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変わりゆく日常
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香瑠の店は小さい面積ながら多くの服が掛っていた。
壁沿いに設置されたハンガーラックには、色合いで並べているのか、グラデーションになるように服が並んでいて思わず目が向く。
サイズと色を上手く並べているらしく、狭い店の中はそれ自体が作品のような美しさを持っていた。
中心にはいくつか季節で入ったばかりの新作を置いているらしく、晴樹はそこが目的のようだった。
香瑠は店の再開準備をしながら晴樹に服の説明をしている。
悠人は一人で店の中を見回していた。
途端、ふわりと身体がふらつくような感覚に襲われる。軽くたたらを踏んだがすぐに元に戻る。
「大丈夫?」
晴樹の声がして振り返ると香瑠もこちらを見ていた。
「目眩かな」
「大丈夫? 熱中症とかぁ?」
確かにこの時期は気をつけた方がいい。だが水分についてはコーヒーや紅茶だけでなく、水も飲んでいるつもりだ。
大丈夫だと思うと付け加えると、香りが近づいて来てずいっと顔を近づけた。
鼻頭が当たりそうな程近づいてきて、驚いて身を逸らす。
「え、な、なんです?」
すんっと匂いを嗅ぐようにして、香瑠は眉根を寄せる。
「キミぃ、薬は飲んでるの?」
「え? あー、はい。ずっと、飲んでます」
「ずっと?」
「ええ。毎日飲むタイプのやつで。周期にあわせて量増やすタイプの……」
「帰った方がいいんじゃないかなぁ」
「え?」
香瑠は顔を離すと晴樹の方をみた。
「宮本さんはα?」
「いや、俺はβっすよ」
「ふぅん。でもじゃあ、今の彼、ちょっと匂ってみてよ」
「え?」
「は? なんですか、突然」
思わず悠人は香瑠を睨んだ。
「いいからいいから」
服を一つ手にしていた晴樹を掴んで悠人の前に近づける。
「匂ってみて。それ買うならちょっとサービスしてあげるから」
「え、マジで?」
「おい、晴樹!」
顔を近づける。
多分、それほど近い距離になったことは無いのではないかと思うほど。
香瑠に言われて晴樹は首筋に鼻を近づけた。そっちの方がいいというのはよく分からない。
クラクラする。やはり熱中症だろうか。だが香瑠のこの反応は嫌な予感しかない。
「なんか、イイ匂いがする」
「はーん。やっぱり?」
「なんかこぉ……傍に置いときたくなるような、イイ匂いっていうか」
その言葉に悠人は自分の匂いを嗅いでみるが、自分の匂いは自分ではよく分からない。
香瑠は眉根に皺を刻んだまま、口元に手を当てて考える。
「薬飲んでるって。めっちゃ失礼なのは承知なんだけどぉ、ヒートになったことあるのって、その最初の一回だけなの?」
「そう、ですけど……それからずっと、薬飲んでるんで……」
「はーん。じゃあやっぱもう帰った方が良いよ、キミ」
そう言って香瑠は眉間の皺を伸して笑みを浮かべた。
「それ、もう薬じゃ抑えられないやつだよ」
言われた通り悠人は自分の家に向かっていた。
晴樹は送ろうかと言ったが、その申し出は断った。
まだ今のうちなら大丈夫じゃないかな、という香瑠の言葉に、悠人は賭けることにした。
「結局さぁ、本心ではやっぱり六條さんのこと好きでしょう? だから多分、薬でも抑えられないヒートがきてるんだよ。予兆とかなかったぁ?」
予兆と言われると、冬真に薬を増やした方がいいのでは、と言われたことを思い出す。
だがアレは元々そういう周期だったハズだ。しかし、ちょうどその時期に純一と再会した。
それが不味かったのか。
それでもまだ否定する。
だがそれでも、薬は増やしていたし、いくら好きだと言ってもそんな感情ひとつで、薬の効果さえ薄められるのだろうか。
香瑠は悠人のそんな問いに、店の天井を見上げながら言った。
「結局六條さんも他のΩの匂いにも反応しないでしょぉ? キミもさぁ、他のαの匂いに反応したことって、ある? ってか匂いを感じたことってある?」
