どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章四十九節 アラクネ司祭と突発奇行と蜘蛛の糸-

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マサツグとモツの目の前にはアラクネらしきモンスターが一体…

恐らくは下で抵抗している信者達の指導者…ブルーベルズ事件で言う司祭と

呼ばれる者クラスなのだろう…更に他の人キメラ達も続々とその親玉に

続くようマサツグ達の方へ集まり出し徐々に囲まれる!…そんな人キメラ達の

動向に二人は注意を張り巡らし、遂にマサツグ達の前にその司祭がハッキリと

明かりが無くても全体像が分かる位の位置までやって来ると、足を止めて

律義にマサツグ達へ挨拶をし始める。


「御機嫌ヨウ…

…私ハコノ救世主復活ノ教団デ司祭ヲスル…[アデリア]ト言ウ者デス…

折角ココマデオ越シ頂イテ申シ訳ナイのデスガ…

我々ノ邪魔ヲスル害獣達ニハココデ……」


__グワアァ!!…ッ!?…ブォン!!ザクゥゥン!!!…


「死ンデ貰イマス!!!」


「ッ!?…っぶねぇな!!…鑑定アプレェィザァル!!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「人キメラ A-3397型 改」  

  Lv.19

   HP 6200 ATK 180    DEF 140

        MATK  65  MDEF  85


 SKILL

 HP吸収 Lv.4 毒攻撃 Lv.5 拘束 Lv.6
 -----------------------------------------------------------------------

恐らく変態する前に来ていた信者服であろう前掛けが丁度ポロンしそうな胸を

隠し、アラクネ司祭が丁寧な喋り口調でマサツグ達にお辞儀をして一通り挨拶を

終えると、際どい絵図らになる。マサツグも男であり若干気になった表情を

見せるのだが、アラクネ司祭は始末すると言うと鎌を振り上げ真っ直ぐに

マサツグ達の頭上目掛けて降り下ろし、それにハッとしたマサツグとモツは

それぞれ左右に分かれるよう鎌を避けると、空振りに終わった鎌はそのまま床に

刺さって床の木片を飛ばす!マサツグとモツにその鎌の鋭さと凶悪性を見せては

戸惑わせるも、直ぐにモツがアラクネ司祭の鑑定をすると体勢を立て直して

武器を構え直し始める。


__…トッ…チャキッ!!…


「マサツグ!!…コイツあの司祭と一緒だ!!!…

迂闊に前に出るのは不味い!!!…」


「オオオオオォォォォォォ!!!!」


「ッ!?…って、おい!?…」


モツが鑑定結果を見て接近戦は慎重にと考えるとその事をマサツグに話すのだが、

マサツグは既に焦りからかモツの言葉を聞く前に武器を構えてはアラクネ司祭に

突貫をし始める!その光景にモツが戸惑いを隠せない様子で呼び止めようと

するのだが、その呼び止めも遅いとばかりにマサツグは相手の間合いに入り、

マサツグも自身の間合いにアラクネ司祭を補足する。


{…この部屋でその巨体!…暴れ回るのは無理だろ!?…

こっち急いでんだ!!…さっさと終わらせる!!!…}


「フフフフ……」


「ッ!!…おい待てって!!…様子が変だ!!

気を付け!!…」


「ハアアアアアアァァァ!!!!」


ただ下で戦っている将軍やハイドリヒの事を考え奇襲を急ぐようアラクネ司祭に

攻撃を仕掛けるのだが、アラクネ司祭はマサツグが接近戦を仕掛けて来ている事に

対し全く慌てた様子を見せる事無く、寧ろ微動だにしないで静かに笑みを

浮かべるとモツが異変に気が付く。それはアラクネ司祭の下半身…蜘蛛で言う

腹部が小刻みに動き…何かを狙っている様子が暗がりからでも良く分かったからで

あり、モツがマサツグに注意勧告を再度するのだが既にマサツグは

攻撃モーションに入っていた!


