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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章五十三節 宮殿でお約束と迫り来る大群と怒涛のロディ節!-

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顎をこれでもかと言わんばかりにしゃくれさせて、フィロネウスを捕まえると

公言した次の日…マサツグがいつもの様に身動きが取れない朝を迎えると、

何やら泊っている部屋の外より慌ただしい様子が感じられる!…その慌しい

様子と言うのも何者かがバタバタと走り回って居る様で、その慌しい足音に

マサツグも起こされたよう目を覚ますと、まずはファーストコンタクト…

いつもの様に動けない原因について確認し始めては自身の体を見回す。


__ドタドタドタドタッ!!……んん~?…


「…ふっ…ああぁ~……あぁ!…

…何かうるさいなぁ一体何が?…ッ!…

……例によって体が動きませんっと…

…で、今日は誰がホールドしてるのかな?…」


__チラッ?……すぅ~…すぅ~…


「……あぁ…白いのに黒いの……何でこんないつの間に?…

んで?…どうせこんだけじゃないんでしょ?……ッ!?…」


まず自身の腹部に何やら重みを感じるので視線を腹部に映すと、そこには

少し大きめの小玉スイカ位の頭が二つ並んで乗っており、それぞれ白と金髪…

白い方には狼耳と白い肌が見え、金髪の方は尖った耳…それと縛り癖か髪が

若干形を作っており、褐色の肌がチラリと見えて居た…そんな特徴の中で

覚えが有るとするならシロとマリー位で、シロに関しては何も思わないのだが…

事マリーに関しては色々と疑問を持ってしまい、何故マリーが?…いつの間に

こんな好かれる様な事になったんだ?と考えると、マサツグを困惑させる…

しかし幾ら考えようとも寝起きなので、頭が全然回らず!…仕舞いには結論を

放棄してしまい、更に動けない原因について今度は自身の体の左右に視線を

向けると、そこでこれまたある者を目にする!…それは…


__すぅ~……すぅ~……


「ミスティーさん?…

この子も何で俺の左腕をしっかりホールドしてくれているのかな?…

君の部屋は俺の部屋から二つ離れた先にあると思うんだが?…」


__すぅ~……すぅ~……


「……可愛らしく寝息を立てちゃってくれてもゥ~!……

で、右にはこれまた謎…何でチミが寝てるのかな?…ベルベッタさんや?…」


腹には子狼と子供の黒妖精…そして左にはメスライオン…これまた安らかな

寝息を立ててはマサツグの腕を抱き込んでおり、マサツグももはや慣れた

様子でツッコミを入れるが、ミスティーは目を覚まさない…その際気になるのは

何故ミスティーがここに居るのかで、本来ミスティーのベッド…と言うよりも

泊っている部屋自体が二部屋隣で!…寝惚けたにしても如何にも可笑しく!…

もはや確信犯なのでは?と疑問を感じて居ると、今度は右に目を向ける!…

するとそこにはそこで大きな黒妖精…ベルベッタが寝ており、こっちは起きて

いるのか…マサツグの顔を見ては頬を赤らめ、表情からこれは違うんだ!…と

言い訳をして居る様に見えると、プルプルと震えていた…


__プルプルプルプル!…


「……はあぁ~…怒らないから訳を話してみ?…」


「わ!…私は貴方達を起こしに来ただけなの!!…

それこそ貴方のお腹の上で寝ているマリーと一緒に!!…でも!!…

{……ねぇ、ベルベッタ?…貴方男の人と寝た事あるぅ?…}

なんて言うから私は!!…」


「…いやその文脈…

と言うよりも説明が短略化され過ぎて良く分からんのだが?…」


顔を真っ赤にしてはまるで子犬の様に小さく震えて居り…申し訳なさ程度に

