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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章十四節 騒動後日談と寝言&穴と沼への道-

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……後日、何とか一夜明けて雨も上がり…その後被害が出ると言った事は

無かったのだが、マサツグ達は違う意味で満身創痍になっており…一同は

一旦オーディックの家に集合すると、昨日の出来事について振り返る事にした。

その際やはり気になるのはシロの言っていた「動く水たまり」と言う言葉で…

当然その事について本人尋ねようとするのだが、限界なのか家に着くなり

マサツグの膝の中に納まると、シロは静かに寝息を立て出す…当然頑張って

くれて居たので無理に起こす訳にも行かず、シロの言っていた言葉を頼りに

三人が顔を並べると悩み出すのであった…


__……うぅ~ん…


「…動く水たまり?……そんなおっかねぇモンが有るだか?…」


「…正直言って俺も分からん……って言うか眠くて思考が…」


「右に同じく…だが、シロちゃんの慌て様からして嘘は言って居ないだろう…

てかそんな嘘を吐く様な子じゃないし…

だとするとそれに似た何かを見たって事なんだろうが?…」


三人囲炉裏を囲む様にして座ると腕を組み悩み出し…オーディックが初めて

聞いたと言った様子で恐怖したよう!…目の下に隈を作りつつ言葉を口に

すると、マサツグも分からない…眠い…と零しては目の下に隈を作る。そんな

二人に同意するようレイヴンも困惑した様子で返事をすると、改めてシロは

嘘を吐いて居ない方向で物事を考え!…と言うよりも嘘を吐く理由が無いと!…

そのシロが見た物について思い当たる物は何かと考えて居ると、オーディックの

家に突如来客がやって来る…


__ダッダッダッダッダッダ!!…


「…ぞ、族長!!…はぁ!…族長は居るだか!?…はぁ!…はぁ!…」


「ッ!?…あんだ如何しただ!?…」


「ゴ!…ゴンザレスんちの家が!…家が無くなっちまったでがよ!?…」


「ッ!?…な、何ぃ~~~!?!?」


慌てた様子で突如飛び込む様にオーク族の男性が一人…息を切らしながら

駆け込んで来ると、すかさずオーディックを呼び!…マサツグ達もそんな

突然の来客に戸惑いつつ…オーディックがその男性に対して返事をすると、

次にはその駆け込んで来た男性オークからトンデモナイ言葉が飛び出して

来る!…その内容と言うのはまさかの家が無くなったと言う…人ではなく

まるで家が神隠しに遭った様な言い分で、当然マサツグ達はそれを聞くなり

戸惑い出し!…オーディックは声を上げて驚き!…マサツグとレイヴンも

嘘だろ!?…と言わんばかりに驚きの表情を見せて居ると、更にその男性

オークは続ける!…


「な、無くなっちまったと言っても!…

何かに押し流された様な感じで!…ッ~!!…

と、とにかく残骸は残ってるだ!!…

んだどもその壊れ方が可笑しいだ!?…

まるでデッケェ水さ押し流されたみてぇに!!…」


「ッ!?…デッケェ水に押し流された!?……オーディック!…」


「ッ!…分かっただ!…オラ達も向かうだ!…

オメェは他に被害が出てないか村のモンと確認して欲しいだ!…

あと些細な事でも良い何か可笑しな事が有ったらそれも行ってくれ!…」


「ッ!…わ!…分かっただ!!…す、直ぐ皆を集めるだ!!…」


その男性オークは詳細を説明するよう…家が無くなったと言ってもその残骸は

残って居ると語り…だがまるでそれは何か川に流された様な倒壊で、やはり

その手の水災害は可笑しいと!…オーディックと同じ様な反応で説明を続けると、

その言葉を聞いたマサツグ達は途端に反応する!…その際やはり気になったのは

「デッカイ水に流された」と言う言葉で、シロの見たと言う言葉にも有った

「おっきな水たまり」と関連が有る様に思われ!…その言葉に対してレイヴンが

気になると言った様子で言葉を口にし、オーディックに見に行くよう声を

掛けると、オーディックもその呼び掛けに対して反応しては、レイヴンに頷いて

