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雑賀家お家騒動
第201話:しばし休憩
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時は戻って、美影の足元に突然犬のヌイグルミが現れた頃。
「あれって、隠ってやつが抱いていた犬のヌイグルミ、だよね?柴犬、かな?」
重清が、美影の足元に立つ犬に目を向ける。
「重清、あれはヌイグルミではないわ。あいつは、具現獣よ」
「えっ、智乃、それマジで!?じゃぁ、あの美影って人の?」
「おそらく違うわ。あいつは代々、雑賀本家当主に引き継がれているはずだから。あの美影って子は、本家当主になる予定ではあっても、まだ当主ではないはずよ」
「へぇ~。って、やっぱあの人、当主になる予定なんだ。ってことは、いつか誰かの命を狙うのかな?」
「いいえ、それはないわ。平八が協会長になった時に、殺しは禁止されて雑賀本家もその辺りは見直したはずだから」
「おぉ、じいちゃん相変わらず凄いな」
「おい、そんな呑気に話してる場合か?」
美影達に目を向けながら話す重清と智乃に、プレッソから声が聞こえてくる。
「いや、そうは言うけどさプレッソ。あの人、またなんかオロオロしてるよ?」
重清はそう言って、美影へと目を向けた。
重清から目を向けられている美影はというと。
「ちょっとゴロウ!私の話を聞いているの!?」
「・・・・・・」
目の前の犬に向かって吠えていた。
対するゴロウと呼ばれた年老いた犬は、ただ超然と立ち続けていた。
片脚をプルプルさせ、近くの木にマーキングしつつ時々あくびをしながら。
「まったく、聞こえていないのかしら?それとも、もうボケちゃってるの?
お祖父様も、いくら強い力を持っているからってこんな小汚い具現獣を私の護衛にしなくてもいいのに・・・」
美影がそう呟いていると、ゴロウはギロリと美影を睨み、そのまま重清達に向かってゆっくりと歩き出した。
「ちょっと!何勝手に・・・あぁもう!」
美影は叫びながら、小走りでゴロウの後を追った。
「あ、こっちに来るよ!」
「プレッソ、あなたはあのゴロウをお願い!」
「ん?あぁ、わかった」
「そういうことなら、とりあえずプレッソは銃化解くぞ。ついでに、たっぷり忍力もくれてやるっ!」
智乃の言葉を聞いた重清は、手に持ったマキネッタをプレッソへと戻した。
「へっ!あんなジジイ、オイラ1人で十分だぜ!」
猫の姿へと戻ったチーノが、そう言って笑っていた。
「油断しないで!年を経ているということは、それだけ力と経験の蓄積があるということよ!」
「わかってるよ!言ってみただけだって!こっちにも1人、強いばあさんいるからな!」
「ちょ、それ誰のことよっ!!」
そんな智乃の叫びも気にせず、プレッソは悠然と歩いてくるゴロウへと向かって走り去っていった。
「プレッソ、行っちゃったね」
「まったく。失礼な兄だわ。それより重清、あの美影って子が来たわよ。私はあの子の弾を撃ち落とすことに専念してあげるから、あとのことは任せたわよ!」
「えぇ~、智乃が手伝ってくれれば、ソッコーで終わるのにー」
「それじゃ、あなたのためにならないでしょ!」
「ちぇっ。ま、ご年配の方のご助言は素直に聞きますけどっ!」
そう言って重清は、雷纏の術を使って雷を全身へと纏っていく。
「こんな幼い私に、失礼なんだからっ!!」
そう笑って、智乃は腕を構えた。
「あれって、隠ってやつが抱いていた犬のヌイグルミ、だよね?柴犬、かな?」
重清が、美影の足元に立つ犬に目を向ける。
「重清、あれはヌイグルミではないわ。あいつは、具現獣よ」
「えっ、智乃、それマジで!?じゃぁ、あの美影って人の?」
「おそらく違うわ。あいつは代々、雑賀本家当主に引き継がれているはずだから。あの美影って子は、本家当主になる予定ではあっても、まだ当主ではないはずよ」
「へぇ~。って、やっぱあの人、当主になる予定なんだ。ってことは、いつか誰かの命を狙うのかな?」
「いいえ、それはないわ。平八が協会長になった時に、殺しは禁止されて雑賀本家もその辺りは見直したはずだから」
「おぉ、じいちゃん相変わらず凄いな」
「おい、そんな呑気に話してる場合か?」
美影達に目を向けながら話す重清と智乃に、プレッソから声が聞こえてくる。
「いや、そうは言うけどさプレッソ。あの人、またなんかオロオロしてるよ?」
重清はそう言って、美影へと目を向けた。
重清から目を向けられている美影はというと。
「ちょっとゴロウ!私の話を聞いているの!?」
「・・・・・・」
目の前の犬に向かって吠えていた。
対するゴロウと呼ばれた年老いた犬は、ただ超然と立ち続けていた。
片脚をプルプルさせ、近くの木にマーキングしつつ時々あくびをしながら。
「まったく、聞こえていないのかしら?それとも、もうボケちゃってるの?
お祖父様も、いくら強い力を持っているからってこんな小汚い具現獣を私の護衛にしなくてもいいのに・・・」
美影がそう呟いていると、ゴロウはギロリと美影を睨み、そのまま重清達に向かってゆっくりと歩き出した。
「ちょっと!何勝手に・・・あぁもう!」
美影は叫びながら、小走りでゴロウの後を追った。
「あ、こっちに来るよ!」
「プレッソ、あなたはあのゴロウをお願い!」
「ん?あぁ、わかった」
「そういうことなら、とりあえずプレッソは銃化解くぞ。ついでに、たっぷり忍力もくれてやるっ!」
智乃の言葉を聞いた重清は、手に持ったマキネッタをプレッソへと戻した。
「へっ!あんなジジイ、オイラ1人で十分だぜ!」
猫の姿へと戻ったチーノが、そう言って笑っていた。
「油断しないで!年を経ているということは、それだけ力と経験の蓄積があるということよ!」
「わかってるよ!言ってみただけだって!こっちにも1人、強いばあさんいるからな!」
「ちょ、それ誰のことよっ!!」
そんな智乃の叫びも気にせず、プレッソは悠然と歩いてくるゴロウへと向かって走り去っていった。
「プレッソ、行っちゃったね」
「まったく。失礼な兄だわ。それより重清、あの美影って子が来たわよ。私はあの子の弾を撃ち落とすことに専念してあげるから、あとのことは任せたわよ!」
「えぇ~、智乃が手伝ってくれれば、ソッコーで終わるのにー」
「それじゃ、あなたのためにならないでしょ!」
「ちぇっ。ま、ご年配の方のご助言は素直に聞きますけどっ!」
そう言って重清は、雷纏の術を使って雷を全身へと纏っていく。
「こんな幼い私に、失礼なんだからっ!!」
そう笑って、智乃は腕を構えた。
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