__バッ!!…フォン!!…


「フフフフ!!…掛リマシタネ!?…」


__バッ!!…フォン!!……ッ!?…バシュゥ!!…


それは一瞬の出来事であった…

マサツグがアラクネ司祭に斬り掛かり、アラクネ司祭は不敵に笑うと

高く飛ぶようバックステップで攻撃を回避する。意外に機敏な動きを見せる

アラクネ司祭にマサツグが驚き、飛んだアラクネ司祭の姿を追い駆けるのだが

アラクネ司祭は下半身を前に突き出し、お尻をマサツグに向けると糸を射出し

拘束を図ろうとする!当然それを見たマサツグは慌ててふためき顔色を悪く

するのだが、ここである事を理解する!


{ッ!!…そうか!!…

下の階で繭に吊るされていた人達は全部コイツにやられたのか!!…

良く考えれば分かる話じゃねぇか!!…

あれが普通の人間が出来る訳がねぇって!!…オマケに相手は蜘蛛!!…

当然糸を吐く位はして来るって!!…焦り過ぎた!!…でもよぉ!!!…}


__グルッ!!…ッ!?…


「ダッシュ斬りからのぉ!!…火炎斬り!!!」


マサツグの最初のダッシュ斬りが避けられてカウンターでアラクネ司祭から糸を

飛ばされ、絶体絶命のタイミングで下の階の繭を含めて判断が足りなかった事を

後悔するも、マサツグは諦めない!と言った様子で直ぐに次の手を放つ!

ダッシュ斬りで水平に斬った際…その水平に斬った勢いを利用して一回転すると

すぐさま火炎斬りを糸に向かって放ち、その糸と火炎斬りがぶつかり糸を伝って

引火するとその様子を見たアラクネ司祭は驚き戸惑う!


「ナッ!?…ソンナ馬鹿ナ!?…瞬時ニソンナ判断ガ!?…」


「死なば諸共おおおぉぉぉ!!!!」


__ジュゴオオォォォォ!!!…


アラクネ司祭の放った糸は可燃性なのか勢い良く燃え上がり、糸を伝って火が

迫って来るのを確認するとアラクネ司祭は戸惑いを隠せない!しかし火炎斬りは

糸を完全に焼き切る事は出来なかったのか…火が点いたままの糸はマサツグにも

被る様に迫り、マサツグがアラクネ司祭道連れにするよう剣を手に吠えると

糸を被って燃え上がり始める!アラクネ司祭も慌てた様子を見せるとお尻から

射出した糸を切って、自分が出した糸が引火し燃える光景とその中で人が

もがき踊る姿を見ては、焦りながらも始末したと笑みを零す!