その男性オークに指示を出す!…全員で調査するよう一斉点検の号令を出し、

その男性オークも理解した様子で返事をすると、皆を集めると言い!…そしてまた

男性オークは慌てた様子で飛び出して行き!…レイヴンとオーディックも後を

追い駆けるよう立ち上がるのだが、マサツグだけは今だ座って居た…


__ザッ…ザッ……ッ?…


「…ん?…如何したヤブ?…ヤブは行かない…」


「…この状況でいけると思うか?…」


__すぅ~…すぅ~…


「あっ……」


一向に動こうとしないマサツグにレイヴンとオーディックが疑問を持ち…

レイヴンが気になった様子で声を掛けると、マサツグはレイヴンの方へ

振り向くなり自身の膝元を指差し…シロが安眠している姿を見せると、

自分は動けないとばかりに質問をする…その質問を受けてレイヴンも

理解した様子で言葉を漏らすと、何も言う事無くマサツグにサムズアップし…

オーディックも理解した様子で何も言う事無くマサツグに頷いて見せると、

レイヴンと共にその消えた家を見に行くのであった。さてオーディックの

家に残されたマサツグはと言うと、膝の中で丸まるよう寝ているシロを見ては…

ただ何も言わずにシロの頭を撫でており…シロもそれに反応するよう耳を

ピクピクっとさせると、笑みを零しながら寝言を口にする…


__……なでなで…なでなで……ピクピクッ!…


「ッ!…んふふふ♪…ごしゅじんさまぁ~♥…」


「……全く!…呑気に寝言を…まぁ丸一日徹夜したんだ…

そりゃ眠たくて仕方が…」


「…ぷるぷるしてるです…」


「ッ!…え?…」


夢の中でもマサツグに撫でられている夢を見ているのか、寝て居るにも

関わらずマサツグの撫でる手に甘え!…そんなシロの様子にマサツグも

笑みを零し!…思わずシロの寝言にツッコミを入れつつ…シロが今に

なって眠り出した事について仕方が無いと零して居ると、シロから突如

気になる寝言が飛び出す!…当然それを聞いたマサツグは途端に反応した

よう言葉を漏らすとシロを見詰め!…シロはシロで今だ眠っており、

魘される事無く続けて寝言を口にすると、やはり気になるワードを口にする!…


「……まるでカタツムリさんみたい!…

…平べったくてぇ…ぷるぷるしててぇ…

おっきな水たまりが動いて居る様なぁ……

だったのですぅ……あっ…

その生き物には何かみたいなのが有ってぇ…

少しのですぅ……すぴぃ~…」


「……夢の中であの時見た物について説明してる?…

…話を聞く限り相手は俺っぽいが?……それにその説明だともしかして?…」


恐らくシロは夢の中で一生懸命あの時見た物について説明をして居るのだろう…

自身が見た特徴をそのまま口にすると、シロは初めて見たと言った様子で説明し…

その際それは生き物なのか、その物体をシロは生き物と続けて説明し…更に

何か気になる特徴を口にすると、そのまま寝息を立て始める…そのシロの寝言を

聞いてマサツグは誰に説明して居るのかを考えると同時に、ふとシロの説明で

ある物が浮かんで来る!…そしてまさか!…と言った様子でレイヴン達の

帰りを待ち、今の話について自分の中で精査して居る一方で!…レイヴンと

オーディックはと言うと、その家が無くなったと聞かされた現場にやって

来ては!…その惨状に目を疑って居た!…


「ッ!?……こ、これは!?…」


「……ここの家…ゴンザレスさんって人の家だったのか…

…で、あの穴から何かが抜けて行った…

…もし本当にただの水だったらあの段差を超える事無くここに溜まって居る筈…

なのに何も溜まって居ない!…辺りには泥が飛び散って、まるで何かが

走って行った様な…そんなラッセル痕も微かだが残っている…

…オマケに魔力も感じられる!…

今までの話を総合して考えられるのは恐らく!…」


現場に辿り着いてレイヴン達が目にした光景は、文字通り押し流された様な

跡が有る家の無残な姿で…屋根は当然無く!…柱も全て薙ぎ倒されては

根っこだけが残っており!…畳は中途半端に残って居たり残ってなかったり…

座板もボロボロでドロドロ…とにかく全壊と言って良い程の荒れ様を見せて

いた!…更にその家の裏にはあのマサツグ達が余裕で通れるだけの穴が

開いており!…そこから水は抜けて行ったのか、穴の付近には泥等で汚れた