マサツグの右腕をホールドすると、無言で無実を訴えていた。当然そんな様子に

マサツグも呆れた反応を見せると、ベルベッタに説明を求め…ベルベッタは

弁解の余地を貰えた事でマサツグに言い訳をするのだが!…恥ずかしいのか

説明が中途半端で良く分からず、とにかくマリーが引き金である事だけでも

マサツグはツッコミながら理解して居ると、突如マサツグ達の泊っている

部屋の扉が急に開く!…


__バアァン!!!…


「し、失礼します!!…女王陛下がお呼びになられています!!…

そろそろ起床をお願いしたいと!!!……ッ!?!?…」


「ッ!…あっ…」


「し!!…失礼いたしましたああぁ!!!」


__バタンッ!!!……プルプルプルプル!…スッ…


ノックも無しに慌てた様子で衛兵が飛び込み!…マサツグを起こそうと女王様が

呼んで居る事を口にすると、徐々に視線をマサツグ達の居る方へ視線を向ける。

するとそこに居るのは美女や美少女を抱えて寝ているマサツグの姿で、当然初めて

見る光景に衛兵は戸惑い!…マサツグも見られた事であっ…声を漏らして居ると、

明らかに誤解した様子で衛兵はマサツグに謝り!…そして慌ててその部屋を後に

するよう駆け出して行くと、ご丁寧に部屋の扉を閉めて行く…ただ慌しい足音

だけが遠退いて行くと、マサツグも戸惑った様子で…何なら完全に誤解された

ベルベッタは無言で顔を真っ赤にしてはやはり子犬の様にプルプルと震え!…

徐にマサツグを離しベッドから起きると、自身の顔に両手を当てては部屋を飛び

出して行く!…


__バアアアァァァァン!!!…


「うわあああぁぁぁぁん!!!!」


「ッ!?…にょほぉ!?…な、何ですか!?…敵襲ですか!?…」


「何よ良い夢を見ていたのにぃ~!!…」


勢い良くマサツグ達の泊っている部屋よりベルベッタが飛び出し!…羞恥に

悶えるよう泣きながら駆け出して行くと、その慌しい物音にシロやマリーが

ビクッと反応しては飛び起きる!…その際シロはその物音を敵襲と勘違いした

様子で飛び起きると身構えるのだが、目の焦点が合って居らず!…マリーは

マリーで五月蠅い!と言い、眠い目を擦りながらゆっくりを起き上がり始めると、

マサツグを驚かせる!…何故なら!…


「……ッ!?…ちょ、マリー!!…おま服は!?…」


「えぇ~?…ふあっあぁ~~……ンニャンニャ…

マリーちゃんはぁ~?…寝る時は脱いで寝るんですぅ~!…

だってその方が気持ちいい…」


「いやそれは別に個人のアレだから良いけど!!…

他に人が居る時位服を着なさい!!!…」


「えぇ~?……ッ!…あぁ、もしかしてぇ~?…

お兄ちゃんってぇ~…ロ・リ・コ・ン・さん?」


「断じてその気は無い!!!」


マリーがマサツグに馬乗りになるよう体を起こした瞬間!…マリーの体は

まるで保護フィルターが入る様に黒い影で隠され、当然それが如何言う事かを

マサツグは直ぐに理解すると、すかさずマリーにツッコミを入れる!…この時

その騒ぎにミスティーも目を覚ますと、眠い目を擦り始めるのだが…次には

ハッと覚醒した様子で!…馬乗りをして居るすっぽんぽんのマリーの姿を目撃

すると、顔を真っ赤にしては絶句する!…そしてマサツグにツッコまれた

マリーはと言うと、全然反省の色を見せる事無く欠伸をしながら裸族である事を

カミングアウトし…隣でミスティーが絶句している中、マサツグはマリーの

父親になったよう更にツッコミを入れ!…そのツッコミでマリーが渋るのだが

次には悪戯な笑みを浮かべてマサツグを茶化しに掛かると、マサツグはその

マリーの言葉に強く否定を入れる!…そうして一向に収拾が付かないで居ると、

待ちかねた様子で今度はロディが乱入し!…


__バアァン!!!…


「貴方達!!…いつまで寝てるの!!!」


「ゲェッ!!…今度はロディ!?…」


「ただでさえ緊急事態だってのに!!…さっさと起きなさい!!!…

