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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章六十節 約束の一撃とまさかの登場と色仕掛け-

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憎きゲスデウスを遂に追い詰め!…眼下にその本人を転がして今だ冷徹な

殺意を向け続けるマサツグ!…そしてフィアナから鋭い眼光・教訓めいた

説教を受けた事でゲスデウスは思わず怯んで居たが、まだ反抗する気が有る

のかその説教をして来たフィアナに対して攻撃をしようとする!…

その予兆を見逃す筈も無いマサツグが直ぐにゲスデウスの両腕と両足を斬り

飛ばしてしまうと、呆れた様子で溜息を吐き出す!…


「ッ~~~!!!…イ、言ワセテオケバ!!!…

民ガ王ダト!?…ソレコソ寝惚ケタ事デハ無イカ!!…

ヤハリ何モ知ラナイ小娘風情ガ!!!…

上下ノ関係ガ有ルカラコソ規律ト言ウ物ガ出来ルノダ!!!

貴様コソ分カッタ様ナ口ヲ!!!…」


__ッ!…ズババババァン!!!…


「ッ!?…グアアアアアァァァァァァァ!!!!」


「……はあぁ~…本当に懲りねぇな?…

テメェはもう負けたんだよ!…俺にも…フィアナにも!…

…一応だがテメェの言う規律ってのには同意出来る!…

上の者が進むべき道を提示・先導し…

下の者は先導される事で物事を覚えて行く!…

間違ってはいない!…だがテメェのやって居る事はただの自己満足だ!!…

それを正当だと抜かすテメェに誰も付いて行かねえし!…

王だって見詰める気もサラサラ無い!!!…ましてや!!!…

テメェの民を巻き込んでの戦争をおっ始める様な奴を!!!…

誰も真面だとは思わねぇだろうよ!!!」


マサツグももう驚かない様子で反抗しようとしたゲスデウスの両腕両足を

斬り飛ばすと、再びダルマ状態にして再度床に転がし!…何も出来ない

状態のゲスデウスはまたもや両腕と両足を失った事で叫び声を上げると、

痛みに耐えられずのた打ち回る!…幾ら斬られても確かに再生するのだが、

それは同時に痛みを再度味わうと言う事で…マサツグも呆れた様子で溜息を

吐くとゲスデウスに負けを認めるよう声を掛け、その際一部ゲスデウスの

言葉を認めた様な事を口にするが、直ぐにゲスデウスのやって居る事は

間違っていると強く否定する!そうしてまだ殺さない様子で刀をゲスデウスの

眼前に突き付けては牽制・拘束し、更に怒りを露わにするとゲスデウスに

対してマサツグが説教をし始める!…


「……丁度良い…何で俺がキレて居るか……分かるか?…」


「ッ!?…ナ、何ヲ急ニ?……ッ!?…」


「俺はなぁ…テメェに今猛烈な程に怒りを覚えてんだ!!…

テメェに冤罪を掛けられた事!!…独房に入れられた事!!…

自国の民だってのに甚振って遊んでいたって事!!!…」


「ッ!?…」


ゲスデウスに問い掛けるようマサツグが怒り交じりの声で話し掛け出すと、

そのマサツグの様子にゲスデウスは戸惑い!…そんなゲスデウスの様子等

お構いなしにマサツグは続けて左手に握っていた刀を鞘に仕舞い出すと、

その左腕で四肢を失ったゲスデウスの首を掴んでは持ち上げ!…

目を逸らせない様に頭を固定してしまうとゲスデウスの顔を眼光鋭く睨み

付けて、怒りの言葉をぶつけ出す!…当然そんな状態で話し掛けられている

ゲスデウスは更に怯えて困惑し、何が何だかと言った狼狽えようを

見せて居ると、更にマサツグの怒りの言葉は続く!…


「モンスター共を引き連れてはこの国を襲い!!!…

更に皆を恐怖に落とし込んだ事!!!!…何よりも!!!!!…

俺のに手ぇ出して喜んで居た事が何よりも許せねぇ!!!!!!」


__ギュウウウゥゥ!!!…ッ!?…


「グッ!!…ガァ!!…アアァァ!!!……」


「歯ぁぁ食い縛れええええぇぇぇぇぇ!!!!!」


__ドゴオォォ!!!!……


マサツグが怒りの言葉を口にする度にそのゲスデウスの首を掴む力は

増して行き!…ゲスデウスも苦しむ様に藻掻き出すのだが腕や足が

無いので抵抗するに出来ず!…マサツグの手から逃れる事が出来ない!…

激怒した様子でマサツグはゲスデウスを自身の顔の位置と同じ

高さに持って来ると、右手に刀を握ったまま拳を固め!…思いっきり

その右拳を振り被ると、ゲスデウスの左頬に鋭いストレートを叩き込んで

ゲスデウスをぶっ飛ばす!…


「ッ!?…グバアアァァ!!!!…」


__ダンッ!!…ダンッ!!…ザザアァ!!……


「……さてと?…」


