どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

文字の大きさ
81 / 944
-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章七十三節 森の中の廃墟と教祖と戻って来た司祭-

しおりを挟む



人キメラの集団から逃げ切る事に成功し、息を整え再度森の中を歩み始めた

マサツグ達…不思議と森の中はあの竜巻の影響は無いのかと言った具合に

風が無く、順調に前へと進み続けて居ると、その道中リーナが先程の陽動

作戦に興味を持ったのか説明をするようモツに求め、断る理由も無いモツが

歩きながらにリーナの問い掛けに答えて居ると、森の奥からは更に不穏な

空気が漂い始める!…その際マサツグの提灯アンコウも考え直されたのか

頭から釣り竿が外されてマサツグとモツ…それぞれ防具の腰紐にリンデの実を

括り付け、浄化の範囲を広げて歩いていた。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……で、後はその隙に安全にスタコラサッサってね…」


「なるほど…じゃああの時放ったあの大技は?…」


「最初からあいつ等を吹き飛ばす為じゃなくて周りに

居る奴らを誘き寄せる為の陽動だ。

大方…逃げるのなら周りに居る奴らを一纏めにして逃げた方が良いって言う…

マサツグらしい奇策中の奇策じゃないか?…

…だってさ?…敵に囲まれてるのにあんな大博打を打つんだぞ?…

下手するとあのミノタウロスみたいなのが出て来るかもしれないのに…」


「ッ!?…た、確かに!…」


歩きながら奇策の説明をしてはマサツグの奇策にモツも戸惑ったと話して、

その説明にリーナが驚き改めてマサツグが普通では無いと考えさせられると、

先頭を歩くマサツグに視線を向ける。この時…リンデの実はマサツグと

モツが持って居る事から先頭にマサツグ・後方にモツ・真ん中にリーナと

前後で瘴気を浄化し索敵すると言った隊列の様子を見せていた。そのせいも

あってか最初の提灯アンコウの時より安定した隊列に範囲の向上と、

色々良い所が出て来ては余計に最初の提灯アンコウが不満とマサツグが考え、

一人感知サーチを使いながら森の奥…教祖が居る場所を目指して居るとブツブツと

愚痴を零していた。


「……最初の段階で何故これを思い付かない!…

俺は提灯アンコウにされて笑われてたってのに!…」


「ッ!…悪かったって!…

俺も急いでいたから直ぐに良い案が思い付かなくて…」


「だからって!あの格好は!……ッ!…」


「ッ!…如何したマサツグ?…」


マサツグが愚痴を零して居る事にモツが気付き、改めて悪かったと謝罪する

のだが散々笑われて来たマサツグは納得が行かないのか、更に文句を口に

しようとする。間に挟まれるよう歩いているリーナは若干二人の様子に

戸惑った反応を見せるのだが、それも直ぐに別の心配に変わった様子で…

マサツグが文句を口にしようとするがその前にある物を見つけると

足を止めて黙ってしまい、その様子に気が付いた後の二人も若干驚いた様子で

足を止めるとモツがマサツグに質問をする。そしてその質問を受けたマサツグが

モツ達の方に振り返ると、その見つけた物を指差しては逆に質問し始める。


「……あれ…何に見える?…」


