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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章六十一節 妖狐の一撃と戦う覚悟と才能の進化!-

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フィロネウスは今か今かと炎の球体を作り出し!…マサツグもそんなフィロ

ネウスの様子を見て若干焦る!…結界の外ではアヤ達やその他の冒険者達が

ヤバいとどよめき!…オーディックも今になって徐々に目を覚まして居ると、

その周りの様子に気が付くなり戸惑い出す!…この時シロはジッとマサツグの

事を見て居り!…ただ何も言わずに真剣な眼差しを向けて居ると、マサツグも

刀を納刀しては再度大剣一本に換装スイッチする!…


__スウゥ…チャキッ!……ッ!!…


「無茶よマサツグ!!…逃げてぇ!!!…」


「……外野が五月蠅いのぅ……どれ?…

これを放つ前に今一度問うてみるでありんす!…

マサツグ!…わっちのモノにならんかや?…

それはそれは丁寧に大事に可愛がってあげるでありんす…」


刀を鞘に仕舞った所で上空のフィロネウスを睨み付け!…その際チラッと裾の

下から何かが見せそうになるのだが、当然それ所ではなく!…ただ指先にある

炎の球体に警戒を強めて居ると、外野からアヤが真っ向勝負をしない様に

呼び掛けて来る!…その際どうにかしてマサツグの援護に入れないかと、色々

やって居る様子も見れるのだが!…フィロネウスの結界は強固なもので、アヤが

幾ら如何こうやった所で破れる気配は微塵も見せずに居た!…そしてそんな

アヤ達の様子を嘲笑うよう、フィロネウスはうるさいと零し!…何を思ったのか

最後とばかりに質問をし始め、再度マサツグを口説き落とそうとするのだが、

帰って来る言葉はやはり拒否の一言であった!…


「だが断る!!!!」


「ッ!?…はあぁ~…やはり無駄でありんすか…

ならば最初に決めた通り!!…無理やりにでも連れ帰るでありんす!!!…

さぁ!…見切れるものなら見切って見よ!!!」


__ッ!!……スッ…


「《真に奉りますは天照大御神!…畏み畏み申す!!…

今一度地を焼き払い浄化の一途を!…下賤なる者に聖なる炎の鉄槌を!!…

…サテライト・天照大神!!!》」


やはり某・奇妙な冒険より!…聞き覚えの有るフレーズでマサツグがフィロ

ネウスの誘いを断ると、フィロネウスは呆れた様な…落胆した様な様子で

溜息を吐き、分かって居たと言った様な言葉を続けて口にすると、次には

開き直るようマサツグを見据える!…その際最後の詠唱とばかりに左手で

印を結ぶと、口元に持って来て!…そこから祝詞の様な呪文を詠唱し始め!…

右手の炎の球体を更に大きく!…何ならその火力も上昇したとばかりに

まるで太陽の如くメラメラと燃やし続けると、遂に準備を整える!…そして

マサツグ目掛けてその炎の球体を投げ付ける様に落とすのだが!…マサツグは

逃げる事無く構えて居り!…寧ろ向かって行く様な姿勢を見せると、次の瞬間

その巨大と化した炎の球体は着弾する!…


__スウゥ!…ゴオオオォォォ!!!…ッ!!…ドガアアアアァァァァ!!!!…


「ッ!!!…ッ~~~~!!!!…な、何なのこの威力!?…」


「ッ~~~~!!!!…

さっきのワイトのエクスプロージョンの比じゃねぇぞ!?」


「くふふふ♪…当たり前でありんす!…

あれはわっちが力を貸して復活した様なもの!…

言わばほんの一部だけを宿したわっちの分身と言った所でありんす!…

本物のわっちがあれ以上のモノを!…放てない訳がないでありんしょう?」


巨大な炎の球体がマサツグに当たった様な光景が見れると、次の瞬間巨大な