様子が見て取れた…明らかにその様子からは昨日の雨で汚れたとかそんな

チャチな物ではなく!…意図的に何かが通った跡が残されており!…

オーディックは驚いた様子で言葉を漏らし!…レイヴンはその様子にある

疑いを掛け!…周りに居るオーク達はその光景を見るなり驚きと恐怖!…

そんな感情が入り混じった表情を見せていた!…


__どよどよ!…どよどよ!!…


「……と、とにかく全員で集落の捜査に当たるだ!…

こんな感じの穴が有ったら直ぐに塞ぐだ!!…

あぁ~後何処にそれが有ったかも後で教えてくれぇ!!…

神隠しの謎を解く鍵になるかも知れねぇからな!?」


__ッ!?…んだ!!!…ダッダッダッダッダッダ!!…


レイヴンが一人冷静に推理をしている一方で、動揺を隠し切れない

オーク達を先導するよう!…改めてオーディックが指示を出し!…

調査をするようオーク達に号令を掛けると、同時に穴を塞ぐよう

指示を出す!…更に慌てた様子でその穴の開いていた場所についても

後で報告するよう声を掛けると、オーク達はオーディックの言葉で

動き出し!…全員が散開するよう展開し、それぞれ怪しい所を

調べ始めると、そのゴンザレスの家の裏だけでは無かったのか!…

次々とその怪しい穴についての報告が飛び出す!…


「ッ!?…ぞ、族長!!…ここに穴が!?…」


「こっちにもあったべ!!…ゴサクんちの裏だべ!?…」


「な!?…なん!?…フガッ!!…」


最初の見つかったを皮切りに次々その穴が見つかると、全部で五つの

数になり!…その穴のどれもが人の家の裏に隠されて有り!…今まで

見つからなかった事に対してオーディックが驚いて居ると、レイヴンも

その話を聞いて更に推理を進める!…その際一番に気になったのは

その穴の見つかった方角で…その穴の見つかった方角全てが有る一方向に

向かって居る事に気が付くと、オーディックに質問をする!…


「……場所に関しても一方向だけって感じだな?……

……因みにその沼の方向は?…」


「んだば!?……あ、あぁ~っと…ここから北東…

軽く500の距離ば歩けば着くだ…沼の割には水は澄んでるし…

鳥も良く集まる!…村のモンが狩りに行く事もあって!…

隠れたスポットとなっとるだ!…んだどもなして今それを?…」


「……いや、これで神隠しの謎が解けたかもしれないと思ってな?…」


突如レイヴンに質問をされた事でオーディックは戸惑うのだが、戸惑いながらも

沼の場所について隠す事無く答え…その他にも沼の特徴について語り出し、村に

とってどれ程重要かについても説明すると、ふと我に返った様子で逆にレイヴンへ

質問をする…急に沼の話をし始め、一体何が重要なのか?…この時オーディックは

不思議そうな表情を浮かべては首を傾げており、レイヴンはその問い掛けに対して

顎に手を当て神隠しの謎が解けたかもしれないと口にすると、その言葉を訊いた

オーディックは驚いた反応を見せるなりレイヴンへ迫るよう確認を取る!…


「ぶひゃあぁ!?…ほ、ほんとだでが!?…」


__バシュウゥゥ!!…バシュウゥゥ!!…


「ッ!?!?…あ、あぁ!…恐らくな?……

ただ今から解決するとなると色々厳しいと思う!…現に徹夜明けだからな?…

俺もそろそろ眠い!……そこでだ!…

一旦仮眠を取ってから現場に向かうとしよう!…」


「……そんな悠長な事言ってて大丈夫だか?…また雨が降って来たら!…」


いきなりのオーディックの顔ドアップに荒い鼻息と!…レイヴンは驚き焦った

様子で反応すると、一旦オーディックから距離を取り…そして確証は有るとだけ

答えて、目を輝かせるオーディックに対して今からでは解決出来ないと更に

答えると、一旦休む様に提案する!…その際自分も徹夜明けで厳しいと言った

様子で弱音を漏らすと、オーディックは急かす様に自身の不安を口にし…

だがレイヴンは安心しろと言った様子で徐に自身のゲーム内情報画面を開き!…

大丈夫とオーディックに返事してはある事を確認する!…


「あぁ…恐らくは大丈夫!…降水確率は……うん…0%!…

雨が降る事は無いだろう!…」


「ッ!?…な、何で分かるだか!?…

それにそんな自信満々!…」


「ん?…あぁ…それはこの……ッ!…ン゛ン゛!!…

