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雑賀家お家騒動
第241話:伊賀恒久 対 コウ(近藤)
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時は重清がゴロウの攻撃の巻き添えを食らうよりも、そしてゴロウのローリングマーキングを浴びるよりも遡り、恒久が近藤の攻撃を受けて木へと叩きつけられた直後のこと。
「ツネっ!!」
まだ元気だった重清が、心配そうな声を恒久へとかけていた。
自身を後に襲う悲劇など知る由もなく。
「ぐっ・・・だ、大丈夫だよ!」
恒久が、痛みをこらえながら重清へと叫び返した。
「大丈夫には見えねーけどな!そろそろ降参したらどうだ、後輩君」
近藤が、恒久へとニヤケ顔を向ける。
「あ、あんたの後輩なんて、ゴメンだな」
「強がり言ってる割に、お前自身はもうボロボロみたいだけどな」
「まだまだこれからの男なんだよ、俺は」
そう言いながら恒久は、自身の武具である手裏剣を具現化させる。
「今さら武具とか。さっきの面白い刀でもダメだったのに」
そんな恒久を見て、近藤はヘラヘラと笑っていた。
「さ!さっきのは油断したんだよ!くらえっ!!」
近藤にそう返した恒久は、そのまま手裏剣を放った。
(武具分身の術!)
恒久が術を発動すると、2つの手裏剣が分裂したように、いくつもの手裏剣となり、弧を描いて近藤を挟み込むように左右から襲いかかった。
「こんなもん、当たらなきゃ意味ねーだろうがっ!!」
そう言いながら近藤は、前方へと走り出した。
それと同時に再び幻刀の術を発動した恒久は、雷速の術で強化したスピードで近藤へと向かった。
2人の距離は、一瞬にして縮まった。
「さっき折られたの、忘れたのかよっ!?」
そう言いながら心の力を拳に纏った近藤は、幻刀へとその拳を振り下ろした。
「だから、さっきは油断したって言っただろ!?」
そう返した恒久は、術を発動しながら近藤の拳を切り裂いた。
そのまま2人はすれ違ったように、位置を変えてただ立っていた。
「ぐぁぁぁぁっ!!!」
近藤が、叫びながら拳を抑える。
「っしゃぁ!!」
恒久は、振り向きざまに叫びながらガッツポーズをとっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
拳を切られた感覚が抜けた近藤が、額に脂汗を浮かべながら恒久を睨んでいた。
「てめぇ、なにしやがった!?」
「今のは、幻滅の術。幻術を打ち破る術で、心の力だって消滅させることが出来る術だ。まぁ、まだそっちの方は成功率5割なんだけどな。
二分の一の確率でやられるなんて、やっぱあんた、ショウさん程の器じゃないわ」
恒久のその言葉に、近藤の顔に怒りの表情が浮かんだ。
「うるせぇ!!アイツと比べてんじゃねぇーーーっ!!」
そう叫ぶ近藤から、緑色の忍力が溢れ出た。
「やばっ―――」
その声を残して、恒久は近藤の蹴りをその身に受けてその場から吹き飛んだ。
そのままアスファルトの壁に叩きつけられた恒久は、口から血を流しながらその場へとへたり込んだ。
「ぐっ・・・」
ゆっくりと恒久へと歩み寄る近藤を睨みながら呟いた恒久は、アスファルトを背にして座り込んだまま、必死に手裏剣を具現化して近藤へと放った。
「馬鹿が!そんなもん効かねぇよ!!」
木の忍力を纏った拳で手裏剣をはたき落としながら、近藤が叫ぶ。
「ぐっ、こんなところで、俺は負けちまうのかよーーっ!!」
その様子を見た恒久は、黄色い忍力を吹き出しながら叫び、地面を殴った。
「はっ!悔しがるのは勝手だがな、お前焦りすぎだろ。木の忍力に対して土の忍力出してんじゃねーよっ!!」
近藤は恒久に向ってゆっくりと歩きながら、ヘラヘラと笑っていた。
「く、来るなっ!!」
そう言って恒久は、再び手裏剣を具現化させて近藤へと放った。
(武具分身の術!!)
先程のように弧を描いた複数の手裏剣が、近藤を左右からの襲った。
「馬鹿が!同じ手を使ってんじゃねぇよっ!!」
そう言いながら近藤は、恒久に向って走り出した。
「これで、終わりだごぉぉぉ」
その声と共に近藤は、突然足元に現れた大穴の底へと落ちていった。
「よしっ!!」
フラフラになりながら立ち上がった恒久が、その様子を見ながら小さくガッツポーズをとった。
近藤が落ちた大穴はもちろん、恒久が忍者として契約した際に覚えた術、『土穴の術』によるものである。
わざわざ術の発動を誤魔化すために土の忍力を放出した恒久は、地面を殴りつけるのと同時に、『土穴の術』を発動していたのであった。
「さすがに、これからは出てこれな―――」
20メートル程の深さとなった穴に目を向けながら、恒久が呟いていると、
「調子に乗るなぁーーーっ!!」
そんな声と共に、穴から突然木が生えてきた。
その木の上からは、近藤が恒久を睨みつけていた。
「マジかよ。アイツまだ余裕あんのかよ・・・
こりゃ、やっぱショウさんと同じくらい、ヤバいわアイツ・・・」
そんな恒久の声を聞いた近藤は、
「うるせぇーーーっ!!!!!
