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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章十六節 ドレッグの腕前と死神の所以とシロ専用装備-

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「…じゃあ!…改めて、その春風刀の修復と…

俺とシロの防具を作ってくれないか?…付け加えてお願いをすると

出来るだけ動き易い様に作ってくれるとありがたい!…」


モジャ男ことドワーフのドレッグに気に入られ…マサツグの依頼を聞くと言うと、

早速マサツグは鍛冶の依頼をお願いする。依頼の内容は春風刀の修復・自身と

シロの防具の制作!…ルンが言っていた今一番腕の良い鍛冶師の実力!…その腕に

期待しながらマサツグがそう依頼するとそれを聞いたドレッグは快く了承し、

先程厳選して鍋に入れた鉱石を自身の目の前にある窯の中へと放り込んで行くと、

その鉱石の精錬をし始めると同時にマサツグ達に採寸を求める。


「ッ!…ほほぅ?…その嬢ちゃんの防具もか…よし、わかった!!

ではスマンが軽く採寸をさせてくれんか?…服の上からで構わんから…

さすがに採寸無しで作れんからのぅ?…」


「ッ!…あぁわかった。(はいです!)」


__バッ!…ッ!…バッ!…プルプルプルプル!…


ドレッグに採寸をお願いされるとマサツグとシロは納得した様子で返事をし、

マサツグが腕を肩の高さまで上げて水平に横へ伸ばすと、シロもそれを見て

マサツグの真似をするよう腕を伸ばす。その際シロは何故か若干緊張した

様子を見せており、それを見たマサツグとドレッグが思わず笑ってしまう。


「ッ!…ほっほっほ!…こう言った事は初めてなのか?…

じゃあ…ちゃっちゃと終わらせて安心させるとするか!…」


ドレッグは慣れた手付きで皮紐一本を取り出しては先にシロの採寸を始める。


__シュル…ピッ!…


「うん!…じゃあちっとばかし動かんでくれよ?…どれどれ?」


「は…はいです!…」


「うん…うん……よし!…どれどれ?…」


__コッ…コッ……ガチャン!!…ガチャガチャ!…カシャン!……ッ!?…


手に持った皮紐でシロの肩幅・胴回り・腰回り・首から腰までの長さを測ると

ドレッグは覚える様にウンウンと頷き、何やらキャンプの奥に戻るとキャンプ

からマネキンの様な鎧の型を取り出し始める。明らかに何かカラクリが

有りそうなその鎧の型をカチャカチャとドレッグが弄って行くと、その鎧の

型は直ぐにシロのサイズへと変わって行き!…シロはその様子を見て興味を

持ったのか目を輝かせていたが、マサツグは一旦腕を降ろす際…ふと窯の方に

目を向けてその中で溶ける鉱石を見詰めては、ハッ!と思い出した様子で

ドレッグにある事を問い掛けていた。


__ゴオオォォ!……


「ッ!…そうだ!…じっちゃん!!…これ!……使えないかな!?」


「ん?…ちょっと待ってくれ……後…腕と足を調べるだけじゃから…」


「え?…あっ…ス、スマン…」


マサツグが思い出した物とはあのワイバーンのブレスで不純物だらけとなった

鉱石の塊であった。思い出した様子でアイテムポーチを開き出すと中からその

インゴットを取り出し、ドレッグに使えるかどうかを聞き始めるのだが当然

シロの採寸が終わって居ない為、ドレッグに待つよう言われる。そして数分で

シロの採寸が終わるとシロは終わった事に安堵した様子で…ドレッグは若干

疲れた様子で息を漏らすと、マサツグが差し出して来たインゴットを手に取る。


「……よし、もう良いぞ?…嬢ちゃん…」


「はふぅ~…」


「…ふぅ……何でワシまで釣られてこんな緊張をしとるのじゃろうか?…

やれやれ……さて、これは?…」


「ワイバーンのブレスで鉱脈の鉱石が溶けてインゴット化した物なんだけど…」


マサツグからインゴットを受け取るなりドレッグはチラッと物を確認するが、

そのインゴットが何なのかはさすがのドレッグも分からない様で…若干困惑

気味の表情でマサツグに物は何か?と尋ね出す。その問い掛けにマサツグは

その出来た経緯も簡単に説明するようそのインゴットの正体を話し、それを

聞いたドレッグが今度は若干驚いた表情を見せると、再度インゴットに目を

向けては先程とは違う!…鋭い眼光でもう一度インゴットを見詰める。


「ッ!…ほほぅ!…いやしかし…」


「……ッ?…如何したやっぱ…」


「うぅ~ん…いや、使えん事は無いのじゃが……

今から作ろうとしている物には使えんな……

やはり不純物…中途半端に精錬してあるから不純物が多い!…

