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新学期と
第386話:作戦会議 後編
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「力を下げる術・・・」
公弘の言葉に、重清が小さく呟いた。
「ま、いわゆるデバフってやつだな。裕二、太さんの術については、データあるのか?」
「いや、今はないね。でも、1度見れば、対処は可能なはず」
公弘の問いかけに、裕二は何でもないようにそう答えた。
「データ?対処?え、兄ちゃん達、2人で盛り上がらないでもらえません?」
「重清、1人だけ置いてけぼりだな」
「いや、それ言うならプレッソもだからね」
頭の上で笑うプレッソに重清が言い返していると、
「あぁ、すまないな。裕二、見せてやってくれ」
公弘は裕二へと声をかけた。
「了解」
そう言って手を前へとかざした。
すると裕二の目の前に、1冊の本が現れた。
「これが、俺の武具だ」
「本、だね」
高々と掲げられた本をまじまじと見つめる重清は、どう反応したら良いのかわからずただそう裕二へと返した。
「ただの本じゃないぞ?ここには、俺の見てきた全ての術が記録されているんだ」
「はぁ」
「あれ?兄さん、重清のリアクションが薄いんですけど!?」
呆気にとられる重清の反応に、裕二が公弘へと救いを求めた。
「裕二。お前は説明を端折りすぎなんだよ。
重清、さっき裕二が言った通り、コイツは力の解析が半端じゃなく正確なんだ。
そしてその武具は、裕二が解析した力の配分を、記録することができるんだよ」
「おぉ~。さすが教師。分かりやすい。でも、それが何の役に立つのさ」
重清は感嘆の声を漏らしながらも、首を傾げた。
「そりゃぁ、あれだ。力の配分が分かれば、色々とできるんだよ」
「おぉ~。さすが教師じゃない裕二兄ちゃん。さっぱり分からない」
「なんでだよっ!分かりやすく説明してんだろ!」
「裕二。だから端折りすぎなんだって」
「いやだって兄さん、ゆっくり説明してる暇なんてないだろ?」
「まぁ、裕二の言うことも最もか。
とにかく重清、太さんの術は、裕二に任せとけば大丈夫だから」
「結局、ちゃんとした説明はないままなんだね」
「重清、諦めろ」
重清は肩を落とし、プレッソも頭上から慰めの言葉を重清へと投げつけた。
「あとは本番で見ててくれって話だよ」
裕二は笑いながら重清へと返していた。
(なんだろう。なんか、やっぱ、この3兄弟って似てるな。いざというときには大して何も考えない感じとか特に)
プレッソは、重清達3人を見てなんとなくそんなことを考えていた。
「あぁ、あと、俺の武具はこれね」
公弘はそう言いながら、突然鞭を具現化した。
「鞭、だね」
「そう、鞭。教師が生徒に教えることを、『教鞭をとる』って言うだろ?あれさ、なんで鞭なんだろうって小さい頃から思ってたんだよ。
で、気付いたら鞭を具現化してた」
公弘は、真剣な眼差しで重清へと説明した。
「あぁ、うん。理解はしたけど、納得はしてないかな。
っていうか、その説明するくらいなら裕二兄ちゃんの術の対応の説明して欲しかったんですけど」
重清は、公弘の言葉にため息を付いた。
「えぇ~。大事なことなのに」
公弘は残念そうな声を漏らしながらも、続ける。
「あ、あとこの鞭、基本的に攻撃には使えないから。拘束専門ね」
「さすが教師。暴力じゃなく、圧力で敵を制するわけだな」
「いや、全国の教師に謝ってもらっていい?」
公弘の言葉に裕二が納得し、重清はそれに対してつっこんでいた。
いつもはボケ担当の重清も、雑賀家に関わるとつっこみ率が高いのである。
「今のでだいたい分かったかもしれないけど、俺も裕二も、前線に立てるタイプじゃない。
裕二はばあちゃんの才能を引き継いで術の解析と作成が得意だし、俺はどっちかというとじいちゃんに似て、人に教えるのだけは得意だから。
向こうが武道家タイプの麻耶ちゃんとデバフ持ちの魔法使い太さん、それを率いる勇者浩さんなら・・・
俺達は教師、俺。
研究者、裕二。
そして我らが弟重清は・・・」
「おぉ、突然の例え。いや、まぁ兄ちゃんたちはほとんど例えられてないけどさ。で、俺はなんなの?」
「「ものっ凄くレベルの高い村人」」
「思ったよりもショボかった!」
兄ふたりの言葉に、重清は膝をついた。
『みんな、そろそろ準備はいいかい?』
そんな時、雅の言葉が部屋へと響いた。
「ちょっとぉ!!余計な話ばっかで、全然作戦とか練れなかったじゃんか!」
重清は兄ふたりに非難の目を向けた。
「「・・・・なんとかなる!」」
そんな重清に、兄ふたりはそう言って親指を立てるのであった。
