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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章八十五節 戦士達の帰還と身内暴露と討伐報酬-

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さて、一応ユニークモンスターを倒したと言う事でクエスト完了となった

マサツグ達は、森を出てハーフリングスへと戻るのだが…その帰り道の

街道沿い!…今から通常クエストに向かうのかすれ違う冒険者達から視線を

集めると、同時にギョッとした表情をされて戸惑って居た!…

何故ならその隊列の中盤ではワイトを背負って歩く冒険者マサツグが居る上に、

そのワイトに群がる美女二人が居るからである!…当然単純に反対の

道からそんな光景を見せる冒険者達がやって来ると、ついつい視線が

向いてしまう物で…すれ違う冒険者達皆から例外の無い反応を受けて

居ると、シロはその冒険者達の様子に疑問を持ったのか…徐にマサツグへ

質問をし始めるのであった。


「……ッ?…ご主人様?…

何で通り過ぎて行く人は皆ご主人様を見てギョッとした顔をするのですか?…

ただレイヴンさんを背負っているだけなのに?…」


「ッ!…え?…あ、あぁ~っと…

…それは……レイヴンが珍しい人間だからだよ!!」


{人間と言うよりは屍だけどな!!……}


シロはレイヴンみたいに骨の人間も居ると言う風に受け取って居るのか…

とにかくその冒険者達の視線に疑問を持った様子でマサツグに質問をし、

その問い掛けに対してマサツグも如何答えたものか…と悩み出すと、

苦し紛れの回答が自ずと出て来る!…その際マサツグ自身も心の中で

自身にツッコミを入れて苦笑いをすると、チラッとだけレイヴンの様子を

確認し…レイヴンは今だピクリともせず本当に屍の様で、そんなレイヴンに

飽きもせずエルメダとテレアがキャッキャッと子供の様に夢中になって

居ると、シロはマサツグの言葉に納得したのか疑問の解けた表情を見せる。


「ッ!…ほぇ~!…レイヴンさんは珍しい人だったんですか!?

凄いです!!……そう言えばご主人様みたいに何と言いますか……

美味しそうな匂いがしないのです!!」


「……やっぱり捕食対象で見てるのな?…まぁ良いけど…

とにかくそろそろ町に辿り着きたいな…回復云々の前に視線が…」


「……ッ!…町が見えて来たぞ!…

いやぁ~…出た所が悪くて少しばかり遠回りになってしまったが…

何とか無事に辿り着けそうだ!…」


納得した様子でシロがマサツグの隣を歩いて居ると、マサツグとレイヴンを

比べ出すのだが…その比べる内容もやはり食べる事でしか考えて居らず!…

その事にマサツグがツッコミを入れて若干呆れつつも苦笑いをして居ると、

もはやその他の冒険者達からの視線にはウンザリして居るのかぼやき出す。

そうしてマサツグが早く町に帰りたいと言った様子で零して居ると、ガイアスが

見えて来たと声を掛け!…若干時間が掛かった事に反省しながら一同は

ハーフリングスへと戻って行くと、その玄関口を潜るなりある光景を目にする。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ふぅ~!…何とか帰還!…お疲れ様!!…

