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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章三十八節 血気盛んなお年頃と宣戦布告祭りと逃げたい者達…-

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まさかの実力を示すと言った話にアルスやマサツグ達が困惑して居ると、

六森将達の自己紹介が始まり…それも全て終わり詳しい話に変わると、

マサツグ達は嫌な予感を感じていた。何故なら…マルティスの口ぶりだと

アルスは六森将の内一人と戦って?…勝てば良い訳で、その内の五人は

実質要らないのである。そしてその選択権はアルスが握って居るのだが…

今までの経験上その一戦だけに終わった事が無いのでマサツグとレイヴンは

改めて嫌な予感として感じて居り!…その予感は的中とばかりにジーナが

ハッと気が付いた様な反応を見せると、ある事を話し出す!…


「……ッ!…あれ?…ちょっと待っとくれよ?…

シャーマン?…て事は何かい?…

そのエルフが戦うのは一回って事で良いのかい?」


「……そう言う事になる…」


「じゃあ選ばれなかったらそのまま大人しく観戦って事かい!?…」


「……そう言う事になる…」


今気が付いたと言った様子でジーナが話し出すと、改めて先程のルールに

ついて確認し!…そのジーナの問い掛けに対してマルティスが無表情で

肯定し…そのマルティスからの返事を聞いてジーナが途端に慌てた様子で

再度質問をすると、やはり無表情でマルティスは肯定する。そうして自分が

選ばれず戦いに参加出来ないと言った可能性が出て来ると、更にジーナは

慌て出し!…何処までも好戦的なのか顔色を青く!…アルスに懇願するよう

声を掛け出し始めると、どっちが挑む側なのか分からなくなる!…


__パンッ!!…


「なぁ!?…あたしと戦っておくれよ!!…

久々に思いっきり暴れたいんだ!!…ここ最近満足に猟にも行けてないし!…

不完全燃焼なんだ!!…」


「ッ!?…な、何!?…ふ、不完全燃焼!…

い、いや!…私とて重要な局面!…早々簡単に決める等!…」


「じゃ、じゃあ!…手加減してやるよ!…

五割ほどの力で戦うからさぁ!!…」


アルスに手を合わせては自分を選ぶ様にお願いし!…その理由に暴れたいからと

答えると、更に最近体が鈍って居ると嘆き出す!…その際狩猟にも行けて居ない

事を明かすと、不完全燃焼と語り!…そのジーナの話と様子からアルスも戸惑った

様子で反応すると、その必死具合からか思わず引いてしまう…そしてそのジーナの

呼び掛けに対して答えるよう言葉を口にし始めると、自分にとっても大事な選択と

言い!…アルスに断られた事でジーナは目を見開きショックを受けるのだが、

それでも諦め切れない様子で再度お願いをし始めると、マルティスからの忠告が

飛ぶ!…


「……パンジーナ?…手加減は許さん、これは試練だ…

試練を与える者が手加減をする等言語道断!……いっそ…

選択肢から消すと言った事もするが……それでもまだ言うか?…」


「ッ!?…そ、そりゃないよシャーマン!!…

ッ~~……」


__クスクスクスクス!……ハアァ~……


マルティスはその試練をするに当たって不適切な発言をしたと…ジーナを叱咤する

よう言葉を口にすると、後ろを振り返ってはジロッと睨み付け!…この時同時に

ジーナを選択肢から外す様な事も口にすると、ジーナは更にショックを受ける!…

そしてまた嘆く様に文句を口にするのだが、当然マルティスは聞き入れず!…

その様子を見て隣でマリーがクスクスと笑い!…ベルベッタも頭に手を当て呆れた

様子を見せて居ると、ここでふとレイネが提案を口にする!…そう!…これこそが

マサツグ達が感じていた嫌な予感であった!…


「……ではいっそ…こうするのは如何でしょう?…」


__ッ!……


「向こうは四人居らっしゃるのでそれぞれで我々を相手する!…

勿論試練と言う意味で!…

私としても二番手と六番手があっさり負けたとは思えないので…

改めてその実力を図ると言う意味では最適かと…」


「ッ!?…そ、それだ!!…良いぞレイネ!!

