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雑賀家お家騒動
第195話:雑賀重清 対 雑賀美影 その2
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時は少しだけ戻り、アカたちも模擬戦を始めた頃。
「どうやら、充希達も闘りはじめたようね。邪魔が入ったけど、こっちも続きを始めようじゃない」
先程までの焦りなど嘘のように、美影が冷たい笑みを浮かべて重清を見つめていた。
「・・・なんかさっき、めちゃくちゃ焦ってませんでした?」
「なななななな、何を言っているのよ末席!そそそそそ、そんな訳ないじゃじゃじゃじゃないのよ!」
「いやめちゃめちゃ焦ってるじゃないですか!『じゃじゃじゃじゃ』って焦り方、初めて見ましたよ!」
「うるさいっ!初めて見る術に少し驚いただけよ!」
少し顔を赤らめながらそう怒鳴った美影は、白い忍力をその身に纏って駆け出した。
(あ、なんか今のは少し可愛かったな)
(いやお前、どんだけ余裕なんだよ!来るぞ!!)
美影の様子に少しだけ見惚れた重清の頭の中でプレッソが警告したのと同時に、重清の目の前に美影の姿が現れた。
「くぉっ!!」
重清は咄嗟に美影との間に鉄の盾を出現させ、後方へ飛び去った。
「ガキィン!!」
鉄と鉄のぶつかる音が、鳴り響く。
「ちぃっ!!」
美影は舌打ちしながら鉄の盾を掴み、そのまま重清にそれをフリスビーの如く放り投げた。
「うぉっと」
重清がそれを軽く避けると、同時に目の前に現れた美影が蹴りを繰り出してきた。
そのままそれを受けた重清が吹き飛ばされた先に、先程避けた鉄の盾がUターンして重清へと迫っていた。
「だぁっ、もうっ!!」
なんとかそれが直撃する直前に、術を解除して鉄の盾を消滅させた重清は、体勢を整えてなんとか着地する。
「いや怒涛っ!!」
重清は、またしても目の前に迫る美影の姿に、そう叫びながら金の忍力を身に纏った。
「あははは!私の攻撃に、術を使う余裕も無くなったみたいね!」
そう言って美影は、左右の拳にそれぞれ金属と雷を纏わせて重清を殴りかかった。
それを重清は、金の忍力で覆った腕で捌いていく。
「ん??」
その時、美影の雷を纏う拳を受けた重清の腕に、変化が起きた。
重清の金の忍力が、美影の雷につられるかのように、雷へと変わったのである。
(これって・・・あ!そうか、あの人は金の忍力を、両腕それぞれ雷と金属に変化させてただけなのか!)
(ふふふ。正解よ)
重清の言葉に、チーノがそう答えた。
(なんだ、そうと分かればおれにだって・・・待てよ)
そう心の中で呟いた重清は、美影から距離をとって雷纏の術を発動させる。
(このまま腕だけ金属に・・・あれ?できない?)
重清は腕に忍力を集中させ、当てが外れたようにその手のひらを見つめていた。
(あなたが何をやりたいのかわかったけど、それではだめよ、重清)
自身の思惑が外れて肩を落とす重清に、チーノがそう声をかけた。
(チーノ、どういう―――だぁっ!!)
重清は、いつの間にかまた襲い掛かってきた美影の攻撃を慌てて避けた。
(そのまま、避けながら話を聞きなさい。今あなたは、『雷纏の術』の上から忍力を込めようとしたわね。
確かに、それ自体は可能よ。でもね、それには『雷纏の術』に使っている力を超える忍力を込める必要があるのよ)
(どわっ!なーる。おっと!そういうことなら、もう一回!!ほいっと!チーノと修行やっててよかったよ!)