いやぁ~!…今回は本当に疲れ……ん?…」


まず最初にその光景を見つけたのはガイアスであった…視線はあのギルド建設

現場…あのマスターオーダークエストの説明が有った場所で、冒険者達が

その場所で何やら騒がしく集まって居て、一緒にロディの姿も見つけるので

あった。この時ロディはその集まって来た冒険者達一人一人に何かアイテムを

渡しては、労いの言葉を掛けており…その労いの言葉に集まった冒険者達が

ビクビクとした反応を見せつつも、アイテムを受け取るなり足早にその場を

後にして行っていた…


「はいご苦労様♪

またよろしくね♥」


「は…はいぃぃ!!!……」


「……あれは一体?…」


「……ん?…如何したんだ?…」


当然そんな光景に疑問を持ったガイアスが視線を向けて居ると、同時に

マサツグ達も気付いた様子で…マサツグはレイヴンを背負いながら、何を

見詰めて固まって居るのかとガイアスに声を掛けると、ガイアスは戸惑った

様子ながらマサツグに答える。その際ロディの事を指差しながらガイアスは

答えるのだが、ガイアスが疑問を持ったのはロディに対してではなく…

集まった冒険者達に向けてであった。


「…ッ!…いや…アレ?…」


「え?……ッ!…あれは?…」


「多分クエスト報酬の受け取り口だとは思うんだが?…妙に警戒…

いや、怯えた様子を他の冒険者プレイヤー達が見せて居るから…

一体何が有ったんだと思ってな?…」


「ッ!…え?…あぁ……

あれはぁ…分からない方が良いかも…」


「……え?…」


ガイアスもその集まっている様子が何なのかは分かっている様子でマサツグに

話し出すのだが、その怯える理由については分かって居ない様子で…その予想外の

ガイアスの反応にマサツグがどう答えたものかと戸惑いながらも理解出来ない方が

良いと答える。当然その答えを聞いたガイアスは戸惑った表情を見せてはマサツグに

視線を向けるのだが、マサツグはそれ以上に答えようとはせず!…さすがの

エルメダとテレアも…ガイアスの反応に呆れた表情を見せると、互いに顔を

見合わせては両手を上げて首を左右に振り始める。確かに相手が誰であろうと

にこやかに笑いその参加した冒険者達の両手を握っては感謝をする!…そんな

ロディの姿を普通に見れば尊敬すべきギルドマスターの姿なのだろうが、それは

普通の格好をして居たらで有り!…この時のロディの格好は忙しかったのか、

頭に安全第一ヘルメットを被り!…いつもの様に燃える様な赤いブーメラン

パンツ一丁の姿で仁王立ちするその姿はやはりガチムチの黒い巨人にしか

見えない!…


「おぉ~っほっほっほっほっほ!!…さぁ!…お次は何方ぁ~!!!♥」


__うげぇ!!!…


「おぉ~っほっほっほっほっほ!!…って、おや?…あれは?……ッ!…

……ちょっとゴメンあそばせ!…急用が出来ちゃった♥」


「え!?…ちょ、ちょっと!?…」


幾ら相手がギルドマスターと分かっていても本能的に警戒をしてしまう

冒険者達!…更に受け渡し口の列がロディのみと言う!…中々の圧に

下手なモンスターと対峙する時より覚悟が居る状態になっており、列に並ぶ

冒険者達も報酬が欲しいと思う反面!…自分の番が来ない事を願う始末で、

それぞれ精神的に何かを受けた様な微妙な表情を見せて居た…

そしてそんな光景を見ているマサツグ達も思わず苦笑いをしてしまうのだが、

当然自分達も報酬を受け取りに行きたい訳なので!…アレに並ぶのか?…と

言った様子で遠目からその様子を見詰めて居ると、ロディはマサツグ達に

気が付いたのか!…後の報酬受け渡しをお付きのギルド職員に任せると、

笑顔でマサツグ達の方に駆け寄る!…


__……ドドドドドドド!!!!…


「ッ!?…こっちに向かって来た!?…」


「ちょ!?…な、何で!?…」


「しかも内股走りで猛烈なスピード!!…

怖い!!…さすがの私でも怖い!!…」


マサツグ達を見つけるなり猛スピードでロディは駆けて行き、その様子に