さすが話の分かる奴!!!」


レイネはまるでこうなる事を予測して居た様子で徐に話し出すと、それに合わせて

全員の視線もレイネに向けられ!…レイネはその視線に屈する事無くそのまま

自身の考えた提案を口に!…そのレイネの提案にジーナがパッと目を見開き歓喜

すると、レイネの事をヨイショする。その際レイネが提案した内容と言うのは、

マサツグやレイヴン!…オーディックを含むメンバーを交えての試練をすると

言う事で有り!…案の定巻き込まれた事にマサツグとレイヴンが「え゛!?…」と

言った表情で固まって居ると、更にマリーが有る事を付け足す!…


「ッ!…じゃあマリーはあの子とやらせてよ!!

ほらあの男の人の足に座ってる子!…」


__ピクッ!…ジッ…


「年も同じそうだし身長も一緒位だし!…丁度良い感じになるんじゃない?…

そ・れ・にぃ~?…大の大人に私の様な可愛い子を選ばせるのも酷って感じだし!…

別にいいでしょ?…シャーマン!」


マリーは何を考えているのかシロを指差し始めると、不敵に笑みを浮かべ

ながら相手にすると言い!…シロもシロで敵認定を受けた事で耳をピクっと

反応させると、マリーの事をジッと見詰める!…だがマリーはそんなシロの

視線など意図もせず!…ただ自分が勝つに決まって居ると言った様子で

余裕たっぷりの言葉を並べ始めると、シロの事をチラッと見ては鼻で笑い!…

シロもシロでそれを見てはぷくぅ~!っと頬を膨らませ!…明らかにマリーに

対して不服感を覚えて居ると、マリーはマルティスに同意を求める!…そして

そんなマリーの提案に対してマルティスも呆れた様子で提案を認めるのだが…


「……好きにしろ…だが相手の同意を得てから…」


「やります!!!」


「ッ!?…うえぇ!?…シ、シロさん!?…」


「シロ!!…やります!!…コテンパンにするのです!!!」


マルティスはマリーの要望を聞き入れた様子で返事をすると、その前にシロの

同意を得る様に返事をするのだが…その前にシロが話に割って入るよう手を

上げて返事をし!…一点にマリーの事をジッと睨み付けながらやる!と断言を

すると、マサツグを驚かせる!…シロと一緒に旅をして来たが今までにない

シロの燃え様にマサツグが戸惑った様子で言葉を漏らして居ると、シロは更に

闘志を燃やし!…馬鹿にされた事が余程ムカっ腹が立ったのか!…マリーの事を

指差しお返しとばかりに宣戦布告をすると、マリーは掛かったとばかりに更に

不敵な笑みを浮かべる!…


「ッ!…うっふふふ!…いいわ、相手してあげる!!