砕けた岩等が入っている状態では鋼自体の質が落ちる!…

これでは武器にも防具にも使えん!…精々使えたとして…

鍛冶師の練習アイテムっと言った所かの?…

見習いに不純物を取らせる訓練のな?…」


再度インゴットを見詰めては使えるかどうかを見ているのか…少しの間ジッと

見詰めるが、次第にその目も和らいで行くとスッとマサツグに目を閉じて見せては

首を左右に振り、マサツグもそれを見てやっぱ駄目かと言った様子で声を掛けよう

とすると、ドレッグは首を左右に振った理由を語り出す。ドレッグが言うには

やはり不純物!…これが一番のネックと言った様子で使えない理由を説明しては

別の使い道を考えた様子で話し出し、マサツグに返そうとそのインゴットを手に

腕を伸ばすと、マサツグはドレッグからインゴットを受け取る。この時マサツグは

諦めた表情を見せては勿体ないと呟きそうになるのだが、直ぐにハッと思い付いた

表情をすると、またドレッグに質問するよう声を掛ける。


「……そうか…何か勿体……ッ!…

そうだ!…じゃあ因みに刀を直すのと防具を作るの!…

全部出来るのに時間的にはどれ位掛かりそう?」


「うん?…うぅ~ん…そうじゃなぁ……

何か急ぎの用事が有るのか?…」


「いやそう言う訳じゃ無いけど…

もし時間が掛かるのならこれの再精錬をやってみたいと思ってさ?…

ここに返って来る道中でちょっとひょんな事から鍛冶に目覚めてさ?…

その訓練に…」


マサツグが聞いたのは全ての工程が終わるまでの時間であり、それを聞いた

ドレッグが若干悩んだ表情を見せると、その質問の真意に気付いた様子で

マサツグに急いでいるかどうかの質問をする。急いでいるのなら今からでも!…

と慌てる様子を見せるドレッグに、マサツグは違うとばかりに首を左右に

振って答え…その理由に鍛冶スキルの訓練と答え、ここに戻って来る道中で

スキルの書を見つけて鍛冶を覚えたと説明するのが面倒なのか、はぐらかし

ながらドレッグにそう伝えると、当然そんな奇妙な答えにドレッグは戸惑いを

覚える。


「ッ!?…鍛冶に目覚め?……いや…何も聞くまい!…

そう言う事じゃったらワシも時間が許す限り色々教えよう!…

この先自分で武具の修復等は出来た方が良いからな?…

して時間じゃが……そうじゃな?…今の話だと三日程有れば余裕じゃな?…

サイズ調整・着衣時の不具合・最終確認…ワシが作る以上やっておきたい事が

この三つでな…更にお前さんの言う動き易く強靭と言うと自ずと軽装になる…

となると…胸当て・籠手・脛当ての三つになるじゃろうし…頭に関しては

もはやそのワイバーンの皮を使って鉢金を作れば良かろうて…

この皮…ちっとやそっとでは切れんし硬いし…

そこいらのイノシシより丈夫な皮をしておる!……じゃと言うのに…

…何をどうやったら尻尾を?…翼を落とせるのじゃ?…さすがのその大剣でも…」


「あはははは…」


マサツグからの返答に戸惑った表情をしつつ…もはやドレッグ自身も

考えるのが面倒なのか無理やり納得した様子を見せ、ドレッグの目にも

マサツグが鍛冶を習得していると言う風に映っているのか、マサツグの

やろうとしている事に一切文句を言おうとはしない!…こういった

職人気質の人は安易に足を踏み入れられる事を忌み嫌うのだが、むしろ

逆にその修行に付き合うよう答え始めると乗り気の言葉を掛け、

修業期間としての時間かそれとも制作・修復の時間か…マサツグに

必要な日数を答えると、その三日間の日数が必要な理由を話し始める。

そしてその説明の中で色々と過程ややっておきたい事を話し出すのだが

徐々に脱線し…最終的にマサツグが尻尾と翼を持って帰って来た話に

なると、マサツグはドレッグに対して苦笑いをするしか無いのであった。


そうしてドレッグに色々と疑問の言葉を投げ掛けられつつ…マサツグの鎧の

採寸も終わる事、窯に入れた鉱石が良い感じと溶けて鋼鉄へと変わり出し、

まずはそれらを取り出しインゴットに加工し始めると、ドレッグはエンジンに

火が点いた様にキビキビと動き出し始める!そしてこの日がドレッグで言う

一日目らしく…やる気を漲らせるとマサツグに詳しい要望を聞き始める。


__作成一日目……


「…よし!…インゴットも準備出来た!…

ではまずは実際如何言った機能が欲しいかを出来るだけで良い!…

具体的に話してくれんか?…」


「え?……と言いますと?…」


「…ッ!……そうじゃのぅ?……ッ!…例えばじゃが…

あのワイバーンの翼を背中に付けて欲しいとかかの?…」


「いやそれ何処の一狩り行こうぜ!だよ!!!…」


この日…刀修復とマサツグとシロの防具を作るだけの鉱石を溶かしては