突如任されたギルド職員と並んでいた冒険者達は驚いて、ただただ

駆けて行ったロディの後ろ姿を見詰めて居た…そして視点はマサツグ達の

方に戻ると、マサツグ達から見たロディの様子は…猛スピードで

オネェ走りのロディが迫って来ており!…マサツグが酷く戸惑った様子で

何故!?…と零して居ると、テレアもその様子に驚いた表情でたじろぎ!…

エルメダもこのホラーは好きじゃない!とばかりに怖がっていると、ロディは

直ぐマサツグ達の居る場所に辿り着いて再会を喜び出す!…


__ドドドドドドド!!!!…ザシュン!!!…


「…ふぅ!…数時間ぶりねぇ~!!!♥…大丈夫だった!?…

確かにユニークモンスターが居るとは言ったけど…

まさかまたコカトリス!…ううん!…それもヴェノムコカトリスなんて!!…

嫌な予感は薄々して居たから心配して居たけど!…

本当にまさかだけど案の定だわ!!」


猛烈な勢いでロディが駆けて来てはマサツグ達の前で急ブレーキを掛け!…

仁王立ちでマサツグ達の前にスッと止まって見せると、後から風圧が

追い掛けて来る!…当然普通の人間に出来る筈も無い芸当なので!…

マサツグ達は驚いた表情のまま固まってしまい!…だがロディはそんな

マサツグ達の事など御構い無しに自分のペースで話し出すと、まずは

心配して居たと言葉を掛ける。その際自身がNPCであるようロディが

突如立ち振る舞うと、その様子にマサツグは戸惑い!…だがハッとして

辺りを見渡し…ガイアス達が居る事を確認すると、納得した様子で

声を掛ける。


「ッ!…え?……ッ!……

…っと、言いますと?…」


「………とにかく無事で良かったわ!!…

さぁ、あっちで報酬の受け渡しをするわ!…」


「ッ!…えぇ?…」


__……ポポ~ン!…ッ!…


マサツグは心配していた理由について尋ねるようロディに問い掛けるのだが、

ロディは答えず…と言うよりもよく聞き取れなかった様子でマサツグの言葉を

流すと、報酬の受け渡しと言ってはその受け取り口へと案内し始める。

これにはマサツグも戸惑った様子で言葉を漏らすのだが、改めて聞くには

色々と不味く!…仕方ないと言った様子でとにかくロディの後を付いて行き…

後で話しを聞こうと考えて居ると、突如個人チャットの方で通知が来る。


{…ッ!…個人チャットに通知?…

…このタイミング…ってか誰?…ッ!…}


[差出人:ロディ  件名さっきの話♥]


…無視してごめんなさいねぇ~!!!♥

でもあの状況だと他の子達に聞かれちゃいそうだしぃ~!…

私としてもバレちゃったら色々と不味いしぃ~?…

今はこの状態でお話させて貰うわね!…っで、結論から言うと…

最近のデータ確認で鳥系モンスターの項目を運営チームで確認・修正作業を

して居たらあるモンスターの所だけデータに無い能力が付与されてあって!…

急いでデータを戻したのよぉ~!!冗談じゃないわよぅ!!…]


{…ッ!…修正?…

それにタイムリーに鳥系のモンスターで、心配してた…ッ!…

まさか!…}


個人チャットに通知が来るとマサツグは戸惑い!…一体誰が送って来たのかと

確認すると、その差出人はロディであった!…先程のやり取りについてワザと

聞き逃した風に無視した事を謝る文面が書かれて有ると、その訳もつらつらと

書かれてあるのだが…それよりも気になるは今のロディの方で、今も尚

マサツグ達やガイアス達に他愛も無い雑談をして笑顔を見せて居ると、その

文章をいつ打ったのかと思わず考え出してはマサツグは困惑する!…確かに

考えた事を文章に起こしてそれをそのまま添付!…チャットにすると言った

密談も出来るのだが、当然喋りながらだとそれも難しい訳で!…なのにロディは

平然とやって見せ、マサツグは驚きながらもそのチャットに対して同じ様に

文章を返すと、更にロディからチャットが来る!…


__ポロン♪…


[差出人:ロディ  件名 Re:さっきの話♥]