俺の魔法でだ!…天気を調べる事なんて造作もない…」


「ッ!?…ほえぇ~!…やっぱ魔法って便利なモンだがな?…」


レイヴンが調べたのは自分達の居る場所の降水確率で、そのレイヴンが開いた

画面には0%の文字が…つまり雨は降らないと言う事で、オーディックに

安心させるよう降らないと言うと、オーディックはその理由に説明を求める。

当然自分達が悠長な事をして居る事でまた雨が降っては襲られると!…

警戒しての発言なのだが!…レイヴンは慌てる事無くその画面を見せようと

すると、ここでハッとある事に気が付き…雨が降らない理由について自分の

魔法で調べたからと言い訳をすると、更に調べる事は難しくないと自慢をする!…

でないと先程の根拠に対して妙な疑問が生まれてしまうからであり!…

オーディックも単純なのか、レイヴンの言葉を信じた様子で自身の家に

戻り出すと、そこでマサツグとシロの二人と合流する!…因みにレイヴンが

気付いた事とは例によってプレイヤーとNPCとの違いで…NPCにゲーム画面を

見せようとした所で空を見せて居る様にしか見えず…何を指して居るのか

理解して貰えない事であった。


__……ガラガラ!…


「……戻ったぞぉ~…って、おや?…」


__スカァ~!…スカァ~!…


「…あんだで?…どした?……お?…」


レイヴンとオーディックが戻って来るなり見た物は、シロを抱えて眠る

マサツグ達の姿であり…マサツグはその場で座禅を組む様にしてシロを

膝に乗せ、シロはマサツグに体を預けるようもたれ掛かると、今だ深い

眠りに就いて居た。そして戻って来てその光景を目にしたレイヴンは

思わず固まると、その光景を微笑ましく感じてはホッコリし!…

オーディックも顔を覗かせる様にして玄関から入って来ると、マサツグ達の

姿を見つけるなり同じくホッコリするのであった…さてここからレイヴン達も

積もる話を後にすると、それぞれ仮眠を取り出し…時間にして約5時間か…

昼の11時位に目を覚ますと、それぞれ準備を整えつつ思った事について

話して居た!…


__ゴソゴソ…ガチャガチャ…


「……ふあぁ~…まだねみぃ…

…で、そっちは如何だったんだ?…」


「…まんまだよ…家一軒無くなってた!…

まるで洪水にでも遭ったかのようにな?……その家だけが被害に遭って…

他は影響を受けて居ない!……あれは間違いなく人為的に起きてる…

それに魔力も感じられた!…十中八九人の仕業だろう…」


当然まだ眠いと言った様子でマサツグがアイテムポーチを弄りながら零し出すと、

レイヴン達にその見て来た現場について質問をし…その質問を受けてレイヴンも

返事をするよう答え始め…まるで水に押し流された様だったと端的に説明を

すると、あれは人の手によるモノだと続ける!…その際根拠に微弱ながら魔力を

感じたと話すと、その隣では同意するようオーディックが頷いて居り!…

オーディックも有り得ないと感じているのか、ただあれは自然災害じゃない!と

言った様子で腕を組み悩んで居ると、その答えを聞いたマサツグは返事を

するようある事を話し出す!…


「……そうか……こっちもある事に気が付いてな?…シロの寝言なんだが…」


「ッ!…寝言?…」


「あぁ…シロが言うには平べったくぷるぷるして…

おっきな水たまりが動いて居る様な変な生き物…

んでもってその生き物には何か石みたいなのが有って…

少し光ってたらしい……これって偶然に聞こえるか?…」


「ッ!?…いや!…今の話を聞いて関係無いかって聞かれたら!…

俺は大アリだと思う!…ってかそれを聞いて推測が確信に変わったわ!…」


マサツグが話し出したのはレイヴン達が出て行っている間に聞いたシロの

寝言で、まんま聞いた事をレイヴン達に話し!…この時オーディックは

何の事か?…と言った様子で聞いて居り!…だがレイヴンは逆に何か思い

当たるモノが有るのか、ハッとした反応を見せると納得した様子で頷く!…

そしてマサツグの言葉に対して返事をするよう関係アリと答えては、

確信したと言い!…その言葉を聞いてオーディックは戸惑い!…マサツグも

何と無く分かっているのかやっぱり!…と言った表情を見せると、アイテム

ポーチの整理を終えたのか立ち上がり出す!…この時シロはまだ眠そうに