火柱が!…天高く立ち昇っては辺り一帯に熱気と衝撃を伝え!…それは結界の

外にまでアヤ達や他の冒険者達にまで被害が及ぶと、驚きと戸惑いの声が辺り

一帯から聞こえて来る!…それこそ先程のワイトのエクスプロージョンと

比べられると、ダンチで威力が違い!…その周りのドヨメキを聞いてかフィロ

ネウスも鼻高々!…あのワイトも自分が差し向けた者だと笑いながら話すと、

訳ないと言って更に笑い!…肝心のマサツグに至ってはその巨大な火柱に

包まれたまま姿を見せないで居ると、アヤが絶望の様相を見せ始める!…


__ゴオオオオォォォォォ!!!!……ペタンッ!…


「……嘘よ…そんな…

サイクロプスやギガンテスだって倒して見せたじゃない!…ねぇ!…

返事をしてよ!…マサツグ!!…」


「……無茶しやがって!!…」


「……にしてもやり過ぎたかのぅ?…これではマサツグが死んで……ッ!?…

しまった!?…夢中になり過ぎて手加減を忘れた!!…あぁ~!!…

わっちの婿がぁ~~!!!…死んだとしても傀儡として蘇らせれば問題無いが!…

やっぱりちゃんと生きている方が良いのじゃあぁ~~!!!…」


目を見開いては崩れる様に膝を折り!…そのまま女の子座りにただ火柱を

眺めると、現実を受け止められない様子で絶望の表情を浮かべる!…その際

自分が助けられた事や先程の出来事!…それを思い出すよう口にしては

マサツグの安否を訴えるのだが、当然返事は無く!…レイヴンもこれは

死んだ…と言った様子で言葉を口にすると、何も出来ないままただ火柱を

見詰める!…そしてその火柱を作り出した肝心のフィロネウスはと言うと、

改めて自分でもやり過ぎたと反省し!…その際マサツグが死んでしまった

時の事など考えて居なかった様子で、ハッとした表情で突如青褪めると、

頭を抱えては嘆き始める!…その際倫理観等オール無視した様な言葉も

口にするのだが、やはりやり過ぎたと慌て出し!…フィロネウスもその轟々と

燃える火柱に視線を向け始め!…淡い希望を抱いた様子でただその火柱を

眺めて居ると、次の瞬間シロの口からトンデモナイ言葉が飛び出して来る!…


「……まだ終わってないです!…」


「ッ!!…え?…」


「ご主人様は生きてます!!!」


「ッ!?…な、何を言って!?…」


シロは真っ直ぐにその火柱を見詰めると、真剣な表情で終わって無いと言い!…

当然その言葉を聞いた事でアヤとレイヴンは戸惑い!…何が終わっていない?と

言った様子で言葉を口にすると、シロはマサツグが生きて居ると断言する!…

この時シロの目には何が映っているのか?…現実を受け入れたくないが為に

嘘を言って居るようには見えず!…これにはレイヴンも更に困惑!…明らかに

無事じゃ無いと言った様子でシロに言葉を掛けようとすると、オーディックも

後から合流してはシロの言葉に同意する!…


「……何て人間だで!?…あのだ!…」


「ッ?!…あ、暴れてる?…オーディックも何を言って!…」


__バシュウウゥゥゥン!!!……ッ!?…


「ッ!?…なっ!?!?…」


オーディックは火柱を見詰める!…と言うよりも見上げて驚き戸惑った様子で

言葉を漏らし!…そのオーディックの言葉でレイヴンが更に困惑して居ると、

ツッコミを入れようとするのだが!…次の瞬間火柱は一気に霧散し!…当然

マサツグの姿が消えてなくなって居る事に上空のフィロネウスも驚き戸惑った

様子で声を上げると、レイヴンは終わったと落胆する…フィロネウスが声を

上げて驚いた理由!…それはマサツグが跡形もなく燃えてしまったからだろうと

レイヴンも最初は考えるのだが、如何やら違うらしく!…


「……ッ!?…う、嘘!?…」


__ドヨドヨッ!?!?…ざわざわ!!…ざわざわ!!…


「ッ!…え?…何をそんなに?……ッ!?!?…」


「ッ!!!…いっけええええぇぇぇぇ!!!!

