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雑賀重清の目標
第451話:2中忍者部+α 対 允行 その2
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「近藤!そっち行ったぞ!」
「わーってるよっ!いちいち偉そうに言うな、クソガっ―――」
恒久に叫ぶ近藤の背後に現れた允行は、麒麟の姿となった近藤の背を踏みつけた。
「ふむ。貴様は才能はあるようだが、術に傾倒しすぎたな。力の使い方がなっておらん」
「るせぇんだよクソジジイがっ!」
近藤はトンファーで自身の背に立つ允行を殴りつけようとするも、允行はふわりとその場から飛び上がってそれを避けた。
「ちっ。全員でかかってこれかよっ!」
それを目にした恒久は、悔しそうに歯ぎしりをしつつ手裏剣を具現化して宙を舞う允行へとなげつけた。
重清達と允行との戦闘が始まって既に10分程の時間が経っていた。
重清達は肩で息をしながらも、必死に允行へと喰らいついていた。
「はぁーーーっ!!」
恒久の手裏剣をその身に受けながらも、その傷を瞬時に回復させている允行に、朱雀の背に乗った茜が襲いかかった。
カーちゃんの炎の嘴を避けた允行を、茜の炎の拳が捉えた。
「ぐっ」
允行はそのまま吹き飛び、それでもその先にいた白虎へと身構えた。
允行は振り下ろされる鋭い爪を防ぐべく、白虎の前脚を掴んだ。
「なんてね」
腕を掴まれたチーノは慌てる様子もなくそう小さく呟いた。
その直後。
允行の腹部に痛みが走る。
視線を下した允行の腹部には、白い忍力を帯びた鉄の弾丸がめり込んでいた。
重清の『弾丸の術』によって作られた弾丸である。
日々の修行もあり極力殺傷能力を削られたその弾丸ではあったが、平八との修行によって心・技・体の力の使い方が飛躍的に向上した重清の弾丸は、允行の体内にダメージを与えるのに十分な威力を有していた。
しかもその弾丸は、目の前の白虎の体をすり抜けてきたようであった。
「くっ、百発百中の術か」
「そういうことよ」
チーノはそう返しながら、後ろ脚の金属の爪で允行を襲った。
「調子に乗るな」
しかし允行はその白い虎の蹴りを避けるように宙へと飛び上がり、前脚を掴まれたままのチーノは允行と共に上空へと昇って行った。
掴んだチーノを振り回しながら允行は、そのままそれをマキネッタを構えたままの重清へと投げつけた。
「げ」
超高速で自身へと向かって投げつけられた大きな虎の姿に重清が思わず声を漏らしていると、
「危ないのぉ」
玄武(ロイ)が重清の前へと飛び出し、その甲羅で白虎(チーノ)を受け止めた。
「痛いわね。もう少し優しく受け止められないの?」
「ほっほっほ。重清を守るのが先決じゃ」
黒い甲羅に激突したチーノの不満げな声に、ロイは笑って返していた。
「はいはい、2人とも喧嘩しない。ほら、来てるよ?」
そう言いながら重清は、向かってくる允行へと目を向けた。
「はぁ。少しは休ませて欲しいものだわ」
「まったくじゃ」
「頑張れよ、ジジババコンビ」
「「ジジババ言うなっ!」」
マキネッタから聞こえる呑気なプレッソの声にそう言い返した2人は、向かってくる允行へと目を向けた。
しかし允行が2人の元へと辿り着く前に、花の種と火の玉の雨が允行を襲った。
それと同時に龍の翼を羽ばたかせた聡太が、目にも留まらぬスピードで允行に迫り、叫んだ。
「青龍さんから、丞篭さんの言伝を預かっています!
『さっさと迎えに来ないから、お婆ちゃんになっちゃったじゃないのよ、馬鹿ーーーっ!!』」
「っ!?」
聡太の叫びにその身を強張らせた允行は、身動きすることなく聡太の攻撃を受けることとなった。
聡太はそのまま允行を、上空で朱雀に乗って様子を伺っていた茜に向かって蹴り上げた。
「アカっ!」
「オッケィ!!」
聡太の叫びに応えるようにそう言った茜は、飛んでくる允行を全力で殴りつけた。
辛うじて茜の炎の拳を防いだ允行であったが、その勢いまでは殺すことができず吹き飛び、そのまま洞窟近くの大岩へと激突した。
((俺、全然役に立ってねぇ!!))