ほらミスティーちゃんも!!!…マリーちゃんも服を着て!!!」


まるで肝っ玉母さんみたくロディが乱入すると、マサツグは更なる混乱が

起きる事を予期するのだが!…ロディはマサツグ達の方へ近付くと緊急事態で

ある事を言い出し!…続けて再度早く起きる様に声を掛けると、寝間着姿の

ミスティーを脇に抱える!…そしてすっぽんぽんのマリーの姿も見つけると、

すかさず回収し!…それぞれ着替えさせるよう脇に抱えマサツグの部屋を

後にしようとすると、ミスティーが戸惑った様子で言葉を漏らす!…


「あっ!…ま、待って下さぁ~い!!!…」


「私、服お兄ちゃんの部屋に置いてあるんだけどぉ~!?…」


「良いから早く来なさい!!!…今日は忙しいんだから!!!…

全くもう!!…」


「……ある意味で良い嫁さんになりそうだな?…ロディ…」


__コ、コクリッ……


待つよう訴えるミスティーの声は空しく響き…ついでで回収されたマリーも服は

マサツグの部屋にあると言うが、ロディに聞き入れて貰えない!…ただ早く準備を

させるようロディにドナドナされて行くと、徐々に三人の声は遠退いて行き…

残されたマサツグとシロはと言うと、まるで台風が過ぎ去った様な…とにかく

ロディの行動力に思わず感心する様な事を口にすると、シロも意味が分からない

ながらも同意するよう頷いては戸惑う!…そうして漸くベッドから起きる事が

出来る様になると、マサツグは手早く身支度を整え!…シロの着替えさせては

共に部屋を後にし、近くに居た衛兵に何処へ行けば良いのか?を尋ねようとすると…


「……あっ!…スマンが女王様は何処に?…」


「ッ!?…あっ!…え、えっと!……ッ~~…

…か、会議室の方に……で、では!……」


__ピュウゥ~~~!!!…


「……完全に何か誤解されて無くね?…」


「ッ?……」


やはり最初のアレが効いて居るのか、話し掛ける或いは近くに居る女性衛兵達は

マサツグを見るなり頬を赤らめモジモジとし、話し掛けた衛兵も警戒した様子で

マサツグに答えると、足早にその場を去って行く!…その際辺りを確認すると、

その女性衛兵達からは顰蹙を買っているとかではない様子で、ただ距離を置きたいと

言った感じが見て取れ…だがマサツグの事はチラチラと見ており、その様子に

マサツグも察した具合に誤解を受けて居ると呟くと、シロはそのマサツグの言葉で

首を傾げる。その誤解を受けるに当たって自分も関係して居るとは露にも気付いて

居ない様子で、不思議そうにマサツグの顔を見詰め…だがショックを受けている

場合ではなく!…改めてシロを連れてその女王様の待って居る会議室に迷いながら

向かうと、そこには既に全員が揃って居た!…


__ガチャッ!…ギイイイィィ~…


「…遅くなりましたぁ~…迷子になってましたぁ~…」


「ッ!…遅いぞ何をして居る!!…敵はもう動いて居るのだぞ!!」


「へ?…敵?…一体如何言う…ッ!?…」


恐る恐る扉を開けて中に入ると言い訳を零し…そのマサツグの遅い登場に

アルスも文句を言うよう怒気を強めると、その緊急事態と言って居る内容に

ついて軽く触れる!…だが当然そのアルスの言葉に対して状況を理解して

居ないマサツグからすれば、理解に苦しみ…とにかく詳しい話を聞く為に

その会議に参加し、如何言う事なのか?を机の上に広げられて有るマップを

見て確認すると、そこである事を事実を目にする!…


__スゥ~~…スゥ~~…


「ッ!?…な、何このマップ!?…え?…ハ○ーポ○ターの地図!?…」


「…まぁ確かに似てるっちゃあ似てるが…とにかくこれを見ろ!…

謎の混成大規模部隊がすぐ目の前まで迫って来てる!…

規模は約数万!…エルフの攻城兵器をもってしてもそこそこキツイ量だ!…

こんなの真正面からぶつけられたらまず突破されるだろう!…」