ああああぁぁぁ!!!!」


アヤが驚いた様子で上空を見上げ!…他の冒険者達も酷く驚き戸惑った様子を

見せて居ると、レイヴンも漸く異変に気が付いた様子で空を見上げる!…

するとそこには大剣に炎を纏わせ眼下に居るフィロネウスを見定めている!…

焦げたマサツグが滑空しており!…そんなマサツグの様子を見つけてレイヴンが

酷く慌てた様子で有り得ない!と言った反応を見せて居ると、シロは両腕を

振り上げては精一杯にマサツグの応援する!…その際あの猛火の中を潜り抜けた

であろうマサツグの姿は、それはそれはとてもファンキーな姿になっており!…

肌は小麦色に焼けては良い感じに褐肌になっており、そのヘアースタイルも

ワイバーンに焼かれた時同様!…アフロになっては湯気を立てて焼きたてを

演出していた!…しかしそのファンキーな容姿とは裏腹に本人は真剣で!…

大剣を上段に構えてはフィロネウスを見定め!…今にも振り下ろさん勢いを

見せて居ると、フィロネウスはまさかの出来事に反応出来ないで居た!…


__ゴオオオオォォ!!!…


「バ、馬鹿な!?…確かに多少は手加減をした様に思うが!!…

まさかこの様な形で!?…」


「覚悟しろフィロネウス!!!…これがお前の惚れた男の!!!…」


「ッ!?…しま!!…」


「生き様じゃああぁい!!!!」


フィロネウスに向かい降って来るマサツグ!…それも異様な姿になって!…

ただ自分の攻撃が突破された事にフィロネウスは驚き戸惑い!…マサツグは

マサツグでその隙を突く様に大剣を握る腕に力を入れると、次の瞬間大剣を

思いっきり振り下ろす!…するとフィロネウスもハッとした様子で我に返ると、

慌てて回避をしようとするのだが!…時既にお寿司!…マサツグの攻撃は

見事にフィロネウスの体に入っており!…フィロネウスを袈裟斬りに!…

更に兜割りにするよう斬ってしまうと、地面に向かい叩き落とす!…


__ズバアアァァン!!!…ッ!?…ブオン!!…ダアァン!!!…


「ッ!!!…クッ!!!…」


__……ズダンッ!!…じぃ~~ん!!!…


「ッ~~~~!!!!…ったぁ~~~!!!…」


マサツグに叩っ斬られたフィロネウスは受け身を取る事無く地面に叩き

付けられ、そのまま転がり!…マサツグはマサツグで斬った反動でか!…

バランスを崩しながらも地面に向かい落下して行くと、まるで某・段ボールを

良く被る傭兵の如く着地をする!…だがやはりバランスを崩していたせいか、

普通に落下ダメージを受け!…その痛みに耐えながらもマサツグは立ち

上がって見せ!…その地面に転がるフィロネウスに対して声を掛け出すと、

一応大剣を構える!…


「…たたたた!……で、まだやるのか?…」


「……当たり前じゃろ!…わっちの目的はお主を手に入れる事!!…

ようも!…ようもわっちの体を傷物に!!…」


「人聞きの悪い事を言うな!!!……てか!!…

俺が斬ったのはその邪魔くさそうな着物だけだが?…」


「ッ!…へ?……」


倒れるフィロネウスに対して警戒をしつつ!…マサツグが大剣を構えると、

フィロネウスも体を起こそうとする!…その際マサツグの一撃は効いたのか

苦痛に表情を歪め!…更に斬られた事に対して文句を言うよう誤解を招き

そうな口調でマサツグを恨み出すと、マサツグはそのフィロネウスの言葉に

ツッコミを入れる!…そして更に誤解を解くようマサツグは着物だけを

斬ったと言うと、フィロネウスはその言葉に戸惑い!…そうしてフィロネウスが

立ち上がって見せるとその反動でか!…何かが切れる様な音が聞こえると、

次の瞬間フィロネウスの格好はあられもない姿になる!…


__……ブツンッ!!…バサァ!!…どよっ!?……


「……ッ!?!?…ッ~~~~!!!」


「これで終わりにしろ!…これ以上やったら更に豪い事になるぞ?…

ただでさえ際どい格好してたってのに!…止める方法がこれしかないとか!…

これに懲りたらもう悪戯は…」


身に纏って居た煌びやかな着物は剥がれ、フィロネウスはあられもない格好に!…

と言っても素っ裸になったとかではなく襦袢一枚だけになっただけで、一応は

まだ全年齢対象で有り!…だがその襦袢の生地は薄いのかそのデンジャラスボデー

に肌と…濡れれば一発でアウトになりそうな様相を見せて居ると、さすがにフィロ

ネウスも恥ずかしいのか顔を赤くするなりしゃがみ込む!…その際自身の体を隠す

よう抱き抱えると、小動物みたくプルプルと震え!…それを見てマサツグも

終わったと!…これ以上は意味が無いと言った様子で懲りるようフィロネウスに

声を掛けるのだが、フィロネウスは何を思ったのか変な受け取り方をする!…


「……お、お主!…そ、そんなにわっちの肌が気になったのかえ?…

ぬ、脱がせたかったのなら言ってくれれば良かったものを♥…」


「ッ!?…ちょ!?…ちょっと待て!!!…

何処をどう解釈したそうなる!?…俺は止める様に言って!!!…」


「い、良いのじゃぞ?…どうせ婚儀を済ませれば夜伽…

いずれは肌を見せる事に…」


「ッ!!…だから止めろって言ってんだろうが!!!