恒久と近藤は、崩れる大岩を見つめながら心の中で呟いていた。
「おぉ。やっぱソウは凄ぇな」
重清は緑の鱗に覆われる聡太を見つめて感心したように声を漏らしていた。
恒久や重清も、麒麟や白虎、玄武を『獣装の術』によって纏うことでその戦力は聡太に近いものになるはずなのである。
しかし恒久は、近藤を装備することを拒否し、自身の力だけで允行と戦っていた。
その分、役に立つ機会はそう多くはなかったが。
唯一『獣装の術』と契約をしていない茜は、朱雀の背に乗ることでその機動力を自身のものとしてそのハンデをカバーしていた。
そして重清もまた、『獣装の術』を使用することを避けていた。
理由は、
「なんかヤバい気がする」
からであった。
それを聞いたプレッソは呆れていたが、チーノやロイは重清のその判断が正しいことに気が付いていた。
そもそも現在のチーノやロイは、『白虎の術』と『玄武の術』によって現在の姿になっている。
その2人に更に『獣装の術』を使用するには、『白虎の術』と『玄武の術』を超える忍力を使用する必要があるのだ。
それは、かなりの忍力消費を意味していた。
なんの問題もなく『獣装の術』を使用している聡太が、規格外なのである。
それを感覚的に察知した重清は、敢えて『獣装の術』の使用を選択しなかったのである。
無駄に忍力を使わず、少しずつ允行の忍力を削ることこそが得策であると、重清は考えていたのであった。
「わーってるよっ!いちいち偉そうに言うな、クソガっ―――」
恒久に叫ぶ近藤の背後に現れた允行は、麒麟の姿となった近藤の背を踏みつけた。
「ふむ。貴様は才能はあるようだが、術に傾倒しすぎたな。力の使い方がなっておらん」
「るせぇんだよクソジジイがっ!」
近藤はトンファーで自身の背に立つ允行を殴りつけようとするも、允行はふわりとその場から飛び上がってそれを避けた。
「ちっ。全員でかかってこれかよっ!」
それを目にした恒久は、悔しそうに歯ぎしりをしつつ手裏剣を具現化して宙を舞う允行へとなげつけた。
重清達と允行との戦闘が始まって既に10分程の時間が経っていた。
重清達は肩で息をしながらも、必死に允行へと喰らいついていた。
「はぁーーーっ!!」
恒久の手裏剣をその身に受けながらも、その傷を瞬時に回復させている允行に、朱雀の背に乗った茜が襲いかかった。
カーちゃんの炎の嘴を避けた允行を、茜の炎の拳が捉えた。
「ぐっ」
允行はそのまま吹き飛び、それでもその先にいた白虎へと身構えた。
允行は振り下ろされる鋭い爪を防ぐべく、白虎の前脚を掴んだ。
「なんてね」
腕を掴まれたチーノは慌てる様子もなくそう小さく呟いた。
その直後。
允行の腹部に痛みが走る。
視線を下した允行の腹部には、白い忍力を帯びた鉄の弾丸がめり込んでいた。
重清の『弾丸の術』によって作られた弾丸である。
日々の修行もあり極力殺傷能力を削られたその弾丸ではあったが、平八との修行によって心・技・体の力の使い方が飛躍的に向上した重清の弾丸は、允行の体内にダメージを与えるのに十分な威力を有していた。
しかもその弾丸は、目の前の白虎の体をすり抜けてきたようであった。
「くっ、百発百中の術か」
「そういうことよ」
チーノはそう返しながら、後ろ脚の金属の爪で允行を襲った。
「調子に乗るな」
しかし允行はその白い虎の蹴りを避けるように宙へと飛び上がり、前脚を掴まれたままのチーノは允行と共に上空へと昇って行った。
掴んだチーノを振り回しながら允行は、そのままそれをマキネッタを構えたままの重清へと投げつけた。
「げ」
超高速で自身へと向かって投げつけられた大きな虎の姿に重清が思わず声を漏らしていると、
「危ないのぉ」
玄武(ロイ)が重清の前へと飛び出し、その甲羅で白虎(チーノ)を受け止めた。
「痛いわね。もう少し優しく受け止められないの?」
「ほっほっほ。重清を守るのが先決じゃ」
黒い甲羅に激突したチーノの不満げな声に、ロイは笑って返していた。
「はいはい、2人とも喧嘩しない。ほら、来てるよ?」
そう言いながら重清は、向かってくる允行へと目を向けた。
「はぁ。少しは休ませて欲しいものだわ」
「まったくじゃ」
「頑張れよ、ジジババコンビ」
「「ジジババ言うなっ!」」
マキネッタから聞こえる呑気なプレッソの声にそう言い返した2人は、向かってくる允行へと目を向けた。
しかし允行が2人の元へと辿り着く前に、花の種と火の玉の雨が允行を襲った。
それと同時に龍の翼を羽ばたかせた聡太が、目にも留まらぬスピードで允行に迫り、叫んだ。
「青龍さんから、丞篭さんの言伝を預かっています!
『さっさと迎えに来ないから、お婆ちゃんになっちゃったじゃないのよ、馬鹿ーーーっ!!』」
「っ!?」
聡太の叫びにその身を強張らせた允行は、身動きすることなく聡太の攻撃を受けることとなった。
聡太はそのまま允行を、上空で朱雀に乗って様子を伺っていた茜に向かって蹴り上げた。
「アカっ!」
「オッケィ!!」
聡太の叫びに応えるようにそう言った茜は、飛んでくる允行を全力で殴りつけた。
辛うじて茜の炎の拳を防いだ允行であったが、その勢いまでは殺すことができず吹き飛び、そのまま洞窟近くの大岩へと激突した。
((俺、全然役に立ってねぇ!!))
恒久と近藤は、崩れる大岩を見つめながら心の中で呟いていた。
「おぉ。やっぱソウは凄ぇな」
重清は緑の鱗に覆われる聡太を見つめて感心したように声を漏らしていた。
恒久や重清も、麒麟や白虎、玄武を『獣装の術』によって纏うことでその戦力は聡太に近いものになるはずなのである。
しかし恒久は、近藤を装備することを拒否し、自身の力だけで允行と戦っていた。
その分、役に立つ機会はそう多くはなかったが。
唯一『獣装の術』と契約をしていない茜は、朱雀の背に乗ることでその機動力を自身のものとしてそのハンデをカバーしていた。
そして重清もまた、『獣装の術』を使用することを避けていた。
理由は、
「なんかヤバい気がする」
からであった。
それを聞いたプレッソは呆れていたが、チーノやロイは重清のその判断が正しいことに気が付いていた。
そもそも現在のチーノやロイは、『白虎の術』と『玄武の術』によって現在の姿になっている。
その2人に更に『獣装の術』を使用するには、『白虎の術』と『玄武の術』を超える忍力を使用する必要があるのだ。
それは、かなりの忍力消費を意味していた。
なんの問題もなく『獣装の術』を使用している聡太が、規格外なのである。
それを感覚的に察知した重清は、敢えて『獣装の術』の使用を選択しなかったのである。
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