机の上に置かれて有ったマップは大きく、そして細かに何か文字が蠢いて居り!…

何ならその文字と一緒に人影?…いや何か敵の様なアイコンが表示されて居ると、

それがユグドラドに向かい進軍をして居た!…その際そのマップはまるであの

某・魔法少年の物語に出て来る悪戯用の魔法マップのようで、マサツグも思わず

作品名を口にし!…そのマサツグの言葉にレイヴンも苦笑いをしては思わず

同じ様に思ったとばかりに同意をし、マサツグに現状況を説明をし始めると、

それを聞いたマサツグは戸惑いを露わにする!…


「え!?…じゃあどうすんの!?…」


「……頭回って無いな?…当然やるしかねぇんだよ!…

こっちの兵力はエルフとオークをかき集めても一万と弱!…

兵器もあるがそれも物資が尽きればそこまで!…

…オマケに面倒なバックも居る!…それも二人だ!…

一人はあのオークの集落で面倒事を残して行ったあの日記の持ち主で、

大群を率いてこっちに向かって来てる!…

…だがそれよりも厄介なのは最後尾!!…これがとんでもなく面倒!!!…」


レイヴンの説明では完全にこちら側が不利!…マサツグが戸惑った様子で

レイヴンに如何するのか?を尋ねると、レイヴンはその問い掛けに呆れ!…

当然それでもやるしか無い!と答えると、更に自軍の総数の話をし始める!…

この時ユグドラドに居る全戦力をかき集めた所で相手の数分の一にしか

ならないと説明をすると、続けて兵器の話もするのだが!…兵器に関しても

枯渇気味なのか物資が心許無いと話し出し!…更に状況は悪い事ばかり!と

話を進めると、敵総大将の話に発展する!…その際何処かで聞き覚えの有る

事柄が出て来ると、如何やら大将格は二人居るらしく!…一人はあのオークの

集落で誘拐を働いて居たアンデットとレイヴンは説明をし!…もう一人に

ついてはレイヴンが何やら含みの有る様な言い方をし始めると、その様子に

気が付いたマサツグが思い付いた名前を口にする!…


「…まさかと思うけどフィロネウス?…」


「……大当たり!…」


「あちゃ~!!……」


マサツグがフィロネウスの名前を上げると、見事に正解!…レイヴンはガックリと

折れた様子でマップを指差すと、フィロネウスが居る場所を指し示し!…

そのレイヴンの肯定にマサツグも場面が悪いとばかりに自身の顔に手を当てると、

天を仰ぎ出す!…そうして二人揃って自分の非運を呪うよう早くも挫折しそうな

様子を見せて居ると、ここでロディがふと思いついた様子で…徐に女王様へ声を

掛け出し!…その思い付いた事について仕方が無いと女王様に進言をすると、

そのロディの話を聞いたエルフ達は途端に戸惑い出す!…何故なら!…


「……うぅ~ん!……ッ!…

こうなるともはや仕方がないわよねぇ?…女王様!!」


「ッ!…は、はいロディ様?…」


「……そのロディ様って言い方に抵抗を感じるけど…それ所じゃないわね?…

…ン゛ン゛!!……いっその事ギルドを解放しちゃいましょう!」


「ッ!?…なっ!?…」


__どよっ!?!?…


ロディが女王様に声を掛けると、突如話し掛けられた事で女王様は戸惑い!…

それでもちゃんと呼ばれた事に対して様付で返事をすると、そんな女王様の

言葉にロディが引っ掛かる…ロディ自身も畏まった呼ばれ方は苦手なのか、

戸惑った様子で後頭部に手をやり…だがそんな所で引っ掛かっている場合

ではなく!…気を取り直す様にロディが咳払いを一つすると、その問題の

発言を口にする!…その問題の発言と言うのはユグドラドにあるギルドを

解放する事で有り!…当然冒険者達を忌み嫌うルティナやその場に居た

衛兵達は途端に戸惑い出し!…会議室内にどよめきが走り、そのロディの

発言にマサツグやレイヴン達も驚いて居ると、勿論の如くルティナから反対の

意見が飛び出す!…


「ふ!…ふざけないで下さい!!!