このエロ狐!!!」


フィロネウスは着物を斬られたのは自身の裸が見たいからと誤解をし始め!…

マサツグが望むのなら!…と言った様子で話しを進めると、当然マサツグは

更にツッコミを入れ始める!…その際視線を逸らしてはここで初めてフィロ

ネウスに対して感情を露わにして見せ、その反応にフィロネウスは更に頬を

赤くし始めると、襦袢を開けさせては見せようとする!…だが当然それを

させる訳には行かないので、マサツグは慌てて近付いては抱き締めてでも

止めようとするのだが…それこそ狙いだと言わんばかりに!…フィロネウスは

途端にニヤッと笑って見せると、マサツグに奇襲を仕掛ける!…


「……くふふ♪…だからお主の事が好きなんじゃよ?…

…隙あり!!」


__バシュッ!!…ッ!?…


「うおあっぶな!?…ッ!?…」


「わっちが他人の前で早々簡単に肌を見せる訳がなかろうて!!…

そんなに安くわないわ!!…見せるとしてもマサツグの前だけじゃ!!!」


徐々に近づいて来るマサツグへ向かいスッと踏み込む様に立ち上がると、

右拳で正拳!…その際マサツグはやはり面白いと言った様子で奇襲を

掛けると、マサツグはギリギリの所で掠めるよう回避し!…慌てて距離を

取り改めてフィロネウスに目を向けると!…そこで有る姿を目撃する!…

そのある姿と言うのは先程まで前が開けて居た筈のフィロネウスの姿は

なく、寧ろキチッと襦袢を着込んだフィロネウスの姿で!…マサツグが

その事に驚いた表情を浮かべて居ると、フィロネウスはまるでマサツグの

心を読んだ様に言葉を口にし!…マサツグもマサツグでその言葉を聞いて

更に戸惑った表情を浮かべて居ると、ふとある質問をする…


「……何でそこまでして戦おうとするんだ?…」


「……ッ?…何を馬鹿な事を聞いて居るでありんすか?…

わっちの目的は!…」


「いやそうじゃなくて!!…

別にここまで自分の身を削る様な事をしなくても!…」


自分の裸を見せてまでも戦おうとする…そこまでしてマサツグを手に入れようと

するフィロネウスの様子に疑問を持ち!…思わずフィロネウスに質問をすると、

フィロネウスはキョトンとした顔で質問に答えようとする!…しかしその時

答えようとした言葉はマサツグの望むモノではなく、マサツグもツッコミを

入れる様にして再度詳しく質問をすると、フィロネウスはその言葉に対して

こう答える!…


「…自分の身を削らずして掴む勝利に何の意味が有る!!…」


「ッ!?…」


「戦いと言うのはただ争うだけにあらず!…優劣を決めるだけではない!!…

互いに持つプライドを掛け!…技量を掛け!…またある時は土地や物!…

人や金を掛ける!!…その何かを手にしようする為に人は戦うのじゃ!!…

何の苦労もなく手に入れたそのモノに何の価値がある!?…

苦労をして手に入れてこそ初めてその物に価値が生まれ!…愛着が生まれ!…

自身の中で意味を成すのじゃ!…そうして同時にその者も強くなって行く!!…

そう言ったモノを見るのが楽しくてわっちは戦う者を好いて居るのじゃ!!…

中でもマサツグ!…お主は他と違って異質な物を持って居る!…

故にわっちはお主をモノにしたいのじゃ!!…

お主を手に入れる為なら!…どの様な他国であっても利用し!…

我が身の女を武器にしてでも手に入れて見せようぞ!!!」


マサツグの質問に対して愚問!…と言った様子で答えると、その言葉に

マサツグは衝撃を受け!…そこからのフィロネウスは饒舌になり!…

いかに戦うと言う意味について重要なのかを説明するようマサツグに

懇々と話し始めると、マサツグも思わず納得してしまいそうな位に

聞き入ってしまう!…そしてそこから更にフィロネウスが何故そう言った

戦う者達が好きなのかと言う事を話し出すと、続けてマサツグに魅かれた

理由を語り!…マサツグを手に入れる為なら何だって!…そんな覚悟が

見られる様子でマサツグに対して再び身構え始めると、マサツグは

