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いざ、中忍体!
第114話:ソウ・根来リキ&タロー 対 風魔トク
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「じゃぁ早速、いくでやんすよっ!」
トクがそう言って、靴を光らせ、飛び上がる。
そのままトクは、空中に出来た氷の道を滑り始めた。
「「うわぁ。」」
その光景に、ソウとリキはしばし目を釘付けにされる。
「ワンッ!!」
『よそ見しないで!』
とでも言うようにリキの具現獣、タローが吠え、2人はお互いに苦笑いを見せて再び構える。
「タロー、ありがとうねっ!」
そう言ってソウは、火砲の術を発動させる。
『追撃』にセットされた火砲の術によって現れた炎の花から放たれる火の玉は、空中で軌道を自在に変えてトクへと襲いかかるも、トクの軌道上にある氷の道に触れ、少しずつ小さくなり、トクに届く前に消滅してしまう。
直後、空を滑る勢いのままソウとリキに迫るトクは、氷の道から飛び上がり、靴に氷を纏わせて2人に襲いかかる。
しかし2人とトクの間に、『迫撃』にセットされた炎壁の術が現れ、その攻撃を防ぐ。
「甘いでやんすっ!」
トクは叫びながらそのまま炎の壁に向けて、脚ごとつっこむ。
「あっ!まずいっ!リキ君、離れてっ!」
ソウがその場を飛び退きながら叫ぶ声にポカンとしたリキであったが、タローがそれに反応し、リキへと体当たりをしてその場から強制的に離れさせた。
「いったぁい!タロー何する―――」
リキがタローにそう言っていると、トクが突っ込んだ炎の壁がみるみる凍っていき、そのままトクが凍った炎の壁を突き破り、2人とタローが先程までいた場へと突き刺さって辺りを凍らせる。
「なんで!?氷なのに火を凍らせるの!?」
リキが叫んでいると、
「そっか。氷だからつい火を使っちゃった・・・」
ソウが呟いた。
「ソウ君、何か知ってるの!?」
「えっ?う、うん。氷って、水の属性なんだ。水の属性は、火の属性に強いんだよ。」
「へぇ。2中はその辺りは教えないって聞いていたでやんすが、違ったみたいっすねー。」
凍った大地の中心で、トクがそう言いながら立ち上がる。
「今年から、教育方針が変わったんです!」
トクに対し、ソウが笑って返す。
「リキ君は、どの属性使えるの?」
「ぼ、僕は土だよ。岩弾の術しか使えないけど。」
「よしっ。土なら、水に強いはずだ。ちなみに、タローはどんな術を?」
「タローは―――――」
「よしっ!それならリキ君。ぼくが今度こそあの人の動きを止めるから、そしたらキミは、全力で攻撃できる?もしもそれで決着がつかなかったら――――」
「わ、わかったよ!タロー、いける?」
「わんっ!!」
(か、かわゆいっ!!)
リキに返事するタローに一瞬だけ心奪われたソウは、頭をふって邪念を吹き飛ばす。
「作戦会議は済んだみたいでやんすね。リキって方は、土の属性が使えるみたいでやんすが、ソウって方の属性は火でやんしょ?それであっしを止められるのか、楽しみでやんすよっ!!」
そう言って、再び飛び上がり、空を滑り始めるトク。
「今度こそ、行くよっ!」
そう言いながらソウは、スマホをいじり出す。
(スマホ?まさかあれがソウ君の武具なの!?)
リキがソウの手元に目をやりそう思っている間に、『追尾』に木砲の術をセットしなおしたソウは、そのまま術を発動する。
先程放った火砲の術と同様、トクを追うように氷の道に沿って飛ぶ花の種。
種は、氷の水属性を吸収し、成長しながらトクを追い続けていくのであった。
(火じゃなくて木!?1年なのにもう2つ目の属性を持っているのでやんすか!!)