「………フ!…フフフフフ!!…」


__…ゴオォォ!!………ぶす!…ぶすぶす!…


「フフフフフ!!…

少々驚キマシタガコレデ一人!…サァ!…残スハ貴方ダケデスヨ!?…」


「………。」


目の前で燃える糸の中…徐々にその動きが鈍り出すと最終的には倒れるよう

静かに沈黙する。それまでの間二階は木造で出来て居る為、そのまま火事に

なるのでは!?…と燃え移る事をアラクネ司祭は危惧するのだが、何とか

燃え移らずただ焦げた程度に収まると、モツの方に視線を移す。モツは

何も言わずその場に立ち尽くし表情も分からないよう俯き、その様子に

もう勝った!と言わんばかりの態度でアラクネ司祭がジリジリと寄って来ては

無反応のモツに声を掛け始める。


「フフフフフ!…恐怖ヲ感ジテ動ケナクナリマシタカ?……

デスガ大丈夫デス!…痛ミヲ感ジル事無ク…

私ガアノ世ニ送ッテ上ゲマショウ!!………?…」


「………。」


「…何故何ノ反応モ無イノデショウカ?……

モシカシテタダ単ニ絶望シテ動ケナイダケナノデショウカ?……」


抵抗をする気配を見せないモツにアラクネ司祭は無警戒で近付き、

気分上々と言った様子で話し掛けるもモツは微動だにせず俯いたまま、

戦意喪失したにしては武器はしっかりと握っており、恐怖したにしては

逃げると言った生存本能に従う行動は一切せず…ただ俯き動かない

モツに対してさすがのアラクネ司祭も何かが可笑しいと感じ始める。

モツに対して鎌を振り上げいつでも始末出来る様に構えてはいるものの

何処か不安を覚えると思わずモツに尋ねてしまい、その言葉を聞いた

モツがやっとの様子でプルプルとお刻みに震え始めると顔を上げる。

そしてそのアラクネ司祭に見せた表情と言うのは…


「……ぷッ!!…くくくく!!…

あ~っはっはっはっはっは!!!…」


「ッ!?…ナ!!…何ガソンナニ可笑シイノデスカ!?…」


「い…いや!…俺はただ単にアンタの問い掛けに対して笑っちまったんだよ?…

あぁ~おかし!!…」


「ッ!?…コ!…コノ!!…今貴方ハ命ノ危機ニ立タサレテイルト言ウノニ!!…

何故笑ッテ!!…」


モツが見せた表情は紛れも無く笑顔!…そこに恐怖や狂気…

はたまた気が飛んでしまった等の異常性は無く、ただ面白可笑しくて

笑っていると言った表情を見せ、アラクネ司祭がその反応に対して

戸惑いを見せてモツに笑っている理由を尋ねる。もはやそこには

戦闘の話は何処へ行ったと言わんばかりの奇妙な雰囲気が流れ始め、

モツはアラクネ司祭の反応に対し壺に入った様に笑って居ると、

アラクネ司祭が怒り出す!そして笑っている理由に対して問い掛け、

その問い掛けに対して途中で遮りモツが笑うのを堪えてアラクネ司祭に

視線を向けるとこう話し始める。


「……アンタは気にならないの?…」


「エ?…」


モツが笑うのを堪えてアラクネ司祭の顔を見始めるとそのモツの表情には

やはり恐怖や怒り…狂気など一切なく、ただ可笑しいと言った笑みと同時に

逆に勝ったと言わんばかりの自信に満ちた表情をそこに有った。当然そんな

表情を見せるモツにアラクネ司祭が戸惑うとモツは質問を始め、更にその

問い掛けでアラクネ司祭が状況を飲み込めず戸惑い続けると、モツはまるで

ヒントを与える様に自分の考えを口にし始める。


「確かに目の前で戦っていた敵は燃え尽きた様に倒れた…

でもそれって本当に死んだのかな?…俺だったら先ず…

…」


「ッ!?!?!?…」


__バッ!!…ッ!?…


「バ!!…馬鹿ナ!?…アノ一瞬デ何ガ!?…イイヤ!!…

ソレヨリモサッキノ奴ハ!?……ッ!?…」


そのヒントもほぼ答えに近い物であり…アラクネ司祭が気付いた反応を見せると

慌てた様子でマサツグが倒れているであろう場所を振り返り、ジッと目を凝らし

確認するとそこには人の焼死体でなく、人キメラ…それもアラクネ型の者が

転がっており、それを見てアラクネ司祭が慌て出し始めるとハッ!と自身が

最初いたであろう場所を確認する!するとそこには焼けて死んだと思って居た筈の

マサツグが何とも無いとばかりに立っては窓のカーテンに手を掛けて立っていた!


「ッ!?…ソ!…ソンナ!?…ソンナ馬鹿ナ!?……

何ガ如何ナッテ!?…確カニアノ火ガ付イタ糸ニ包マレテ居タ筈!?…

一体如何ヤッテアノ状況ヲ打破シタト言ウノデスカ!?…」


「あぁ~っと……ご都合主義って奴?…」


マサツグが気付かない内に後ろに立っており、更に何とも無い事に戸惑いを

隠せないでただ困惑して居るとマサツグに質問をし始めるのだが、マサツグは

その問い掛けに対して面倒臭いと言った様子で頭を掻いてははぐらかす。


如何やってあの状況を斬り抜けたのかと簡単にメタい説明をすると全て刹那の

お陰である!…まずは火の点いた糸が迫って来ている時点で刹那を発動!