そんなフィロネウスの様子を見るなり無言で武器を降ろしてしまう!…


「………。」


「ッ!……何のつもりじゃ?…よもや諦めたと言うのではなかろうなぁ?…

それともわっちを舐めて!…」


「舐めてなんかねぇよ!…

ただ、丸腰の相手に武器を構えるのが情けなく感じただけだ!…」


__スッ……


「ッ!…ほほう?…」


マサツグが徐に武器を降ろした事で、周りの冒険者達は驚き戸惑い!…当然そんな

様子にアヤやレイヴンも呆気に取られ!…シロやオーディックも戸惑った様子で

視線を向けて居ると、フィロネウスは不服とばかりにマサツグへ質問をする!…

その際マサツグに舐められて居る!?…と感じたのか、眼光を鋭くするのだが!…

マサツグはフィロネウスの質問に対して反論し!…別の目的があると言った様子で

フィロネウスを睨み返すと、武器を仕舞っては構え出す!…するとその様子を見た

フィロネウスも耳をピクっと反応させると、興味を持った様子で言葉を零し!…

まるで互いに相撲でも取るのか!…レスリングみたく腰を落として構えると、

次の瞬間両者は共に動き出しては遂に決着へと動き出す!…


「「はあああああああぁぁぁ!!!!」」×2


「ッ!?…ちょ!?…何とち狂った事してんだ!?…

てかフィロネウスも!?…」


「な、何を考えて!?…」


__ババッ!!…クルッ!!…ズドオォォン!!…ッ!?…


互いに威勢良く飛び出して行くと逃げる事無く突っ込んで行き!…当然何も

得物を構えないまま動き出した事でレイヴンやアヤが戸惑って居ると、

次の瞬間フィロネウスは自身の身を丸めてマサツグのどてっ腹へタックルを

入れる!…しかし普段からシロのタックルを受けて来たお陰か、マサツグは

ビクともせず!…フィロネウスはそんなマサツグの強固な腹筋に驚き!…

その動きを止めてしまうと、次にはマサツグに捕まってしまう!…


「……飛んで来たな?…」


「ッ!?…しまっ!!…」


__ガシイィ!!!…ドヨッ!?!?……ッ~~~……


「ッ!!…クッ!!…これまでか!!…

…だがわっちが好いた男の腕に抱かれて逝くのだ…

悔いはない…寧ろ本望!…」


待ち構えて居たとばかりにマサツグはニヤッと笑いながら呟き!…フィロ

ネウスもしまった!…と言葉を漏らして居ると、マサツグに拘束される!…

この瞬間誰もがマサツグの勝利を確信し、アヤとレイヴンもその結末に

驚き!…オーディックも何が何だかと言った様子で見て居ると、この時

一人だけ!…シロだけは何か不服そうな表情を浮かべて居た!…そして

フィロネウスもマサツグに止めを刺されると言った様子で諦めの様相を

見せて居ると、次の瞬間には番狂わせに驚かされる!…何故なら!…


__スウゥ……ポンッ……なでなでなでなで…


「ッ!…ふぇ?…」


__え?……


「……アンタの髪…結構撫で心地良いな?…いつまでも撫でてられそうだ。」


フィロネウスを抱えるマサツグの右手はその捕まえたフィロネウスの頭に

向けられ!…それに合わせて周りの冒険者達も何をするのか!?と緊張した

様子で息を飲んで居ると、マサツグはフィロネウスの頭の上に手を置くなり

その頭を撫で始める!…それまでフィロネウスも止めを刺されると言った

様子でやはりビクビクとして居たのだが、予想外の攻撃にフィロネウスも

呆気に取られ!…外野からも当然戸惑いの声が合掌の様に上がり出し!…

しかしマサツグは外野の事など御構い無しにフィロネウスの頭を撫で続けると、

フィロネウスの頭を堪能する様に言葉を口にする!…そして余りの出来事に

フィロネウスも固まって動けなくなっていると、とにかく突然の出来事に

周りの面々も付いて行けず!…そして数分間マサツグはフィロネウスの頭を

シロの様に撫で続け!…徐々にその撫でる範囲も拡大して行くと、遂には

魔物使いテイマーとしての実力を発揮する!…


__ピロリロリ~ン♪


[マサツグの「凄腕の魔物使い」は「EX:伝説の魔物使い」に昇格しました。]