トクが空を滑りながらそう考えている間に、種は巨大な食虫植物へと成長を遂げ、口のような2枚の葉がトクを捕食しようと開く。
「ちょ、待つでやんす!いや、ちょ、いやぁーーーーーーーー!」
トクは、そのまま食虫直物の口の中へと消えていった。
「えぇ~~~っと・・・」
目の前の光景に、リキはただそんな言葉だけを吐き出す。
『動きを止めるから、攻撃を』と言われて構えていたらこんな状況なのである。
そりゃもう、どうすればいいか1年生のリキには判断できるわけもないのである。
「ふざけるなでやんすーーーーーー!」
リキが呆然と、現れた巨大な食虫植物を見つめていると、その中からそんなさけびごえが聞こえてくる。
その時、食虫植物が凍り始め、それを蹴り破ってトクが現れる。
「こちとらこの術の練度に関しては、自信があるでやんす!いくら相生の関係だからって、負けるわけにはいかないでやんすよっ!!」
そう言ってトクは、食虫植物から飛び出した勢いのまま、空中から氷を足に纏わせてリキに向かって急降下していく。
「す、凄い!じゃなかった!リキ君っ!」
「う、うんっ!」
ソウの声にリキは頷いて、トクに向かって術を発動する。
「岩弾の術っ!!」
空中に現れた小さな岩の塊が、トクに向かって飛んでいく。
トクの氷と、リキの岩弾がぶつかり合う。
そしてトクが、無傷のままその場から離れて地に着地する。
「さすがに、この術でも相剋の関係までは打破できなかったっすか!でも、これでお2人の術は破ったでやんすよ!!」
「ぼくたち2人のは、ですよね!」
ソウが笑ってそう言った直後、トクの背後の地面が盛り上がり、そこからタローが姿を現す。
「なっ!?」
全力の忍術使用で体から力の抜けつつあったトクはそれに反応できず、そのままタローが繰り出す体当たりをその身に受けることになる。
具現獣タローが体の力を使って全力で繰り出す体当たりは、トクへの頭部へとクリーンヒットし、そのままトクの意識を奪うのであった。
「「よっしゃぁ!!!!!」」
「ワォーーーーーーーン!」
1年生コンビの声とタローの遠吠えが、辺りに響き渡るのであった。
トクがそう言って、靴を光らせ、飛び上がる。
そのままトクは、空中に出来た氷の道を滑り始めた。
「「うわぁ。」」
その光景に、ソウとリキはしばし目を釘付けにされる。
「ワンッ!!」
『よそ見しないで!』
とでも言うようにリキの具現獣、タローが吠え、2人はお互いに苦笑いを見せて再び構える。
「タロー、ありがとうねっ!」
そう言ってソウは、火砲の術を発動させる。
『追撃』にセットされた火砲の術によって現れた炎の花から放たれる火の玉は、空中で軌道を自在に変えてトクへと襲いかかるも、トクの軌道上にある氷の道に触れ、少しずつ小さくなり、トクに届く前に消滅してしまう。
直後、空を滑る勢いのままソウとリキに迫るトクは、氷の道から飛び上がり、靴に氷を纏わせて2人に襲いかかる。
しかし2人とトクの間に、『迫撃』にセットされた炎壁の術が現れ、その攻撃を防ぐ。
「甘いでやんすっ!」
トクは叫びながらそのまま炎の壁に向けて、脚ごとつっこむ。
「あっ!まずいっ!リキ君、離れてっ!」
ソウがその場を飛び退きながら叫ぶ声にポカンとしたリキであったが、タローがそれに反応し、リキへと体当たりをしてその場から強制的に離れさせた。
「いったぁい!タロー何する―――」
リキがタローにそう言っていると、トクが突っ込んだ炎の壁がみるみる凍っていき、そのままトクが凍った炎の壁を突き破り、2人とタローが先程までいた場へと突き刺さって辺りを凍らせる。
「なんで!?氷なのに火を凍らせるの!?」
リキが叫んでいると、
「そっか。氷だからつい火を使っちゃった・・・」
ソウが呟いた。
「ソウ君、何か知ってるの!?」
「えっ?う、うん。氷って、水の属性なんだ。水の属性は、火の属性に強いんだよ。」
「へぇ。2中はその辺りは教えないって聞いていたでやんすが、違ったみたいっすねー。」
凍った大地の中心で、トクがそう言いながら立ち上がる。
「今年から、教育方針が変わったんです!」
トクに対し、ソウが笑って返す。
「リキ君は、どの属性使えるの?」
「ぼ、僕は土だよ。岩弾の術しか使えないけど。」
「よしっ。土なら、水に強いはずだ。ちなみに、タローはどんな術を?」
「タローは―――――」
「よしっ!それならリキ君。ぼくが今度こそあの人の動きを止めるから、そしたらキミは、全力で攻撃できる?もしもそれで決着がつかなかったら――――」
「わ、わかったよ!タロー、いける?」
「わんっ!!」
(か、かわゆいっ!!)