一旦インゴットに加工するを繰り返し、準備を整えるとドレッグは図面を

机に広げて設計をマサツグに尋ねていた。何か欲しい機能等…見た目等を

聞いて来るのだが、いきなり言われたマサツグはパッと思い付かず…

如何言った事を聞いているのか?と戸惑いながらにドレッグへ尋ねると、

ドレッグは中二病…或いは某一狩り行こうぜのG級装備みたいな見た目を

提案し始め、マサツグはそれを聞いて思わずツッコミを入れると言った

コントを見せて居た。因みにシロはと言うとあのマネキンの様な鎧の型が

気になっていたのかドレッグに予備を出して貰うと、それで遊び…

何やらナイスバディなモデルに組み替えると、真剣な眼差しを向けていた…

そうして色々ツッコミどころが溢れる中…何とかマサツグの軽装を設計し、

更にシロ専用の胸当てを設計すると制作に入り始めるのであった。


__作成二日目……


__カンッ!!…カンッ!!…カンッ!!…カンッ!!……ジュウウゥゥ!!!…


「……よし!…後はこれにアレを合わせて!……ッ!…

おぉ!…お前さん上達が速いのう!…まさかアレだけあった不純物交じりを…」


「え?…」


「たった一晩でやり遂げてしまうとは!……

とは言ってもまだマラカイト一種類だけじゃが…」


この日はドレッグの指導の元…あのワイバーンのブレスによって溶けた鉱石の

不純物を取り除くのに躍起になっていた。マサツグ自身こう言った細かい

作業等は模型作り等で鍛えられて居る為、昨日の晩(ゲーム内時間)から掛かり

始めてやっとマラカイト鉱石…計45個を使えるレベルまでに戻したのであった。

因みにその間ドレッグはマサツグにコツを教えながら熟練の手際で防具を作り…

昼までにマサツグの防具一式を作り終えてマサツグに確認するよう声を

掛けていた。


「……よし!…こんなもんじゃろ!!

あぁ~…ちょいとマサツグ殿!!…今手を放せるか?」


「ッ!…はいよ?…って、もう出来たのかよ!?…」


「これ位一晩有れば十分じゃ!!…

じゃなくてスマンがこれを試着してみてくれんか?…

完璧に仕上げねば意味が無いからな…違和感が有れば言ってくれ。」


ドレッグの熟練の技と手際によって早速マサツグの防具一式が出来上がると、

ドレッグはマサツグにフィッティングをする様に頼み…マサツグはマサツグで

もう自身の防具が出来ている事に驚いた反応を見せると、ドレッグは朝飯前と

ばかりにドヤ顔を決める。それは途轍もなく早く最高の仕上がりだった!…

そして違和感等が無いかを確認させる様マサツグに付けるよう再度頼むと、

マサツグは戸惑いながらもその防具を着け始める。


__スッ…ガチャガチャッ!…キュッ!…


「……よし!…違和感は……感じないかな?…

動きが邪魔されてる感覚も無いし…引っ掛かりを覚える感じも無い…

…あっ!…ステータス画面を開いて確認…えぇ~っと……ッ!?…」


「ッ!?…な!…何じゃ!?…何処か不味い所が有ったのか!?…」


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「マサツグ」

「シロの飼い主」

 Lv.35    「剣豪」

 HP 3650          TP 570          装備 

 ATK 345+90  DEF 310+350   E 武器 ライモンド卿の残傷の大剣 

 INT 125     RES 165+10           武器2 無し
                     
 AGI 370       LUK 999          頭装 ワイバーンの鉢鉄   

                    体装 ワイバーンの軽鎧

 MS [剣術Lv.8]  [拳闘術Lv.5]    足装 ワイバーンの足具

 SS [鑑定LV.7]    [採取術Lv.7]    装飾 春王蜥蜴の腕輪

      [技術向上]    [超幸運]                 

        [上級剣術皆伝] [刹那Lv.7]         

        [感知Lv.4]    [凄腕の魔物使い]

    [鍛冶Lv.1]

                    

  [術技]

    兜割り      TP 10   ダッシュ斬り TP 15   火炎斬り    TP 20

  氷結斬り   TP 20   雷撃刃    TP 25   天昇剣     TP 30

  烈風刃    TP 45   回転斬り   TP 35   昇槌斬         TP 40 

   斬裂想刃    TP 60   蒼閃連斬         TP 75   絶・天翔剣     TP 60 

  [術技2]