__クルッ……コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!?…


マサツグに右ストレートを貰ったゲスデウスは悲鳴を上げてそのまま

吹き飛ぶと、受け身を取る事出来ないまま弾んで転がって行く!…

それは間違い無く最初ゲスデウスに会ったらと言っていたマサツグの

言葉通りの行動であり、思い立った様にそれは実行され!…ゲスデウスは

転がったまま悶絶した様子で動かなくなり、マサツグもその様子を声に出して

確認した所でフィアナ達の方に振り向き出すと、マサツグは表情を

変える事無く刀を手に歩き出す!…当然そんな殺意マシマシの表情を

見せて向かって来るので…フィアナ達は戸惑い出すと、マサツグに

慌てた様子で声を掛け出す!…


「ッ!?…え?…マサツグ?…」


「マ…マサツグ…様?…」


__コッ…コッ…コッ…コッ………チャキッ!…スゥ!!…


「マ、マサツグ!?…ッ~~~~~!!!」


二人は直にその殺意の表情を向けられている事で怯えた様子を見せつつ、

恐る恐るマサツグの名前を呼び声を掛けるのだが…マサツグは一切

返事をする事無くそのままフィアナ達に向かい歩き続けると、更に不安と

不気味さを煽り!…そうしてマサツグが再びフィアナとミスティーの

前に立つと、マサツグは無言で二人の前で刀を構え!…

その様子にフィアナとミスティーが思わず殺される!?…と言った様子で

怯えた表情を見せて居ると、マサツグは何も言わないままその構えた

刀を振り下ろす!…


__フォン!!!…ズバアァン!!!ズバアァン!!!……


「ッ~~~~!!!!……え?…」


__ゴゴゴゴ!…ズダァン!!!…


「……え?…」


まるで殺意に飲まれた様な表情を見せてマサツグが刀を振り下ろすと、

フィアナとミスティーは怯えた表情のまま共のギュッと瞬間的に

目を閉じ!…若干目に涙を溜めてマサツグに斬られたと死を覚悟する

のだが、痛み等は全くなく…何も感じない事にフィアナとミスティーが

恐る恐る目を開け状態を確認すると、その眼前にはやはり刀を振り

下ろした様子で硬直するマサツグの姿を見つける…そして改めて自身の

身が斬られていないかを確認し始めるのだが、やはり斬られては居らず…

ただ自分達の背後より何かがズレ動く音が聞こえ出し、次に磔にされて

居た筈の鎖等が真っ二つに斬られ!…フィアナ達の足元に転がり出すと、

そのズレ動く音の正体はこれとばかりにX字の磔台が後ろに倒れる!…

そうして自分達が解放された事にフィアナ達は気付くのだが、如何も

腑に落ちず!…ただ二人して困惑した様子を見せてマサツグを見詰めて

居たが、ミスティーが再び恐る恐る声を掛け出す。


「……マ、マサツグ…様?…」


__クルッ!…ッ!?…


「……ッ?…はいよ?…どった?…」


「ッ!?…え?……えぇ?…」


ミスティーの呼ぶ声に反応するよう…マサツグはポーズをそのままに顔だけを

ミスティーの方に向け出すと、その挙動にミスティーは怯え!…怯えつつも

マサツグの顔を改めて確認しようと恐る恐る確認すると、そこには先程までの

殺意マシマシの表情が嘘の様に晴れ!…いつもの飄々とした様子を見せる

マサツグの姿が有った。その際ミスティーの呼び掛けに答えるよう気の抜ける

感じで返事をし、その返事が返って来た事にミスティーは困惑し…

マサツグの読めない雰囲気の変わり様に戸惑った表情を見せて声を漏らして

居ると、マサツグはスッと元の状態に立ち直って刀を直す。


__フォンッ!…スウゥ…キン!…


「……ッ?…何をそんなに驚いてんだ?…

助かったってのに?…」


「え?…いや…その前に…」


「ッ~~~!!!…マサツグゥ~~~!!!!」


マサツグが突如憑き物が無くなった様に元の態度に戻ると、いつもの様に

二人へ接し出し…その何事も無かったかの様にマサツグが振舞って居る事で

ミスティーはとにかく困惑した様子を見せると、マサツグに尋ねるよう

言葉を掛ける…しかしそれよりも先にフィアナが感情を爆発させる様に

泣き出すとマサツグに抱き着き、余程気丈に振舞おうとしていたのか

その反動が帰って来たとばかりに!…子供の様に泣きじゃくり始めると、

その様子を初めて見たのかマサツグと一緒にミスティーが戸惑い出す!…


「「ちょっ!?…フィアナさん(お姉様)!?…」」


「うわああああぁぁぁぁぁん!!!…

ごわがっだよぉ~~!!!…死んじゃうがどおもっだよぉ~!!!」


「お!…お姉様!!…落ち着いて下さい!!!…

た!…確かに!!…ッ~~~~!!!…こわがったでずが!!…」