「え?……」×2


__ゴゴゴゴゴゴゴ!……


「…教…会?……」


マサツグが困惑の表情でモツ達に見せるよう指を差し、モツとリーナが

戸惑った様子でそのマサツグが指差す物を確認すると、そこにはもう誰も

使ってはいないであろう廃墟と化した教会が一軒…ボロボロの様子で

ポツンと立っていた。更にその教会からは異様な気配を放っているよう…

瘴気が滲み出るよう壁の割れ目や割れた窓から漏れ出してまるで

不穏なオーラを出して居る様に見え、そんな雰囲気に本当に教会なのか?と

リーナが戸惑った様子で声を漏らすと、三人が警戒し始める。


「……あれ…すっげぇ不気味に見えるの俺だけ?…」


「…残念ながらマサツグだけでは無さそうだぞ?…

私も…モツも…普通には見えていない様だからな?…」


「……と言うかあからさま過ぎて逆に怪しいんだよな?…

今の所襲われたのって一回だけだし…

確かに敵の居ないルートを歩いて来たつもりだけどさ?…」


ここまでの道中…そんな建物らしい建物を見た事が無く…更に敵に襲われたのも

あの囲まれた一件限りでそれ以降接敵は無し…何なら三人ともあの囲まれた

状態から逃げる際…元の道が分からず迷子とほぼ詰みを感じており、如何やって

探したものかと悩んで居た先にこの廃墟である。幾ら感知サーチを駆使してここまで

来たにしても出来過ぎている様に感じ、まるでここに来るよう導かれたのでは?…と

言う不安感が募ると思う様に踏み出せない!…これもマサツグの[超幸運]が

働いてさっさと教祖の居る所まで来れたと考えられれば問題無いのだが…

今までの経験上…そんな例は無いとマサツグが考えると余計に不気味さが

勝ってしまう!…


「……見た感じアレ…

あからさまにここが拠点ですよぉ~…

…って、言っているみたいに見えるんだが…」


「と言うかここまで本当に大した事無く辿り着いてる事自体おかしいような?…

確か俺達一応…道に迷った筈だが?…」


__うぅ~ん……


森の中にある教会(廃墟)に瘴気が駄々洩れ…如何にも感あるオーラに

順調過ぎる道のりと…色々出来過ぎて居る事からマサツグとモツが慎重になり…

これは罠なのでは?…と動かず考える一方で、リーナはこう言った事を

考えるのが苦手なのか…一人唸っては考える時間も勿体無いとばかりに

吹っ切り、その教会の方へとリーナ一人歩き出す!…


「……ッ~~~!!!あぁ~もう!!…考えていても仕方が無い!!…

あの廃墟に行ってみるぞ!…さぁ、急ぐぞ!!」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「ッ!?…ううぇ!?ちょ!…ちょっと!?…」


「…あの姫様本当にアグレッシブルだな……」


リーナは自身にリンデの実が無い事を理解していない様子で歩き出しては

その様子に慌ててマサツグが追い掛け、その様子にモツが呆れた様子で

言葉を漏らし二人の後を追い掛けると、その異様な雰囲気の漂う教会へと

歩いて行く!…その際マサツグとモツは辺りを警戒した様子で進み

先を行くリーナの後を追い掛けるのだが、目の前で突如リーナがピタッと

歩いて行くポーズで足を止めると、その様子に二人が戸惑いを覚える。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ッ!?…ピタッ!…


