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偶然とは、必然の上に成り立つ
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香りはあの一瞬だけ、だった。
だから仕事をこなしている内に悠人は先ほどの客について考えることを止めていて、気にする暇もなくなっていた。
店の閉店時間は23時半。そのあとに片付けなどをして悠人が上がるのは24時頃、日付の変わる頃になる。
いつも仕事が終わると食事をとる。大体はキッチンが作ってくれた賄いを持って帰るか、その場で食べて帰るようにしている。
今日はどうしようかと、明日が休みなこともあって考えながらグラスを拭いていた時だった。
「すみませーん」
「はい、伺います」
声がした方を見ると、そこには先ほどの二人客がいる席だった。
手を上げたのは、あの香りがしたほうではない。よく通る声を上げた男は、悠人が近づいてくるまでこちらをじっと見ていた。
何かやらかしただろうか。
少しだけ不安に思いながら、伝票を手に歩いて行く。
しかし特に何があった、というわけでもないようで二人は追加のフードメニューを注文した。
「では、確認いたします」
上から、言われた通りの順番で復唱している間、じっとこちらを見る視線がむず痒くなる。
「で、よろしいですか?」
悠人は最後まで読み上げたところで視線を上げて言った。
その視線の先には、こちらをじっと見つめる双眸があり、思わずドキリとする。
ほんの一瞬、そうやって言葉が紡げなかった瞬間を待っていたかのように、男は口を開いた。
「俺のコト、覚えてない?」
「……は?」
思わず素で声を上げると、同席していた男の方が肩を震わせて笑い始めると同時に手を振りながら言った。
「まてって、それじゃ変なナンパにしか聞こえねーよ。ゴメンね、お兄さん」
「お兄さんじゃなくて悠人な」
視線を悠人から逸らして男が言う。
「え、なんで俺の名前……」
思わず悠人が声にすると、再び視線が戻ってくる。
この店では名札のようなものはない。だからどうやって悠人という名を知ったのかさっぱり分からなかった。
大きな瞳。少し細められた瞳。
自分を見つめる時そうやって時折細める癖を、どこかで見たことがある気がする。
悠人はどうすればいいのか分からず動けないでいた。言葉を探すにも、どういえば良いのか分からない。
だが先に助け船を出したのは、やはり連れの男の方だった。
「こいつ、純一ってーの。六條純一。覚えてない?」
「覚えて、ないっ……て」
そんな名を聞いたことがあるだろうか。
と、記憶を辿ろうとしたところで一気にその答えに行き着いて、悠人は大声を上げそうになったのを飲み込んで、手にしていたペンをぶんぶんと上下に振った。
「……あ! むつ?」
「そう!」
「むつって呼ばれてたの?」
「あ、っと……と、とりあえず、オーダー、通して、きます」
慌てて仕事のモードに切り換え直そうとして、悠人は片言で話して立ち去った。
無意識に止めていた息を再開して、驚きを飲み込んでカウンターへと戻る。
冬真は悠人を見ると、先ほどまで居たテーブルの方をチラリとみた。
「なんか言われたぁ?」
「いや……あの、昔の、知り合いで……」
「へぇ?」
食事のオーダーをキッチンに向かって伝えると、悠人はドリンクのオーダーに取りかかる。
首を左右に軽く振りながら、信じられないと小さく呟く。
六條純一。
彼は幼なじみだ。
小学校に上がる前から、近所だったから顔を合わせることも多かった、悠人より四つ年下である。
だから自分にとっては弟のようであり、小学校に上がったあともよく遊んでいたし家族ぐるみでの付き合いもあった。
田舎だからこそ、周りとの付き合いは否が応でも近かった。
だからこそ逃げた。
「嫌なら俺持って行くけど?」
何気ない冬真の声で、はっと我に返った。
悠人が顔を上げると、できあがったグラスを前に肩を竦める冬真がいる。
思わず答えに迷っていると、冬真はそれを手に「持って行くな」と告げてスタスタと歩いて行く。
ため息をついて、片付けをすることにした。ほとんど無意識にオーダーを作っていたことに気がついて、少し自分でも驚いていた。
片付けの最中、他のテーブルに呼ばれてオーダーを取りに出て行った。
戻ってくると、ちょうど冬真も戻っていて、手を洗いながら声を掛けられた。
「もしかして、前に話してた幼なじみ?」
「あー……はい」
今更言い訳をする理由も見当たらず、悠人は軽くうなずいて答えた。
思い出したくない過去の一つだ。