  四季刀剣術・疾風の型 TP 55

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マサツグが装備を付け終え軽く動いて見せるとドレッグは心配そうに見詰める…

やはり幾ら腕利きの職人とは言えこう言った瞬間は緊張するのかジッとマサツグの

答えを待ち続け、マサツグ自身も違和感等感じない事を腕を振り回し動きながら

確認すると、思い出した様にステータス画面を開き始める。どう変わったのかを

確認したい!…そう感じて開いたのだが…自身のステータス画面を開いた瞬間、

マサツグが驚いた表情を見せるとドレッグまでもが驚き慌て出す!…何か不具合が

有ったのか!?…そう心配するドレッグを余所に、マサツグが驚いた理由は

何でもない…その性能と自身のレベルに対しての驚きであった!


「防御が格段に上がってるし!…

俺のレベルもいつの間にLv.30台になってる!?…

…って、それに称号がシロの飼い主て…」


__ズルッ…


「と!…年寄りを無駄に驚かすで無いわ!!…全く!!…

で?…結局の処問題は?…」


「あ!…あぁ大丈夫だ!…問題無い!…」


マサツグが見せる驚いた反応にドレッグも一時はヒヤッとするが、いざ自分は

関係ないどころか全く違う事に驚いて居るマサツグに対して転けた様な反応を

見せると、マサツグに戸惑いながら強めにツッコミを入れる。そして徐に

呆れた表情を見せて改めてマサツグに問題が無いかどうかを確認し、

マサツグが某一番良いのを頼む!…と言いそうな天使の言葉を満足げに口に

すると、漸く安堵する。そうして後は細かいサイズ調整・取り扱い時の

注意の説明・ドレッグ自身の目で再度最終確認等を行い…漸くマサツグの防具が

完璧に完成されると、マサツグに手渡されるのだが…その際マサツグはふとルンの

噂話を思い出すと、思わずその事を尋ねるつもりは無かったのだが口にしてしまう。


「……いやぁ…にしてもここまで見事な鎧を作るのに…

何であんな[死神]二つ名が付いているのやら……って、あっ!…」


__ピクッ!……


「……ス、スマンじっちゃん!!…茶化すつもりは無かったんだ…」


マサツグが二つ名を口にし不思議がると途端にドレッグはピクっと反応する。

やはりその二つ名に何か思う所が有るのか…ドレッグはその言葉を聞いた途端に

暗い表情をし始め、マサツグも遅れながら自身がトンデモナイ事を口走った事に

気が付くと、ドレッグに慌てて謝る。そして何度も何度も頭を下げて謝る

マサツグにドレッグも悪気が有って言った訳では無いと理解すると、マサツグの

方を振り向いては軽く笑みを浮かべてその理由を語り始める。


「……フッ…そんなに謝らんでも良い…

ワザとじゃない事位…さっきの声音を聞けば分かる……そうじゃの…

そう言えば確かにそんな二つ名が付いて居ったのぅ?…なぁに…理由は簡単じゃ…

その頃のワシはただ自分が作る武具に絶対の自信を持って居った…

例えその相手が魔王であろうとも!…勝てる武器を!…防げる防具を!…

絶対に作れると言う自信に満ち溢れて居ったのじゃ…

そうしてワシは自身の武具を求める者にその要望通りの武具を作って来た!…

勿論一切の妥協等無しにな?……しかし如何じゃ?…

幾ら武器が強かろうが?…防具の性能が良かろうが?…扱う者が未熟であれば

それはただの宝の持ち腐れ…ワシが作った武具を手に入れた者は皆増長し…

自身より強い強敵に挑んでは皆死んで行ったのじゃ…それも…

ワシが作った武具は無傷のまま死んで行きおったのじゃ…」


「ッ!?…そうか!…それであんな噂が…」


ドレッグが語り始めたのは何故その二つ名が付いたのかと言う…自身で導いた

答えの様な物であった。その話をする際もドレッグは悲しい様な思い返す様な…

何方とも取れる表情でマサツグに淡々と話し、その時の自身の心境…気が付けば

二つ名が付いていた事など…マサツグにも理解出来る様に話して、やはり悲しい

表情をしており、マサツグも理解出来た様子で戸惑いながらも相槌を打つと、

ドレッグはまだ話足りないのか話を続ける。


「鎧に食われただの!…武器に殺されただの!…好き勝手言われておる様じゃが…

その見つかった場所を改めて確認すれば全てが危険区域!…

指定凶悪モンスターが根城としている場所ばかりじゃった…根も葉も無い噂に!…

ワシもそれを耳にしてもう鍛冶をする事すら嫌になった時期が有ったもんじゃ…

しかしそれでもやっぱこの仕事が好きでの?…こうして今でも仕事をして居る…

そんな中噂を逆に考える者が出て来おってなぁ…自分は大丈夫と言った運試し

みたいな事をする輩が出て来たのじゃ…だからわしは有る条件を思い付いた!…

それが!…」


「……あの鉱石掘りって事か…」


__……コクリッ…


次に話し始めたのは軽い文句交じりの原因について…ドレッグはその冒険者達の

最後を聞いてか、自身でもその冒険者達の最後の場所を調べた様子で話し出すと、

先程の話の証拠を裏付けるようマサツグにある話をし始める。それは最後に姿を

消した場所の全てが危険区域!…指定凶悪モンスターが住む場所である事で、

ちゃんと自身のレベルを分かって居れば普通は挑まないと言う…ドレッグなりの

推理であり、恐らくそれが真実だろうとドレッグが確信を持った様子で口に

すると、自身の心の声…苦言を続けて話し続ける。そしてそのせいで一時期仕事を

止めようとしていた辛い過去を話すと、やっぱり止めれなかった事…

それに追い打ちを掛けるようドレッグで言う実力の無い連中が来ては鬱陶しかった

事を話し、そんな連中を追い払う為に思い付いた条件の話をすると、マサツグも

納得した様子で条件の話をしてドレッグが静かに頷く。そうして色々と

ドレッグの過去や心情が分かった所でマサツグは改めて申し訳ない気持ちに

なると、再度謝り始める。


「……いや…本当に申し訳ない!!…無神経な事を言って!!…」


「ッ!…いやぁ…はっはっはっは……何の何の…

この仕事をして居れば嫌でも通る道…何ならざらにある…

…とは言え…確かに良い物では無いが…もう気にせんでくれ…

こうして話を聞いてくれて…