…ギルドを開けるですって!?…

またあの惨劇を繰り返したいつもりですか!!!…

そんな事をしたらそれこそ統率が取れなくなる!!

…貴方自ら陣頭指揮でも取るつもりで!!…」


「そのつもりじゃなかったらこんな事は言わないわよ!…」


「ッ!?…」


ルティナは猛烈な勢いで反対と言い出すと、やはり姫様誘拐の件が頭に思い

浮かんだのか!…机を叩く様にしては立ち上がり!…ロディを指差し全否定を

するよう声を荒げると、その責任の取り方について問うのだが!…ロディは

その反論が飛んで来るのは百も承知と言った様子で真剣な表情を浮かべると、

自ら指揮を執る事を口にする!…この時ロディの眼光はまるで一国の王の様な

真剣で鋭い物になると、文句を言って来たルティナを委縮させ!…そんな鋭い

眼光にルティナは思わずたじろぎ!…ロディはそんなルティナを前に呆れた様な

真剣な表情を見せると、言葉を続ける!…


「……はあぁ~…いい?…これは戦争なのよ!?…

もうそんな手段や方法なんて考えては居られない!!…

死ぬか生きるかの戦闘なの!!!…

そんな自軍だけでも戦力が足りて居ないってのに!!…

貴方は今から何処に助けを求めるつもりかしら!?…」


「ッ!!!…」


ロディはルティナを前にして現実を見る様に言うと、時間が無いと言い!…

既に打てる手は限られている事を改めて口にすると、生か死かを問い掛け!…

更にそのルティナの反論に対して他に策が有るのか!と問い質すと、その

ロディからの質問にルティナは口籠る!…その際ルティナは更に怯んだ様子で

たじろぐと、何も言えず固まり!…だがロディのお説教は止まる事無く!…

仕舞いには町の様子にまで話が飛躍し始めると、そのエルフ達の考え方に

文句を言い出す!…


「良い事!?…ハッキリ言って貴方達は心が狭すぎるの!!…

…確かにやられた事はトンデモナイ事だけど!!…

それでも全員が全員悪人って訳じゃないの!!!…分かる!?…

…それにここ数日見て回ったけど…かつてあった活気は何処へやら!…

完全にこの国全体が衰退してる!!…

それは貴方達が何も考えずに交流を断ったからでしょ!?…

…物資が無いのは何故!?…人手が足りないのは何故!?…

当たり前でしょ!?…全部自分達で首を絞めて!!…

真面に向き合った事が無いからでしょ!?…」


「ッ!?…ッ!!……ッ~~~……」


そこからのロディの言葉はもはや政治批判!…物資が無い事や人手が無い事は

鎖国に近い状態にした為と言い出すと、この国は衰退して行って居ると言い!…

全て後手に回って居ると!…こんな事態になって貯えがないのは貴方達のせい!…

と改めて叱咤すると、ルティナももはや何も言えない様子で下唇を噛む!…

そしてそれは薄々自分達でも感じて居た様子で、まさにぐうの音も出ないと言った

表情を浮かべ!…ロディも言いたい事を言って満足したのか、心成しかスッキリ

した様子を見せて居り!…突然の政治の話にマサツグ達や六森将達が困惑して

居ると、遂に恐れていた伝令が会議室に届けられる!…


「し、失礼します!!!…」


「ッ!?…急に何だ!?…ノック位!…」


「も、申し訳ありません!!…ですが緊急事態につきご容赦を!!…

…例の大群についてなのですが!!…遂に視認出来る距離まで詰めており!…

まもなく攻撃が開始されるかと!!…」


__ドヨッ!?……ガタッ!…


違う意味で戦闘が始まった様な中!…突如会議室の外より慌てた様子の衛兵が

飛び込んで来ると、その空気はまた違うモノに変異する!…例えるならホラー

映画を見ている様な!…静かな場面から一転ホラー演出が映し出される様に!…

全員がその衛兵の登場に驚いた様子で視線を向けると、アルスがその衛兵に

向かって怒気を強める!…この時最低限の礼儀位弁えろ!とアルスは文句を

言おうとするのだが、衛兵はそれ以上に慌てた様子で!…アルスの言葉に対して

謝罪しつつも報告があると言い!…そのまま続けて遂に敵が視認出来る位置まで

迫った来た!と報告をすると、その衛兵の報告を受けて会議室内は更に

どよめく!…そしてその報告を受けてロディも時間が無い!…と言った様子で