その通り!!…ヴェノムコカトリスよ!!!…

もうほんとやんなっちゃう!!!…まるで狙った様にこんな事が起きて!!…

しかも本来なら「」なんて使わない筈なのに!!!…

…マサツグちゃん達は戦っただろうから知ってるけど!…

アレをされると徐々にTPが消費されて遂には動けなくなっちゃうのよ!!!…

そんな凶悪な技!!…最後の確認ミスでアクティベート有効化されてたって!!!…

もう!!…そんな事したらただでさえしぶといコカトリスが

実質討伐不可能になっちゃうじゃないのよ!!!…

…最悪私が出る破目になって居たのだけど!!…

マサツグちゃん達が倒しちゃうなんて!!…ほんと恐ろしい子!!…]


{お…恐ろしい!…って、俺達も結構ギリギリ…}


ロディから送られて来た二度目のチャットからは怒りが感じられるのだが、

やはり何処か軽く!…マサツグ達が戦ったヴェノムコカトリスは予想通り!…

不具合が有った事をロディが暴露すると、更にあの戦闘エリアを不毛な土地へ

変貌させた技までバグだと綴る!…その際あの技を黒のフィールドと呼んで

居るのか有り得ない!…と書いてはその効果まで説明し、運営側の確認ミスか

どうかは分からないものの…とにかく有効化されてあった事を書くと、今回の

ヴェノムコカトリスは特別仕様の物だと説明する!…そして最悪ロディ自ら

出る予定だった事まで暴露すると、倒した事に驚いたと書いて有り…それを

見てマサツグも苦笑いし、ギリギリだったと返信しようとして居ると、

マサツグの背中でグロッキー状態だったレイヴンが目を覚ます。


「……うぅ…あれ?…いつの間に町へ?…」


「ッ!…そう言えば何でさっきからレイヴンちゃんを背負って?…

それもかなり消費している様に見えるけど?……ッ!?…

まさかヴェノムコカトリスにやられちゃった!?…」


__ババッ!!…ズイっ!!!…


「え?……ッ!?!?!?!?…」


やはりヴェノムコカトリス戦での疲労が祟ったのか…いつの間にか寝落ちして

居た様子で目を覚ますと、寝惚けながらも町に帰って来て居る事に戸惑い…

ロディもここで漸く気が付いたのか…起きたレイヴンに対して不思議に思い、

マサツグへ質問をしながら、レイヴンの状態を確認する。この時さすがギルド

マスターか、直ぐに酷く消耗して居る事に気が付きレイヴンを確認すると、

直ぐに結論が出たのか慌てた様子で心配し!…その際レイヴンへ詰め寄り!…

その濃い自身の顔を擦り付ける様に近付けると、レイヴンも気付いて

振り返り!…そこでレイヴンとロディがバッティングしそうになると、レイヴンは

これまでにない位に慌てた様子で背中から転げ落ちる!…


「どわあああああああああhふぃうあsぎすhrgぅへwぐぁ!!!!」


「ッ!?…きゃああああああああ!!!」


__わたわた!!…ドシャアァン!!!…


レイヴンが途中から声にならない悲鳴を上げて居ると、ロディも釣られて悲鳴を

上げては珍しく仰け反り!…そんな二人の様子に周りの者達も何事!?…と

言った反応で驚き視線を二人の方に向けると、確認する様に凝視する。

その間辺りは奇妙な沈黙に包まれるのだが、事の発端を知って居る

マサツグ達は如何したものか?…と言った様子で戸惑い!…事態の収拾に衛兵まで

飛び出して来そうになって、まず沈黙を破ったのはロディであった!…


「…び!!…吃驚したあぁ!!…

…ちょっと急に大声を出さないで頂戴!!…

それも人を化け物みたいに!!…って、あら?…」


「吃驚したんはこっちの方や!!!…振り向いたら間近の濃い顔って!!…