「ッ!?…ちょ!?…ミスティーも!?…」


フィアナの緊張の糸が切れたのか?…もはやキャラ崩壊する位に幼児退行しては

マサツグに抱き着いて泣きじゃくり出し!…その様子にツッコミを入れるよう

慌ててミスティーが声を掛けるが、ミスティーも感情の限界なのか泣き出し

始める!…そんな二人の様子にマサツグは慌て出すととにかく二人を宥めようと

するのだが、二人揃ってマサツグをガッチリホールドしてシロ以上に離れる

気配を見せない!…


「と、とにかく落ち着いて!!…まだ終わって無いから!!!…

あの馬鹿まだ居るから!!…いったん後ろに隠れて!…離れて!…」


__ガッ!…ッ!?…グッ!ガッ!グッ!……


「だあぁはあぁぁ!!…離れねぇ!!!…」


まだゲスデウスに止めを刺して居ない事!…安全を確保する為に解放した事等を

挙げて二人を落ち着かせようとするのだが、二人は泣き止まず!…それでも今は

危ないと!…何とか引き剥がして隠れるよう指示をしようとするのだが、二人は

頑なに離れず!…何度試しても離れない事にマサツグは息を切らし!…身動きが

取れない事に嘆き始めて居ると、空気を読まないゲスデウスはその場に転がり

ながら笑い始める!…


「…ぜぇ!…ぜぇ!……グッ!!…ぐふふふふ!…」


「ッ!?……まぁだ笑うだけの元気は有るのか?…」


「…当たり前であろう?……私はまだ負けていないのだからな?…

…所詮私はこの国を手に入れようとした野心家に過ぎない!…

はここからだ!!」


「ッ!……」


突如聞こえて来たゲスデウスの笑い声に反応するようマサツグが瞬時に

背を向けたまま臨戦態勢に入ると、ゲスデウスに威嚇し!…

ゲスデウスはそのマサツグの威嚇に対して死を悟っているのか、ただ

皮肉そうに笑っては自分が噛ませ犬である事を話し出し、別に目的が

ある事を明かすと、その言葉にマサツグは若干の驚きを覚える。

そうして動けないなりにも首を振り返らせると、そこにはあの悪魔の

姿から徐々に元の姿に戻りつつあるゲスデウスの姿が有り!…

その変わり様にもマサツグが驚いて居ると、ゲスデウスは笑いながら

気になる事を言い出す!…


「……お膳立ては済みましたよ!?…我が主!!…

さぁ!…あの者に復讐する機会を!!…

私にもう一度あの素晴らしい力を!!!…

この選ばれしゲルデウスにの力を!!!!…」


「ッ!?…ま、魔王!?…」


__……貴様はもう用済みでありんす…


「…ッ!……へ?…」


その場に寝転がりながら誰かに問い掛けるようゲスデウスは叫び出し!…

謁見の間内に反響させると、ゲスデウスは魔王と言う言葉を口にする!…

当然その言葉を聞いたマサツグは途端に慌て出すと、体にフィアナと

ミスティーをくっ付けたまま無理やりゲスデウスの方に振り向き!…

刀を構え出すのだが、如何にも様子が可笑しい!…確かにゲスデウスの

呼び掛けに答えるよう何処からともなく声が聞こえ出すのだが、その声が

言った言葉はゲスデウスはもう用済みと言う言葉で、その言葉を

聞いたゲスデウス本人が驚きと戸惑いを露わにして居ると、突如ゲスデウスの

頭上と周りに…青い炎が突如現れ浮遊し出す!…


__ボッ!…ボッボッ!…ボッボッボッボボボボボボボボ!!!!…


「ッ!?…な、何ですかこれは!?…それに用済みとは!?…」


__ゴオオオォォ!!!…ヒュヒュヒュン!!…ヒュヒュヒュン!!…


「ッ!?…ぎぃやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


現れたソフトボール位の青い炎は一つや二つではきかない!…宙に舞うよう

無数に浮遊し始めると、当然その様子にゲスデウスは慌て出し!…その魔王と

名乗る人物に対して戸惑いの言葉を並べるが、その魔王は聞く耳を

持たないのかそのまま青い炎でゲスデウスを襲い始める!…勿論その浮遊して

いる青い炎の球全部に襲われて居るので、ゲスデウスはあっと言う間に

青い炎の火達磨になり!…その炎の中からゲスデウスの断末魔が聞こえ出すと、

のた打ち回るよう藻掻き苦しむ光景が目に映る!…この時フィアナと

ミスティーはマサツグの体に顔を埋めるよう泣いて居るのでその光景を

見てはいないのだが、マサツグはしっかりと見ており!…その残忍な光景に

絶句し!…今からこんな奴を相手しないといけないのか!…と戸惑いを

露わにして居ると、謁見の間の出入口扉の方から何やら下駄の様な音が

聞こえ出す!…


__カラン♪…コロン♪…カラン♪…コロン♪…


「ッ!?…げ、下駄の音?……」