席を立つと、真剣なトーンでマサツグ達に無茶を言い出す!…


「……これで決定ね!…

…マサツグちゃん、レイヴンちゃん!…足止めをお願い!!」


__ッ!?…ドヨッ!?…


「……やっぱこうなる訳ですよねぇ~?……しゃ~ない!…」


「覚悟を決めて行きますか!!…」


作戦は決まったとばかりにロディはマサツグ達に声を掛けると、さも当然の様に

足止めを要求し!…この時当然そのロディの発言にエルフとダークエルフ達は

揃って戸惑い!…正気かどうかを疑う様にマサツグ達の方へ視線を向けると、

そこでマサツグ達もこうなる事を理解して居た様子で準備をしている姿を

見つける!…この時レイヴンは諦めた様子で言葉を零すと、マサツグが覚悟を

決める様に言葉を掛け!…シロもやる気を見せる様にピーカブーポーズでムン!と

踏ん張り!…オーディックも戸惑う様子を見せる事無くマサツグ達に付いて行く

様な姿勢を見せると、ベルベッタが戸惑った様子で声を掛ける!…


「ッ!?…ちょ!?…本気ぃ!?…相手は万を超える数の敵なのよ!?…

如何やったって勝てっこないじゃない!!…なのに!!…」


「…何?…心配してくれてんの?……だとしたらありがとう!…

だけでも収穫だぁ!…」


「ッ!!…だったら!…」


「でも悪いな?…!…

早々簡単に退くって事が出来ない人種なんだよ!…

オマケに何が因果か!…こう言った場面って既に3~4度体験済みなの!…

いつもの事さ!…」


死にに行こうとしている様にしか見えないマサツグ達へ慌てて声を掛けると、

今からでも遅くない!とばかりに止めるよう声を掛けるのだが!…マサツグは

そのベルベッタの言葉を聞き入れようとはせず!…寧ろ茶化す様に心配をして

くれた事に対してお礼を言うと、ベルベッタが真面と肯定をする!…

当然そんな反応にベルベッタもだったら止める様にと再度説得を試みようと

するのだが、やはりマサツグは聞き入れず!…その際マサツグは自分達は

真面じゃ無いと皮肉を言い!…退く気はサラサラ無い事を続けてベルベッタに

笑いながら告げると、そのまま会議室を後にしようとする!…その去り際の

際もいつもの事!…と言いながら部屋を後にすると、レイヴンとオーディックは

苦笑いをし!…そしてマサツグ達が行った際ただ空しく扉の閉まる音だけが

聞こえ…会議室内にマサツグ達を除く面々が残されると、何とも言えない

後味の悪さを覚える!…


「……この様な事になったしまったのは私の不徳とする所!…

…彼らは間違いなく英雄でした!…」


「ちょ!?…まだ死んだ訳でも無いのに!!……ッ…」


「しかしあの数をたった数人で捌く等!…出来る筈も…」


マサツグ・レイヴン・オーディック・シロ…当然この4人だけで万の数の

敵を防げるとは思っても居ない面々は、既に亡くなったも同然と言った

様子でお葬式モードになり!…女王様はこうなってしまったのも自分の

せいと責めると、マサツグ達を偲ぶ様に英雄と言う…だがその言葉に

対してただ一人だけベルベッタは文句を言うよう否定をすると、思わず

女王様をキッ!と睨むのだが!…心の何処かではやはり否定はし切れない

様子で!…思わず涙ぐんでしまいそうになって居ると、リリーが止めを

刺す様に普通に考えて無理と呟く…その際リリーも申し訳なさそうな

表情を浮かべると、考えられない!と言った様子で視線を落とし!…

やはり会議室内は重苦しい罪悪感の塊に潰されそうになるのだが…

マサツグ達を行かせたロディはと言うと、全く罪悪感など感じて居ない

様子で…寧ろ信じ切った様子で扉を見詰め!…自分達も急ぐよう動き

始めると、トンデモナイ事を口にする!…


「……さて!…

マサツグちゃん達がしまわない内に私達も動くわよ!!…

まずはあの板張りの扉を如何にかしないと!…」


「ッ!……ロディ様…」


「馬鹿な!…幾らそうでないと信じたくとも!…」


ロディは他のエルフ達に比べてハツラツとした表情を浮かべると、これで安心!と

言った様子で呟くのだが!…その言葉と言うのは万の数を倒し切ると言う言葉で

有り!…当然出来る筈も無いと言った様子でエルフ達がそのロディの話を聞くと、

女王様はロディの名前を小さく呟く…恐らくロディなりに空気を変えようとして