理解してくれただけでも意味が有ったと言うモンじゃ…頭を上げてくれ…」


マサツグが頭を下げて謝り、ドレッグが苦笑いしながらマサツグを許す…

この話をしただけでも意味が有ったと話して満足した表情を見せるのだが、

やはりこの時のドレッグの眼差しは何処か悲しく…マサツグもそれを見て

改めて自身の言動に気を付けようと心に誓うのであった。そうして色々話し

合ってまた作業に戻り…二日目は着々と終わりを告げて行くのであった。


__作成三日目……


__ガチャガチャッ!…キュッ!…


「……うぅ~む……スマンがちょっと良いか?…」


「ッ!…はいよ?…」


最終日…ドレッグはシロの防具制作と刀の修復を…マサツグは相も変わらず

ワイバーンのブレスで出来たインゴットの不純物取りに勤しんで居た。

マサツグがドレッグの指導でメキメキと腕を上げ遂に鉄鉱石とダマスカス!…

その両方の不純物取りを終わらせようとしている時に、突如としてドレッグに

呼ばれる。この時ドレッグはシロの防具を完成させたのか、型に合わせるよう

立て掛けてはマジマジと見詰め…納得が行かないのか悩んだ表情を見せて

居ると、マサツグにある事を尋ねていた。


「嬢ちゃんの籠手と脛当てなんじゃがな?…

これ下手するとブレスレットとアンクレットの方が良くは無いか?…」


「と言いますと?…」


「いや…動き易さ重視ならばその抵抗を少なくする方が

良いのでは無いかと思ってな?…

それに嬢ちゃんだって可愛い方が好きと思うのじゃが?…」


ドレッグがマサツグに尋ねた事とは!?…それは更に素早さを重視する為に

本来の籠手と脛当てからアクセサリー風の防具に変えると言った、シロを

気遣う仕様変更であった。その際ドレッグはシロも可愛い方が喜ぶと言った

様子でマサツグに提案をするのだが、それを聞いたマサツグはまさかの言葉が

出て来た事に噴き出しては、一緒に出来たてのシロの防具に目を向けていた。


「ぶふっ!!…乙女心も分かるのか?……

…でも、そうすると極端に防御性が下がるんじゃ?…

それにシロちゃん首輪してるし…ブレスレットにアンクレットって……」


__ガシャアァァン……ッ?…


「……ますます見た目的に大丈夫なのかと思うのだが?…」


「あぁ…いや…まぁ…うん……気持ちは分からんでは無いが…

防御面の方は考えて有る!…元よりあの嬢ちゃん用に用意した鉄には

そう言った力が宿るでな?…問題無い!……となると…」


「「デザインかぁ~…」」


マサツグもドレッグの提案を聞いて色々考えを言い出すのだが、その際シロが

そのブレスレットとアンクレットを付けて首を傾げている姿を想像したのか、

ある構図が浮かぶと途端にマサツグは心配し…ドレッグもマサツグの反応を見て

直ぐに察したのか言葉に詰まると、とにかくマサツグが心配していた防御面の方は

大丈夫とだけ答える。そして扱っている物は鋼鉄である事…貴金属で無い事を

考えると余計にそう言った図にしか見えず…デザインについて悩み始める二人で

あったが直ぐにドレッグがある事を思い付くと、更にマサツグにある事を

提案する。それはドレッグだからこそ出来ると言った職人ならではの腕の見せ所で

あった。


「……ッ!…よし!…じゃあこうするのは如何じゃ!?…

お前さんが掘って来た宝石を加工してそのブレスレットと

アンクレットに取り付ける!…デザインはハーフリングス様式にして…

その鉄も鏡面加工してしまうと言うのは!?…パッと見では木目調の

ブルーメタルを使ったアクセサリーにしか見えん様に出来る!…

これならまず間違い無く誤解される事は無いと思うぞ!?…」


「え?…そんな事が!?…でも時間は?…」


「今から掛かれば余裕で出来る!…ちょっと待って居れ!!…

ワシの技術の粋を今こそ見せてやろう!!!」


ドレッグの言う作戦とは、完璧にアクセサリーにしか見えないよう細工すると

言った偽装工作…もとい加工術を使うと言った提案であった。宝石を付けて

ブレスレットとアンクレットを鏡面加工!…こうする事によってマサツグ達の

言う構図は回避出来るとドレッグが提案するとマサツグは戸惑い、出来るのかと

時間を気にしながら尋ねるとドレッグはやる気を見せて返事をし、早速作業に

取り掛かる!…そこから一時間……本当に宝石の加工から鏡面加工まで!…

ブレスレットとアンクレットの両方を仕上げると、マサツグを驚かせる!…


「……ふぅ~…さすがに急ピッチの作業は堪えるわい!…

しかし!…会心の出来じゃ!!…」


「ッ!?…本当に作っちゃったよ!?…」


「これで如何じゃ?…これなら不要な心配も無いじゃろ?…

ちゃんと性能面も考慮してある!…ミッションコンプリートじゃ!!」


「……じゃ、じゃあシロに付けて貰おうか…」


ドレッグが出来上がったと言って火事場から立ち上るとその完成品をマサツグに

手渡し、その完成品を見たマサツグが本当に短時間で仕上げた事に驚いて居ると、

そのブレスレットとアンクレットをマジマジ確認する。リングは青く木目調の

鏡面加工…材質は恐らくマラカイトとダマスカスのハイブリット合金で、宝石も

小さく…直に取り付けて有るのではなく、必要かどうか分からない程の短い

チェーンで付けられてはプラプラとしている。まるでアラビアンな物語りに

出て来そうな踊り子のブレスレットとアンクレットにマサツグは驚きつつも

一度付けてから判断しようと考えると、シロを呼び始める。


「……シロ~?…ちょっと良いかぁ~?」


「ッ!…は~い!!」


「……シロの装備が出来たから一回付けて見てくれるか?…

色々具合を確かめたいから?…」


マサツグがシロを呼ぶとシロは洞窟内を駆け回っており、マサツグに呼ばれて

返事をすると手を振りながらマサツグの方へと走って来る。そしてシロは

今回飛び付いて来る事無く駆け付けて来ると、マサツグは早速出来上がった

ばかりのブレスレットやアンクレット…胸当て等々をシロにフィッティング

するよう声を掛け始めるのだが、当然シロは今まで防具など付けた事は無く…


「はいです!!…よいしょ!…」


__脱ぎ!!…


「ッ!?…ちょっ!!…ちょっと待った、待った!!