リキに返事するタローに一瞬だけ心奪われたソウは、頭をふって邪念を吹き飛ばす。
「作戦会議は済んだみたいでやんすね。リキって方は、土の属性が使えるみたいでやんすが、ソウって方の属性は火でやんしょ?それであっしを止められるのか、楽しみでやんすよっ!!」
そう言って、再び飛び上がり、空を滑り始めるトク。
「今度こそ、行くよっ!」
そう言いながらソウは、スマホをいじり出す。
(スマホ?まさかあれがソウ君の武具なの!?)
リキがソウの手元に目をやりそう思っている間に、『追尾』に木砲の術をセットしなおしたソウは、そのまま術を発動する。
先程放った火砲の術と同様、トクを追うように氷の道に沿って飛ぶ花の種。
種は、氷の水属性を吸収し、成長しながらトクを追い続けていくのであった。
(火じゃなくて木!?1年なのにもう2つ目の属性を持っているのでやんすか!!)
トクが空を滑りながらそう考えている間に、種は巨大な食虫植物へと成長を遂げ、口のような2枚の葉がトクを捕食しようと開く。
「ちょ、待つでやんす!いや、ちょ、いやぁーーーーーーーー!」
トクは、そのまま食虫直物の口の中へと消えていった。
「えぇ~~~っと・・・」
目の前の光景に、リキはただそんな言葉だけを吐き出す。
『動きを止めるから、攻撃を』と言われて構えていたらこんな状況なのである。
そりゃもう、どうすればいいか1年生のリキには判断できるわけもないのである。
「ふざけるなでやんすーーーーーー!」
リキが呆然と、現れた巨大な食虫植物を見つめていると、その中からそんなさけびごえが聞こえてくる。
その時、食虫植物が凍り始め、それを蹴り破ってトクが現れる。
「こちとらこの術の練度に関しては、自信があるでやんす!いくら相生の関係だからって、負けるわけにはいかないでやんすよっ!!」
そう言ってトクは、食虫植物から飛び出した勢いのまま、空中から氷を足に纏わせてリキに向かって急降下していく。
「す、凄い!じゃなかった!リキ君っ!」
「う、うんっ!」
ソウの声にリキは頷いて、トクに向かって術を発動する。
「岩弾の術っ!!」
空中に現れた小さな岩の塊が、トクに向かって飛んでいく。
トクの氷と、リキの岩弾がぶつかり合う。
そしてトクが、無傷のままその場から離れて地に着地する。
「さすがに、この術でも相剋の関係までは打破できなかったっすか!でも、これでお2人の術は破ったでやんすよ!!」
「ぼくたち2人のは、ですよね!」
ソウが笑ってそう言った直後、トクの背後の地面が盛り上がり、そこからタローが姿を現す。
「なっ!?」
全力の忍術使用で体から力の抜けつつあったトクはそれに反応できず、そのままタローが繰り出す体当たりをその身に受けることになる。
具現獣タローが体の力を使って全力で繰り出す体当たりは、トクへの頭部へとクリーンヒットし、そのままトクの意識を奪うのであった。
「「よっしゃぁ!!!!!」」
「ワォーーーーーーーン!」
1年生コンビの声とタローの遠吠えが、辺りに響き渡るのであった。
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