重清は、美影の攻撃を避けながら再び拳に忍力を込めた。
「さっきから当たらない!末席のくせに、生意気よ!!・・・っ!?」
何度も攻撃を避けられたことにイラつきながらそう言っていた美影は、目を見張った。
「な、なんであなたが、それをできるのよっ!!!」
そう叫ぶ美影の目に映ったのは、全身に雷を身に纏いながらも腕だけ金属で覆われた重清の姿であった。
「いや、なんでって・・・理屈が分かればそこまで難しくはないでしょ、これ」
重清は、金属で覆われた拳をグーパーしながら当たり前のように美影に返していた。
「そ、そんなバカな!!これは雑賀家の得意とする忍力の運用法のはずなのよ!!!」
(チーノ、そうなの?)
(えぇ。とはいっても、それは昔の話。今ではある程度メジャーな力の使い方よ。あの子、どれだけ昔気質な師についているのかしら)
重清の質問に、チーノは呆れた声でそう答えていた。
(重清、あいつの力だけどよ―――)
重清に、プレッソが声をかける。
(あ、うん。プレッソの言いたいことわかってる)
プレッソにそう返した重清は、美影へと言いにくそうに声をかけた。
「あの~。もう、その攻撃は通用しませんよ?逃げようと思えば逃げられるっていうのもあるけど、その・・・言いにくいですけど、あなたの忍力、そんなに練度高くないです。おれでも充分に防げるくらいだし」
「なっ!?れ、練度ってなによ!?何を言っているかさっぱりわからないわ!!負け惜しみはやめなさい!見苦しい!!」
(あれ、練度で伝わってないよ?)
(そのようね。どうやらあの子の師は、相当昔の教育方法を運用しているようね。まったく、平八がせっかく考え出したカリキュラムを使わないなんて、なんてバカなの)
(お、チーノが昔の男のことで怒ってるぜ、重清)
重清達が呑気に会話(ただし、傍から見たら重清1人がぼーっとしているようにしか見えない)していると、焦った表情を浮かべていた美影がそこに怒りの色を浮べて重清を睨んでいた。
「私の攻撃でやせ我慢できるのもここまでよ!これでその身を、粉々に砕いてあげるわ!!」
そう叫んだ美影は両掌に忍力を集中させて、武具を具現化させた。
「銃??」
美影の手には、2丁の拳銃が握られていた。
「どうやら、充希達も闘りはじめたようね。邪魔が入ったけど、こっちも続きを始めようじゃない」
先程までの焦りなど嘘のように、美影が冷たい笑みを浮かべて重清を見つめていた。
「・・・なんかさっき、めちゃくちゃ焦ってませんでした?」
「なななななな、何を言っているのよ末席!そそそそそ、そんな訳ないじゃじゃじゃじゃないのよ!」
「いやめちゃめちゃ焦ってるじゃないですか!『じゃじゃじゃじゃ』って焦り方、初めて見ましたよ!」
「うるさいっ!初めて見る術に少し驚いただけよ!」
少し顔を赤らめながらそう怒鳴った美影は、白い忍力をその身に纏って駆け出した。
(あ、なんか今のは少し可愛かったな)
(いやお前、どんだけ余裕なんだよ!来るぞ!!)
美影の様子に少しだけ見惚れた重清の頭の中でプレッソが警告したのと同時に、重清の目の前に美影の姿が現れた。
「くぉっ!!」
重清は咄嗟に美影との間に鉄の盾を出現させ、後方へ飛び去った。
「ガキィン!!」
鉄と鉄のぶつかる音が、鳴り響く。
「ちぃっ!!」
美影は舌打ちしながら鉄の盾を掴み、そのまま重清にそれをフリスビーの如く放り投げた。
「うぉっと」
重清がそれを軽く避けると、同時に目の前に現れた美影が蹴りを繰り出してきた。
そのままそれを受けた重清が吹き飛ばされた先に、先程避けた鉄の盾がUターンして重清へと迫っていた。
「だぁっ、もうっ!!」
なんとかそれが直撃する直前に、術を解除して鉄の盾を消滅させた重清は、体勢を整えてなんとか着地する。
「いや怒涛っ!!」
重清は、またしても目の前に迫る美影の姿に、そう叫びながら金の忍力を身に纏った。
「あははは!私の攻撃に、術を使う余裕も無くなったみたいね!」
そう言って美影は、左右の拳にそれぞれ金属と雷を纏わせて重清を殴りかかった。
それを重清は、金の忍力で覆った腕で捌いていく。
「ん??」
その時、美影の雷を纏う拳を受けた重清の腕に、変化が起きた。
重清の金の忍力が、美影の雷につられるかのように、雷へと変わったのである。
(これって・・・あ!そうか、あの人は金の忍力を、両腕それぞれ雷と金属に変化させてただけなのか!)