「……いやはや!!…お見事に御座いますねぇ勇者殿!!…」


突如聞こえ出した下駄の音にマサツグが戸惑って居ると、その下駄の音と共に

見覚えのある人物が姿を現す!…その姿を現した者と言うのはマサツグ達が

ゲスデウスの痕跡を追っていた時!…あのアンデッド達が住処にしていた洋館の

地下で捕まっていた狐耳の獣人女性であり、その狐耳の女性は下駄を履いた

様子で笑いながらマサツグ達の前に姿を現し…突如マサツグを称え出すと、

その突然の登場にマサツグが更に戸惑いを覚える!…


「ッ!?…え?…アンタは?…」


「先程は如何もですぅ~!…

いやぁ~お陰で助かりましたぁ~!…」


狐耳の女性はマサツグにお礼を言い出すと、目の前で炎上している

ゲスデウスに目も暮れる事無く徐々にマサツグの方へ近付き出し!…

その様子に当然マサツグは疑問を持ち出すと、その近付いて来る狐の

女性をマジマジ観察し始める。そして!…


「……一つ聞いて良い?…

…何でここに?…それも無傷って!…

幾ら何でも都合が良すぎないか?…」


__チャキッ!!…


確かにその狐耳の女性からは自力で脱出を試みるとは聞いていたが、

何故ここに?…と言った事を考えるとまず一つ目の疑問を持ち、その上道中…

まだまだ危険が一杯あった筈なのにと狐耳の女性が無傷である事に気が付き、

二つ目の疑問を持つ…そして更にその狐耳の女性は全く苦は無かったと言った

様子で余裕を見せており、それを三つ目の疑問として感じてはマサツグは

明らかに怪しい!…と感じ始め!…その事を尋ねる様に警戒した様子で声を

掛けると、その狐耳の女性はマサツグに返事をして笑顔のままその場で

足を止める!…


__カラン♪…コロ♪…ピタッ…


「………ほう?…」


「……出来ればそのままお家に帰って欲しいなぁ~…

なんて考えてんだけど?…駄目かな?…」


「………。」


マサツグは更に警戒しつつ!…その狐耳の女性にある提案を持ち出す!…

それはそのまま帰って貰う事!…このままでは不味い!…と言う事を

自覚した上でのヤケクソお願いなのだが、相手は意外とマサツグの言葉に耳を

傾けた様子で足を止めると、無言で考え始め…相手からの答えが無いまま

その場が沈黙に包まれると、何やら謁見の間内には妖しい雰囲気が漂い

始める!…この時マサツグとその狐耳の女性との間は約5m開いており、

マサツグとしても十分逃げれる間合いが取れているのだが…今は両脇に

幼児退行した王族二人がくっ付いて居り!…思う様に身動きが取り難い

状態になっている!…もしこのまま戦闘が始まれば間違い無く守り切れる

自信が無い為、苦肉の提案をしたのだが…


「……くっふふふふふふ♪…

では、こちらも一つ提案を出して良いかや?…」


「…ッ!…と、申しますと?…」


「お主がわっちの物になる!…と言う提案は如何でありんすか?…」


「ッ!?…え!?…ちょ!?それ如何言う!?…

…ってかその花魁口調!…て事はやっぱり!!…」


狐耳の女性は少し悩んだ様子を見せるが直ぐに答えが出た様子で笑い出すと、

逆にマサツグに提案をし始める!…当然マサツグもこの時薄々感づいている

様子で、その狐耳の女性に警戒を怠る事無く恐る恐る質問をし始めるのだが、

その狐耳の女性から出た言葉にマサツグは戸惑い!…更に先程ゲスデウスが

炎上する前に聞いた口調…声である事を理解すると、その狐耳の女性は

本当の姿を見せる様にマサツグの前で化けて見せる!…


__くっふふふふふふ♪…ガッ!!…ヴァサアァ!!!…ッ!?…


__シャララララ…


目の前で狐耳の女性が妖しく笑いながら自身の着ている服に手を掛けると、

徐に脱ぎ去る様に捲り上げ!…その様子にマサツグが驚き慌てて絶句した

様子で固まって居ると、次に目の前に現れたのはド派手な花魁姿に変身した

狐耳の女性であった!…身の丈はそのこっぽり下駄の高さ10cmと身長160cmで

計合わせて170cm位と言ったところか、その涼やかな綺麗系クールビューティに

整った顔立ちは幾万の男を篭絡させて来たであろう自信に満ち溢れており!…

フィアナやミスティーに負けず劣らず…いや寧ろこっちの方が立派か!…

デンジャラスボンキュッボンのナイスバディーを引っ提げ!…サラサラの

金髪ロングヘアーをこれまた花魁の様に結い上げて有り余る色香を

うなじから漂わせ!…更にそのキュっと引き締まったお尻から九本のモフモフの

尻尾をワッサァと生やし、妖しく腰を振って見せて誘惑し!…明らかな

大妖怪感を全面に!…それこそマサツグ達を威圧するよう妖しく笑みを

浮かべながらオーラを放って見せると、軽くマサツグに会釈をして見せて