「ッ!……え?…リーナ?…

お~い!…急に如何したん…」


「ッ!!…こっちに来るな!!!」


「え?…」


突如足を止めたリーナに二人が戸惑い…マサツグがリーナに話し掛けては

急ぎ範囲内の中心にリーナを置こうと歩き追い付こうとするのだが、

二人が近づいて来る事にリーナが気付くと来るな!と慌てた様子で声を荒げ、

その言葉にマサツグとモツは戸惑いを覚えると思わず足を止めてしまう。

その際リーナは一切こちらに振り向く事は無くただ何かに抗うよう小刻みに

体を動かし、その異様な様子にマサツグとモツが違和感を感じるとハッ!と

した表情を見せては嫌な予感を感じ始める!…


「……これってもしかせんでも?…」


「引いちゃった感じ?…」


「フフフフフ!……」


__…ッ!?…ゴゴゴゴゴゴ!!!…ドゴオォォ!!!…


リーナの様子から察するに如何やら罠に掛かったらしく、リーナの体を

良く見ると蜘蛛の糸らしき物が腕や足…体に巻き付いてリーナの

動きを拘束し、更にリーナが動けなくなった周りを見渡すと、そこには

蜘蛛の巣が張り巡らされている様に糸が仕掛けられている光景が見て取れる!…

その糸も良く見ないと分からない位に細く!…日の光に当てて反射させないと

分かり難い位で、その光景を目にしたマサツグとモツが

戸惑った様子で言葉を漏らして居ると、突如何処からとも無く笑い声が

聞こえては動けないでいるリーナの足元から無数の岩の棘が生え始める!…

それはまるでリーナを助ける事を妨害する様に…マサツグ達の居る外向きに

生えては更にマサツグとモツを驚かせる!…


「な!?…何だ!?…」


「ッ!?…ロックスパイク!?…」


「フフフフフ!…掛かりましたね?…

我が主の怨敵!!…」


「何!?…」


突如足元から生えて来た岩の棘に驚きマサツグとモツがバックステップを

取ると、その岩の棘を出現させた本人であろう人物がリーナの頭上に現れる!…

その人物は如何にも教祖と言った様子の煌びやかに装飾された白いフード付きの

ローブを身に纏い、顔を隠したいのか奇妙な仮面を付けていた。更にその手には

緑色の…直径約15cm位の巨大なエメラルドの様な宝石が握られており、

その球は黒い…暗い紫色にも見える不気味なオーラが纏い付き、じわりじわりと

溢れていた。明らかにカルト教団の平…司祭達のローブと同じ作りのローブを

着ている事から二人はコイツが教祖と確信を得るのだが、その教祖はリーナを

捕まえた事で忙しいのか二人を無視した様子でリーナに話し掛ける。


「さて…こうもまさか見え見えの罠に掛かるとは…

如何やら勇者の血も墜ちたようですね?…」


「何!?…」


「知ってましたか?…貴方は実はその勇者の血を色濃く受け継いでいる事を!…

吹き荒れる風の中…周りの者達は被害を受けて居るのに自分は被害を受けていない!…

そんな経験は無いですか?…」


「ッ!?…」


「それだけではない!…同じ様に吹き荒れる風の中!…

何故か貴方の声だけが良く聞こえる!…そう言った経験は!?…」


教祖と思わしき者は三人を見下ろしながらリーナを馬鹿にし始め、その馬鹿に

されているリーナが文句有り気に教祖らしき人物を睨んで居ると、突如教祖

らしき人物は気になる事を言い出す…それはリーナがかつての伝承に出て来る

勇者の血を色濃く受けて居ると言うもので、何か関係が有るのだろう一例を

口にしてはリーナにその事を尋ね始め、その一例に覚えが有るのかリーナが

驚いた反応を見せると、更に教祖らしき人物はリーナにもう一例尋ねる。

その回りくどい…如何にもRPGらしい勇者とBOSSとのやり取りにマサツグと

モツが完全に置いてけぼり状態になって居ると、更に話は続くのか教祖らしき

人物は話を続ける。


「……フン!…貴様達勇者…いや?…

の力は王家の者達に継承されて来た!…

何時いかなる時も、それは今に来るまで代々受け継がれ!!…

そして私の君主であるバルデウス様の!!…おっと失礼!…つい興奮を…

だがそれもここで終わりだ!!…今ここで貴様を討てば私の悲願も成就する!…

あの方を復活させてもまた貴様達に倒されては元も子もないからな!?…」


「ちょ!…ちょっと待て!?…風避けの巫女?…それは一体?…」


「……フン!…そうだな…貴様の最後だ…それ位は語ってやろう…

この地はかつて風の大陸と呼ばれていた!…

ある時はそよ風…ある時は突風!…またある時は大嵐!!…