居ると思って憐れんで居るのだろう、それでも女王様は立ち直れず!…すると

そんな女王様の声を代弁する様に!…リリーが不謹慎と言った様子でロディに

ツッコミを入れると、ロディはそのリリーの台詞を聞くなりこう返事をする!…


「ッ!…あら、冗談に聞こえて?…でも残念ながら大マジも大マジよ!…

確かに時間はかなり掛かるでしょうけど!…彼らならあれ位訳ないわよ?…」


「ッ!?…え?…」


「…彼らは何度も死地を潜り抜けてる!!…

…まぁ本人達が望んでやって居る事ではないのだけど…

それでも今まで経験して来た事に比べればあれ位何とも無いと思って居るわよ?

…現に私のお気に入りのマサツグちゃんは魔王の全力にだって耐えるだけの

根性を持っていて!…どんな逆境でもそれを弾き飛ばすそれは素晴らしい

才能を持って居るわ!!…

…レイヴンちゃんは臨機応変に魔法を使いこなしてみんなのサポート!!…

それこそパーティの為に必死に貢献するし!…

シロちゃんなんかヤバい子なんだから!!…あの子はフェンリル!!…

それもマサツグちゃんが育てるフェンリルだもの!!…意外性は抜群よ?」


ロディはキョトンとした表情でリリーの言葉に返事をすると、本当に心配して

居ない様子で大丈夫と言い…当然そんなロディの様子にエルフ達は戸惑い…

リリーがその返事を聞いて戸惑いの言葉を漏らして居ると、ロディはその理由を

話し出す!…この時そのロディが話す内容と言うのは、まるで第三者目線の

様で!…マサツグをべた褒めしてはやはりお気に入りと豪語し!…レイヴンに

対しても注目度抜群と言った様子で話すと、正当に評価をする!…そして最後に

シロの事についても話し出すのだが、ここで漸くシロがフェンリルである事が

明かされ!…エルフ達にとっても馴染みが深いであろうその名前は当然驚くべき

名前であり!…女王様とマルティスとベルベッタ!…それ以外の面々が

嘘でしょ!?…と言わんばかりの表情を浮かべると、その内容を信じる事が

出来ずに固まり出す!…


「ッ!?…なっ!?…フェ、フェンリル!?…」


「あの幼子が!?…いやまさか!!…」


__……チラッ?…コクリッ…ッ!?…


「ッ!?……え?…マリー…フェンリルに喧嘩売ってたの?…」


「……だとしたらあのマサツグって人は何者なんでしょうか?…」


__……うぅ~ん……


衝撃の真実に誰もが付いて行けず!…シロの事を思い出す様にその言動を一つ

一つ思い出すのだが…やはりどう思い返してもただの人懐っこいワンコロで、

ロディの話を信じられずに居ると、女王様とマルティスは無言で頷き肯定を

する!…そして恐らくフェンリルかどうかが分かるであろう唯一人物達が

頷いた事で、エルフ達は酷く驚きながらも信じ始め!…改めてその幼体とは

言えフェンリルを飼い慣らして居る事に!…何ならあのデレデレ具合に

疑問を持ち出すと、それぞれが何者?…と言った様子で考えるのだが!…

これまた悩むよう色々と思い返すのだが答えが出て来る事は無いのであった…

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ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

転生騎士団長の歩き方

Akila
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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

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 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

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 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

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