記憶を一気に手繰った。
自分がΩだと分かった時から、今日に至るまで。
地元での高校時代、大学での生活、社会人になってからの会社での日々。
嫌な記憶もいくつかあるが、それらにも確かにαという存在はいたはずだ。
だがどこにも、そんな記憶は一切ない。
匂いでαだろうと分かることは、確かにあったが。それだけだ。
なんとなく気になる強い匂いがすると言う程度。それを心地よい、好きだと思うことはなく、単純に香水のような香りのようなものと認識して終わっている。
そして今だ。純一と再会したあの時から、ずっと匂いはしている。
その香りを感じるとホッとした。昔のような懐かしさを感じ、飲み屋でも、ドライブの時も、ずっと香っている。
「多分、ない……です」
「あったとして、それで薬飲んでるなかでヒートの周期早まったりしたことあるぅ? ほら、あれ。ちょっとの怠さとかそういうやつ。薬飲んでるとヒートそんな感じで終わるでしょ?」
香瑠に言われて頷いた。そして答える。
「ないです」
「じゃあやっぱり、キミも不感症だ」
そう言って笑って香瑠は続けた。
「ずっとキミも、六條さんの匂いしか知らないんだよ」
家まで早足で歩いていく。
自分の匂いがどれだけのものか知らない。他のαの人間がどうなるのかもしらない。
そして自分がどうなるのかも。
最初のヒートは記憶にあるが、それでもあんなものの比ではないことはなんとなく分かった。
もう分かった。
自分がずっと欲しかったのはあの匂いだ。
唯一あの時、手を伸した純一だけが欲しかった。ずっと。
だから他の匂いを感じなくなった。
しかし今、自分が本当に欲しいと願う匂いが、純一傍にいる。
それに誘発され、薬で抑え切れないほどになってしまったのだ。
自分の気持ちを認識されたことで、薬は効かなくなったのだ。身体の本能が、欲するものを手に入れるために抑え切れなくなっている。
唇を噛んで、部屋への道のりを小走りに突き進む。
階段を駆け上がり、部屋の前までたどり着くと、慌てて鍵を取り出した。
指先が震えていた。
落としそうになりながら、鍵を挿して回し、ドアを開けると中に入る。
すぐに鍵を閉めた。
息が上がっている。
スマートフォンを取り出すと、すぐに冬真の連絡先を表示して電話を掛ける。
数コールで冬真が出ると、開口一番悠人は言った。
「あの、明日……休みたい、です。すみません」
『え? ああ、いいけど……どうした? 体調不良?』
「その、……はい、そうです」
歯切れの悪い答えを聞いて、冬真は待つように言った。
どこかへ歩いて行く様子だった。
冬真はもう一度呼びかけるように声を掛ける。
『もしもし。悠人、お前もしかして、薬が効かなくなった?』
「なんで……分かるんです、それ」
『あー……声で分かる。どうする? 緊急用の強いやつ、知り合いの医者に頼んで貰うことはできるけど。全然休むのは大丈夫だから』
悠人はその場にしゃがみ込みながら、お願いしますと答えた。
「でも、それどうしよう……晴樹にでも、頼んで持って来て、貰えば……いいですかね」
『アイツなら、大丈夫か……な。でも悠人、お前その原因、分かってんだろ?』
「……なんで、冬真さんもそう言うんです?」
『俺もって、他にも? っていうかまぁ、分かるよ』
「そう、ですか……」
『彼に、連絡は?』
「あ、そうだ。約束……してるから、ダメだって、連絡しないと」
『そーじゃなくて』
ため息と共に冬真は言った。
『まぁ、いいや。とりあえず俺の方からもまた後で連絡するから。お大事に』
電話を切ると、悠人は純一とのトーク画面をタップで呼び出す。体調が悪くなったから、今日の夜は無理だと送る。
画面をスリープさせると、よろよろと立ち上がった。
靴を脱ぎ部屋に上がる。それさえ億劫で、身体が熱い。
喉が渇く。否、違うナニカが渇いている。
渇望している。
口を開いた。粘っこく、唾液が糸を引き、溢れる吐息が熱を含んでいる。
