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外伝〜始祖の物語〜
第6話:心・技・体
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契約を終えた弟子達は、その日から師に従い、力の研鑽に明け暮れた。
一方で男も、新たにやるべき事を見つけた。
それは、力に色を付けることよりも優先すべきことであった。
その理由は、弟子である允行にあった。
他の弟子達と違い、武具も獣も具現化出来なかった允行は、修行を経ていく中で他の者達との力の差が僅かずつではあるが開いてきたのだ。
それは允行自身が1番分かっており、段々と思い悩むようになっていた。
それを見た男は、考えた。
忍者の力、『忍力』と名付けたあの力以外に、自在に使える力はないだろうか、と。
ふと男は、弟子達に目を向けた。
忍力の扱いに関しては、それまでもっとも力の弱かった角端が頭1つ飛び抜けていた。
そして、『具現獣』と名付けた獣との相性が最も良かったのは、心優しき娘、丞篭であった。
他の具現獣達は話さなかったのにも関わらず、丞篭の具現獣である龍は、人の言葉を話してもいた。
(あの2人が、他の者よりも強くなるとはな)
角端と丞篭の成長に、男は笑みをこぼしながら、他の弟子に目を向けた。
力の強い炎空、弓の扱いに長けた索冥、人を欺くことに長けた麟。
この3人は、忍力の扱いや具現獣との相性の差を、自身の能力で補うことで成長を続けていた。
男は、3人の力に目をつけた。
忍力とは関係なく、人が元々持っているであろうその力に。
こうして、体の力、技の力、心の力を、男は新たに作り上げた。
それは、唯一忍力を扱えない允行にも扱える力となった。
允行はその力を、誰よりも熱心に己のものとして扱おうと努力した。
その結果、允行は体の力、技の力、心の力を見事に使いこなし、他の弟子達と対等な力を身に着けていった。
むしろその力は、他の者達よりも強く、より繊細になっていった。
忍力に頼ることのできない允行は、3つの力を磨くことしか出来なかったのだ。
だからこそ允行は、その力を磨き上げた。
自分にも師の役に立てる力を付けるすべがある。
その喜びと、弟弟子達に負けたくないという想いが、彼を奮い立たせたのであった。
そんな允行の様子を見た男は、安心して忍力を次の段階へと進めることにした。
忍力を通した、様々な力の開放である。
允行を除く5人はそれぞれ、火、金、土、水、木の忍力を身に着けていた。
男が忍力を作り上げるのに参考にした、五行を元にした力であった。
さらに体の力、技の力、心の力を作り上げたことにより、忍力は多様な展開を見せ始めた。
忍力と、体の力、技の力、心の力により発現した力の数々を、男は『忍術』と名付けた。
弟子達は、己の力で多くの忍術を作り上げていった。
こうして彼らは、後の者達に引き継がれていくであろう忍者の基礎を、作り上げていったのであった。
しかしそれによって、5人と允行の力の差は、再び開き始めていった。
允行がいくら力を鍛えても、忍力を扱えない彼に忍術は使えなかった。
5人の弟子達は、多様な忍術を使うことで允行との力の差をまたたく間に埋め、そして、追い越していった。
允行は再び、思い悩んでいた。
弟弟子達に追い抜かれたことで、彼が悩んでいたわけではなかった。
弟弟子達は皆、師の作り上げた力を扱い、その検証に役立っていた。
彼らの検証により、師は様々な契約を、契約書に追加していった。
彼らのお陰で、師の考える組織の基礎は着々と出来つつあった。
允行は、それが歯痒かった。
私は、師の役に立っていないのではないか。
私は、師にとって必要な存在なのであろうか。
そう、允行は自問自答を繰り返すようになっていた。
一方で男も、新たにやるべき事を見つけた。
それは、力に色を付けることよりも優先すべきことであった。
その理由は、弟子である允行にあった。
他の弟子達と違い、武具も獣も具現化出来なかった允行は、修行を経ていく中で他の者達との力の差が僅かずつではあるが開いてきたのだ。
それは允行自身が1番分かっており、段々と思い悩むようになっていた。
それを見た男は、考えた。
忍者の力、『忍力』と名付けたあの力以外に、自在に使える力はないだろうか、と。
ふと男は、弟子達に目を向けた。
忍力の扱いに関しては、それまでもっとも力の弱かった角端が頭1つ飛び抜けていた。
そして、『具現獣』と名付けた獣との相性が最も良かったのは、心優しき娘、丞篭であった。
他の具現獣達は話さなかったのにも関わらず、丞篭の具現獣である龍は、人の言葉を話してもいた。
(あの2人が、他の者よりも強くなるとはな)
角端と丞篭の成長に、男は笑みをこぼしながら、他の弟子に目を向けた。
力の強い炎空、弓の扱いに長けた索冥、人を欺くことに長けた麟。
この3人は、忍力の扱いや具現獣との相性の差を、自身の能力で補うことで成長を続けていた。
男は、3人の力に目をつけた。
忍力とは関係なく、人が元々持っているであろうその力に。
こうして、体の力、技の力、心の力を、男は新たに作り上げた。
それは、唯一忍力を扱えない允行にも扱える力となった。
允行はその力を、誰よりも熱心に己のものとして扱おうと努力した。
その結果、允行は体の力、技の力、心の力を見事に使いこなし、他の弟子達と対等な力を身に着けていった。
むしろその力は、他の者達よりも強く、より繊細になっていった。
忍力に頼ることのできない允行は、3つの力を磨くことしか出来なかったのだ。
だからこそ允行は、その力を磨き上げた。
自分にも師の役に立てる力を付けるすべがある。
その喜びと、弟弟子達に負けたくないという想いが、彼を奮い立たせたのであった。
そんな允行の様子を見た男は、安心して忍力を次の段階へと進めることにした。
忍力を通した、様々な力の開放である。
允行を除く5人はそれぞれ、火、金、土、水、木の忍力を身に着けていた。
男が忍力を作り上げるのに参考にした、五行を元にした力であった。
さらに体の力、技の力、心の力を作り上げたことにより、忍力は多様な展開を見せ始めた。
忍力と、体の力、技の力、心の力により発現した力の数々を、男は『忍術』と名付けた。
弟子達は、己の力で多くの忍術を作り上げていった。
こうして彼らは、後の者達に引き継がれていくであろう忍者の基礎を、作り上げていったのであった。
しかしそれによって、5人と允行の力の差は、再び開き始めていった。
允行がいくら力を鍛えても、忍力を扱えない彼に忍術は使えなかった。
5人の弟子達は、多様な忍術を使うことで允行との力の差をまたたく間に埋め、そして、追い越していった。
允行は再び、思い悩んでいた。
弟弟子達に追い抜かれたことで、彼が悩んでいたわけではなかった。
弟弟子達は皆、師の作り上げた力を扱い、その検証に役立っていた。
彼らの検証により、師は様々な契約を、契約書に追加していった。
彼らのお陰で、師の考える組織の基礎は着々と出来つつあった。
允行は、それが歯痒かった。
私は、師の役に立っていないのではないか。
私は、師にとって必要な存在なのであろうか。
そう、允行は自問自答を繰り返すようになっていた。
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