幼い頃は、本当の兄弟のように遊んでいた。
それが壊れるのは一瞬のことで、自分が住んでいた土地からも、純一からも逃げたくて上京の道を選び、ほとんど実家にも寄りつかなくなった。
あの時のことを思い出すと何もかもが嫌になる。
初めての熱、貪欲に欲したもの、彼を見る眼と、自分を見る眼。
途切れ途切れの記憶は、いつだってすぐに全貌が滑らかに再生される。
思い出したくないから、わざと自ら細切れにしているだけだ。
最初からずっと、それは自分の中で消えない最悪の記憶。
「おーい、大丈夫か?」
キッチンから声がしてハッと我に返り振り返った。
エプロン姿のキッチンリーダーの男が、出来た料理の提供をお願いすると悠人はそちらに向かった。
出来たのは、純一のいるテーブルの料理だった。手にしてしまったし持って行かなければと思い、小さく息を吸って仕事のモードに切り換える。
「おまたせいたしました」
テーブルまでたどり着き、そう言ってテーブルに料理を置いた。
一つはパスタで、一つは海鮮のアヒージョだった。取り皿を置いて、バゲットの入ったカゴを置く。
ワインを頼んではいないのに、おもしろい組み合わせだなとなんとなく思っていると、不意に視線が純一とあった。
「びっくりした?」
「……びっくり、してる」
小さく答えると、颯爽とパスタに手を伸そうとしていたもう一人の男が顔を上げて悠人をみた。
「ちゃんと覚えてます? こいつのこと。なんか変なナンパみたいになってる気がするけど」
「覚えてます、大丈夫です」
そう言って微笑みを浮かべて男の方を見た。仕事である、と言い聞かせれば、ある程度のやりとりは出来ると自分に言い聞かせる。
だが長居はしたくない。
「ごゆっくりどうぞ」
言って立ち去ろうとする。
だがふわりと香る甘い匂いに、悠人の意識はほんの少し遠くなる。
脳の奥から身体の指揮系統を奪われる。
何もかもが甘美に感じる。
自分の動きも、声も。
他人の動きも、声も。
「大丈夫?」
純一の声がして現実に引き戻される。
腕を捕まれていることに気がついた。だがいつそうされたのかは分からず、口を小さく開けて呼吸をした。
「だい、じょうぶです。すみません」
ぎこちない笑顔を作り、仕事だと言い聞かせて我に戻る。
心配そうな純一の表情に悠人はもう一度「大丈夫です」と答える。
「手、離していただけますか」
そう伝えると、純一は悠人を見つめたまま手を離した。
「ありがとうございます」
すぐに踵を返してカウンターに戻る。
心臓がどくどくとうるさく脈打っていた。
身体中が少し熱く感じる。
深呼吸をして、冷水機から水をコップに一杯注ぐと、一気に飲み干した。
はぁっと息を吐いて気を落ち着かせる。
そうすれば、すぐにいつも通りに戻る。
「大丈夫?」
冬真の声がして顔を上げた。
「少し休むか? さすがに早上がりは難しいけど」
「いや、大丈夫です」
「無理はするなよ?」
心配そうに冬真は言って仕事に戻る。
大丈夫。
その言葉は、自らに言い聞かせるようにでもあった。
*
「大丈夫なの?」
「大丈夫。慎二は心配性すぎるんだよ」
純一はカウンターに戻った悠人を見つめていた視線を、目の前にいる守谷慎二に戻して言った。
「いや何年ぶりだよ。しかも相手は逃げてるようなもんでしょ。突然来たらそりゃ警戒するって」
パスタに食らいつきながら慎二は言う。
もっともなことを言っているが、今の純一にはあまりどうでもいい小言だった。
冷たいジントニックを飲みながら純一は笑って言った。
「大丈夫。良い匂いがした」
「は? それってこれの匂いじゃねーの?」
そう言って慎二がアヒージョをフォークで示すと、純一は顔を顰めて「ちげーよ」と言った。
「そんな匂いじゃない。もっと甘いやつ」
「なに。それって」
そこまで言うと慎二は黙った。フォークに巻き取ったパスタを一口頬張りながら、純一をじっと見る。
その先は分かるだろうと言わんばかりに、純一は肩を竦める。フォークを手に、アヒージョに手を伸してエビを一口頬張った。
「それって、フェロモン的なってこと?」
慎二が言葉にするが純一はそれに対して何も答えなかった。
だがしかし、その沈黙は肯定だと思いながら、慎二はパスタを再びフォークに巻き付けていく。
「やっと見つけたんだ。絶対逃がさない」
「逃がさないって……向こうの気持ちは無視ですかー?」
「無視はしないよ。まぁ、ただ今までと変わらずなら、ココからが長いけど」
頬杖を突いて純一はオリーブオイルとニンニクの香りが立ち上がるアヒージョを見つめた。ブロッコリーをフォークで突き刺す。
「今さら長いとかどうとか、問題あんの?」
「ないよ」