「ほぉ~らフィロネウスゥ~?…ここか?…ここがえぇんやろ?…」


「ひゃ!…は、はううぅぅ♥…」


「ここも欲しいんだろ?…卑しんぼめ!…」


「だ、駄目なのじゃあぁぁぁ♥」


フィロネウスの頭を撫でた事でトリガーとなったのか!…マサツグの持っていた

スキルが進化すると、マサツグの撫でテクも格段に上達する!…その際マサツグは

フィロネウスの耳を攻めると、フィロネウスは喘ぎ声に似た声を上げ!…だが

その構図はと言うとマサツグが正座してはフィロネウスに膝枕をしてあげ!…

そしてただ耳をマッサージして居るだけなのだが!…如何にも厭らしく見えて

しまう!…その一因としてマサツグの言動とフィロネウスの艶声に問題があって、

健全な筈なのに不健全!…何とも言えぬ淫靡な物になってしまっては如何する事も

出来なくなっていた!…そしてそれを見せられて居るレイヴン達はと言うと!…


「……俺達は何を見せられて居るんだ?…」


「わ、分からない!…けどこれってチャンスなんじゃ!…」


「シ、シロちゃんにはまだ色々と早いだでよぉ~!!」


「何でですか!?…なにをしてるですかぁ~!!!…」


当然完全に困惑!…レイヴンは虚無の境地を開いた様に呟いてはただ茫然とし!…

アヤもそのレイヴンの言葉を聞いてただ戸惑った様子を見せて居ると、篭絡させる

チャンスなのではと考える!…しかしマサツグにはそれをする様子が無く!…

オーディックはオーディックで気を利かせてかシロの目と耳を塞ぎ!…まだ早いと

言い聞かせて居ると、シロはそんなオーディックに対して文句を言って居た!…

そうしてただ耳を弄られているだけでフィロネウスは悶絶!…更に喘ぎに喘ぎ!…


「お客さぁ~ン?…もっとサービスしますよぉ~?…

ほぉ~ら?…」


__コショコショコショコショ!…ビクククククッ!!!…


「ひゃうううううぅぅぅん!!!!♥…」


【※決して厭らしいシーンではありません。

ただ耳に指を入れて内側を摩っているです!…】


「我慢しなくて良いですよぉ~?…もっと自分に正直になって…」


「……おぉ~いそろそろ止めててくれませんか?…

でなきゃヤブ諸共エクスプロージョンを放り込むぞぉ?」


「ッ!?…」


フィロネウスの弱点は耳らしく、マサツグは重点的に攻めに攻め!…それに

合わせてフィロネウスは体を跳ねさせ!…それなりに声を我慢しようと口に

手を当てるのだが!…やはり我慢出来ない様子で声を漏らす!…そしてそんな

フィロネウスの様子を見て楽しいのか、マサツグの加虐心に火が点き!…

更に攻めようと耳元で囁き!…続けて際どい攻撃をしようとするのだが、

それ以上にレイヴンがいい加減にしろ!と言った様子で注意をすると、その際

本当に上級魔法を詠唱する準備をして見せる!…するとマサツグも漸くハッと

気が付いた様子で、慌ててマッサージを中断し!…フィロネウスをパッと

解放するのだが、既に出来上がった様子でフィロネウスは体を痙攣させたまま

動こうとしない!…それどころか?…


「あっ♥…あぁっ♥…こ、こんなの!…はじめてえぇ♥…」


「……えぇ?…」


__……シュウゥン…ッ!…バッ!!……キリィッ!!…


口から涎を垂らしては恍惚とした笑みを浮かべて居り、満更でもない様子…