心臓が飛び出て死ぬかと思った!…」


「ッ!……既に死人なのにか?…」


「じゃかぁしわ!!!」


一度は仰け反った体を戻すと驚いた表情で一言呟き、レイヴンに文句を言うよう

プリプリと怒り始めると、ふとあるモノが目に入ったのか直ぐにその態度も

スッと変わる…それに対してレイヴンは反論するようツッコミを入れると、

自身の胸に手を当てては心音を抑える様に息を切らし!…周りの目等何のその!…

本当に心臓が飛び出る思いをしたのか酷く動揺した様子でその事を言葉にすると、

ある意味で空気を読んだのかマサツグがレイヴンにツッコミを入れる。そうして

その言葉を口にすると間髪入れずにレイヴンの逆ツッコミが入り!…

結局事件性が無いと言う事でか、衛兵達が異常無しとばかりにその場をスルー

しようとして居ると、ロディがレイヴンを見詰めて珍しいと声を掛ける。


「……レイヴン…貴方アンデッドだったのね?…

いや、こうしてアンデッドの冒険者を見るなんて初めてだわ!…」


「ッ!…え?…ほ、他にこういったレイヴンさんみたいな…

アンデッドの冒険者って居ないのですか?…」


「…えぇ…私の知って居る限りだと彼が初めてね!…

ワイトは魔法に関しては他の種族より群を向いて高いけど…

影が薄いと言うか何と言うか…単純に彼みたいに正気を保って居る者が

居ないってのも有るけど…一番の理由は無駄に敵視される可能性が

高いって事に原因が有って…今の所そんな目立って見た事無いのよ…」


「ッ!?…そ、そうなんですか……」


ロディが珍しがったのはレイヴンがアンデッド…ワイトだったと言う事で

あり、初めて見たと言った表情でレイヴンの事を見詰めて居ると、テレアは

そのロディの言葉に興味を持った様子で質問をする。その質問と言うのも

他にアンデットな冒険者は居ないのか?と言う事であり、若干戸惑った

様子でロディに質問をするのだが…ロディから帰って来た言葉は肯定に近い

否定、更にその理由も付け添えられ…その言葉を聞いて何故かエルメダが

一人ショックを受けた様な反応を見せて居ると、ここで妙なタイミングで

ロディからチャットが届く。


____ポロン♪…ッ!…


[差出人:ロディ  件名 Re:さっきの話♥]


…と言うよりも…この種族で始めようと思ったらスキルガチャの方で

引き当てるしか今の所他になる方法が無いんだけどね?…

…後この種族を担当していたグラフィッカーからは…


{聞いてくれ!!俺ワイトを作ったんだけど!!…

めちゃめちゃ頑張ったんだけど!!!特にワイトが目を覚ますモーション!!…

超こだわったから見てくれよな!!!}


…って、まるで何徹目かのテンションで言ってたっけ?…

まぁさっきの様子じゃ見れなかったと思うけど…]


{…いやいや…一々裏の話をして来なくても!…

…てか何徹目って!…案外ブラックなのか?…}


ロディからの内情暴露は今だ続いており…レイヴンみたいにアンデッドの

冒険者が居ない本当の理由を読まされると、マサツグは反応に困る!…更に

読み進めるとその担当者との内部会話まで飛び出し始め!…平気で暴露して

いるロディに戸惑いつつ!…その内情暴露の内容を見て意外とヤバイ?…と

言った様子で一人思わず引いて居ると、話は漸く報酬受け渡しの話になり

始める。その際レイヴンも自身の脚で歩けるよう回復したのか、マサツグ達と

共にその受け取り口まで移動し…そこでロディはマサツグ達に対して振り返り、

腰に手を当て仁王立ちすると、あるアイテムを出す様に指示し始める。


「…………おほん!!