天候と言うよりは風が支配するこの大陸に住まう者達は

何時も風を警戒していた!…

平穏に過ごす事の出来ないこの土地に何か方法は無いのか?…

この土地に住まう者達は色々な事をしては風に立ち向かったのだが

全てが失敗に終わり!…そうして徐々に抵抗する事も諦め!…

住まう者達は衰退…そんな一途を辿ろうとして居た時に現れたのが

風避けの巫女であった!!…風避けの巫女は突如現れてはいとも

容易くこの大陸の風を収めてしまい麗らかで陽気な土地に作り変えた!!…

それはまさに女神の如く!!…その時の巫女はまさに美しくこの世の

者とは思えない!!…


数十分後……


豊かになった土地はまるで彼女の内面を写している様に!!…

そうしてこの土地に住まう者達はそんな美しい彼女を神として奉り!!…」


__……カチンッ!……スゥ~~!……ッ!…スッ…


教祖らしき人物は余程この時を待って居たと言った様子で興奮し出しては

リーナの事を怨敵と言ったり風除けの巫女と言ったり…とにかくリーナを

始末出来る事に喜んだ様子で話し出す。その際また初めて聞く単語に

リーナが困惑すると自身の状況を顧みず戸惑いながらも質問し始め、

その問い掛けに教祖はスッとリーナを見下ろしたまま数秒考え、冥土の

土産にと言った様子で話し出すとこれがまぁ…長いのなんの!…

しかも語り口調と来たものだからマサツグとモツがイライラし出し、

教祖が説明している途中でマサツグが息を吸い始めると隣でモツが察した

様子で耳を塞ぎ、マサツグが息を吸い終えると教祖らしき人物に向かって

大声で話し掛ける!


「…ッ!!…ちょっと良いかなぁ~~~!!!!」


「ッ!?…な、何だ!?…ッ!!…貴様ぁ!!…良い所で邪魔を!!…」


「話長げぇんだよ!!…オッサン!!…

こちとら急いでんだよ!!…

いつまでのテメェの初恋ラブストーリーなんざ聞いて居られるかっての!?」


「ッ!?…私の初恋!!…もとい崇高なる演説を無駄だと!?…

彼女の素晴らしい所はまだまだあるのだぞ!?…

その女神の様な黄金色の髪…潤んだ瞳!!…」


マサツグが大声で無理やり話を止めさせるとその声は余程大きかったのか、

森に棲んで居る鳥達が一斉に飛び立っては瘴気の中へと消えて行き、

その大声に教祖が驚いてはマサツグの方を振り向く!…するとそこには

完全に飽きたと言った表情を見せるマサツグの姿と、耳から手を放し

呆れた表情を見せるモツの姿が有り、マサツグが文句を言う様に教祖の話が

長いとイチャモンを付けてはまるで恋バナと馬鹿にし、興味が無いと

言ってのけるのだがそれでも教祖は語る事を止めないのか、イチャモンを

無視して話を断行しようとする。そんな教祖の様子にマサツグが

更に呆れては馬鹿にし足りない言った様子で口調が変わり始めるのだが…


「ッ!?…oh,No!!信じらんねぇ!!

コイツまだポエム交じりの演説を続けるつもりかぁ~!?

その歯の浮く様なセリフに俺の歯がガタガタ言うぜ!!…」


「…ッ!……ブッ!!…お、おい?…マサツグさん?…

何でそんな急に?…クククッ!…そんな喋り方じゃあなかっただろ?…」


「んもぉ~~!!!有り得ねぇ!!!

如何やらかな~り頭の方が逝っちゃってるみたいだなぁ!?

ノックしてもしもぉ~~~し?…」


「ッ!?…ッ~~~~!!!…き、貴様ぁぁぁぁ!!!…

さっきから聞いていれば!!……ッ!!…私の崇高なる目的に!!…」


何故かマサツグの口調が何処かのファミレスでトンプソン機関銃を

ぶっ放しそうな波○使いの喋り方になり、それに気が付いたモツが

噴出すとマサツグは教祖を馬鹿にするよう煽り始める。その際いちいち

取る動作もやはり馬鹿にして居るのかノックする様子や人差し指を

立ててはクルクルと回し…パっと開いて見せては物凄く嫌味な笑みを

浮かべ、そんなマサツグの態度に教祖も頭に来たのか怒りを感じ始めると、

耳障り!と言った様子で突っ掛かり始める!しかしその言葉を聞いた

マサツグは更にエンジンが掛かった様子で耳に手を当て疑問の表情を

浮かべると、まだ口調はそのままの様子で更に畳み掛ける!


「あぁん?崇高な目的ぃ~?…じゃあ聞くけどよぉ~?…

何でリーナをまだで放置してんだよ?…」


「ッ!?…何ィ!?…」


「さっきから見てればリーナはマジで動けねぇようだし?…

お前はリーナの事を怨敵だの!…勇者だの!…

訳の分からねぇ事くっちゃべっては一向に始末しようとしてねぇじゃあねえか!?

