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外伝〜出会いの章〜
甲賀平八のメモ
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えー、久しぶりのメモになるけど、ちゃんと記録出来てるかな?
うん、出来ているみたいだね。
メモ番号・・・あれ、何回目のメモだっけ?
ま、それはいいか。
えー、これから自分の考えをまとめるために、私の数少ない自作忍術『おしゃべりメモの術』でメモを残す。
・・・いや~、やっぱりこの名前、分かりやすくて良いと思うんだけどな~。
だって、しゃべったらそれがそのままメモになる術だって、すぐわかる。
まったく、シロのセンスを疑うよね。
っと、独り言でまで脱線するとは思わなかったな。
さて、本題に入る。
先日、雑賀本家時期当主である雑賀雅が接触してきて、2週間ほどが経った。
未だに彼女は動きを見せないが、雑賀本家の伝統から考えてもおそらく彼女の狙いは私の命だろう。
こちらが調べた限りでも、彼女の力は素晴らしい。
彼女の協力を得られる頃ができるならば、私の夢はさらに現実味を帯びるだろう。
・・・いや、これは建前だね。
まさか、自分の夢を建前にするとはね。
彼女は、美しい。
それだけではなく、聡明だ。
少し話しただけだが、よくわかる。
どうやら私は、彼女に恋をしているらしい。
だからこそ、私はどうすべきなのか、考えてしまう。
おそらく彼女が本気を出すならば、私も本気を出さなければ彼女の狙い通り私の命は奪われてしまうだろう。
私には、それが耐えられない。
自分の命が奪われることがではない。
彼女の手が、私のような者の血で穢れてしまうことなど、あってはならない。
しかしだからと言って、私は彼女を相手に本気を出せるだろうか。
そんなこと、無理だ。
まだ出会ってそれほど経っていないにもかかわらず、私の中で彼女の存在がどんどんと大きくなる。
『女に弱い』とはよく言われるけど、今回ばかりはそうではないという確信が私にはある。
いや、まぁ、根拠はないけど。
正直、どうしたら良いのかわからない。
ただ彼女は、私が夢を語った際、意外と話に乗ってくれた。
彼女も少しは興味を持ってくれたのかもしれない。
ひとまず私は、彼女と本気で向き合ってみようと思う。
これから先、一生『女に弱い』と言われても構わない。
だからどうか、彼女には思い直して欲しい。
そしてあわよくば、彼女に振り向いて欲しい。
もしも彼女が私の命を諦めないのならば、私は潔く自身の命を絶つことも考えている。
それほどまでに、彼女の手を穢したくないと思っているからだ。
まさか、シロ以外に自分の命を懸けても良いと思う日が来るとは思わなかったな。
あれ?これも本題じゃないぞ?
まさか、ここまで1人で脱線するとはね。
これじゃシロに、呆れられそうだ。
さて、今度こそ本題だ。
雑賀雅と話していて、改めて気づかされた。
やはり今の忍者教育の体制を根本から変えるには、今の忍者のシステム自体をどうにかしなければならない。
しかし誰に聞いても、「そんなことは無理だ」と一蹴されてしまう。
そもそも、忍者とは何なのか。
あくまでもこれは持論であるが、我々忍者が使っている忍力とは本来、忍者だけでなく、全ての人が持つ不思議な力の一種なのではないだろうか。
その力を、忍力という枠に当てはめ、『忍者』というシステムとして体系化させた何かがあるのではないだろうか。
私は一度、協会に忍び込んで密書の類まで全てに目を通してみた。
そして私は、一筋の光を見つけ出した。
これまでも、おとぎ話のレベルでその話は聞いたことがあった。
しかし、改めて考えるとその存在には納得できるものが多くある。
そこで私は、当初の予定を変更して1年間、教師になることを延ばすことにする。
この延ばした1年間、私は本気で探してみようと思う。
忍者というシステムを作り上げたと言われている、『始祖の契約書』を。
その前にまず、雑賀雅とのことをどうにかしないとな。
え?あ、ごめんシロ!ちょっと寝てた!!