慎二の質問はもっともなので、さらりと答えた。
まだ熱そうなブロッコリーを頬張りながら、レジで会計をする悠人の姿を遠くから見つめていた。
だから仕事をこなしている内に悠人は先ほどの客について考えることを止めていて、気にする暇もなくなっていた。
店の閉店時間は23時半。そのあとに片付けなどをして悠人が上がるのは24時頃、日付の変わる頃になる。
いつも仕事が終わると食事をとる。大体はキッチンが作ってくれた賄いを持って帰るか、その場で食べて帰るようにしている。
今日はどうしようかと、明日が休みなこともあって考えながらグラスを拭いていた時だった。
「すみませーん」
「はい、伺います」
声がした方を見ると、そこには先ほどの二人客がいる席だった。
手を上げたのは、あの香りがしたほうではない。よく通る声を上げた男は、悠人が近づいてくるまでこちらをじっと見ていた。
何かやらかしただろうか。
少しだけ不安に思いながら、伝票を手に歩いて行く。
しかし特に何があった、というわけでもないようで二人は追加のフードメニューを注文した。
「では、確認いたします」
上から、言われた通りの順番で復唱している間、じっとこちらを見る視線がむず痒くなる。
「で、よろしいですか?」
悠人は最後まで読み上げたところで視線を上げて言った。
その視線の先には、こちらをじっと見つめる双眸があり、思わずドキリとする。
ほんの一瞬、そうやって言葉が紡げなかった瞬間を待っていたかのように、男は口を開いた。
「俺のコト、覚えてない?」
「……は?」
思わず素で声を上げると、同席していた男の方が肩を震わせて笑い始めると同時に手を振りながら言った。
「まてって、それじゃ変なナンパにしか聞こえねーよ。ゴメンね、お兄さん」
「お兄さんじゃなくて悠人な」
視線を悠人から逸らして男が言う。
「え、なんで俺の名前……」
思わず悠人が声にすると、再び視線が戻ってくる。
この店では名札のようなものはない。だからどうやって悠人という名を知ったのかさっぱり分からなかった。
大きな瞳。少し細められた瞳。
自分を見つめる時そうやって時折細める癖を、どこかで見たことがある気がする。
悠人はどうすればいいのか分からず動けないでいた。言葉を探すにも、どういえば良いのか分からない。
だが先に助け船を出したのは、やはり連れの男の方だった。
「こいつ、純一ってーの。六條純一。覚えてない?」
「覚えて、ないっ……て」
そんな名を聞いたことがあるだろうか。
と、記憶を辿ろうとしたところで一気にその答えに行き着いて、悠人は大声を上げそうになったのを飲み込んで、手にしていたペンをぶんぶんと上下に振った。
「……あ! むつ?」
「そう!」
「むつって呼ばれてたの?」
「あ、っと……と、とりあえず、オーダー、通して、きます」
慌てて仕事のモードに切り換え直そうとして、悠人は片言で話して立ち去った。
無意識に止めていた息を再開して、驚きを飲み込んでカウンターへと戻る。
冬真は悠人を見ると、先ほどまで居たテーブルの方をチラリとみた。
「なんか言われたぁ?」
「いや……あの、昔の、知り合いで……」
「へぇ?」
食事のオーダーをキッチンに向かって伝えると、悠人はドリンクのオーダーに取りかかる。
首を左右に軽く振りながら、信じられないと小さく呟く。
六條純一。
彼は幼なじみだ。
小学校に上がる前から、近所だったから顔を合わせることも多かった、悠人より四つ年下である。
だから自分にとっては弟のようであり、小学校に上がったあともよく遊んでいたし家族ぐるみでの付き合いもあった。
田舎だからこそ、周りとの付き合いは否が応でも近かった。
だからこそ逃げた。
「嫌なら俺持って行くけど?」
何気ない冬真の声で、はっと我に返った。
悠人が顔を上げると、できあがったグラスを前に肩を竦める冬真がいる。
思わず答えに迷っていると、冬真はそれを手に「持って行くな」と告げてスタスタと歩いて行く。
ため息をついて、片付けをすることにした。ほとんど無意識にオーダーを作っていたことに気がついて、少し自分でも驚いていた。
片付けの最中、他のテーブルに呼ばれてオーダーを取りに出て行った。
戻ってくると、ちょうど冬真も戻っていて、手を洗いながら声を掛けられた。
「もしかして、前に話してた幼なじみ?」
「あー……はい」
今更言い訳をする理由も見当たらず、悠人は軽くうなずいて答えた。
思い出したくない過去の一つだ。
幼い頃は、本当の兄弟のように遊んでいた。
それが壊れるのは一瞬のことで、自分が住んでいた土地からも、純一からも逃げたくて上京の道を選び、ほとんど実家にも寄りつかなくなった。