お陰でマサツグの体感的には糸はゆっくりと落ちて来ている様に見え

対処が簡単に、次は近くに居た人キメラを捕まえそれを自身の前に引き込むと

身代わりエスケープをやって見せ、そのドタバタに紛れてまた最初二階に

来た時同様…物陰に隠れる!その際モツに分かるよう秘密裏に合図を送り、

モツがそれに気が付くとアラクネ司祭に一芝居を撃って見せ、マサツグが

バレない様に後ろに回り込むとそのままカーテンの前へ…その際人キメラ達は

火の点いた糸に驚き散り散りになっていた為更にマサツグへ注目が薄れ、

比較的簡単に後ろに回る事に成功したのである!……因みにこれを最初から

画策していたのかと問われれば間違いなく彼をこう言うだろう…


「んな訳ない!!」と…これはマサツグとモツの仲だから出来る即席…

それもやっつけ極まりない作戦で、互いが信頼して出来た奇跡の

行動なのである!そしてカーテンに手を掛けている事にアラクネ司祭が

慌て始めるとマサツグの方へと走り出す!!


「ヤ!…止メナサイ!!!…ソノカーテンを開ケテハ!?…」


「悪いが開けさせて貰うぜ?…今から一仕事が有る上に!…

この部屋暗すぎるからよ!!」


__ブワサァァァ!!!…ギャアアアァァァァァァァァァ!!!!…


カーテンを開けようとするマサツグをアラクネ司祭が慌てて止めに入るも、

マサツグは不敵な笑みを浮かべると遠慮無しにカーテンを勢い良く開けて、

部屋に太陽光を入れる!ここに来たのはお昼手前頃だろうか…

日の光が見事に二階フロアの窓から差し込むと部屋の中に居た人キメラ達が

一気に焼け始めては断末魔の声を挙げ出し、アラクネ司祭も日の光を浴びると

その真っ白な体が一気に焼け爛れて悲鳴を上げる!まるで日の光を

浴びたドラキュラの様に人キメラ達は崩れる砂の様に消滅し、残ったアラクネ

司祭は慌てて二階フロアを放棄するとモツを軽々飛び越え三階へと逃げ出す!