服は脱がなくて良い!!…服の上から付けるの!!…

ゴメン説明不足だった!!」


「ッ?…」


防具を着ける為に恐らく着替える事と誤解している様子で…その場でシロが服を

脱ぎ出すとマサツグが慌てて止めに入り、自身の説明不足だった事を認めるよう

謝ると、突如謝られた事にシロは不思議そうに首を傾げる。因みにこの時

ドレッグはと言うと…シロが服を脱ぎ始めた際直ぐに反応した様子で首をそっぽ

向けると見ない様に紳士の振る舞いを見せて居た。そうしてマサツグが戸惑い

ながらもシロに防具を着け始める。そして…


__……クルッ……クルッ……スンスン…


「…如何じゃ?…違和感等は無いか?…有ったら直ぐに言うんじゃぞ?…」


「……はいです、全然大丈夫です!!」


「ッ!…ふぅ…それは良かった…」


装備を付け終えるとシロは早速色々と具合を確かめるよう自分の身の周りを

クルクルと見回し、臭いを嗅いだりと忙しそうに動き回る。その様子を

ドレッグがまたもや心配そうに見詰めてはシロに大丈夫かどうかの質問を

するのだが、シロも違和感を感じないのか徐々に落ち着きを取り戻すと、

ドレッグの方に振り返って元気に返事をする。そしてその返事を聞いて

ドレッグも一安心すると、ここでマサツグが確認するようシロのステータス

画面を開き出すのだが、ここである事に気が付く。


{…ッ!…そう言えばここに来て初めて見るな…シロのステータス画面…}


__ピピッ!…ヴウン!!…

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「シロ」

「天才肌のフェンリルの子供」

 Lv.30    「フェンリル」

 HP 2950          TP 660          装備 

 ATK 310        DEF 270+240      武器 素手 

 INT 250       RES 280       頭装 風翡翠のイヤリング
                     
 AGI 400+50     LUK 120         体装 マサツグの血晶鉄の胸当て   

                    足装 マサツグの血晶鉄の足環

 MS [拳闘術Lv.7]            装飾 名前入り首輪

 SS [感知 Lv.2]    [風装 Lv.4]    

      [絶対嗅覚]    [忠犬]                 

        

  [術技]

    カマイタチ    TP 10   真空破    TP 25   疾風爪     TP 25

  疾風乱舞   TP 35   
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この時アンクレットは脚装備にちゃんと表記されて居るがブレスレットは