無様に地面を舐めさせてあげるから!…覚悟なさい?」


「ぜえぇっっっ………たい!!!…負けないのです!!!」


「ッ!?…い、今までにない位にお怒りなんだが!?…」


シロの宣戦布告にマリーも同意をすると、上から目線で相手にすると言い!…

その際余裕とばかりに見下し続け!…勝利宣言をする様に地面を指差しながら

覚悟する様に言葉を口にすると、更にシロは頬を膨らませては怒りと闘志を

燃やし続ける!…その際溜める様に負けないとだけ言葉を口にすると、マリー

から視線を逸らす様にプイっとそっぽを向き!…そんなシロの様子を間近で

見た事に!…ただただマサツグが戸惑った様子で言葉を漏らして居ると、

レイヴンはそんなシロを見るなりこう言葉を口にする…


「……うぅ~ん…本当にマサツグに似て来たよな?…」


「え?……」


レイヴンはシロの事を観察する様に見詰めると、ただ唸る様に漏らしては

マサツグに似て来たと言い…マサツグはマサツグでその事に自覚は無いのか…

そのレイヴンの言葉に違う戸惑いを覚えた様子で言葉を漏らすと、レイヴンの

方へ視線を向ける…さてこうして突如シロとマリーの決闘が決まった事で話は

更に進んで行き!…今度はジーナが相手を決める様に言葉を口にし始めると、

その視線をオーディックに向ける!…


「ッ!…ハハ!…じゃああたしは体格的にもそこの猪とだな!!…

…今思えば投げ飛ばされた借りも有る!!…丁度良いじゃないか!!」


「ッ!?…え?…オ、オラだか!?…

い、いや!…あれはアンタが向かって来たからで!…」


ジーナはマリーの話に乗っかるよう…その対戦相手の決め方まで同じ様に

オーディックと決めると、昨日の事を口にし始める!…あの時は不意を

突かれた!…そんな感じに話してはやられっ放しは趣味じゃ無いと!…

オーディックに対して指を指し出し!…もう一度戦う様に声を掛けると、

その呼び掛けにオーディックは戸惑う!…オーディック自身あまり戦う事は

好きでは無いのか…と言うよりもちゃんとジーナの事を女性として見て

居る様で…女性に手を上げるのは如何かと言った様子で遠慮しており!…

その際投げた理由についても正当防衛と言った様子で何とか断る事が

出来ないかと模索をして居ると、更にジーナはオーディックを煽る!…


「……なんだい?…ビビってんのかい?…

確かにあの時は不覚を取っちまったが…

本気のあたしはアンタに負けず劣らずの怪力を持ってんだよ!…

…男なら黙ってあたしと勝負しな!!…勝ち逃げは許さないよ!!!…

…それとも何かい?…まぐれで勝って逃げる様な腰抜けなのかい!?…

それでもアンタは男なのかい!?…ナニはちゃんと付いて居るのかい!?…

あたしを押し倒す位の度胸も無い癖に!…偉そうにするんじゃないよ!!!」


__カチンッ!………スック…


まるでマリーの挑発を丸パクリする様に!…それこそ最初は本気じゃなかった!