あの時と同じだ。
「くそ」
欲しくて堪らないものを、言葉にする前に悠人は唇を噛んだ。
少しだけ血の味が口の中に広がった。
壁沿いに設置されたハンガーラックには、色合いで並べているのか、グラデーションになるように服が並んでいて思わず目が向く。
サイズと色を上手く並べているらしく、狭い店の中はそれ自体が作品のような美しさを持っていた。
中心にはいくつか季節で入ったばかりの新作を置いているらしく、晴樹はそこが目的のようだった。
香瑠は店の再開準備をしながら晴樹に服の説明をしている。
悠人は一人で店の中を見回していた。
途端、ふわりと身体がふらつくような感覚に襲われる。軽くたたらを踏んだがすぐに元に戻る。
「大丈夫?」
晴樹の声がして振り返ると香瑠もこちらを見ていた。
「目眩かな」
「大丈夫? 熱中症とかぁ?」
確かにこの時期は気をつけた方がいい。だが水分についてはコーヒーや紅茶だけでなく、水も飲んでいるつもりだ。
大丈夫だと思うと付け加えると、香りが近づいて来てずいっと顔を近づけた。
鼻頭が当たりそうな程近づいてきて、驚いて身を逸らす。
「え、な、なんです?」
すんっと匂いを嗅ぐようにして、香瑠は眉根を寄せる。
「キミぃ、薬は飲んでるの?」
「え? あー、はい。ずっと、飲んでます」
「ずっと?」
「ええ。毎日飲むタイプのやつで。周期にあわせて量増やすタイプの……」
「帰った方がいいんじゃないかなぁ」
「え?」
香瑠は顔を離すと晴樹の方をみた。
「宮本さんはα?」
「いや、俺はβっすよ」
「ふぅん。でもじゃあ、今の彼、ちょっと匂ってみてよ」
「え?」
「は? なんですか、突然」
思わず悠人は香瑠を睨んだ。
「いいからいいから」
服を一つ手にしていた晴樹を掴んで悠人の前に近づける。
「匂ってみて。それ買うならちょっとサービスしてあげるから」
「え、マジで?」
「おい、晴樹!」
顔を近づける。
多分、それほど近い距離になったことは無いのではないかと思うほど。
香瑠に言われて晴樹は首筋に鼻を近づけた。そっちの方がいいというのはよく分からない。
クラクラする。やはり熱中症だろうか。だが香瑠のこの反応は嫌な予感しかない。
「なんか、イイ匂いがする」
「はーん。やっぱり?」
「なんかこぉ……傍に置いときたくなるような、イイ匂いっていうか」
その言葉に悠人は自分の匂いを嗅いでみるが、自分の匂いは自分ではよく分からない。
香瑠は眉根に皺を刻んだまま、口元に手を当てて考える。
「薬飲んでるって。めっちゃ失礼なのは承知なんだけどぉ、ヒートになったことあるのって、その最初の一回だけなの?」
「そう、ですけど……それからずっと、薬飲んでるんで……」
「はーん。じゃあやっぱもう帰った方が良いよ、キミ」
そう言って香瑠は眉間の皺を伸して笑みを浮かべた。
「それ、もう薬じゃ抑えられないやつだよ」
言われた通り悠人は自分の家に向かっていた。
晴樹は送ろうかと言ったが、その申し出は断った。
まだ今のうちなら大丈夫じゃないかな、という香瑠の言葉に、悠人は賭けることにした。
「結局さぁ、本心ではやっぱり六條さんのこと好きでしょう? だから多分、薬でも抑えられないヒートがきてるんだよ。予兆とかなかったぁ?」
予兆と言われると、冬真に薬を増やした方がいいのでは、と言われたことを思い出す。
だがアレは元々そういう周期だったハズだ。しかし、ちょうどその時期に純一と再会した。
それが不味かったのか。
それでもまだ否定する。
だがそれでも、薬は増やしていたし、いくら好きだと言ってもそんな感情ひとつで、薬の効果さえ薄められるのだろうか。
香瑠は悠人のそんな問いに、店の天井を見上げながら言った。
「結局六條さんも他のΩの匂いにも反応しないでしょぉ? キミもさぁ、他のαの匂いに反応したことって、ある? ってか匂いを感じたことってある?」
記憶を一気に手繰った。
自分がΩだと分かった時から、今日に至るまで。