その狐のお姉様は自己紹介を始める!…


「……くっふふふふふふ♪…

こうして会うのは初めてよな?…マサツグよ?…

……改めて、お初にお目にかかりんす!…わっちの名は[フィロネウス]!…

[妖炎の絶女]…または[妖艶の女魔王]と呼ばれておりんす!…

以後…お見知り置きを……」


「ッ!?…うっわあぁ!!…

これ運営の検閲に引っ掛からないのが不思議な位に危ない!!…

…って、そんな事を言ってる場合じゃないか!?……でも…」


__…ボン!!…キュッ!!…ボォ~ン!!!…


「……見ちまうよな?…男として……後、個人的にはあの尻尾が気になる

と言うより何か妙なカットインが入った様な?…」


マサツグの目の前に居る狐耳のお姉様の格好を簡単に言うと…某・大人気

外国産艦隊運営シミュレーションゲームに出て来る、クジャク羽根衣装に

見えるK〇N-SENと言った所か?…とにかくその恰好は派手で!…

フィロネウスがマサツグにお辞儀をした際!…色々とはみ出て見えそうに

なると、マサツグはその光景を目にした途端に男の本能と戦闘を始める!…

その際目の前に現れたその狐耳のお姉様に対してマサツグは思った事を

口にしてしまうと、そのフィロネウスの登場シーンで違和感を覚えた様に

言葉を口にし!…とにかく自身の本能を抑え込んでは後方に逃げ道が

無い事を確認し!…目の前には虎では無く魔王と!…逃げ道を断たれた様な

状態に焦りを覚えて居ると、フィロネウスは早速仕掛け出す!…


「……にしても…そこに居る者達は邪魔でありんすな?…どれ?…」


__…パチンッ!!…ボボッ!!…シュイン!!…


「「キャッ!!」」


「ッ!?…フィアナ!?…ミスティー!?…」


マサツグが何とかフィロネウスを誤魔化し切る方法を模索して居ると、

フィロネウスはただ笑みを浮かべてはマサツグの事を見詰め!…その際

フィロネウスはマサツグの両脇に居るフィアナとミスティーが鬱陶しく

思えたのか、二人の事を邪魔と呟き始めると徐にパチンと指を鳴らし出す…

すると次の瞬間マサツグから切り離されるよう二人が突如として若干

浮遊し出すと、あのゲスデウスを焼いた青い炎が輪っかになって現れては

フィアナとミスティーを拘束し!…その様子に気が付いたマサツグが

ヤバい!…と言った様子で慌てて居ると、フィロネウスは

そんなマサツグの様子を見てコロコロと笑いながら心配無いと言い出す。


「くっふふふふふふ♪…安心しやしゃんせ?…

別に焼いて喰いなどせん!…ただ邪魔じゃから避けただけでありんす!…

…まぁ?…それも?…今の所は?…じゃがな?…」


「「マサツグ(様)!!!」×2


__ッ!?……コクリッ……


余裕の態度でフィロネウスがマサツグに声を掛け出すとフィアナ達の事を

邪魔だから避けたと言い出し、邪魔さえしなければ焼かないとマサツグに

笑いながら説明し約束をすると、拘束された二人は自分の事よりマサツグの

事を心配し始める!…その際無理矢理切り離された事で二人の幼児退行は

治ったのか、その青い炎の輪っかから逃れようと藻掻くのだが…藻掻いた

所で如何する事も出来ず!…マサツグも今は反抗するのは得策では無いと

判断すると、フィロネウスに黙って頷き!…その反応を見て嬉しかったのか

フィロネウスは更に笑みを見せて踊るようその場で回り出すと、マサツグに

ある事を話し始める。


「ッ!…くっふふふ♪…わっちはなぁマサツグ!…

ずぅ~っと!!…お主の事を見て居ったのでありんす!!…

最初に見つけたのはあの春野原の国での闘技場!!…

国一番の騎士と謳われる者との一騎打ちにまさかの大番狂わせを演じて見せ!…

その後に遭遇した一つ目の巨人にも辛くの勝利!…

あのバルデウスとやりおうた際も見事に生き抜き!!…

そして着実に実力を付けながら洞窟の中で無我夢中に石ころを

掘っていた時も!…

遂にわっちの視線に気が付いたのかこっちに振り向いた事も見て居った!!…

わっちは嬉しかったでありんす!!!…」


「……ッ!…あぁ~っと?…じゃあ、俺は散々アンタ……えぇ~っと…

フィロネウス…さん?…に、ストーカーされてたって事?…」


「……因みにやたらと[らっきぃすけべぇ]と[女難]に見舞われていた事も

しっかり見て居ったぞ?…城のベッドで一国の王女と一夜限りの同衾!…

この国でも女王と皇女を同衾!…それもあの小娘を連れてな?…

英雄色を好むとは良く言うが…如何にもそこは頂けなかったぞ?…」


「ッ!?…あぁ!!…そこは見ないで欲しかった!!…

…ってか今までのは俺の意思じゃねぇ!!!…」