もし本当に始末する気ならとっくに始末してるだろうし?…

何なら最初罠に掛けた時点で今頃リーナはお陀仏の筈だぁ!…」


「ッ!?…」


マサツグは教祖がまだリーナに何もしていない事を挙げてはおかしいと

口にし出し、その言葉を聞いたモツとリーナ…教祖までもが戸惑った

様子を見せると、今度は自分がおかしいと思った点を上げ始める!…

完全に動けない相手を態々生かしたまま自分達から遠ざけ、リーナの事を

敵だのなんなのと言ってはまだの危害も加えて居ない!…自分の他に

モツも居る為邪魔されない内に…罠に掛かっている内に始末をする筈と

言っては、まるで教祖がリーナを拘束した理由には別の目的が有る様な事を

言い出す。そしてその事を言われた教祖がまるで図星とばかりにたじろいでは

見るからにモジモジと様子がおかしくなり出し、その反応を見てマサツグが

ハッ!と確信を持った様子で察すると教祖を追い込む様に更に話を続ける!


「本当はよぉ~?…リーナの事惚れてんじゃあねぇのか?…

だったら止めといた方が良いぜ?…」


__ッ!?……


「何せ敵に囲まれて?…動けなくなったから抱えて逃げれば締め上げられるし!…

いきなり人が寝ている所に押し掛けて来たと思えば?…

人のベッドに潜り込んでは何食わぬ顔で寝て?…起きたら右ストレート!…

…この姫さんと付き合うつもりなら相当な体力を使う事になるぜぇ?…」


「ッ!?…な!!…い、今何と!?…き、貴様貴様貴様ぁぁぁぁ!!!…

聞き捨てならんぞ!!…今、抱き抱えて!…と、隣で寝ている…」


マサツグが口にし始めたのはまさかのリーナの暴露話!…しかも全部

自分が体験した奴と言った様子で話し出してはその話をし出した

マサツグに教祖とリーナがショックを受ける!…教祖はリーナから

そんな事をされる・した事を嫉む様にショックを受け、リーナは

暴露された事に…事実である分否定出来ないと顔を赤くし、教祖が

マサツグの話を信じた様子で食って掛かろうとするのだが、次の瞬間

動けない筈のリーナが突如動き出したかと思えばマサツグの方へ

振り向き様に技を放つ!!


