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いざ、中忍体!
第123話:犯罪者予備軍を追う3人に入る緊急通報
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「このクソガキがぁっ!さっきからウゼーんだよっ!!」
風魔イチが、飛んでくる花の種を水の刃を纒ったナイフで切り落としながら叫ぶ。
もう何度目かも分からなくなるほどに同じ作業を繰り返していたイチは、かなりイライラしていた。
「クソガキって。年齢2つくらいしか変わらないですよ!」
ソウは言いながら、再び花の種をイチへと飛ばしていた。
「クソがぁっ!!っ!?」
先程と同じように叫びながら花の種を切ったイチの腕に、切った種から伸びた植物が絡みついてくる。
「だからウザってぇって!!」
イチはそう言って、腕に金の力を纏って腕に絡みつく植物を引きちぎっていると、
「っ!?」
さらにその腕に、火の玉が着弾し植物ごと燃えていく。
「うぐっ。がぁっ!!」
腕が燃え上がったことで一瞬戸惑い、少なからず腕にダメージを受けたイチであったが、直後に腕に水の力を纏ってその炎を消し去る。
(反応早いなぁ。ぼくにはこうやって、ちまちまダメージ与えるのが精一杯だな。ショウさん、早く麻耶さんを倒してくださいっ!)
ソウが切実に祈りながら、チラリとショウへ視線を送った。
「あら、イチのヤツ、意外と手こずってるわね。これは、トクが負けたのも頷けるわねっ!」
そう言いながら麻耶が繰り出す蹴りを、杖でいなしながらショウは、
「そう言ってもらえると、僕も先輩として鼻が高いよー。」
そう言ってもう一方の杖をその場で回転させ、チュウの放つ岩の針を弾いていた。
「そういうアンタも大概ねっ!まるで、おばあちゃんと戦ってるみたいよっ!」
「いやー、大魔王と一緒にされてもねー。」
ショウは麻耶に返事をしながら、麻耶へと杖を向け、その先から水砲を放つ。
それを後方へと飛んで避けた麻耶は、
「2中の人達、何でおばあちゃんを大魔王って呼ぶの?」
シンの言葉を思い出してそんな疑問を投げかける。
「んー。じゃぁ、僕に勝ったら教えてあげるよー。」
そう言ってにこやかに杖を構えるショウに、
「言ったわねっ!じゃぁ、楽しみにしてるわよっ!」
そう言って再び、麻耶はショウに向かって飛び掛かる。
(ショウさん、今大丈夫ですか?)
(大丈夫だよー。どうしたのー?)
突然聞こえてくるソウの声に、ショウは麻耶とチュウの攻撃を華麗に避けながら答える。
(シゲが、突然ウチの校旗の方に向かい始めたみたいなんです。何か嫌な予感がして・・・)
(シン達は手が空いてるはずだから、彼らに様子見に行くように言ってー。)
(了解しました!)
「っとー。危ない危ない。」
ショウはそう言って麻耶の攻撃を避け、構え直す。
「あら、私と交戦中に考え事なんて、余裕あるのね。」
「んー。ちょっと事務連絡でねー。お互い、部長だと色々と大変でしょー?でも、ちょっと気になることも出てきたし、そろそろ本気でいくよー?」
そう言うとショウは、全身に忍力を込める。
「へぇ。これは、楽しめそうね。」
それを見た麻耶も、そう言って全身に忍力を込めて構える。
「さぁて、じゃぁさっさと終わらせるわよっ!」
「そう簡単に、負けないよー。」
その声と同時に、ショウの杖と麻耶の脚がぶつかる。
「ちぃっ、いい加減、しつこいなぁ!そんなに、ヒロさんに触りたいのかっ!?」
そう後ろに言いながら、1中1年の風魔カツは街の中を走っていた。
「いやだからっ!その女には興味ないって!いやまぁ、触れるもんなら触ってみたいけども。じゃなくって!」
そう言い返しながら、シンは目の前のカツを追っていた。
その隣では、腕を組むケンを肩車してシンに並走するノブの姿があった。
傍から見たら、下僕と御主人様である。
「腕が使えないんだからしょうがない。」
そう、どこへともなく言ったケンは、刀を具現化してカツへと飛ばす。
「うぉっ!危ねぇ!ちょ、マジで、今のスゲー危ないって!ヒロさんに当たったらどうすんだよっ!!」
「いや、そっちかい!!」
たまらずノブがつっこんでいると。
(皆さん、聞こえますか!?)
3人の頭に、ソウの声が響く。
(ソウ、どうした?)
一番楽そうなケンが、代表してそれに答える。
(皆さん、無事ですか?)
(あぁ。それより、どうした?)
ケンの言葉に、シンとノブは走りながら目を合わせる。
「ケンは無事じゃないだろ。」という言葉を飲みこんで。
(実は、シゲがウチの校旗に向かっているみたいなんです。ちょっとこっちは、1中のリーダーと交戦中で手が離せなくて。あ、今シゲ、校旗を持って移動し始めました!様子見に行ってもらえませんか!?)
(場所は?)
(今皆さんがいるところから、北西、今の進行方向から2時の方向に進めばシゲとぶつかるはずです!)
(((りょーかいっ!!)))