と昨日の事を話して居たのだが、徐々にオーディックの事を馬鹿にし始め!…

この時勝ち逃げは許さないと口にし!…男のくせに度胸がない!…腰抜け!…

等と言葉を口にすると、オーディックも徐々に挑発に乗せられる!…そして

極め付けがナニの話しにまで発展すると、男としての覚悟も無いと言い出し!…

散々好き勝手言った後、最後に偉そうと文句を言い!…それを聞いてオーディック

も我慢ならない様子で徐に立ち上がると、闘志に火が点いた様子で大きく息を

吸い出す!…


「………スッ~~~…ふうううぅ~~………

穏便に済まそうかと思っとったでが……

そこまで言われちゃあオラも我慢出来ね!…

…後悔するでねぇだよ!…オラもカチンと来たでな!…」


「ッ!…フフフッ!…いいよ!!…それでこそ男ってもんだ!!!…

…よし!…あたしはこれで満足だ!…後は勝手に決めとくれ!…」


「…って、いつの間にか俺達まで参加する流れになってるし!!…」


もはやあそこまで言われては引き下がれないと!…吸った息を大きく吐き出し!…

我慢して居た事を俯きながらボソボソと口にすると、次に顔を上げ出しては挑発に

乗ったよう言葉を口にする!…この時ジーナに対して怒りの表情を滲ませると、

歴戦の戦士の様な鋭い眼光でジーナを睨み!…ジーナもその眼光が向けられた事で

満足し!…これまたオーディックとジーナの決闘が決まってしまうと、後は勝手に

決めてくれとばかりに丸投げする!…さてこうして二組が決まってしまった所で、

もはやレイネの提案は決定事項なのか勝手に話は進み!…何なら今更ながら

マサツグがツッコミを入れ!…一体如何したのもかと悩んで居ると、今度は

レイネがレイヴンに仕掛ける!…


「……うふふふふ!…そこのローブのお方?…貴方は私としませんか?…」


「ッ!…え?…ローブのお方って?…もしかしなくても俺?…」


「貴方以外に誰が居るのです?……貴方からは死臭がする!…

それはとても強く!…あぁ!!…

何で貴方からはそんなに死臭がするのか!!…堪らなく気になるのです!!…

…お見受けした所貴方も魔術師!…魔術師同士でここは!…」


「あっ…スイマセン俺は戦いません!…」


「ッ!?…なっ!?…」


怪しく笑ってはレイヴンに話し掛け!…その話の内容として単刀直入に自分と

戦わないか?と誘うと、その言葉にレイヴンが戸惑う…その際念の為と言った

様子で確認するようレイヴンはレイネに問い掛けると、レイネは不敵に笑い

ながら当たり前と返事をし!…その際レイヴンから死臭がすると!…まるで

レイヴンが死体の様に感じられると続けて話すと、レイヴンに興味を持ったと

話し出す!…そしてそれを理由にレイヴンとの決闘をレイネは申し込むのだが、

レイヴンはスッと冷静に拒否し!…レイヴンから拒否された事でレイネも

戸惑った反応を見せると、ワタワタと慌て出し!…何で!?…と今にも言い

出さん勢いでモジモジとして居ると、レイヴンはその返事を口にする。


「いやだって戦う必要がないじゃん!…」


「……え?…」


「えぇ~っと…シャーマンさん?…でいいのかな?…

まあとにかく!…俺達が戦う必要は無いんだよな?…

戦う必要があるのはあくまでもアルスだけ!…そうだよな?」


「……いかにも…汝達の実力は既に見ている…何も問題ない…」


レイヴンの言い分はこうである!…別に俺達は戦わなくてもいいと…

この単純明快な言葉にレイネは言葉を失い!…更に戸惑った反応を見せて

居ると、レイヴンはそんなレイネの様子に呆れつつも、ある確認をし始める。

その確認先と言うのは当然マルティスの事であり、レイヴンは改めてルールを

確認するよう声を掛けると、自分達は戦わなくても良いと言う事を確認し!…

あくまでもアルスだけがその試練を受けないといけないと言う事を再度

確認するよう問い掛け!…マルティスもそのレイヴンの問い掛けに対して

肯定をするよう返事をすると、実力は知って居ると更に続ける。そうして

マルティスから返事を聞いた所で再度レイネに視線を向けると、理解したか?…

と言った様子で首を傾げ…そんなレイヴンの反応にレイネはマルティスを

見詰めたままぽか~んとし!…少ししてからハッと気を取り戻した様な反応を