フィロネウスが突如嬉々として話し出したのはマサツグをストーカーして

いたと言う事実で、今までの道中…後を付けてその成長を影から見て居た

事を赤裸々に話し、その際今までの騒動の黒幕を演じて居た事については

隠しつつ…とにかくマサツグの事を気に入った!と言った様子で語り出すと、

当然その話を聞いたマサツグは戸惑いを露にする!…そして今まで色々

視線を感じて来た事についての疑問も一緒に解決した様子で更に戸惑いを

露わにして居ると、フィロネウスは今までのマサツグの女性関係に

ついても見て来たと言い出し!…その言葉を聞いてマサツグが顔に手を当て、

フィロネウスにツッコミを入れるよう苦悩した様子を見せて居ると、

まだ生きて居たのか黒焦げのゲスデウスがフィロネウスに声を掛け出す!…


__ズリ!…ズリ!……ガッ!…


「ッ!…んん~?…」


「が!…あぁ!!…フィ…フィロ!!…」


「……何じゃ?…お主まだ生きて居ったのか?…」


「何故!…なの…です!?…

私!…は…貴…方様…の!!……為に!…ここまで…やったと…

グゥ!!…カッハ!…カッハ!……言うのに!?…

何故なの!!…ですか!?…」


ゲスデウスは黒焦げの満身創痍の状態ながらも床を這ってはフィロネウスに

近付き…その細い足首に手を伸ばし掴んで見せると、縋る様に声を掛け出す!…

そして足首を掴まれたフィロネウスもその掴まれた自身の足首に目を向けては、

何も動揺する事無くただ虫を見る様な蔑んだ目で足元のゲスデウスを見詰め…

必死に喋ろうとしているゲスデウスに対して生きて居る事が邪魔と言った様子で

冷徹な言葉を掛けるが、ゲスデウスは構う事無くフィロネウスに訴え続け!…

その際聞き取る事さえ至難の様子でゲスデウスは言葉を口にするのだが、

フィロネウスはその言葉を聞くなり更に冷たい視線を送り!…そのゲスデウスの

手を振り払うよう足蹴にして見せると、ゲスデウスを見限る!…


__ガッ!!…ドゴオォ!!!…ッ!?…


「……ふん!…そんな汚い手で触れないでくれなんし!?…

わっちの綺麗な足が汚れるでありんしょう!?…」


「フィ…フィロ!!…」


「それに…わっちは貴様如き畜生に何もお願いをした覚えはありんせん!…

わっちはただ!…マサツグを更なる高みへ登らせる為の駒を探して居た

だけにありんす!…それを何を勘違いしたか自分は選ばれし者などと!…

ただ勝手に自分の国を持ちたい等無知蒙昧な事を言い出し!…

自分のやりたい事を好き勝手にやって居ただけでありんせんか!…

それをわっちの為等!…迷惑千万にも程がありんす!!…

そんなお目出度い輩を!…わっちは部下として取った覚えはありんせん!…

このまま地べたを這い蹲って死んで行きなんし……畜生め!…」


何の躊躇いも無く黒焦げの顔面を蹴り飛ばすと、ただ汚れると言った様子で

ゲスデウスを貶し!…そんなフィロネウスの態度に満身創痍ながらも

ゲスデウスは困惑していると、更にフィロネウスはゲスデウスの言葉に怒りを

覚えた様子で文句を言い出す!…その際ハッキリしたのはハーフリングスを

戦火に陥れたのは他でも無いゲスデウス本人で、そのきっかけを与えたのが

フィロネウスと言う事であり!…フィロネウスとしてはお気に入りのマサツグを

育てようとしてゲスデウスを捨て駒に!…力を与えたと言うにも関わらず

この結果と不満を持った様子で文句を言い続け!…もう用済みと言った冷徹な

表情で徐にその手で青い炎を作り出すと、再度ゲスデウスを燃やす様にその

蒼い炎を手から滑らせる!…そしてゲスデウスの体にその蒼い炎が着弾し

再度その身が燃え上がり出すと、今度は藻掻く様子も無いままゲスデウスは

絶命し…そんな光景を見てフィロネウスは満足したのか笑みを零す出すと、

改めてマサツグの方に振り向き直してはマサツグの元へと歩き出す!…


「……くっふふふふふ♪…肥えておるからよう燃える!…

まるで薪要らずよなぁ?……さて?…本題はここから!…」


__クルッ…カラン♪…コロン♪…ッ!?…


「わっちがあ奴に力を与えたのは先程も言った通り!…

マサツグに実力を付ける為で有りんす♪…

強き男になってわっちの右腕として働いて貰う為!…

かく言えばお主には魔王になって貰う為!!…

色々裏から手を回しておりんしたが?…それもそろそろ面倒になってきんした…」


マサツグに両腕を広げて見せながら腰をくねらせ…歩いて来るフィロネウスは

上機嫌であり、もう裏工作は面倒とフィロネウスはぼやき歩いて来ると、

マサツグもそんなフィロネウスに警戒した様子を見せるのだが…不思議な事に

フィロネウスからは一切敵意が感じられず!…その事を踏まえてマサツグが