地元での高校時代、大学での生活、社会人になってからの会社での日々。
嫌な記憶もいくつかあるが、それらにも確かにαという存在はいたはずだ。
だがどこにも、そんな記憶は一切ない。
匂いでαだろうと分かることは、確かにあったが。それだけだ。
なんとなく気になる強い匂いがすると言う程度。それを心地よい、好きだと思うことはなく、単純に香水のような香りのようなものと認識して終わっている。
そして今だ。純一と再会したあの時から、ずっと匂いはしている。
その香りを感じるとホッとした。昔のような懐かしさを感じ、飲み屋でも、ドライブの時も、ずっと香っている。
「多分、ない……です」
「あったとして、それで薬飲んでるなかでヒートの周期早まったりしたことあるぅ? ほら、あれ。ちょっとの怠さとかそういうやつ。薬飲んでるとヒートそんな感じで終わるでしょ?」
香瑠に言われて頷いた。そして答える。
「ないです」
「じゃあやっぱり、キミも不感症だ」
そう言って笑って香瑠は続けた。
「ずっとキミも、六條さんの匂いしか知らないんだよ」
家まで早足で歩いていく。
自分の匂いがどれだけのものか知らない。他のαの人間がどうなるのかもしらない。
そして自分がどうなるのかも。
最初のヒートは記憶にあるが、それでもあんなものの比ではないことはなんとなく分かった。
もう分かった。
自分がずっと欲しかったのはあの匂いだ。
唯一あの時、手を伸した純一だけが欲しかった。ずっと。
だから他の匂いを感じなくなった。
しかし今、自分が本当に欲しいと願う匂いが、純一傍にいる。
それに誘発され、薬で抑え切れないほどになってしまったのだ。
自分の気持ちを認識されたことで、薬は効かなくなったのだ。身体の本能が、欲するものを手に入れるために抑え切れなくなっている。
唇を噛んで、部屋への道のりを小走りに突き進む。
階段を駆け上がり、部屋の前までたどり着くと、慌てて鍵を取り出した。
指先が震えていた。
落としそうになりながら、鍵を挿して回し、ドアを開けると中に入る。
すぐに鍵を閉めた。
息が上がっている。
スマートフォンを取り出すと、すぐに冬真の連絡先を表示して電話を掛ける。
数コールで冬真が出ると、開口一番悠人は言った。
「あの、明日……休みたい、です。すみません」
『え? ああ、いいけど……どうした? 体調不良?』
「その、……はい、そうです」
歯切れの悪い答えを聞いて、冬真は待つように言った。
どこかへ歩いて行く様子だった。
冬真はもう一度呼びかけるように声を掛ける。
『もしもし。悠人、お前もしかして、薬が効かなくなった?』
「なんで……分かるんです、それ」
『あー……声で分かる。どうする? 緊急用の強いやつ、知り合いの医者に頼んで貰うことはできるけど。全然休むのは大丈夫だから』
悠人はその場にしゃがみ込みながら、お願いしますと答えた。
「でも、それどうしよう……晴樹にでも、頼んで持って来て、貰えば……いいですかね」
『アイツなら、大丈夫か……な。でも悠人、お前その原因、分かってんだろ?』
「……なんで、冬真さんもそう言うんです?」
『俺もって、他にも? っていうかまぁ、分かるよ』
「そう、ですか……」
『彼に、連絡は?』
「あ、そうだ。約束……してるから、ダメだって、連絡しないと」
『そーじゃなくて』
ため息と共に冬真は言った。
『まぁ、いいや。とりあえず俺の方からもまた後で連絡するから。お大事に』
電話を切ると、悠人は純一とのトーク画面をタップで呼び出す。体調が悪くなったから、今日の夜は無理だと送る。
画面をスリープさせると、よろよろと立ち上がった。
靴を脱ぎ部屋に上がる。それさえ億劫で、身体が熱い。
喉が渇く。否、違うナニカが渇いている。
渇望している。
口を開いた。粘っこく、唾液が糸を引き、溢れる吐息が熱を含んでいる。
あの時と同じだ。
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