見せると、レイヴンにもう反論し始める!…


「い、いや!…それでも普通は受ける流れでしょ!?…

げ、現に私もこうして挑発!!…」


「え?…あぁ…アレ挑発してたのか?…

…まぁ死臭がするって言われても実際してるだろうし…

何なら死んでるし…」


__パサッ!…ッ!?…


「な!?…ア、アンデッド!?…な、何で!?…」


まるでメタ発言をする様にレイヴンへ反論すると、慌てた様子を見せ!…

だがレイヴンは乗らないとばかりに冷静な態度を見せ続け!…先程のレイネの

言葉もここで漸く挑発だったのかと理解すると、逆に肯定する。その際徐に

自身の被って居るローブのフードに手を掛けると、自身の素顔を見せる様に

捲って見せ!…そこで本当に相手が骸骨である事を理解すると、マルティスを

覗く六森将全員が驚いた反応を見せる!…そして一番あり得ない!…と言った

反応を見せて居たのはレイネなのだが!…彼女は何故か慌てた様子を見せており、

すかさずレイヴンに対して自身の杖を振りかざすと、何やら呪文を唱え出す!…


「ッ!?…ッ~~~!!!…

か…《かの者よ!!…ここは聖域!!…汝に踏み入る場所にあらず!!…

これより忘却!…静かなる場所に眠り給え!!…サンクチュアリ!!!》」


__ヴン!!!…ぱあああああぁぁぁぁ!!!…


「な!?…何だ何だぁ!?…」


酷く慌てた様子でとにかく魔法をと言った様子で詠唱し出し!…周りのその

レイネの慌て様に困惑して居る中!…レイヴンとマルティスだけは落ち着いて

居り!…とにかくその成り行きを見守って居ると、そのマルティスの家全体に

魔法陣が突如出現する!…そしていつもの流れと言わんばかりにその魔法陣が

光り出し!…その様子にマサツグ達も戸惑った様子でその魔法陣を見て居ると、

次には視界がホワイトアウトする!…


「ッ~~~!!!…ま、眩し!?…シロは大丈夫か!?…」


「お眼めがピカピカするのですぅ~~!!!」


「案の定駄目か!?……ッ!?…」


__ッ~~~~!!!……ぱあああああぁぁぁぁ!!!………ッ…


徐々に視界が白く霞んで行く中…マサツグがシロを心配して声を掛けると、

シロは眩しいとマサツグに訴える!そのシロの声を聞いて案の定駄目だったか!…

と漏らすと、マサツグは慌てるのは慌てるのだが!…とにかく動かずに辺りを

見渡し!…まだ完全に視界が奪われる前に何か手は!?…と言った様子で

使える物を探すが、やはり見つからず!…その際やはり眩しそうにしている

オーディックやアルス!…この時マサツグ達だけでなくジーナやベルベッタ!…

マリーも巻き込まれた様に防御の体勢を取って居る光景を目にして居ると、

遂には完全に視界を奪われる!…そして辺りがどよめき視界も奪われたまま

の中!…ただ周りが騒然として居ると、それも長くは続かないのか徐々に

それも収まり…マサツグ達も視界を取り戻し始め!…急いで辺りを確認するよう

眉間にしわを寄せて居ると、今度は誰かの悲鳴が聞こえて来る!…


「……ッ!…徐々に視界が!…」


「きゃああああああぁぁぁぁ!!!!」


「ッ!?…こ、今度は何だ!?……ッ!?…」


「な、ななな!!…何で!?…如何してまだ居るの!?…」


急いで確認をしようとして居るとマルティス達の居た方から悲鳴が聞こえ!?…

目は見えずともその声のする方へ反射的に反応し視線を向けると、そこで

青褪めて居る?…レイネの姿を見つける!…その際まだ完全に視界は戻って

居ないのだが、とにかくショックを受けている様子だけは良く分かり!…

ショックを受けているレイネは今だ慌てた様子で何かを見ており!…そして

これまたあり得ない!…と言った様子で言葉を口にすると、パニック状態に

なり始める!…そしてそんなレイネの姿を確認した所で今度はそのレイネの

見て居る者を確認する様に!…マサツグも戸惑った様子で視線を移し!…

その見ている者がレイヴンである事を理解すると、レイヴンに視線を向ける

のだが…そこに居るのは平然として居るレイヴンの姿で、レイヴンも事が

終わったのを確認した所で自身の身の周りを確認するよう視線を動かすと、

まるで異世界転生物の主人公の様な事を口にする…