__ダダダダダダダ!!…バッ!!…ダアァァン!!!…


「あっ!…待てこの野郎!!…」


「ッ!…待ったモツ!!!…窮鼠猫を噛む!!」


まるで何処かのはぐれでメタルな速度でアラクネ司祭が逃げ出し、

モツが飛び越された事に戸惑いつつもアラクネ司祭を追い駆けようと振り返り、

剣を手に階段に向かい出すとマサツグが慌てて大声で止めに入る。

その際何故か諺を交えて止めに入るとモツは止まって疑問の表情を浮かべるも、

理解したのか足を止め手にした剣を鞘に仕舞う。


「ッ!!……そうだな…あの状態だと回復に時間が掛かるだろうし…

何より下の安全が最優先だったな?……ってかヤブに突っ込まれる筋合いが!…」


「さぁ!…張り切って行こうかぁ~!!!」


マサツグに止められて冷静さを取り戻し、アラクネ司祭の状態を踏まえて優先度を

下の階と改めて認識するのだが、少ししてからマサツグに止められた事に気が付き

不服と言った様子で文句を言い出すが、マサツグは無理やり話を遮断し窓を開け

始める。窓を開けると心地良い風が吹き流れ、今本当に戦闘中なのか?と言う

疑問を感じさせられるのだが、そんな悠長な事を考えている暇は無いとばかりに

下からは激しい戦闘音が響く!…


__ワアアアアアァァァァ!!!!……


「……まだ前線は持って居るみたいだな?…」


「…とにかく!急ごう!…このままだといつ崩壊してもおかしくはない!…

……ところで如何やってこれ…降りるんだ?…」


一階大聖堂から漏れる様に聞こえる合戦の音に前線がまだ崩壊していない事を

知り、将軍とハイドリヒがまだ戦って居る事にマサツグが安堵すると、

モツが急ぐ様に声を掛ける。そして窓から一階のステンドグラスの所まで

いざ降りようとする際…モツが疑問の表情を浮かべてマサツグに如何するのかを

尋ね始めると、マサツグはただ下を見詰めたまま動かなくなる。それは高さに

戸惑って居るのか?…はたまた考えて居なかった事に戸惑って居るのか?…

何方とも取れる表情をしており、マサツグがやっとの思いで窓から離れると

徐に二階フロアを辺りを見渡し始める。


__……トッ…キョロキョロ…キョロキョロ…


「……まさかそこまで考えては?…」


「いたよ!?…

考えて居たけど用意して無くて如何しようかって考えていただけだよ!?…

…で、そのロープ的な物だけど……これ…使えないかな?…」


「ッ!?……本気で言ってる?…」


マサツグが辺りを見渡し出した事にモツが困惑の表情を浮かべ、

立てていた奇襲は外組だけの作戦で内容が無い物だったのか?と尋ね掛けると、

マサツグは慌ててモツの方に振り返り言い訳をし始める。その様子に

当然モツは呆れた表情を見せマサツグの言い訳に一応は耳を貸すのだが、

マサツグが有る物を見つけた様子でモツに話し掛け見せると、その見せて

来た物にモツが戸惑いの表情を見せる。何故ならマサツグの手には先程の

アラクネ司祭だろうか?…それともアラクネの人キメラのものだろうか?…

普通より極太の蜘蛛の糸が握られており、それをロープ代わりに使おうと

言い出したからである。


「え?…いや…他にロープになりそうな物無かったし…

それに蜘蛛の糸って案外丈夫なんだぞ?…」


「いや…そうじゃなくて……あぁ~もう!…

それでいいや!…で?…次は?…」


「……?…あぁ…あの柱に蜘蛛の糸を括りつけてラぺリング!…

…で、どうよ?…」


「…まぁ…それしかないか……んじゃ!ちゃっちゃと始めますか!」


モツの問い掛けにマサツグが戸惑うと蜘蛛の糸の丈夫さをアピールするよう

手に持っている糸を引っ張り出し、伸縮性が良いのか伸び縮みをする糸を

見てモツがツッコミどころはそこじゃない!と言いたげな表情を見せるのだが、

時間が無くツッコミを入れる事すら面倒になったのか言い出そうとしていた事を

諦め始める。そして如何やって降下するかとただ戸惑い呆れた表情でマサツグに

質問をすると、マサツグはモツの反応に戸惑いつつも至って普通の答えを口にし、

モツもそれに納得するとマサツグからアラクネの糸を受け取り、適当な柱へ

歩き出す。


__ギッ…ギッ…ギッ…ギッ……シュル…ギュ…ギュ!…


「……よし!…これで良いだろ…

適当に二回合図を送って窓から飛び出し突入!…っと…

マサツグの方も準備が……って、マサツグ?…」


モツが柱にアラクネの糸を括り付け、何度か引っ張って切れない事を確認すると

頷き指差し確認をする。そしてマサツグの方に振り返り準備が出来たか如何かを

問い掛け始めるのだが、この時マサツグは何故かまだ近くの柱にアラクネの糸を

括り付けてはおらず、それ所か自身の足元に視線を移しては疑問の表情を

浮かべる。それを見てモツは戸惑いの表情を浮かべマサツグに訳を尋ね始めると、