「こいつら、本当に大丈夫なのかよ」
プレッソの呆れた声だけが、雅の作らあげた部屋に響くのであった。
公弘の言葉に、重清が小さく呟いた。
「ま、いわゆるデバフってやつだな。裕二、太さんの術については、データあるのか?」
「いや、今はないね。でも、1度見れば、対処は可能なはず」
公弘の問いかけに、裕二は何でもないようにそう答えた。
「データ?対処?え、兄ちゃん達、2人で盛り上がらないでもらえません?」
「重清、1人だけ置いてけぼりだな」
「いや、それ言うならプレッソもだからね」
頭の上で笑うプレッソに重清が言い返していると、
「あぁ、すまないな。裕二、見せてやってくれ」
公弘は裕二へと声をかけた。
「了解」
そう言って手を前へとかざした。
すると裕二の目の前に、1冊の本が現れた。
「これが、俺の武具だ」
「本、だね」
高々と掲げられた本をまじまじと見つめる重清は、どう反応したら良いのかわからずただそう裕二へと返した。
「ただの本じゃないぞ?ここには、俺の見てきた全ての術が記録されているんだ」
「はぁ」
「あれ?兄さん、重清のリアクションが薄いんですけど!?」
呆気にとられる重清の反応に、裕二が公弘へと救いを求めた。
「裕二。お前は説明を端折りすぎなんだよ。
重清、さっき裕二が言った通り、コイツは力の解析が半端じゃなく正確なんだ。
そしてその武具は、裕二が解析した力の配分を、記録することができるんだよ」
「おぉ~。さすが教師。分かりやすい。でも、それが何の役に立つのさ」
重清は感嘆の声を漏らしながらも、首を傾げた。
「そりゃぁ、あれだ。力の配分が分かれば、色々とできるんだよ」
「おぉ~。さすが教師じゃない裕二兄ちゃん。さっぱり分からない」
「なんでだよっ!分かりやすく説明してんだろ!」
「裕二。だから端折りすぎなんだって」
「いやだって兄さん、ゆっくり説明してる暇なんてないだろ?」
「まぁ、裕二の言うことも最もか。
とにかく重清、太さんの術は、裕二に任せとけば大丈夫だから」
「結局、ちゃんとした説明はないままなんだね」
「重清、諦めろ」
重清は肩を落とし、プレッソも頭上から慰めの言葉を重清へと投げつけた。
「あとは本番で見ててくれって話だよ」
裕二は笑いながら重清へと返していた。
(なんだろう。なんか、やっぱ、この3兄弟って似てるな。いざというときには大して何も考えない感じとか特に)
プレッソは、重清達3人を見てなんとなくそんなことを考えていた。
「あぁ、あと、俺の武具はこれね」
公弘はそう言いながら、突然鞭を具現化した。
「鞭、だね」
「そう、鞭。教師が生徒に教えることを、『教鞭をとる』って言うだろ?あれさ、なんで鞭なんだろうって小さい頃から思ってたんだよ。
で、気付いたら鞭を具現化してた」
公弘は、真剣な眼差しで重清へと説明した。
「あぁ、うん。理解はしたけど、納得はしてないかな。
っていうか、その説明するくらいなら裕二兄ちゃんの術の対応の説明して欲しかったんですけど」
重清は、公弘の言葉にため息を付いた。
「えぇ~。大事なことなのに」
公弘は残念そうな声を漏らしながらも、続ける。
「あ、あとこの鞭、基本的に攻撃には使えないから。拘束専門ね」
「さすが教師。暴力じゃなく、圧力で敵を制するわけだな」
「いや、全国の教師に謝ってもらっていい?」
公弘の言葉に裕二が納得し、重清はそれに対してつっこんでいた。
いつもはボケ担当の重清も、雑賀家に関わるとつっこみ率が高いのである。
「今のでだいたい分かったかもしれないけど、俺も裕二も、前線に立てるタイプじゃない。
裕二はばあちゃんの才能を引き継いで術の解析と作成が得意だし、俺はどっちかというとじいちゃんに似て、人に教えるのだけは得意だから。
向こうが武道家タイプの麻耶ちゃんとデバフ持ちの魔法使い太さん、それを率いる勇者浩さんなら・・・
俺達は教師、俺。
研究者、裕二。
そして我らが弟重清は・・・」
「おぉ、突然の例え。いや、まぁ兄ちゃんたちはほとんど例えられてないけどさ。で、俺はなんなの?」
「「ものっ凄くレベルの高い村人」」
「思ったよりもショボかった!」
兄ふたりの言葉に、重清は膝をついた。
『みんな、そろそろ準備はいいかい?』
そんな時、雅の言葉が部屋へと響いた。
「ちょっとぉ!!余計な話ばっかで、全然作戦とか練れなかったじゃんか!」
重清は兄ふたりに非難の目を向けた。
「「・・・・なんとかなる!」」
そんな重清に、兄ふたりはそう言って親指を立てるのであった。
「こいつら、本当に大丈夫なのかよ」
プレッソの呆れた声だけが、雅の作らあげた部屋に響くのであった。
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