3人はそう返事をして、カツの追跡を中断し、北西に向かって走り出す。
「・・・やっと諦めたか。ヒロさぁ~ん。俺、ちゃんと守りましたよぉ~。」
カツはそう言って、ただただ気を失ったヒロに抱きついているのであった。
シン達は、世の女性のためにもカツを捕まえるべきだったのではないだろうか。
風魔イチが、飛んでくる花の種を水の刃を纒ったナイフで切り落としながら叫ぶ。
もう何度目かも分からなくなるほどに同じ作業を繰り返していたイチは、かなりイライラしていた。
「クソガキって。年齢2つくらいしか変わらないですよ!」
ソウは言いながら、再び花の種をイチへと飛ばしていた。
「クソがぁっ!!っ!?」
先程と同じように叫びながら花の種を切ったイチの腕に、切った種から伸びた植物が絡みついてくる。
「だからウザってぇって!!」
イチはそう言って、腕に金の力を纏って腕に絡みつく植物を引きちぎっていると、
「っ!?」
さらにその腕に、火の玉が着弾し植物ごと燃えていく。
「うぐっ。がぁっ!!」
腕が燃え上がったことで一瞬戸惑い、少なからず腕にダメージを受けたイチであったが、直後に腕に水の力を纏ってその炎を消し去る。
(反応早いなぁ。ぼくにはこうやって、ちまちまダメージ与えるのが精一杯だな。ショウさん、早く麻耶さんを倒してくださいっ!)
ソウが切実に祈りながら、チラリとショウへ視線を送った。
「あら、イチのヤツ、意外と手こずってるわね。これは、トクが負けたのも頷けるわねっ!」
そう言いながら麻耶が繰り出す蹴りを、杖でいなしながらショウは、
「そう言ってもらえると、僕も先輩として鼻が高いよー。」
そう言ってもう一方の杖をその場で回転させ、チュウの放つ岩の針を弾いていた。
「そういうアンタも大概ねっ!まるで、おばあちゃんと戦ってるみたいよっ!」
「いやー、大魔王と一緒にされてもねー。」
ショウは麻耶に返事をしながら、麻耶へと杖を向け、その先から水砲を放つ。
それを後方へと飛んで避けた麻耶は、
「2中の人達、何でおばあちゃんを大魔王って呼ぶの?」
シンの言葉を思い出してそんな疑問を投げかける。
「んー。じゃぁ、僕に勝ったら教えてあげるよー。」
そう言ってにこやかに杖を構えるショウに、
「言ったわねっ!じゃぁ、楽しみにしてるわよっ!」
そう言って再び、麻耶はショウに向かって飛び掛かる。
(ショウさん、今大丈夫ですか?)
(大丈夫だよー。どうしたのー?)
突然聞こえてくるソウの声に、ショウは麻耶とチュウの攻撃を華麗に避けながら答える。
(シゲが、突然ウチの校旗の方に向かい始めたみたいなんです。何か嫌な予感がして・・・)
(シン達は手が空いてるはずだから、彼らに様子見に行くように言ってー。)
(了解しました!)
「っとー。危ない危ない。」
ショウはそう言って麻耶の攻撃を避け、構え直す。
「あら、私と交戦中に考え事なんて、余裕あるのね。」
「んー。ちょっと事務連絡でねー。お互い、部長だと色々と大変でしょー?でも、ちょっと気になることも出てきたし、そろそろ本気でいくよー?」
そう言うとショウは、全身に忍力を込める。
「へぇ。これは、楽しめそうね。」
それを見た麻耶も、そう言って全身に忍力を込めて構える。
「さぁて、じゃぁさっさと終わらせるわよっ!」
「そう簡単に、負けないよー。」
その声と同時に、ショウの杖と麻耶の脚がぶつかる。
「ちぃっ、いい加減、しつこいなぁ!そんなに、ヒロさんに触りたいのかっ!?」
そう後ろに言いながら、1中1年の風魔カツは街の中を走っていた。
「いやだからっ!その女には興味ないって!いやまぁ、触れるもんなら触ってみたいけども。じゃなくって!」
そう言い返しながら、シンは目の前のカツを追っていた。
その隣では、腕を組むケンを肩車してシンに並走するノブの姿があった。
傍から見たら、下僕と御主人様である。
「腕が使えないんだからしょうがない。」
そう、どこへともなく言ったケンは、刀を具現化してカツへと飛ばす。
「うぉっ!危ねぇ!ちょ、マジで、今のスゲー危ないって!ヒロさんに当たったらどうすんだよっ!!」
「いや、そっちかい!!」
たまらずノブがつっこんでいると。
(皆さん、聞こえますか!?)
3人の頭に、ソウの声が響く。
(ソウ、どうした?)
一番楽そうなケンが、代表してそれに答える。
(皆さん、無事ですか?)
(あぁ。それより、どうした?)
ケンの言葉に、シンとノブは走りながら目を合わせる。
「ケンは無事じゃないだろ。」という言葉を飲みこんで。
(実は、シゲがウチの校旗に向かっているみたいなんです。ちょっとこっちは、1中のリーダーと交戦中で手が離せなくて。あ、今シゲ、校旗を持って移動し始めました!様子見に行ってもらえませんか!?)
(場所は?)
(今皆さんがいるところから、北西、今の進行方向から2時の方向に進めばシゲとぶつかるはずです!)
(((りょーかいっ!!)))
3人はそう返事をして、カツの追跡を中断し、北西に向かって走り出す。
「・・・やっと諦めたか。ヒロさぁ~ん。俺、ちゃんと守りましたよぉ~。」
カツはそう言って、ただただ気を失ったヒロに抱きついているのであった。
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