今行くよー!
おっと、まだ術を切っていなかっ―――
うん、出来ているみたいだね。
メモ番号・・・あれ、何回目のメモだっけ?
ま、それはいいか。
えー、これから自分の考えをまとめるために、私の数少ない自作忍術『おしゃべりメモの術』でメモを残す。
・・・いや~、やっぱりこの名前、分かりやすくて良いと思うんだけどな~。
だって、しゃべったらそれがそのままメモになる術だって、すぐわかる。
まったく、シロのセンスを疑うよね。
っと、独り言でまで脱線するとは思わなかったな。
さて、本題に入る。
先日、雑賀本家時期当主である雑賀雅が接触してきて、2週間ほどが経った。
未だに彼女は動きを見せないが、雑賀本家の伝統から考えてもおそらく彼女の狙いは私の命だろう。
こちらが調べた限りでも、彼女の力は素晴らしい。
彼女の協力を得られる頃ができるならば、私の夢はさらに現実味を帯びるだろう。
・・・いや、これは建前だね。
まさか、自分の夢を建前にするとはね。
彼女は、美しい。
それだけではなく、聡明だ。
少し話しただけだが、よくわかる。
どうやら私は、彼女に恋をしているらしい。
だからこそ、私はどうすべきなのか、考えてしまう。
おそらく彼女が本気を出すならば、私も本気を出さなければ彼女の狙い通り私の命は奪われてしまうだろう。
私には、それが耐えられない。
自分の命が奪われることがではない。
彼女の手が、私のような者の血で穢れてしまうことなど、あってはならない。
しかしだからと言って、私は彼女を相手に本気を出せるだろうか。
そんなこと、無理だ。
まだ出会ってそれほど経っていないにもかかわらず、私の中で彼女の存在がどんどんと大きくなる。
『女に弱い』とはよく言われるけど、今回ばかりはそうではないという確信が私にはある。
いや、まぁ、根拠はないけど。
正直、どうしたら良いのかわからない。
ただ彼女は、私が夢を語った際、意外と話に乗ってくれた。
彼女も少しは興味を持ってくれたのかもしれない。
ひとまず私は、彼女と本気で向き合ってみようと思う。
これから先、一生『女に弱い』と言われても構わない。
だからどうか、彼女には思い直して欲しい。
そしてあわよくば、彼女に振り向いて欲しい。
もしも彼女が私の命を諦めないのならば、私は潔く自身の命を絶つことも考えている。
それほどまでに、彼女の手を穢したくないと思っているからだ。
まさか、シロ以外に自分の命を懸けても良いと思う日が来るとは思わなかったな。
あれ?これも本題じゃないぞ?
まさか、ここまで1人で脱線するとはね。
これじゃシロに、呆れられそうだ。
さて、今度こそ本題だ。
雑賀雅と話していて、改めて気づかされた。
やはり今の忍者教育の体制を根本から変えるには、今の忍者のシステム自体をどうにかしなければならない。
しかし誰に聞いても、「そんなことは無理だ」と一蹴されてしまう。
そもそも、忍者とは何なのか。
あくまでもこれは持論であるが、我々忍者が使っている忍力とは本来、忍者だけでなく、全ての人が持つ不思議な力の一種なのではないだろうか。
その力を、忍力という枠に当てはめ、『忍者』というシステムとして体系化させた何かがあるのではないだろうか。
私は一度、協会に忍び込んで密書の類まで全てに目を通してみた。
そして私は、一筋の光を見つけ出した。
これまでも、おとぎ話のレベルでその話は聞いたことがあった。
しかし、改めて考えるとその存在には納得できるものが多くある。
そこで私は、当初の予定を変更して1年間、教師になることを延ばすことにする。
この延ばした1年間、私は本気で探してみようと思う。
忍者というシステムを作り上げたと言われている、『始祖の契約書』を。
その前にまず、雑賀雅とのことをどうにかしないとな。
え?あ、ごめんシロ!ちょっと寝てた!!
今行くよー!
おっと、まだ術を切っていなかっ―――
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