(ふふふ。正解よ)
重清の言葉に、チーノがそう答えた。
(なんだ、そうと分かればおれにだって・・・待てよ)
そう心の中で呟いた重清は、美影から距離をとって雷纏の術を発動させる。
(このまま腕だけ金属に・・・あれ?できない?)
重清は腕に忍力を集中させ、当てが外れたようにその手のひらを見つめていた。
(あなたが何をやりたいのかわかったけど、それではだめよ、重清)
自身の思惑が外れて肩を落とす重清に、チーノがそう声をかけた。
(チーノ、どういう―――だぁっ!!)
重清は、いつの間にかまた襲い掛かってきた美影の攻撃を慌てて避けた。
(そのまま、避けながら話を聞きなさい。今あなたは、『雷纏の術』の上から忍力を込めようとしたわね。
確かに、それ自体は可能よ。でもね、それには『雷纏の術』に使っている力を超える忍力を込める必要があるのよ)
(どわっ!なーる。おっと!そういうことなら、もう一回!!ほいっと!チーノと修行やっててよかったよ!)
重清は、美影の攻撃を避けながら再び拳に忍力を込めた。
「さっきから当たらない!末席のくせに、生意気よ!!・・・っ!?」
何度も攻撃を避けられたことにイラつきながらそう言っていた美影は、目を見張った。
「な、なんであなたが、それをできるのよっ!!!」
そう叫ぶ美影の目に映ったのは、全身に雷を身に纏いながらも腕だけ金属で覆われた重清の姿であった。
「いや、なんでって・・・理屈が分かればそこまで難しくはないでしょ、これ」
重清は、金属で覆われた拳をグーパーしながら当たり前のように美影に返していた。
「そ、そんなバカな!!これは雑賀家の得意とする忍力の運用法のはずなのよ!!!」
(チーノ、そうなの?)
(えぇ。とはいっても、それは昔の話。今ではある程度メジャーな力の使い方よ。あの子、どれだけ昔気質な師についているのかしら)
重清の質問に、チーノは呆れた声でそう答えていた。
(重清、あいつの力だけどよ―――)
重清に、プレッソが声をかける。
(あ、うん。プレッソの言いたいことわかってる)
プレッソにそう返した重清は、美影へと言いにくそうに声をかけた。
「あの~。もう、その攻撃は通用しませんよ?逃げようと思えば逃げられるっていうのもあるけど、その・・・言いにくいですけど、あなたの忍力、そんなに練度高くないです。おれでも充分に防げるくらいだし」
「なっ!?れ、練度ってなによ!?何を言っているかさっぱりわからないわ!!負け惜しみはやめなさい!見苦しい!!」
(あれ、練度で伝わってないよ?)
(そのようね。どうやらあの子の師は、相当昔の教育方法を運用しているようね。まったく、平八がせっかく考え出したカリキュラムを使わないなんて、なんてバカなの)
(お、チーノが昔の男のことで怒ってるぜ、重清)
重清達が呑気に会話(ただし、傍から見たら重清1人がぼーっとしているようにしか見えない)していると、焦った表情を浮かべていた美影がそこに怒りの色を浮べて重清を睨んでいた。
「私の攻撃でやせ我慢できるのもここまでよ!これでその身を、粉々に砕いてあげるわ!!」
そう叫んだ美影は両掌に忍力を集中させて、武具を具現化させた。
「銃??」
美影の手には、2丁の拳銃が握られていた。
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