を思い出した様子で…そのある事とは

地下に居たあのティラノの事で、その事についてロディに質問をしようと

すると…


「……ッ!…そう言えば…

ここに地下に恐竜系のモンスターが居る事はご存じで?…」


「ッ!…え?…えぇ当然!…あそこは元・高難易度ダンジョンだったから…」


「ッ!…だからかなぁ?…ティラノサウルスみたいなのが出て…

鑑定アプレェィザァルを発動したらそいつだけNO DATAって出て…」


「ッ!?…の、NO DATA!?…それは確かなの!?…」


まずはユグドラドの地下についてマサツグが質問をすると、ロディは知って

居ると返事をし…この時突如そんな質問をされた事で若干戸惑った反応を

見せて居ると、次にはマサツグが本題に入る!…その際相手がティラノで

ある事をロディに話すと、鑑定アプレェィザァルが駄目だった事を続けて話し!…

ロディはその話を聞いて途端に驚いた表情を浮かべ!…マサツグにNO DATAと

出た事について確かなのか!?と慌てた様子で声を掛けると、マサツグは

続ける…


「え?…えぇ…二回やって駄目で…

近くに居たラプター相手にやったら成功したので…て、近!?…」


「………分かったわ、調べてみる!…ありがとね!!…

お詫びと言っちゃなんだけど…ここの支払いは私が持つわ!!…

遠慮しないで!」


「ッ!?…いや遠慮しないでって!?…」


その時の事をロディに簡単に説明をするとシロ達の面倒を見つつ…ロディも事が

深刻そうにその話を聞くと、徐々にマサツグへ迫って行く!…結果マサツグが

振り向いた際ロディの顔面がドアップで映り、マサツグは驚き戸惑い!…ロディは

ロディは顎に手を当て!…何か深刻そうな表情を見せると、次にはマサツグに

お礼を言ってその場を後にする。この時その情報料として酒代を立て替えると

ロディが言うと、マサツグは更に戸惑い!…有難い事この上ないのだが料金が

料金と!…ロディは遠慮しないと言うのだがやはり遠慮をしてしまい!…一人

ワタワタとして居ると、そんなマサツグにアヤが寄り掛かって来る!…


「……うぅ~ん…スヤァ~…」


「…って、アヤも寝てるし!!…」


「「…ごちそうさまでした!」」×2


__ッ!……スッ…ッ!…カチャカチャカチャカチャ!…


酔い潰れたのかアヤは赤い顔をしながら寝息を立て…突如寄り掛かって来た事に

マサツグも驚くと、アヤが寝ている事にツッコミを入れる!…そうしてマサツグが

ツッコミを入れている一方でシロ達もパンケーキを食べ終わり!…とにかく

酒盛りも終わりを見せようとして居ると、ロディは気を利かせてかルン達に合図を

送り始める。すると直ぐにルン達は動き出し、さっさと片づけを済ませ!…

マサツグはその様子にただ驚き戸惑い!…シロとマリーも食べ終えて眠いのか徐に

大欠伸をし始めると、マサツグに寄り掛かる…


「……ん…ふああぁ~……んん…」


「…さて!…ちょっと気になる事が出来たし?…

私はそのまま外に行くけど…マサツグちゃん達は?…」


「え?…あぁ…この状態ですからね…

…とにかく一旦宿屋に泊ろうかと思います…」


「……人手を貸しましょうか?…

さすがにその人数を抱えるのはシンドイでしょ?…

私も外に行くし?…」


「ッ!…そうして貰えると助かります!…」


シロやマリーもお眠なのか、先程あれだけ眠って居た筈なのにもう眠い目を擦り…

そんな様子に微笑ましいとロディは笑い!…席を立ってそのマサツグの言って居た

異変について調査に出ると言うと、マサツグにこの後の予定について質問をする。

するとその質問に対してマサツグはピクっと反応すると、苦笑いをしながら宿屋に

連れて行くと…この時マサツグは骨が折れると言った具合にアヤ達を見回し…

ロディもそんな様子に釣られて苦笑いをすると、手伝う事を買って出る。当然

渡りに船!…マサツグは助かると言った様子でお礼を言い!…ロディがアヤを

抱えてマサツグは幼女二人!…とっても何か怪しい集団に見える中マサツグ達は

宿屋に辿り着くと、シロとアヤとマリーをベッドに寝かせるのであった…


さてここからはマサツグの言って居た異変についてで、マサツグはロディを連れて

またあの地下への入口に向かって行き!…その際シロ達が居た際は出来なかった

目隠しを!…抱っこ紐で代用し歩いて行くと、ロディに驚かれて居た!…


__スタスタスタスタ……


「マサツグちゃん貴方よくそれで歩けるわね!?…

ここは今高さ6000m…」


「あぁ~何も聞えないィ~!!!」


「…普通高所恐怖症だったら余計にそんな事は出来ないと思うのだけど?…」


目隠しをしながら歩いて行くマサツグに!…ロディは現状の高さを踏まえてよく

そんな事が出来ると問い掛けると、マサツグは必死に聞こえない振りをする!…

その際耳に手を当て声を上げ!…更にはロディから逃げる様な挙動も見せると、

ロディはその様子に更なる疑問を持ち出し…しかしその後幾ら聞いた所で

マサツグからは同じ反応…真面に返事が帰って来る事は一切無いのであった…

さてそんなこんなでマサツグ達はあの地下へ続くシャボン玉エレベーターの

前まで辿り着くと、本日二度目となる地下へ向かい出す!…


__ぽよん!!…ぷるぷる!!……ふわああぁぁ!!…


「……ここに来るのも久しぶりねぇ!…もう3年ぶりかしら?…」


「ッ!…え?…案外短い…」


「あら?…

私だって最初からこのゲームのデバッカーをやって居た訳じゃないのよ?…

ヘッドハンティングされてここに居るの!…

…とは言え最初は分からない事だらけで色々と大変で!…」


「あぁ~……」


またヒカリゴケによる幻想的な光景を目にしつつ!…ロディが久しぶりと言った