じゃあ、まずヴェノムコカトリスを倒した証を私に渡して頂戴♪」


「ッ!…証?って…あのバッジみたいな奴?…」


「そうそうそれそれ!…さぁ!」


「え?…あ、あぁ…」


ロディが要求して来たのはあの討伐の証のバッジで…マサツグ達に右手を

差し出しクイクイッ!…とやって見せると、その様子にマサツグは若干戸惑う…

その際ロディに確認するようバッジの事か?と尋ねると、ロディは笑顔で何度も

頷いて返事をし…更に急かすよう声を掛ける。

マサツグは急かされた事に慌てながらもその討伐の証を取り出す。この時その

他のメンバーも討伐の証を取り出しては順番待ちをする様に、マサツグを先頭に

待って何が起きるのかとロディを見詰め…マサツグもその討伐の証をロディに

手渡すと、ロディは驚く事をし始める!…


「そうそう、これこれ♪…さぁて!…墳!!!」


__メキャアァ!!!…


「ッ!?…うえぇ!!!…」×5


ロディは何を思ったのか笑顔でその討伐の証を受け取ると、突如片腕に力を

入れては討伐の証を握り潰し!…音を立てて討伐の証は崩れ去り!…その様子を

見ていたマサツグ達も驚きの声を挙げて居ると、次にロディはスッと手を開いて

有るモノを見せる。その握り潰した手の中に有った物とは…アイテムらしき紫色の

光で、スッと浮き始めたかと思えば…マサツグに向かい飛んで行く。


__……ポゥ!…フワァ!!…ッ!…チャリッ…


「…ふぅ!…おめでとう!!

それがモンスター討伐者に贈られる言わば証拠品よ!!

勿論装備品としての能力も付いているからレアアイテムよ!!」


「ッ!…レ…レアアイテム?…それってこれと一緒って事?」


紫色の光がマサツグに向かい飛んで行ったかと思えばマサツグの手の中に納まり…

そして実態を持つよう装飾品に変化すると、それを眼前で目撃していたマサツグ

共々ガイアス達は驚きの表情を見せる!…そうして驚いて居るマサツグ達を尻目に

ロディが手を叩いてマサツグ達へ称賛の声を送って居ると、その装飾品をレア

アイテムと説明し!…それを聞いてマサツグはハッとし!…今自身が着けている

トカゲの腕輪をロディに見せると、ロディはマサツグが見せた腕輪をジッと

見詰めてはほう!…と言いたげな表情を見せる。


「ッ!……そう言えば…

騎士団長様と一騎打ちするきっかけになったのはそのトカゲが発端だったわね?…

…ン゛ン゛!!…結論から言うとイエス!…その通りよ!!…

物によっては武器や防具になるけど…特に装飾品等に関しては人気が高い分類ね♪

見た目でもハッキリと反映されるし!…一目で力量が分かるし!…

何より普通に綺麗でカッコいいって言うのが人気の理由みたいね!…

…まぁ、私はこの肉体が有るから要らないけど?…」


__グッ!!…ガッ!!!…


「いや聞いてないですし…」


ロディは珍しいと言った様子で腕輪を見詰めた後…思い出した様にある出来事を

話し出すと、その話にテレアが食い付く様な反応を見せる!…しかしロディは

それを見越したかの様に咳払いをすると、制止を呼び掛け!…テレアもそれに

気が付いた様子でハッと我に返り!…ロディもそれを確認した上でマサツグの

問い掛けに対して返事をすると、また細かい討伐の証の説明を話し始める。

話の内容を聞く限りその討伐の証は色々な物に化けるらしく、武器や防具にも

変化するらしいのだが…中でも装飾品等が人気で有ると説明をすると、その理由も

嬉々として語り!…その際最後に自分の肉体には必要ないとばかりにポージングを

決め出すと、その様子にマサツグは苦笑いしつつもツッコミを入れる。そうして

説明も終わった所で後のレイヴンやシロ…ガイアス達も同じ様に報酬を受け取る

のだが、その報酬の受け取りが終わった瞬間!…テレアが興味を持った様子で

マサツグに近付くと、改めて確認をし始める!…


「ね、ねぇねぇ!!…貴方があのマサツグさん!?…」


「ッ!…え?…あのマサツグさんって?……

…まぁ確かにマサツグだけど?…」


「…その子が言いたいのはさっきの話の事よ!…マサツグちゃん!!