「エルレイドフルーレェェェェェ!!!!」


__ゴシュウゥゥ!!!


「うわっぶね!?…」


「ッ!?…ば、馬鹿な!?…私のグレイブズニードルを打破しただと!?…

…ッ!?…そ、それに糸は!?……ッ!?…」


大きく振り被りながらの振り向きによりいつも以上の威力が出たとばかりに

お得意の突き技が繰り出されると、リーナの周りに生えていた岩の棘は

その突き技によって破壊されて一本の道の様にクレーターを作り上げる!…

しかもその技はマサツグに向けて放たれたので当然マサツグが慌てて回避し、

突如動ける様になったリーナの様子に教祖が驚いて居ると、何故動ける様に

なったのかを慌てて探り始める!…その際真っ先に確認したのはやはり拘束に

使った糸であろう…教祖が張り巡らせた糸を見て見るとそこには誰かに

斬られた様子が有り、誰が斬ったのかとその糸の先を確認するよう追って

行くとモツの姿が有った。


「き、貴様ぁ!!!」


「ッ!…おっとバレちまったか…」


「ググググ!!…貴様よくも!!…」


モツの姿を見つけると教祖が邪魔された事に怒り、モツは見つかったら

見つかったで不敵に笑みを零す。まるでマサツグの挑発は最初から注意力を

削ぐ為のブラフ…そう理解しモツとの連係プレイに教祖がしくじった!…と

言った様子の悔しさを滲ませる唸り声を上げて居ると、その一方でこれまた

昼ドラの様な言葉を口にしはマサツグに斬り掛かろうとするリーナの姿と、

そのリーナから逃げるマサツグの姿が有った。


「貴様を殺して私も死ぬぅ!!!」


「わッ!!!ちょ!!!待った待った!!!」


リーナは顔を真っ赤にし若干泣きが入っている怒りの表情でマサツグに

剣を振り上げ、マサツグはまるで某一狩り行こうぜのゲームに出て来る

キャラの様に、大型モンスターから逃げる時のアクションさながら

走り回る!そんな何とも緊張感の無い様子にモツが思わず呆れてしまって

居ると、教祖はリーナが動ける様になった事を分が悪いと感じたのか、

舌打ちしては後退を考え始める。


「チッ!…私とした事が!!……まぁいい!…

まだ慌てる様な時間ではない!…あと少しであのお方の復活は完了する!…

それまでの時間稼ぎをすれば良いだけの話!…

いささか不安は残るが仕方が無い!……アデリア!!」


__ヴァサ!!…ヴァサ!!…


「ッ!?…やっぱ生き残ってたか!!…」


宙に浮いたままブツブツと言っては徐々に冷静さを取り戻し、当初の目的を

思い出したのかリーナの捕獲を後回しにすると、時間稼ぎの司祭級人キメラを

呼び出し始める!…その際聞き覚えの有る名前を口にしては何かが飛んで来る

羽根音が聞こえ出し、その音にモツが警戒して居ると目の前にその司祭級の

人キメラが飛来する!その人キメラの大きさはゆうに2~3mは有り…

腕はカマキリの様な鎌の形をしているがより鋭くした凶悪な鎌を持ち、

背中には何の蝶の羽か分からない透明の羽が生えていた。その容姿は間違いなく

見覚えの有る姿なのだが体の半分位が焼け焦げた様に黒く変色しており、

モツが思い出した様子で目の前に現れた人キメラに困惑して居ると、教祖が

その人キメラに指示を出す!


「この愚か者達の相手をお願いします!!…私は最後の儀式を!!…」


「承知いたしました!…」


「チッ!!…ここに来て面倒なのが!!…」


「……あの時は不覚を取りましたが今度はそうは行きませんよ!…

今回は瘴気とあの雲のお陰で日の光は遮られ!…ここには届きません!!…

よくも!!…この様な姿にしてくれた事!…あの時の事を後悔させる位に!!…

貴方達はここで教祖様の生贄になるのです!!!!」


教祖がアデリアと言う司祭級アラクネ人キメラに指示を出すと自身の身に

瘴気を纏い始め、その指示を聞いたアデリアが教祖に傅き返事をすると、

教祖は纏った瘴気と共に姿を消す。そして残ったアデリアを見ては若干の

焦りを感じた様子でモツが呟き、アデリアがゆっくりモツの方に振り返ると

あの尖塔での出来事を恨む様な事を言っては身構え始める!…

この時さすがの二人も事態の様子に気が付いたのか追いかけっこを中断すると

モツの方へと駆け出し、合流すると直ぐに武器を抜いては構え始める!


__ダッダッダッダッダッダ!!…チャキッ!!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…スマン!!遅れた!!」


「ッ!?…遅れたじゃねぇんだよ!!こんな時まではしゃぐんじゃねぇ!!」


「マサツグがいけないのだぞ!?…あんな事を暴露されて!!…

もうお嫁にいけない!!…」


「そんな問題になる様な事かっての!!…」


マサツグが息を切らした様子で合流すると若干反省した表情でモツに謝り出し、

その謝罪を聞いたモツがチャンスを逃したと怒るとマサツグとリーナに

注意をする!本当ならあのまま畳み掛けて居れば終わっていたかもしれない!と

感情を込めて怒るモツの様子に、リーナが不服そうな表情を見せるとマサツグに

原因が有ると文句を言い出し!…最後に気になる言葉を言うとその文句にマサツグが

ツッコミを入れ!…もはやその光景を見る限り反省している様には見えず、

モツが呆れた表情を見せて居るとアデリアが動き出す!…


__ヴァサ!!…ヴァサ!!…ヴァサ!!…ヴァサ!!…


「フフフフ!…お可哀そうに!!…」


__ゴオオオオォォォ!!…


「自分が死んだ事も分からないまま死んで行きなさい!!…」


モツの様子に笑って同情するとアデリアがその場で羽ばたき始め、

その巨体を宙に浮かせると一度マサツグ達の周りを旋回する様に

勢いを付け出す!やはり司祭級なだけあって加速するのも速く、

勢いが付き始めると黒く焦げたせいも有ってか巨大な鉄球が

旋回している様にしか見えず、その様子にマサツグ達が戸惑いを

覚えて居るとアデリアが遂にマサツグ達に向かって突進する!