あの時のことを思い出すと何もかもが嫌になる。
初めての熱、貪欲に欲したもの、彼を見る眼と、自分を見る眼。
途切れ途切れの記憶は、いつだってすぐに全貌が滑らかに再生される。
思い出したくないから、わざと自ら細切れにしているだけだ。
最初からずっと、それは自分の中で消えない最悪の記憶。
「おーい、大丈夫か?」
キッチンから声がしてハッと我に返り振り返った。
エプロン姿のキッチンリーダーの男が、出来た料理の提供をお願いすると悠人はそちらに向かった。
出来たのは、純一のいるテーブルの料理だった。手にしてしまったし持って行かなければと思い、小さく息を吸って仕事のモードに切り換える。
「おまたせいたしました」
テーブルまでたどり着き、そう言ってテーブルに料理を置いた。
一つはパスタで、一つは海鮮のアヒージョだった。取り皿を置いて、バゲットの入ったカゴを置く。
ワインを頼んではいないのに、おもしろい組み合わせだなとなんとなく思っていると、不意に視線が純一とあった。
「びっくりした?」
「……びっくり、してる」
小さく答えると、颯爽とパスタに手を伸そうとしていたもう一人の男が顔を上げて悠人をみた。
「ちゃんと覚えてます? こいつのこと。なんか変なナンパみたいになってる気がするけど」
「覚えてます、大丈夫です」
そう言って微笑みを浮かべて男の方を見た。仕事である、と言い聞かせれば、ある程度のやりとりは出来ると自分に言い聞かせる。
だが長居はしたくない。
「ごゆっくりどうぞ」
言って立ち去ろうとする。
だがふわりと香る甘い匂いに、悠人の意識はほんの少し遠くなる。
脳の奥から身体の指揮系統を奪われる。
何もかもが甘美に感じる。
自分の動きも、声も。
他人の動きも、声も。
「大丈夫?」
純一の声がして現実に引き戻される。
腕を捕まれていることに気がついた。だがいつそうされたのかは分からず、口を小さく開けて呼吸をした。
「だい、じょうぶです。すみません」
ぎこちない笑顔を作り、仕事だと言い聞かせて我に戻る。
心配そうな純一の表情に悠人はもう一度「大丈夫です」と答える。
「手、離していただけますか」
そう伝えると、純一は悠人を見つめたまま手を離した。
「ありがとうございます」
すぐに踵を返してカウンターに戻る。
心臓がどくどくとうるさく脈打っていた。
身体中が少し熱く感じる。
深呼吸をして、冷水機から水をコップに一杯注ぐと、一気に飲み干した。
はぁっと息を吐いて気を落ち着かせる。
そうすれば、すぐにいつも通りに戻る。
「大丈夫?」
冬真の声がして顔を上げた。
「少し休むか? さすがに早上がりは難しいけど」
「いや、大丈夫です」
「無理はするなよ?」
心配そうに冬真は言って仕事に戻る。
大丈夫。
その言葉は、自らに言い聞かせるようにでもあった。
*
「大丈夫なの?」
「大丈夫。慎二は心配性すぎるんだよ」
純一はカウンターに戻った悠人を見つめていた視線を、目の前にいる守谷慎二に戻して言った。
「いや何年ぶりだよ。しかも相手は逃げてるようなもんでしょ。突然来たらそりゃ警戒するって」
パスタに食らいつきながら慎二は言う。
もっともなことを言っているが、今の純一にはあまりどうでもいい小言だった。
冷たいジントニックを飲みながら純一は笑って言った。
「大丈夫。良い匂いがした」
「は? それってこれの匂いじゃねーの?」
そう言って慎二がアヒージョをフォークで示すと、純一は顔を顰めて「ちげーよ」と言った。
「そんな匂いじゃない。もっと甘いやつ」
「なに。それって」
そこまで言うと慎二は黙った。フォークに巻き取ったパスタを一口頬張りながら、純一をじっと見る。
その先は分かるだろうと言わんばかりに、純一は肩を竦める。フォークを手に、アヒージョに手を伸してエビを一口頬張った。
「それって、フェロモン的なってこと?」
慎二が言葉にするが純一はそれに対して何も答えなかった。
だがしかし、その沈黙は肯定だと思いながら、慎二はパスタを再びフォークに巻き付けていく。
「やっと見つけたんだ。絶対逃がさない」
「逃がさないって……向こうの気持ちは無視ですかー?」
「無視はしないよ。まぁ、ただ今までと変わらずなら、ココからが長いけど」
頬杖を突いて純一はオリーブオイルとニンニクの香りが立ち上がるアヒージョを見つめた。ブロッコリーをフォークで突き刺す。
「今さら長いとかどうとか、問題あんの?」
「ないよ」
慎二の質問はもっともなので、さらりと答えた。
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