__……チラッ?…チラッ?……


「……へぇ?…今のがアンデット特攻の魔法か…

なるほど?…アンデットのプレイヤーには影響は無いと…

じゃあここに張って有った結界もこの子が張った物として?…

アンデッド達がここに入って来れない理由もアンタって訳か?…」


「ッ!?…ヤ、ヤダァ!!…来ないでぇ!!…」


「……ッ?…アンタ死霊使いなんだろ?…

別に怖がらなくてもいいじゃない!…

いつも扱ってるアンデットと一緒なんだからさぁ?…」


まるで敵からの魔法を受けてもピンピンして居る主人公の如く!…冷静に

何も影響を受けて居ない事を確認しては冷静に分析し!…そのアンデット

特攻魔法に興味を持った様子で視線をレイネに向け始めると、怪しい

雰囲気を放ち始める!…それは本当に上級アンデットが襲って来た様に

不気味さを放っており!…そのレイヴンの様子にレイネも今まで経験した

事が無い!…と言った戸惑い様を見せると、更にパニックになる!…

さながらこの時のレイネの様子はお化け屋敷に入ったものの腰を抜かして

しまった女の子の様で!…気弱そうにプルプルと震え始めると、もはや

最初に有った不気味な笑み等フライアウェイ!…完全に消えてしまう…

そしてレイヴンもそんな彼女の反応が面白いのか、興に乗った様子で!…

更にキャラを続けるよう不気味さを放ち!…まるで虐めるよう骸骨ながらも

笑って見せる様に話しを続けると、終いにはマルティスからストップが

掛かる!…


「……すまないが汝…それ位にしておいてくれ…

これで少しは落ち着き…反省もするであろう…」


「ッ!…あっハイ…すいません…」


「……して、汝はアンデット…何故自我を持っている?…

…見た所魂も生きて居る者と変わらない…不思議な色をしている…」


「ッ!…いや何で?って言われても…

説明がかなり難しい問い掛けだな?…

まず普通に説明しても分かる訳ないし…」


背後で怯えているレイネを労わってか、マルティスはレイヴンに向かい右手を

突き出し…待ったの構えでレイヴンを止めに掛かり!…マルティスが代わりに

謝るよう言葉を続けると、レイヴンもハッとした反応を見せてはやり過ぎたと

謝る…そしてその魔法を仕掛けた当の本人はと言うと、本当に腰を抜かして

居るのかプルプルとしており!…何なら生まれたての小鹿の様に!…今にも

その座布団から転げ落ちそうになって居ると、ジーナの手を借りては体勢を

整えようとしていた…そして今度はマルティスがレイヴンに興味を持ったのか、

そのレイヴンの体について質問をし始め!…その際レイヴンの事を見た様に

魂の話を持ち出し!…レイヴンもその質問を受けて如何答えたものか?と

戸惑い悩み出して居ると、今度はナターシャが今までの流れに乗ろうか…と

言った様子でマサツグに宣戦布告をする!…


「あ、あのぅ…良いでしょうか?…」


「……如何した?…」


「い、いえ!…大した事では無いのですが……コ、コホン!…

……ッ~~!…貴方!…」


「ッ!?…は、はい!?…てか俺!?…」


何でこのタイミングで?…と思う所なのだが、ナターシャは勇気を振り絞った

様子で今にも消えそうな声でマルティスに声を掛け…するとそのナターシャの

呼び掛けに反応してマルティスがチラッとナターシャの方へ振り返ると、

何故か呼んだ本人のナターシャが委縮する…だがそれでも折れまい!と言った

様子で踏ん張ると、遠慮しながらも大した事は無いと言い…それでもマサツグの

方へ振り向くなり覚悟を決めた表情で!…マサツグの事を貴方と言って指を差し

立ち上がって見せると、突如指名をされた事でマサツグが驚く!…その際思わず

言葉を漏らして更にツッコミを口にするのだが、ナターシャは勢いに任せて

そのまま言葉を続け!…周りから視線を集めていようが関係無い!とばかりに!…

勢い良くマサツグへ宣戦布告をしようとするがしかし!…


「私としょ!…しょうぶしてくだひゃい!!…」


__……噛んだ…噛んだな?…噛んだわね?…噛んだだぁ…


思わず悲壮感が漂いそうになる!…何故なら肝心な所でナターシャが噛んで

しまったからであり、その瞬間を聞き逃さなかった者達は直接言葉にして

出す事は無いものの、心の中でツッコミを入れる!…マサツグにレイヴンに