してはマサツグの隣で大きな欠伸をしており…理解している二人の様子に!…

オーディックは説明を求めるよう慌て始めると、如何言う事かと聞く!…


「…ちょ!…ちょっと待っとたんで!!…

さっきから話が読めんでぇ!!…説明してくんろ!?…」


「ッ!…あぁ、スマン!…

結論から言うと今回の犯人は…[スライム]だ。」


「ッ!?…ス、スライムだぁ!?…………って、何だべか?…」


自分だけ分かっていない事に不安を覚えた様子で、オーディックは説明を

求めると同時に慌てた表情を見せ!…そのオーディックの反応に二人も

気付き…レイヴンが説明不足だった事を謝ると、結論から話し出しては

その神隠しの犯人をスライムと答える!…当然そのスライムの名前を耳に

すると、マサツグも面倒臭いと言った様子で静かに溜息を吐き出し…

オーディックはオーディックでその名前を聞くなり驚いた反応を見せ!…

だが暫くした後その驚いた様子はノリでやったのか、スライムって何?…

と言った様子で首を傾げ尋ね出すと、そのオーディックの反応を見た

マサツグ達は新〇劇宜しくズッコケる!…


__ズデェ!!…


「ッ!?…ま、漫画の様なボケを見せてくれるな?…」


「あぁ~っとだな?…動く水の塊って言った方が早いかな?…

コイツは魔法生物で誰かに作られでもされない限りは絶対に

自然で沸く事の無いモンスター!…コイツが湧く条件は2種類あって…

一つは精霊達の気まぐれでスポーンするか、もう一つは文字通り…

誰かが作るかの2つしかない!…更に今回は人を誘拐して居る!…

これは逆に言えば精霊達の仕業じゃないって事だ!…」


マサツグとレイヴンが揃って綺麗にズッコケると、その二人の反応を見て

オーディックは戸惑い!…マサツグも戸惑いつつ体を起こし、そんな戸惑い

慌てるオーディックに対してツッコミを入れると、レイヴンも体を起こす

なり悩みながらもスライムの説明をし始める。その際スライムが如何言った

モノなのかを簡単に説明すると、普通は存在しないと続けて話し!…

更に今回の事件において人の仕業だと言う!…その理由についても

オーディックに説明をし始めるのだが、その話を聞いてオーディックが

付いて行けるかと言うと、如何やら難色を示した表情を浮かべていた…


「せ、精霊?…動く水の塊?…そ、存在しない?…

一体如何言う?…」


「精霊達の作るスライムは妙な事にそれぞれ自我を持っていて…

自分が襲われると言った危険が迫らない限りは攻撃して来ない!…

数少ない中立モンスターなんだ!…オマケにこいつ等の主食は魔力!…

魔力の宿った物を食べる事が大半で…人を食べると言った事は

極めて異例!…それこそ滅多に無いって言った事例なんだ!…

…そしてそのスライムが人を誘拐した!…

それすなわちそのスライムは誰かに操られて居ると考えられる訳で…

その正体については…」


「ッ~~~!?!?!?…ま!…ままま待ってくれ!!…

一遍に言われても良く分からんでよぉ~!…

オラ自分で言うのもなんだが…頭そんな良くないでよぉ~お?…」


「ッ!?…っとぉ~ス、スマン!…つい夢中に!…」


事件の犯人は居るのに存在しない!?…更に相手は水の塊!?…と不可解な

事で混乱すると、オマケに精霊等と言った言葉も飛び出し!…オーディックの

頭では処理し切れないのか、コンガラガッタ表情を徐々に見せるのだが!…

レイヴンは構わず説明を続け!…更に置いてけぼりにするようスライムの

特性や食料など!…色々と情報の引き出しをレイヴンが開け閉めして見せると、

遂にはオーディックからギブアップの言葉が飛び出す!…その際自分のキャパは

そんなに良くないと言った様子でレイヴンに訴えると、レイヴンもハッと我に

返ってはオーディックに謝り!…マサツグもマサツグでその様子を苦笑いし

ながら見ており…漸く全員の目が覚めた所でその沼へ向かい歩を進め出すと、

オーディックの家を後にする!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ッ!!…おぉ!…よぉく晴れとるだでよ!!…

魔術師さんの言う通りだでな?…」


「……因みにここから沼へはどれ位?…」


「ッ!…あぁ…大体半刻約一時間だでな?