マサツグは質問を質問で返し始める。


「……なぁモツ?…この床下収納みたいな扉……何だと思う?…」


「え?…」


「…ほら……これ?…」


__ガチャ!!…ギイィィィ……


マサツグが自身の足元を指差し床にある扉について質問をすると、その一言に

モツが戸惑った表情を浮かべてはマサツグの足元に視線を移す。するとそこには

マサツグの言う通り謎の床下収納(大容量版)とばかりに横に長い扉が設けられて

おり、幅も人が余裕で通り抜けられそうな程でそこそこ大きい…疑問を感じた

マサツグが思わずその扉のノブに手を掛け開けて見ると眼下には信者達と

先導者…更にはバリケードの内側に設置されてある奇妙な祭壇と色々な物を

見つけてしまう!その様子を目にマサツグとモツがアレ?…と言った様子で疑問を

持ち始めると、互いに顔を見合わせ数秒見詰め合った後…悪い笑みを互いに

浮かべる。


そして下で戦っている将軍とハイドリヒはと言うと、さすがにビクともしない

バリケードに悪戦苦闘している様で、息を切らしながらも周りの冒険者達との

連携を取る事に成功した様子で前線を維持していた。


__ブォン!!!…バキイィィィ!!!…


「ぬぅ!!…頑丈な物を拵えおって!!…一体何だと言うのだこれは!?…

それも幾ら傷を付けようが直ぐに癒える!?…面妖な!!!…」


__ボウ!!!…ズガアァァァン!!!…


「クッ!!!…マサツグとモツはまだなのか!?…

幾ら何でもこれ以上は!?…」


大剣で幾らバリケードを攻撃し傷付けても…

ハイドリヒが渾身のエルレイドフルーレを放とうがバリケードを破る事は出来ず、

やっとの思いで破損させても時間が経てば直ぐに破損した部位が謎の回復を

見せ始める。そんな様子を何度も見て来たのか徐々に冒険者の心が折れ始め、

マサツグとモツの奇襲もいつになったらと言った様子でハイドリヒが戸惑いを

覚えていると次の瞬間!…突如信者達の頭の上…聖堂の天井からまるで

芥川〇之介の蜘蛛の糸が如く…文字通り蜘蛛の糸が垂れ下がり始める。


__ヒュウゥゥゥゥ!!……ぶらぁ~~ん!!!…


「ッ!?…な!?…」


「何だあれ!?…」


__ざわざわ!…ざわざわ!!…


蜘蛛の糸にしてはかなり極太で更に長く、突如天井から垂れ下がった蜘蛛の糸に

気付いた敵味方双方に困惑の様子が見られると戦闘中だと言うのにピタッと

沈黙が訪れる。ハイドリヒは驚き戸惑った様子で蜘蛛の糸を見詰め、将軍も

突然の出来事に戸惑った様子を見せるも警戒をする。そしてこれには信者側の

先導者も戸惑い何事かと言った様子でその蜘蛛の糸を見詰めては固まって

居ると、その蜘蛛の糸が垂れ下がっている根元…扉から二人の人影が突如姿を

現す!


__バッ!!!…


「上から来るぞ!!…」


「気を付けろおおぉぉぉ!!!!」


「ッ!?…マサツグ!?…それにモツ!?…」


蜘蛛の糸を手に急降下して来たのは、本来予定していた作戦とは違う方法で

登場して来たマサツグとモツ!…何処かで聞いた事の有る台詞を口にしては

バリケードの内側に急降下し、その急降下して来るマサツグとモツを見た

将軍とハイドリヒが初めて見るとばかりに呆気に取られていると、信者達は

状況が飲み込めず慌て出す!そしてそんな信者達の様子を目にしつつもモツは

ふと疑問を感じたのかここでマサツグにある事を尋ね始める。


「……そう言えば突入前に奇襲を仕掛けるか如何かで悩んで居る様に見えたけど…

…急に如何したんだ?…」


「ッ!…いや…本当にこれで良かったのかな?って…」


「え?…」


「いや…奇襲作戦を思い付いて実行する前にさ?…

ハイドリヒがすっごい嫌がってたじゃん?…あれが如何にも…

ハイドリヒの言う壊さないで欲しいって理由は多分文化遺産って

意味じゃなくて…別にある様に見えてさ?…

…ほら、普通こんな事言い出したらモツみたいに呆れたり…

溜め息が出るものだろ?…けどあの時のハイドリヒの顔って…

悲しそうな顔をして居ただろ?…だからさ?…」


「ッ!……」


ラぺリング途中で余裕の会話をし始める際…モツが奇襲前のマサツグの様子に

疑問を持ったのかその時の事について質問し、その問い掛けにマサツグが

戸惑いながらも反応するとその時考えた事をモツに話す。その話を聞いてモツが

戸惑った反応を見せるも、マサツグは続けてその時考えた事を口にし、

最後の最後まで他に方法が無かったのかと考えていた事を話すと、モツは

マサツグに驚かされる。そうして慌てて戸惑う信者達を尻目にマサツグとモツが

無事内側に入り込むとまず怪しい祭壇に向かって攻撃を開始し、その際爆発等が

起きないよう中距離から雷撃刃で破壊を試みる!