そんな様子にマサツグも漸く自覚を覚えたのか、そのフィロネウスの様子を

見るなり戸惑い出し!…更にフィロネウスの方も気力が切れたのか、今まで

マサツグと自分を隔離していた結界をも音もなく消滅させると、レイヴン達との

合流を許してしまう!…そうして慌ててレイヴン達がマサツグの方へと

駆け寄って来るのだが、フィロネウスはやはり動けず!…そんなフィロネウスに

対してアヤがすかさず弓を構え始めると、マサツグが慌てて止めに入る!…


「ッ!?…ま、待ったアヤ!…撃つな撃つな!…」


「ッ!?…な、何を言ってるのマサツグ!!…ここで撃たないと!!…」


「…俺のペットになったと言ってもか?…」


倒れるフィロネウスに向かい弓を引くと顔を狙い!…マサツグがフィロネウスを

膝に乗せたまま撃たないよう声を掛けると、当然その言葉にアヤは戸惑う!…

そしてその理由について尋ねるよう!…かつ早く止めをとマサツグに言うの

だが!…マサツグはその問い掛けに対してフィロネウスをペットにしたと言うと、

アヤは誤解した様子でマサツグに引く!…その際レイヴンも一瞬アヤに同意する

よう引くのだが、マサツグが言った言葉の意味を理解した様子で…そのマサツグの

言葉に呆れを感じては頭を抱えて居た…


「……はあぁ~…」


「ッ!…え?…嘘!…貴方そう言う趣味…」


「違うそう言う意味じゃなくて!!…

…配下になったとしてもかって聞いたの!」


「ッ!?…じょ、冗談を言わないで!!…相手は傾国の悪女なのよ!?…

早々簡単に!…」


アヤはそう言う趣味!?…と言うと、マサツグを軽蔑視する様な目で見るのだが…

マサツグは慌てて訂正をし!…自身の配下!…シロと同じペットになったと改めて

説明をすると、アヤは信じられない様子でマサツグに戸惑いの言葉を掛ける!…

その際アヤもフィロネウスの事はよく知って居る様で、傾国の悪女と!…まるで

某・妲己の様に言っては有り得ない言って言う事を聞かず!…そんなアヤの様子に

マサツグも納得させるようフィロネウスの耳元に顔を近付け出すと、こう言葉を

掛ける!…


「…フィロネウスゥ~…お前に問い掛ける…

お前は俺に負けたよな?…ここまでされてもまだやるって言うのか?…」


「……ひゃ、ひゃいぃ♥…わっちはマサツグに♥…

未来の旦那様に良い様にされましたぁ♥……こ、降参でありんすぅ♥…」


__どよぉっ!?!?…ガクッ!……


「……な?…」


「ッ!?!?………」


マサツグはフィロネウスに降伏するかについて尋ねると、フィロネウスは

あっさりと負けを認め!…ここに至るまでの有れは何だったのか?…とにかく

そのフィロネウスの変わり様にその場の冒険者達が戸惑いを隠し切れないで

居ると、フィロネウスは事切れた様に気絶をする…そうしてマサツグもアヤに

再度視線を向けると、一言声を掛けては同意を求め!…そのマサツグの反応に

アヤもただ戸惑いを隠せない様で!…だがしっかりと言う事は聞く様に弓を

緩めると、ただ茫然とした様子で立ち尽くすのであった!…

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