だから水を運ぶ際は大変だで…そこまでの道は整理してあるで。

まぁ迷う事はねぇべやな。」


外はレイヴンの言う通り晴天!…丁度日差しが真上から降り注ぐよう煌々と

照っており、オーディックがレイヴンの言う通りと言った様子で天を仰いで

居ると、マサツグが沼への質問をする。一体どれ位掛かるのか?…まるで

夜になる前にケリを付けたいと言った様子で尋ねると、オーディックは

マサツグの声に反応するよう振り返っては、約一時間と答え!…その道中に

関しても移動が大変だからと!…水を運ぶ際の話をしては道は既に整備済み

と話し!…迷う事は無いと言った様子でその道が有る方を指差すと、そこには

まるでマサツグ達を誘うよう木陰が出来た沼への道が有った。


「…良かったぁ~……凸凹した道を行くのかと思ったわ!…」


「いやいや!…水を運ぶのは大変だでな?…

一気に運べるよう集落の皆と協力して開拓したでがな!…

…まぁそのお陰でこうして壁を作った訳だでが…

まさか穴が開けられて有るとは!…」


そのオーディックが指す道はご丁寧に石畳で舗装されて有り、一目で道だと

言う事が分かると同時に道標にもなっており!…マサツグはそんな道を

見ては迷う心配は無いとばかりに言葉を漏らし…安堵した様子を見せると、

オーディックは再び水運びの大変さを語り出す!…その際道を舗装した時も

皆で舗装したと言っては、自慢げに胸を張って見せ!…開拓した際の木材は

建材に!…今の集落の壁にしたと意気揚々と話し出すのだが…穴が開けられた

事を思い出したのか直ぐにシュンとし…若干ショックを受けた様子を見せて

居ると、レイヴンは急かす様に声を掛ける!…


「……とにかく行ってみよう!…

スライムを作るにしても水源が無きゃ出来ないからな?…」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「ッ!?…お、おいレイヴン!?…」


「た、確かに迷う事はねぇべかも知れんが、気ぃ付けるべや!?…

一応集落の外だで!…モンスターも居るだでよ!!…」


もうショックを受けない為にも!…レイヴンはスライムの事を口にしながら

先頭に立ち!…一人我先にと進み出すと、マサツグ達を置いて行かん勢いで

歩いて行く!…そんなレイヴンにマサツグ達も慌てて付いて行くよう歩き

出すと、集落を出ては森の中へと進んで行き!…森からは鳥の囀りが聞こえて

来ては何とも和やかなムードが流れ!…本当に今からスライムを退治しに

行くのかと言った様な空気が流れて居ると、更にレイヴンのスライム講座は

続く!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……今回相手するスライムが妙な耐性を持って居なければ良いが…」


「ッ!…と言いますと?…」


日差しを多少感じられる木漏れ日の道を歩きつつ!…レイヴンが不安を口に

するようスライムの事について語り出すと、興味を持った様子でマサツグが

問い掛ける…その際レイヴンが口にしたのは耐性の話で、マサツグはその

耐性の話を聞いてスライムにどんな耐性が付くのか…一体何をそんなに

不安がっているのかを聞く様に声を掛けると、レイヴンはそれに答えるよう

マサツグの方へ振り返る…


「……例えばだ…スライムに物理が利き難いのは当然だよな?…

相手は無形の水なんだから?…」


「ッ!…あぁ…」


「これがだ…もし属性耐性が付与されて有って見ろ?…その瞬間地獄だからな?…

…オマケに今回相手するスライムは人の手が関わっている!…恐らく改造済み!…

そうなった場合もし魔法に対して耐性が有ったら!…」


「ッ!?…うわぁ!…」


「…だろ?…」


レイヴンはマサツグの方へ振り返るなり例え話をし始め!…この時同時に

スライムに物理攻撃が利き難い事を口にすると、マサツグもそれは当たり前と

言った様子で返事をし…その返事を聞いてマサツグの隣ではオーディックが

驚き!…シロも如何やって倒すのか?と悩んだ様子で話を聞いて居ると、

レイヴンはそのまま本題に入る!…その際語り出したのは先程言って居た

耐性の話で、ただでさえ物理!…斬撃・打撃・刺突が聞き辛いと言って

居るのにも関わらず、魔法も聞き辛い状態になって居たらと!…そんなのが

居たらとレイヴンから話され!…マサツグもそれを聞いて想像したのか、

直ぐに面倒臭そうな表情で言葉を漏らすと、レイヴンは納得しただろ?…と

言った様子で声を掛ける!…そしてそれを聞いてオーディックもさすがに

ヤバいと理解したのか、マサツグの隣で青褪めており!…シロはシロで

自分なりに如何するかを考えている様子で…一生懸命にマサツグの後を

付いて歩いて居ると、唸る様子を見せるのであった。

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
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王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

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蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

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魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

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