__シュウウゥゥゥ!!…スタッ!!…チャキッ!!…


「雷撃刃!!!」×2


__ヴァリ!!…コオオォォォ!!!…ガシャアアァァァン!!!…


「な!?…馬鹿な!?…貴様らぁぁぁぁぁ!!!…」


マサツグとモツが放った雷撃刃はそれぞれバリケード付近にあった祭壇を

破壊し、何やら奇妙な煙を上げるとただの残骸となり果てる。それを見た

先導者があからさまに戸惑った反応を見せて直ぐに怒りだし、

マサツグとモツを敵視し始めるのだが、今はそれどころでは無いとばかりに

将軍が大剣を掲げる!


__ジャコン!!…ブォン!!!…


「…時は満ちた!!…今こそ反撃の狼煙の時!!…冒険者達よ!!!…

今までの鬱憤を晴らさんが如く!…目の前の壁諸共!!…」


__どよ!?…


「ッ!!!…蹂躙せよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


__ワアアアアアァァァァァァァァ!!!!!


大剣を掲げた将軍がバリケードに向かい剣を突き付けると冒険者達に声を

掛け始める!…マサツグとモツがやってくれた!と確信した様子で…

更に今までの苦渋を晴らそうとしている様に!…その将軍の呼び掛けに

答えるよう冒険者達も回復薬やポーション等…温存して居たアイテムを

静かに服用し着々と仕掛ける準備を整え始めては改めて陣を敷き直し始める!…

勿論それを見た信者達は戸惑い慌てては恐れ始め…ざわざわと信者達の

統率が失われて完全に混乱状態に陥るのだが、将軍はこれを勝機と受け取ると

声を挙げて冒険者達に号令を掛け出し、その号令に従うよう雄叫びを上げて

冒険者達が一気にバリケードへ攻撃を仕掛けると、バリケードは先程までの

頑丈さが嘘だったかの様に簡単に突破される!


__バギィ!!…バギィ!!!…ドガアアァァァァ!!!!…


「ッ!?…突破されたぞぉぉぉ!?!?」


「もう駄目だあぁぁぁぁぁ!!!!」


__逃げられると思うなよぉぉぉぉ!!!!…


バリケードが突破され冒険者達が雪崩れ込むと信者達はもはや戦う気力は無いと

ばかりに逃げ惑い始める!しかし戦意喪失した所で今までの鬱憤が晴れる訳が

無い冒険者達は容赦なく信者達を追い詰めて行き、次々抵抗して来た信者達を

お縄に付けその勢いが留まる事を知らないとばかりに制圧蹂躙をして行く!

その時の冒険者達は鬼気迫る物が有り、次々捕まって行く信者達を呆然と眺める

先導者を冒険者達は徐々に取り囲み始め、遂に後数人の信者とその先導者を

残して完全に制圧されると、将軍が冒険者達の後ろから投降する様に宣告する。


「これ以上の戦いは貴様達の死を意味する!!…

それでもこれ以上無駄な争いをすると言うのなら!!…容赦はしない!!…

…だが投降すると言うのなら別だ!!…その先導者はもはやどうしようもないが、

下に就いていた信者達にはまだ減刑が認められるであろう!!!…」


__ざわ!…ざわざわ!!…


「……投降だと!?…ふざけおって!!…まだ戦いは終わってはいない!!!…」


「ッ!…何!?…」


信者達は冒険者達に囲まれ完全に戦意喪失…ギルド職員達も聖堂の中が制圧され

始めたと判断し突入して来ると拘束された信者達を連行して行く。そうしてまだ

反抗の意思を見せるのは信者達を先導していた恐らく司祭だけであり、将軍の

減刑と言う言葉に信者達が揺り動かされる中…その司祭だけがまだ終わって

いない!と言うと意気込むと様子が豹変する。そして将軍がその言葉に驚き

警戒を強めると目の前では先導者が唸り出し、その様子に冒険者達が

戸惑い出すと、マサツグ達の目の前で遭遇三度目となる変態が始まるのであった。

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【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

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