表記されず…一体如何言う事かと悩むも翌々考えればマサツグも同じで…

胸当てと籠手は二つで一つとされている事に気が付く。そして気になるのは

勿論ここだろう…何故マサツグはワイバーン装備となっているにも関わらず

シロは奇妙な装備になっているのか?…その答えは至極単純である!…

最初設計時マサツグもシロも同じワイバーン装備になる予定だったのだが…


「トカゲ臭いのはヤです!!!…」


と、バッサリとワイバーンを毛嫌いする一言を言ったからであった。

これを言われたマサツグは勿論困惑するのだが、ドレッグは慣れている様子で…

シロの一言に大笑いするとある一計を考えてはマサツグに提案する。それがこの

「マサツグの血晶鉄」と言う物であるのだが、その話を振る際も一悶着起きる!…


____作成一日目:シロにトカゲ臭いのは嫌!と言われてから直後…


「ぶふっ!!…くはっはっはっははっはっは!!…

こりゃあ良い!…将来この嬢ちゃんは大物になるじゃろうな!!」


「ッ!?…いやそう言う問題じゃなくて!!…」


「あぁ~あ!…じゃあいっそ!!…

その大好きなご主人様を嬢ちゃんの鎧にしてしまうか?」


「………へ?」×2


ドレッグがシロの事を褒める様に大笑いすると、マサツグはそのドレッグの

様子に戸惑いながらもツッコミを入れ…如何やってシロの装備を作るかで

悩もうし出すが、直ぐに答えは出て居るとばかりにドレッグは笑い終えた様子で

トンデモナイ事を言い出す!当然その言葉を聞いたマサツグとシロは二人揃って

気の抜けた声で反応し、何をサイコパスな事を言っているのだ!?とマサツグが

心の中で戸惑って居ると、更にドレッグはマサツグにこう尋ねる…


「お前さん…悪いが少し血をくれんか?…」


「ッ!?…いやいやいやいやいや!!!!…

何を仰って!!…」


ドレッグが突如としてマサツグに献血を求め出すと当然マサツグは戸惑う!…

何か黒魔術でもするのか?と言いたくなる位にトンデモナイ事を言われ、その事を

言った当人はと言うと、すっごい和やかに笑みを浮かべている!…当然この

状況にマサツグは狂気を感じると動揺隠し切れない様子で、慌ててドレッグに

その理由を尋ねつつ断ろうとすると、ドレッグはマサツグの様子を悟ってか

ちゃんと詳しい説明をし始める。


「……お前さん何か勘違いして居るようじゃから言うが…

安心せい!…別に血を全部寄こせと言っている訳では無い!…

嬢ちゃん用の装備をお前さんの血を使った合金で作ろうと考えただけで…

別に狂気に目覚めたとかそう言う訳じゃない!…

…これはちょっとした秘術でな?…それにほんの2、3滴で十分じゃ!」


「え?…あっ…そうなの?…

…と言うよりちゃんと説明してくれよ!?…思わずビビったじゃねぇか!…

てっきり俺はマジでミートシールドやれって事かと…」


「……お主こそ大概トンデモナイ事を言って居るが?…」


ドレッグから詳しい説明を聞いてマサツグは戸惑った状態ながらも納得した

のか徐々に落ち着き出し、ドレッグの提案を断った場合本当にシロを守る為に

自らの身を盾にしないといけないのか?と葛藤して居た様子を話すと、

ドレッグはマサツグの言葉に引いた様子で戸惑いを覚える。そんなドレッグの

様子にマサツグは先に話を振って来たのはそっちだろう!と思いつつ…

ドレッグの秘術に協力する事を決めると、早速その秘術に取り掛かる。


「……よし!…いい感じに溶けたな!…ここでこれを!…」


__ジュウゥ!!……パアァァ!…


「…よし!…ではお前さん!!…この溶けた鉄の中に血を入れてくれ!」


__……ブシュッ…ポタタタタ……パアァァァ!!!…


まずはドレッグが窯の中から溶けた鉄を救い出すと、何やら小さな布袋を

取り出し…その子袋の中から固形物一つを取り出すと、溶けた鉄の中に

投入する!…すると何かを投入された溶けた鉄は若干赤み掛かった様子で