困惑した様子を見せて居ると、遂にはフィロネウスの接近を許してしまう…

するとフィロネウスは徐にマサツグに抱き着き始めると、その体の中に埋まるよう

身を預けて!…そのフィロネウスの在り様にマサツグが余り免疫が無いと言った

様子で戸惑い慌て出して居ると、更にフィロネウスはマサツグを誘惑し始める!…


__スッ…ギュウゥ!……ッ!?!?!?…


「単刀直入に聞くでありんすぅ?…わっちの元に来てくんなましぃ♥…

まだ未熟だと言うのにあのバルデウス!……まぁ…

不完全な状態ではありんしたが…それでも退けるだけの実力!…

機転を持ち合わせている!…それだけでも十分な拾い物にありんすぅ♥…

今わっちの元に来たらそれはもう!♥…さぁーびすするでありんすよぉ?♥…

マ・サ・ツ・グ♥…」


「ッ!?!?!?…えぇ!?…い、いやぁ~!?…

急に言われても判断に困ると言うか!?…

てか色々とかなり当たってるんですが!?……」


フィロネウスはその自身の豊満柔らかデンジャラスボディーをマサツグの

体に押し付けるようくっ付け出すと、足を絡めては逃げられない様に

体を固定し!…甘えるよう猫撫で声で上目遣い!…的確に理性を

殺す様にマサツグを誘惑し始めると、更に追撃のボディタッチまで

繰り出す!…当然そう言った事にてんで免疫の無いマサツグは戸惑いに

戸惑っては慌てに慌て!…言葉もしどろもどろで思う様に出て来ない!…

ただ自分自身でも訳の分からない状態になり一人勝手に混乱し出すと、

フィロネウスは効いて居る!…と言った様子で妖しい笑みを浮かべては

更に誘惑の追撃を繰り出し始める!…


「んん~~♥…そんないけず言わんでくんなまし?♥…

当たってるんじゃありんせん♥…あ・て・て・る♥…んでありんすよぉ?♥…

わっちはぁ♥…マサツグの事が気に入って居るのでありんすよぉ?♥…

据え膳食わぬは男の恥!…って、言うでありんしょう~?♥」


「……ッ!?!?!?…グ!…グイグイ来てる!?…

グイグイ来てるよぉ~!?…これが俗に言う狐の色香って奴なのか!?…

それとも単純に肉食系なのかぁ~!?…これは!!…色々と折れそうだ!!…

…てかこれ本当に全年齢対象なのかぁ~!?!?」


フィロネウスはマサツグの耳元に顔を近付けては囁く様に声を掛け出し!…

更にグイグイ責めるようボディタッチも積極的に仕掛けると、マサツグは

マサツグでこれが妖狐の力か!…と勝手に理解する!…嬉しいやら悲しいやら

こうしてマサツグは成す術無くフィロネウスに良い様にされると、ガチガチに

固まってしまい!…別に誘惑はされてはいないのだが思う様に体を動かせずに

居ると、フィロネウスは突如何かに反応するようピクっと反応して見せる!…


__スリスリ~♥…スリスリ~♥…ッ~~…


「ッ!…んん?…何でありんすかぁ?…

もう終いでありんすか?…」


「だぁ!!…ぜぇ!…ぜぇ!…

マ、マサツグ!!…無事!…か?…ッ!?…」


「ご主人様!!!…ッ!?…」


何かに気が付いたフィロネウスはマサツグに抱き着きながらも残念と言った

様子で呟き出すと、出入口の方を振り返ってはその邪魔に入る者が何者なのかを

確認し出し!…フィロネウスの様子に気が付いたマサツグも釣られる様に

出入口の方を見ると、その開きっぱなしの出入り口からは自分達の仕事を

終えたレイヴンとシロの二人が飛び出して来る!…二人とも息を切らした様子で

駆け込んで来てはマサツグの事を心配して声を掛け出すのだが…二人の目に

飛び込んで来たのは絶世の狐美女とイチャ付くマサツグの姿であり!…当然その

様子を目撃したレイヴンとシロは驚き戸惑い!…思わずその場で固まって

しまうと、フィロネウスは徐にマサツグから離れては別れの言葉を掛け出す!…


__……スッ…ッ!…


「……意外と早いでありんすなぁ?……仕方が無い…

このままギャラリーが増えるのはこちらとしても良くない…

わっちはここ等辺でお暇とさせて貰うでありんす♪…」


「ッ!?…ちょ!?…」


「この続きはまたいつか二人っきりの時に♪…

それでは♪…この国を救った勇者殿♪…」


__チュッ!♥…くっふふふふふ!…ボシュン!!…


マサツグとの別れを惜しむ様にフィロネウスが言葉を残しつつ!…

突如出入口に向かい歩き出すと、その様子にマサツグはハッと

我に返っては戸惑い出す!…そして出入り口前で立って居る

レイヴンとシロの二人に何かするのでは!?…と考えては慌てて

止める様にフィロネウスへ声を掛けるのだが、フィロネウスは

何もする事無くマサツグに笑って挨拶をし…投げキッスをした後