アルスにオーディック!…身内からはベルベッタにジーナと!…マリーに

至っては今にも吹き出しそうになっており!…その噛んだ当本人はマサツグを

指差したまま石像の様に固まってしまうと、顔を真っ赤にしては今にも

泣きそうな表情を見せていた…そして当然こんな状況なのでそのナターシャに

向けられて居た視線は、今度はマサツグに向けられ!…マサツグもマサツグで

突如視線を向けられた事で更に驚き!…自分が何とかしないといけないのか!?…

と言った具合に困惑して居ると、マルティスが助け舟を出す…


「……ナターシャ?…それは如何言う意味で言って居るのだ?…」


「ッ!?…ふぇ?……あっ…え、えぇ~っと……

…ッ~~!……こ、これでも私も六森将の端くれ!…

外の者に負けっぱなしでは居られません!…

その名誉を挽回する為!…今一度手合わせを!!…」


「……と、申して居るが如何する?…

先程も行ったが既に実力は証明されて居る為、試練…

もといこの無用な戦いを受ける必要は無い…

あるとするなら互いの名誉を掛けたモノだが…」


「ッ!?…え?…え!?…」


マルティスは一切表情を変える事無くポーカーフェイスを貫くと、ナターシャに

質問をし…その突然の質問にナターシャも困惑し始めると、ワタワタとする

のだが…それでも気を取り直すよう如何言ったつもりで宣戦布告をしたのかを

顔を真っ赤にしながら話すと、マルティスはマサツグに視線を戻す…そして

そのナターシャの言葉に対して確認を取るよう今度はマサツグに問い掛け出すと、

一応断る事も出来ると話すのだが…そのキラーパスの様な質問にマサツグは

困惑し!…更に視線もまた集まり出した事でマサツグも戸惑った様子で言葉を

漏らし続けて居ると、ナターシャはまるで告白待ちの乙女の様に目を潤ませる!…


__ウルウルウルウル!……


{ッ!?…グッ!!……何て目で見て来る!!…

てか宣戦布告しといてよくそんな目が出来るな!?…

……えぇ~?…やっぱ俺が受けなきゃいけない流れぇ?…

面倒だから断りたいんだけど…}


マサツグの事を上目遣いで見詰めると、お願いをする様に手を合わせ!…

明らかに先程の話の内容から出来る表情じゃない事に!…マサツグが

心の中でツッコミを入れて居ると、その間にも周りの視線はマサツグに

向けられる…この時マサツグは完全にアウェイに立たされており、

心境的には軽くフラッシュモブに遭って居る様な感覚であり!…何なら

これが本当に告白なら良かったのだが、残念ながら決闘のお誘いで…

その事を呪う様に面倒と考え…他に逃げ道が無いかを考えて居ると、

これまた意外な所から助け舟が出る!…


「……すまないがその話…待ったを掛けさせて貰いたい!…」


「ッ!?…え?………アルス?…」


「ナターシャ…貴君を私の相手にさせて頂きたい!…」


__どよ!?…


「え?……た、棚ぼた?…」


まさかの助け舟を出したのはアルス!…この時アルスはナターシャに対して真剣な

眼差しを向けると、待ったを掛け!…その待ったにマサツグも戸惑った様子で

言葉を漏らし!…アルスの方へ視線を向けると、そこで何やら覚悟した様な表情を

見せるアルスの姿を見つける!…その際アルスが待ったを掛けた事で家の中が一瞬

どよめくと、アルスは視線を集め出し!…だがアルスは一切怯む事無く!…ただ

一点にナターシャの事を見詰めて居ると、その視線にナターシャは戸惑い頬を赤く

染める!…それはまるで告白シーンの様に見えては更に一同を困惑させる結果に

なるのだが、この時マサツグは…助かった?とばかりに本音を漏らし…何とか話を

逸らせられる!…とばかりにアルスへ感謝をすると、援護するよう言葉を考える

のであった!…

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

【完結】私だけが知らない

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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

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