アイツと比べんなって、言ってんだろうがぁーーーっ!!!!」
そう言いながら木から恒久へと飛び進み、恒久の胸ぐらを掴んで恒久が背にしていたアスファルトへと恒久を叩きつけた。
「ツネっ!!」
まだ元気だった重清が、心配そうな声を恒久へとかけていた。
自身を後に襲う悲劇など知る由もなく。
「ぐっ・・・だ、大丈夫だよ!」
恒久が、痛みをこらえながら重清へと叫び返した。
「大丈夫には見えねーけどな!そろそろ降参したらどうだ、後輩君」
近藤が、恒久へとニヤケ顔を向ける。
「あ、あんたの後輩なんて、ゴメンだな」
「強がり言ってる割に、お前自身はもうボロボロみたいだけどな」
「まだまだこれからの男なんだよ、俺は」
そう言いながら恒久は、自身の武具である手裏剣を具現化させる。
「今さら武具とか。さっきの面白い刀でもダメだったのに」
そんな恒久を見て、近藤はヘラヘラと笑っていた。
「さ!さっきのは油断したんだよ!くらえっ!!」
近藤にそう返した恒久は、そのまま手裏剣を放った。
(武具分身の術!)
恒久が術を発動すると、2つの手裏剣が分裂したように、いくつもの手裏剣となり、弧を描いて近藤を挟み込むように左右から襲いかかった。
「こんなもん、当たらなきゃ意味ねーだろうがっ!!」
そう言いながら近藤は、前方へと走り出した。
それと同時に再び幻刀の術を発動した恒久は、雷速の術で強化したスピードで近藤へと向かった。
2人の距離は、一瞬にして縮まった。
「さっき折られたの、忘れたのかよっ!?」
そう言いながら心の力を拳に纏った近藤は、幻刀へとその拳を振り下ろした。
「だから、さっきは油断したって言っただろ!?」
そう返した恒久は、術を発動しながら近藤の拳を切り裂いた。
そのまま2人はすれ違ったように、位置を変えてただ立っていた。
「ぐぁぁぁぁっ!!!」
近藤が、叫びながら拳を抑える。
「っしゃぁ!!」
恒久は、振り向きざまに叫びながらガッツポーズをとっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
拳を切られた感覚が抜けた近藤が、額に脂汗を浮かべながら恒久を睨んでいた。
「てめぇ、なにしやがった!?」
「今のは、幻滅の術。幻術を打ち破る術で、心の力だって消滅させることが出来る術だ。まぁ、まだそっちの方は成功率5割なんだけどな。
二分の一の確率でやられるなんて、やっぱあんた、ショウさん程の器じゃないわ」
恒久のその言葉に、近藤の顔に怒りの表情が浮かんだ。
「うるせぇ!!アイツと比べてんじゃねぇーーーっ!!」
そう叫ぶ近藤から、緑色の忍力が溢れ出た。
「やばっ―――」
その声を残して、恒久は近藤の蹴りをその身に受けてその場から吹き飛んだ。
そのままアスファルトの壁に叩きつけられた恒久は、口から血を流しながらその場へとへたり込んだ。
「ぐっ・・・」
ゆっくりと恒久へと歩み寄る近藤を睨みながら呟いた恒久は、アスファルトを背にして座り込んだまま、必死に手裏剣を具現化して近藤へと放った。
「馬鹿が!そんなもん効かねぇよ!!」
木の忍力を纏った拳で手裏剣をはたき落としながら、近藤が叫ぶ。
「ぐっ、こんなところで、俺は負けちまうのかよーーっ!!」
その様子を見た恒久は、黄色い忍力を吹き出しながら叫び、地面を殴った。
「はっ!悔しがるのは勝手だがな、お前焦りすぎだろ。木の忍力に対して土の忍力出してんじゃねーよっ!!」
近藤は恒久に向ってゆっくりと歩きながら、ヘラヘラと笑っていた。
「く、来るなっ!!」
そう言って恒久は、再び手裏剣を具現化させて近藤へと放った。
(武具分身の術!!)
先程のように弧を描いた複数の手裏剣が、近藤を左右からの襲った。
「馬鹿が!同じ手を使ってんじゃねぇよっ!!」
そう言いながら近藤は、恒久に向って走り出した。
「これで、終わりだごぉぉぉ」
その声と共に近藤は、突然足元に現れた大穴の底へと落ちていった。
「よしっ!!」
フラフラになりながら立ち上がった恒久が、その様子を見ながら小さくガッツポーズをとった。
近藤が落ちた大穴はもちろん、恒久が忍者として契約した際に覚えた術、『土穴の術』によるものである。
わざわざ術の発動を誤魔化すために土の忍力を放出した恒久は、地面を殴りつけるのと同時に、『土穴の術』を発動していたのであった。
「さすがに、これからは出てこれな―――」
20メートル程の深さとなった穴に目を向けながら、恒久が呟いていると、
「調子に乗るなぁーーーっ!!」
そんな声と共に、穴から突然木が生えてきた。
その木の上からは、近藤が恒久を睨みつけていた。
「マジかよ。アイツまだ余裕あんのかよ・・・
こりゃ、やっぱショウさんと同じくらい、ヤバいわアイツ・・・」
そんな恒久の声を聞いた近藤は、
「うるせぇーーーっ!!!!!
アイツと比べんなって、言ってんだろうがぁーーーっ!!!!」
そう言いながら木から恒久へと飛び進み、恒久の胸ぐらを掴んで恒久が背にしていたアスファルトへと恒久を叩きつけた。
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