おれは忍者の子孫

メバ

文字の大きさ
上 下
114 / 519
いざ、中忍体!

第108話:微笑みのゴリラ

しおりを挟む
「あれ、ゴリラがいる。」
少女の言葉に、シンとケンが吹き出す。
ゴリラ、もといノブだけは、何故か嬉しそうに微笑んでいた。

「今それ言う!?まぁ、間違ってはないけど。」
シンが笑いながら少女に言うと、

「それより、あんた達2中よね?雑賀重清、知ってるわよね?」
肩まで伸びた髪を払いながら少女が3人を見つめて言う言葉に、シン達は身構える。

「シゲを知ってる?あんた、何者?」
ケンが少女に問いかけると、
「私のことはどうだっていいのよ。それで?重清はどこなの!?」
そう言ってケンを睨み返す少女。

「シゲに会って、どうするつもりなんだ?」
「どうって。アイツをぶっ倒すのよ。だから重清の居場所、教えてよ。」
ノブがそう凄むも、少女はそれを意に返さずにさらっと返す。

「それ言われて教えるほど、おれ俺らも薄情じゃないんでね。」
シンが少女に笑いかけると、興味をなくした様子の少女は、
「あっそ。じゃぁいいわ。邪魔したわね。」
そう言って踵を返す。

「いやいやいや。シゲを倒すなんて言われて、そのまま見逃すわけにもいかないんで。」
シンはそう言って、背後から少女の首元にクナイを突きつける。

その時、シンの視界に雷がほとばしる。直後、
「私に刃を向けたってことは、そういうことよね?」
「なっ!?」
直前まで目の前にいた少女の声が、シンの背後から聞こえてくる。

「ちょーっとまったぁーー!!」
硬直するシンを差し置いて、そんな声が辺りに響く。

再び雷と共に姿を消した少女が、シン達から少し離れた場所へ現れて、声のする方へ目を向けると、シン達もそちらの方へ視線を送った。

「あなた達!私達を放っておいて、何を勝手に盛り上がってるの!」
3中のアズであった。

「劇団3中か。」
シンがそう呟くと、
「ちょっとあなたっ!変なあだ名、付けないで―――――」
「ハァーーニィーーー!お待たせぇーーー!」

狂気じみた叫びと共に、雷を足に纏った少女の側に少年が空から降ってきた。

「イチ、その呼び方ホント辞めて。気持ち悪いし、迷惑だから。」
「そんなつれないハニーも、可愛いよぉーーおごっ!」
少女の言葉に、何故かテンションを上げた少年が叫ぶのと同時に、少女の回し蹴りが少年に炸裂して近くの壁まで吹き飛ばす。

少女とのやり取りで、おそらく少年が1中の所属であろうと判断したシン達3人は、しみじみと思った。

(((2中でよかった。)))
と。

「いたたた。」
そう言いながら何事もなかったかのように瓦礫から出てきた少年は、ホコリを叩いて少女の元へ歩きながら、

「冗談はこれくらいにして。これ、どんな状況?」
「まったく。無駄なことさせないでよね。イチ、あんたはあっちの3中の3人をお願い。
私は、こっちの2中の3人とやるわ。」

「俺以外の男に、負けんなよ?」
「それはまず、私に勝ってから言うことね。こいつらには、重清の情報を吐いてもらわないといけないのよ。」
「ちっ。また重清ってヤツのことかよ。いい加減、ヤキモチも限界だぞ?」
「餅でも何でも勝手に焼いてて。別に、重清に変な感情なんて持ってないから。
っていうか、それはあんたに対してもだけど。」

「はっ!相変わらず寂しいことを!」
男は、言いながら2つのナイフを具現化させて、3中の3人へと向き、

「1中3年、風魔イチ。愛する女のため、参る!」
そう言って、劇団3中へと走り出す。


「さてと。あっちも始まったことだし、わたし達も始めましょうか。」
「いいのかよ?3対1で。」
「問題ないわ。」
「まったく。舐められたもんだ。」

そう呟いたシンがクナイを具現化させると、それに合わせるようにケンとノブもそれぞれ刀とナックルを具現化させて、少女に構える。
「ケン、ノブ。あの雷、属性わかるか?」
「ありゃ多分、金だ。雅さんが確かそう言っとったわ。」
ノブが答えていると、

「へぇ。あんた達、おばあちゃんと面識あるんだ。」
少女が会話に入ってきた。

「「「おばあちゃん!?」」」
3人が驚愕の表情で声を揃える。

「まだ名乗っていなかったわね。私は雑賀麻耶。雑賀雅の孫で、一応1中の部長よ。」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

飯屋の娘は魔法を使いたくない?

秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。 魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。 それを見ていた貴族の青年が…。 異世界転生の話です。 のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。 ※ 表紙は星影さんの作品です。 ※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

小さな村の魔道具職人リリィ

つきほ。
ファンタジー
この物語は、小さな村で魔道具職人として静かな日常を送っていたリリィの成長を描いた冒険譚です。 リリィは、見た目は小柄で愛らしい小人族の女性で、優れた技術を持ちながらも、物事に集中すると周囲のことを忘れてしまう癖を持っています。村では誰からも愛される存在であり、日々の修理作業に没頭する毎日が続いていました。 ある日、リリィは自らの技術をさらに高めるため、広い世界へと旅立つ決意を固めます。魔道具修理を学ぶための冒険が始まり、彼女は新しい街で他の職人たちと交流し、技術を磨いていきます。その過程で、リリィは他人との出会いや過去(前世)との向き合い方を学び、少しずつ自分を理解していく。 リリィの旅路には、家族との絆や村の人々との思い出が織り交ぜられ、どんな困難にも前向きに立ち向かう姿が描かれます。物語の中でリリィは、自分自身の力を信じることの大切さや、他人と繋がることの意味を学び、成長していきます。

全てのピノッキオたちへ

ままかりなんばん
ライト文芸
テーマパークの清掃員になるはずが、自立して動くアトラクションロボットの世話係に⁉︎ 現代でファンタジーで、お仕事と恋愛の物語。 ここは夢見る国、ドリーミングランド。 そんな明るい遊園地に、怪しい噂が流れていた。 「『ケインローズの冒険』というアトラクションに人馬の幽霊が出る」 主人公、樹論信(きろん しのぶ)はそんな噂をよそにドリーミングランドの夜間清掃員としての入社式を控えていたのだが……。

処理中です...