そして代わりに答えるとするなら!…答えはイエス!!…

彼こそが駆け出しであのイケメン騎士団長様に喧嘩を吹っ掛けて

勝っちゃった剣士!…何ならここを解放した勇者様とも呼ばれて居る!…

トンデモプレイヤーマサツグとはこの子の事よ!!!」


「ッ!?…何でそんな無駄に誇張を!?…」


テレアは突如ピーカブースタイルで両腕を構えるとマサツグの名前を確認し!…

その突然の問い掛けに戸惑いつつもどのマサツグさんかは分からず…とにかく

自分の名前がマサツグである事を肯定すると、そのマサツグの答え方にロディは

呆れる…そしてそんなマサツグに助け舟を出すよう代わりに答え始めると、

ロディはアピールする様に話し!…マサツグもそんなロディの様子に戸惑いを

覚えて居ると、テレアはその言葉を聞いて目を輝かせてはマサツグに質問を

し始める!…


__ズイズイ!!…ッ!?…


「じゃ…じゃあ!!…あの駆け出しであの騎士団長を倒したあの!?…」


「あ…あれはなりゆき…と言うよりその場のノリで…ッ!?…」


「その後も色々と騒動が起きる度に解決しては姿を消すあの!?…」


「い、いや…単純に忙しなく…と言うよりは振り回されて……

と言うより何でそんな憧れのヒーローを見つけた様な視線を俺に?…」


詰め寄って来るテレアのそれは本当に憧れの人を見つけた様で!…

マサツグとの間合いを詰める様に迫って来ては目を輝かせ!…その様子に

マサツグも戸惑いながら答えて居ると、何故か後方ではロディが腕を

組んで頷いて居た…まるで共感出来るとばかりに何度も頷いてはマサツグの

保護者になったかの様に振舞い!…その様子にレイヴンはえ?…と言った

様子で思わず困惑し、マサツグもその迫って来るテレアに対して如何

対処すれば!?…と言った様子で困惑して居ると、そのマサツグの窮地を

救ったのはシロであった。


__スッ!…ババッ!!…


「ッ!!…え?…ッ!…」


__むぅ~~!!!…ディ~フェンス!!…ディ~フェンス!!


「え?…えぇ?…」


マサツグとテレアの間に割って入るようシロが体を割り込ませると、テレアも

何かにぶつかった事で一度足を止め!…そして何にぶつかったのか?と確認し

始め、そこで膨れっ面のシロが両手を広げて不服そうにしている姿を見つけると、

その様子にテレアは戸惑い出す!…当然その様子を見ていたレイヴンとロディは

やっぱり!…と言った様子で笑うと、同じ様にエルメダとガイアスも思わず

吹き出し!…シロはシロでマサツグを守ろうとして居るのか!…テレアに対して

膨れた表情のまま無言の圧を見せて居ると、エルメダがテレアに制止を呼び

掛ける!…


「……ほぉら!…

こんな小さなボディガードさんの手を煩わせるんじゃないの!…

ちゃんと有名人とお話がしたければアポを取りなさい!…常識でしょ?…

…まぁ研究熱心なのは別に悪い事じゃないけど…」


「で、でもぉ!!…」


「また今度!…これ以上迷惑掛けるのは失礼でしょ!…

一旦は落ち着きなさい!…」


「……はぁ~い…」


まるでテレアの母親にでもなったかのようエルメダが諭し、

一旦落ち着く様に声を掛け…だがテレアは子供の様に駄々を捏ね!…

パッとエルメダの方に振り返り口答えしようとすると、すかさず

それを更にエルメダが慣れた様子で窘める!…もはやこれはいつも

通りなのかガイアスは呆れた様子でテレアを見詰め…テレアもそんな

ガイアスの視線に気が付いたのか、諦めた様子で項垂れ出すと

反省の言葉を口にする…その際テレアの様子はまるで怒られた

五歳児の様で…マサツグはそれ見て逆に戸惑い、シロはシロで膨れた

様子のままマサツグの体を攀じ登り出すと、ただただ鼻息荒くムフゥ~!…

と、するのであった。

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

【完結】私だけが知らない

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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

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