__ゴオオオオォォォ!!…ギラン!!…


「ッ!?…不気味さに拍車が掛かってるじゃあねぇか!!」


「それよりあれは何だ!?…あの鎌!!…

前より鋭さが増している様に見えるんだが!?」


アデリアがマサツグ達に向かって突進する際、両腕の鎌を左右に広げて

構えるとその鎌の刃がギラリと光り前よりパワーアップした様子を見せ、

マサツグとモツが驚いた表情を見せる!明らかに前より鋭利になったであろう

鎌の刃には潤滑油の様な物が付いているのか、鎌から腕に掛けて滴り落ちては

よく切れると物語っている様に見え、その様子にリーナが戸惑った反応を

見せつつアデリアの動きに集中する!


「チッ!!…面倒なのが出て来たと思えば!!…

とことん訳の分からん事が次から次へとぉ!!…」


__チャキッ!…ッ!?……ッ!!…


{お、おいおい!…アレを受け止める気で居るのか!?…

その剣で受け止めるには心許無さすぎるぞ!?…}


{…とは言え止める様に言ってもあの表情は見るからに

止める気は無いって感じだ!……となると助ける方法は一つ!…

だがこの後にまだ教祖を相手する事を考えると……クッ!!…}


マサツグとモツ同様リーナも戸惑った反応を見せては向かって来るアデリアに

苛立ちを覚え、上手く行かない事を口にしては広げて見せるアデリアの鎌に

目を向ける!…まるで止める気で居るのかその真剣な表情にマサツグとモツが

戸惑いを覚え、この後の事も考え向かって来るアデリアに対し刹那を使うか

どうかで悩むのだが、このままだとリーナが危ない!と考えると、二人は

自ずと同じ答えを口にしていた!


「「ッ~~~!!…ッ!!!…刹那!!!」」×2


__ヴウン!!……コクリッ!!…バッ!!…


「…文句は後で聞く!!」


__ガッシ!!…バッ!!!…ドサァ!!ゴロゴロゴロゴロ!…


「ッ!!…な、何が!?…」


マサツグとモツが刹那を同時発動するとアデリアの動きがスローモーションの様に

見え、互いに発動した事を理解したのか頷き合って見せると、それぞれが

状況打開の為に動き出し始める!モツはアデリアに向かって行くと鎌の間を

すり向けては相手の背中に回り込み、マサツグは刹那が使えないリーナを

抱えては被害が及ばないであろう方向へと投げ飛ばす!…その際謝罪の言葉を

口にしてからリーナを投げ飛ばすのだが、突然の出来事にリーナが反応する事が

出来ず、マサツグの謝罪の言葉も聞こえないまま地面に転がされると

何が起きたのかと戸惑う。そうしてアデリアも目の前でモツとリーナが消えて、

残るのはマサツグだけになると驚いた反応を見せるのだが、構わずその両方の

鎌をマサツグに向けて振り下ろし始める!


「ッ!?…ふ、二人が消えて!?…

い、一体何が!?…構うものか!!貴方だけでも!!!…」


__フォン!!…ッ!!…ザクン!!!…


「ッ!?…また消えた!?……ッ!!…ぬ、抜けない!?…」


アデリアがマサツグに目掛けて両腕の鎌を振り下ろすも刹那中のマサツグを

捉える事が出来ず、モツ同様マサツグが鎌の間をすり抜け回避して見せると、

無情にも空を切って振り下ろした鎌はそのままマサツグ達が居た筈の地面に

突き刺さる!突如自身の目の前から人が三人も消えて更に驚きを露にする

アデリアなのだが、それと同時にやはり鋭利なだけあってか振り下ろした

鎌が地面に深々と刺さって簡単には抜け無くなり、必死に鎌を抜こうと

藻掻いているアデリアの後ろでは…マサツグとモツが互いに武器を握り直し、

アデリアの背中に乗って剣を突き付けようとしていた!…

しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

処理中です...