発光し出し、それを見てドレッグは頷くと今度はマサツグに血を入れるよう

指示をする。その指示を聞いてマサツグもナイフを片手に溶けた鉄の前に

立つと人差し指をスパッと切って見せ…その溶けた鉄の中に自身の血を

数滴流し込むと、更にその溶けた鉄は赤い光を放ち出してはゴボゴボと

煮え立つ!…そうして赤い合金が出来上がるとドレッグはこれで良いと

頷いて見せ、上手く行ったとばかりにその合金の名前を口にする。


「……よしよし!…上手く行ったみたいじゃ!…

これで血晶鉄の完成じゃ!…」


こうして満足げに言われたそれを一旦インゴットに加工し、徐々にシロ専用の

防具として作り出すのだが…このマサツグの血が混じった合金・血晶鉄の性能は

まさに黒魔術めいた物なのであった。性能はその血の提供者によって変わる

らしく、この時の血晶鉄はワイバーンを倒した時のマサツグ…Lv.30台の能力が

付与されており、色々とステータスには反映されないバフ付与が掛かる様になって

いるらしい…


因みにシロはワイバーンや春野原スプリングフィールドのキングリザードと言ったトカゲの臭いが

嫌いなのだが、何故かワイバーン装備を着ているマサツグには嫌な顔をせず…

いつも通り擦り寄って来ては笑みを浮かべ、それを見たマサツグが疑問に思うと

シロにトカゲ臭くは無いのかと尋ねるのだが、シロ曰く…


__……スンスン…スンスン…


「…うん……トカゲの臭いがしないです!

いつものご主人様の臭いです!!」


「え!?…」


何度も鼻を近づけ臭いを嗅ぐのだが、マサツグの臭いしかしないとシロは

満面の笑みで答え…それを聞いたマサツグは自身の体臭はトカゲ以上なのかと

戸惑い悩み始めるのだが、その疑問に答えるよう様子を見ていたドレッグは、

マサツグにこう話す。


「安心せい…別にお前さんが匂う訳では無い!…

ただ少しばかりワイバーンの素材に消臭加工を施しただけじゃ。

……ただ生憎材料が一人分しか無くてな?…

嬢ちゃんの分が出来んかったのじゃ…」


「な…なるほど……ふぅ…」


「……ッ?…」


__……ポン…なでなで…ッ~~~~♪


ドレッグの技で臭いが消されたと言う事を説明して貰い、自身が臭い訳では

無いと言うと事を理解すると、マサツグは安堵した様子でホッと一息吐いて…

その様子にシロはマサツグの顔を覗き込むと首を傾げて見せるのだが、

マサツグはただ良かったとばかりにシロの頭に手を置くと撫で出し…マサツグが

シロを撫で出してから数十分後…ドレッグが最後の仕事を終えたとばかりに

春風刀を修復させる。


__…ジュウウゥゥゥ!!!………スラァ…


「…うむ!…完璧に治ったわい!……不思議な刀じゃのう?…

あれだけボロボロじゃったから紋様は消えたと思ったのに紋様まで戻っとる!…」


「え?…」


「さて…柄と目釘を……もうあんまり無茶な使い方はせんようにな?…」


「うッ!?……はい…すみません…」


ドレッグが春風刀を修復した際…紋様まで修復出来ている事に驚きを覚え、

不思議とばかりにその刀身をマジマジ見詰めては一言呟くと、その一言を

聞いたマサツグもシロを抱えながら様子を見に来る。するとそこには

ドレッグの言う通り見事に元に戻った刀身が有り、ドレッグは春風刀の

不思議な様相に驚きを覚えつつ…春風刀に柄を付け始める。その際マサツグに

釘を刺すよう軽めに忠告をすると、マサツグには深く刺さったのか…その場で

シロを抱えたまま項垂れると、ドレッグに謝って見せる。そうしてシロを

降ろして完全復活した春風刀の刀身を見詰めては刀を鞘に仕舞い…また鞘から

刀を抜いて見せるといつもの様に鞘から突風が吹き起こる!…それらを確認して

マサツグは第二装備欄に春風刀を装備し直すと、今後の冒険の準備を整える

のであった。

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