様子でその光景を眺めていると、マサツグはある疑問を持ち出す…その疑問と

言うのは3年と言う言葉で、このゲーム始まって以来居るものだと思って居た

様子で話をするのだが…ロディはマサツグに向かってハッキリと違うと否定し!…

その際自身の経歴について軽く触れ始めると、ヘッドハンティングで来たと言う

事を明かして見せる!…だがやはり最初は結構苦労した様子で、マサツグに

自身の苦労話を続け!…マサツグもその話を黙って聞いているのだが、ある種

内部事情が漏洩している事に大丈夫か?と思いつつ…ロディの話に対して適当な

相槌を打って居ると、マサツグ達は遂に件のユグドラド地下へと辿り着く!…


__ふわああぁぁ!!…ぽよん!!…ぷるぷる!!…


「……ッ!…居たわね!…アレで間違いない?…」


「……間違いないですね!…」


「…よし!…じゃあ、やって見ましょうか!!」


「「鑑定アプレェィザァル!!!」×2


地下に辿り着いて直ぐに分かるその巨体!…そこにはやはりあのティラノが

闊歩しており!…ロディはマサツグに確認を取り、マサツグも間違い無い!と

目隠しを外して頷き肯定すると、次には二人揃ってティラノに対し鑑定アプレェィザァル

発動する!…するとマサツグの言って居た事が現実となり、二人の前にあの

ステータス画面が表示される!…


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

 「NO DATA」  

 Lv.

   HP   ATK    DEF 

      MATK     MDEF   


 SKILL

 -----------------------------------------------------------------------


「…うぅ~ん…マサツグちゃんの言った通りね?…

確かにデータが無い扱いにされてる…まぁこれは運営本部に伝えて…

これがまだ見つかったのがマサツグちゃんで良かったぁ~!…

別のプレイヤーだったら何を言われている事か!…」


「いや十分俺も文句を言いたい所ですが?…」


__ッ!…ギャアアアァァス!!!…ドッドッドッドッドッ!!!…


二人揃って鑑定アプレェィザァルを発動した所で同じ結果、NO DATAと表示され…

これにはロディもお手上げと言った様子で…後で本部に連絡を入れる事を

決めると、見つけたのがマサツグである事に安堵する…まるでもう

マサツグの事を一人のデバッガーとして見ている様で、その様子に

マサツグは当然ツッコミを入れ!…そうして二人が話して居ると

ティラノもマサツグ達に気が付いた様子で!…あの時食べられなかった

人間!…とばかりに勢い良く駆けて来ると、次には驚くべき光景を

目にする!…


「ッ!?…向かって来!…」


__ドシュンッ!!…ドゴオオォォォ!!!……


「ッ!?…へ?…」


__ダアァン!!!…ガラガラガラガラ!…


向かって来るティラノに対してマサツグも気が付き、ロディに危ない!と

声を掛けようとするのだが!…次の瞬間にはそのティラノが謎に宙を舞う!…

一体何が起きたのか!?…当然理解出来ないマサツグは目をパチパチと

させながら戸惑い続け!…宙を舞うティラノも地面へ落ち!…その巨体に

叩き付けられた際の瓦礫を身に纏わせると、動かなくなる!…実質ワンパン!…

ただ目の前の光景が信じられずマサツグは固まってしまい!…ロディは

ロディでハイキックを繰り出した様子でIの字バランスで立っており!…

マサツグに労わるよう声を掛け出すと、蹴り上げた膝だけを曲げて更に

バランスを取る!…


「……ちょっと力入れ過ぎたかしら?…ッ!…マサツグちゃん大丈夫?…」


「……さすがデバッカー!…あんなの蹴り飛ばすのかよ!?…」


「ッ!…うっふっふっふっふぅ~♪

一応まだ現役プレイヤーですから♥」


「え、えげつねぇ!!……」


さも何事も無かったかの様に振舞い!…マサツグも隣に居るロディの格好を

見て全てを悟ると、改めて驚きの言葉を口にする!…ただその破壊力は

凄まじく!…恐らく直接は攻撃して居ないのだが…あのティラノの尻尾攻撃

同様風圧だけでダメージを与え!…しかも一撃で仕留めた事にただただ驚きを

隠せないで居ると、ロディは自慢げに言葉を口にする!…その際マサツグに

足をパタパタと開いたり閉じたりして見せると、頬を染め!…マサツグは

マサツグでその威力に大人げなさを感じ!…もはや他に言葉が出て来ない

様子でその倒れるティラノに目を向けると、呆然とするのであった!…

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

課金ガチャアイテムだけで生き抜く!異世界生活‼︎

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:148

世界神様、サービスしすぎじゃないですか?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:11,659pt お気に入り:2,211

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:101

女神と称された王子は人質として攫われた先で溺愛される

BL / 連載中 24h.ポイント:1,598pt お気に入り:148

天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:114

【完結】幸せしかないオメガバース

BL / 完結 24h.ポイント:511pt お気に入り:1,868

処理中です...