青い炎に包まれるようその場で姿を消して見せると、謁見の間内に

笑い声だけを残して行く…こうして謎の狐耳魔王との戦闘を

避ける事に成功した?…マサツグは一人脱力した様子で安堵する

のだが、まだマサツグの災難は去って居ないとばかりにシロが動き出す!…


「……だはあぁぁ~!……ふぅ……あれは一体何なん…」


__テテテテテテテ!!!…ンバッ!!…ドゴウゥ!!!…


「だううぅぅ!!!」


「ッ!?…シ、シロちゃ~ん!!!…」


先程の光景を見せられてかシロは膨れっ面で一直線にマサツグに向かい走って

行くと、マサツグの鳩尾目掛けてロケット頭突きを繰り出し!…マサツグは

マサツグで完全に気が抜けている状態下でシロの頭突きを受けると、そのまま

吹っ飛ぶ様に後退してシロに押し倒される!…その一連の様子を見ていた

レイヴンは慌てた様子で叫び!…押し倒されたマサツグに向かい駆け寄り出すと、

再度心配の声を掛け出す!…


「ヤ!…ヤブ!!…大丈夫か!?…死んでないか!?…」


「あ…あぁ…何とか……でもキツイ!!…」


「だろうな!?…てかシロちゃん!?…ッ!?…」


レイヴンの慌てた様子の呼び掛けにマサツグは倒れたまま返事をすると、

起き上がれないのかその体勢のまま横になり!…今だシロはマサツグの上に

覆い被さるよう馬乗りに乗って居ると、ただマサツグの体に顔を埋めては

微動だにしない!…そんなシロの様子にレイヴンは戸惑った反応でシロの事を

呼び出すのだが、ここでシロがマサツグの臭いを嗅いでいる事に気が付き!…

シロもシロで先程の事を気にしているのか、何か違う!…と言った様子で

思いっきり不機嫌そうな表情をし出すと、徐に自身の頭をマサツグの体に

擦り付け始める!…


__…スンスン!…スンスン!!…ッ!?!?!?…グリグリグリグリ!!…


「ッ!?…あだだだだだだだ!!!…」


「ッ!!…あぁそう言う事ね!?…でも待ってシロちゃん!!…

その前に回復!…回復させてあげて!!!…」


シロのそれはまるでマーキングをする様に!…ただ一心不乱に頭をグリグリと

押し付けるのだが、今のマサツグにとっては追い打ちで有り!…マサツグが

溜まらず悲鳴を上げ苦しみ出すと、その様子にレイヴンが慌てて止めるよう

シロに声を掛ける!…その際シロの気持ちを理解したのか宥めるよう声を掛ける

のだが、シロは一向に止めようとはせず!…その余りのシロの嫉妬具合に

レイヴンも驚きを隠せない様子でただ戸惑い続けて居ると、更に可笑しな事に!…

マサツグの頭元の方から誰かが近付く足音が聞こえ出すと、まだまだ続くと

ばかりに更なる困難がやって来る!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……


「ッ!……え?…」


「「マサツグ(様)!!」」×2


__ガバァ!!!…ッ!?…


突然の足音にレイヴンが気付くと、その足音の聞こえた方へ視線を向ける

のだが…そこにはあの青い炎の輪っかの呪縛から解放されたのか、フィアナと

ミスティーが立っており!…こちらは嫉妬等を燃やした怒りの表情は見せて

居ないのだが、如何にもやはり若干膨れて居る様子が見て取れ…シロ同様

徐にマサツグへ抱き着き出すと、負けじとばかりにマーキングをし始め!…

遂にマサツグが見えない位に揉みくちゃにされ出すと、レイヴンも助ける事を

諦めたのか苦笑いをしながら一言漏らす…


__グリグリグリグリ!!!…スリスリスリスリ!!!……


「……あぁ~……何と言うか?……

女の子にモテ過ぎるのも考え物だな?…

これが俗に言う乙女心は複雑って奴か?…」


「言ってないで助けてくれぇ~~~!!!!

だああああぁぁぁぁぁぁ!!!!……

な!?…どうしてこうなったああぁぁぁぁ!!!!…」


「ご主人様のエッチ!!…バカアァァァ!!!」


今までに何度も色んな悲鳴がこの謁見の間内に響き渡ったのだが、最後に

響き渡らせたのはマサツグで…シロに文句を言われつつ!…マサツグが

この状態から解放されたのは数時間後の事であり…その時解放された

マサツグの状態はまるでヤ○チャした様に蹲ってはピクリとも動かない

のであった……


因みに余談だがシロの機嫌はこの後も不機嫌のまま戻る事は無く!…

マサツグが幾らフライドチキンを上げようともその機嫌は治らず!…

半日に及ぶマサツグの抱っこ(引っ付き虫)の結果、漸く本人が納得した

のかマサツグは渋々許して貰えるのであった…

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