101 / 519
いざ、中忍体!
第96話:不服な決着
しおりを挟む
「「「「はぁ!?」」」」
ノリの言葉に、重清達4人が声を揃える。
ノリは『協会』として言っていないものの、それが忍者を取りまとめている『忍者協会』であることを理解したためだった。
「そんなの、アリなんですか!?」
重清が声を荒げて立ち上がる。
「だから、お前らうるさいって。ここが図書室の隣ってこと、忘れてねーか?
それにな、アリも何も、事実起きてんだからしょーがねーじゃねーかよ。今の協会なんて、それくらい腐ってんだよ。」
ノリがそう言って舌打ちする。
「でも、暴力事件だったら、警察なんかもでてくるんじゃないんですか?」
「アカ、正解。もちろん警察も出てきたさ。そこも含めて、揉み消してんだよ、協会は。」
「そ、そんなことが可能なんですか?」
聡太があまりのことに言葉を詰まらせながらそう言うと、
「お前ら、雅様の力を目の当たりにしてんだろ?さすがにあそこまでのばけも・・・じゃなくて実力者はそうはいないけどな、それでもそれなりの奴らが協会には揃ってんだ。そのくらい、訳ないさ。」
ノリはそう言って再び深いため息をつく。
((((思ってた以上にデカい案件だった。))))
ただただそう思う1年生4人は、そのまま黙り告ってしまう。
「とりあえず、お前ら一旦座れ。」
ノリはそう言って、立ち上がっている重清達に座るよう促す。
((よかった、座れて。))
座るタイミングを見計らっていた重清と茜は、内心そう思いながら素直に座る。
もう少し緊張感を持ってほしいものである。
それに対してケンとノブは、神妙な面持ちで立ち続けていた。
そして、ノブが口を開く。
「コウさんは、どうするんですか?」
「何もしない。」
「はぁ!?」
ノリの言葉に、シンが声を上げて立ち上がる。
「お前らなぁ。学園ドラマじゃねーんだから、いちいち立ち上がるなよ。ちゃんと説明すっから、とりあえず座れ。」
そう言われて3人は、渋々といった様子で腰を下ろす。
ふと重清がショウに目を向けると、ショウはただ、黙って手を組み、真剣な表情でノリを見ていた。
「俺はさっき、保健室に行ってきた。なんとか被害者から話を聞くことができたんだが・・・」
そこまで言って全員を見回して、
「どうやら被害者は、何も覚えていないらしい。」
「はい???」
ノリの言葉に、全員の上にハテナマークが現れる。
「えっと、それはショックで何が起きたかわからないっていう意味で?」
シンが言うと、ノリは首を振って、
「違う。『いじめられていた』という事実自体、完全に忘れてしまっている。今日だけでなく、これまでのこともな。」
「コウさんに脅されている可能性は?」
とノブ。
「いや、目に怯えの色は見えなかった。俺の勘でしかねーが、おそらくそれはない。」
「記憶喪失?」
ケンが呟くと、
「花園先生の見解はそうらしい。」
「『花園先生の見解は』ってことは、ノリさんの見解は違うんですね?」
ノリの言葉に、これまで黙っていたショウが、そう言ってノリを見つめる。
「あぁ。俺は、力が使われたんじゃないかと思ってる。まぁ、確証はないし、そんな力、聞いたことないけどな。」
「ってことは、コウが・・・」
ショウが思いつめたように言葉を漏らしていると、
(いいえ、それはないわ。)
「うぉいっ!!びっくりした。チーノ、急に話しかけんなよ!」
(いや、重清いい加減慣れろよ。)
重清の中で待機していたチーノの突然の声に驚いた重清の声に、その場の全員がビクッと反応してしまう中、プレッソは静かに重清につっこんでいた。
「あー。チーノが言うには、コウさんから力は感じられなかったらしいです。確実に、『部員』ではなかったって。」
「チーノが言うなら、間違いない、か・・・」
重清の通訳に納得したように頷いたノリが、ショウに頷いて一同を見渡す。
「とりあえず、コウの力によるものではなさそうだな。だが、コウについてはもう放っておけ。」
「その理由は?」
シンがノリを睨むように見つめている。
「当初のお願いであったイジメに関しては、被害者が無かったと思っている以上、対処ができない。それはわかってくれるか?」
「・・・はい。」
「すまねぇな。そのうえでだ。ヤツが部員でない以上、お前らがヤツを気にする必要性がない。
ヤツは俺が目を光らせておくから、俺を信じちゃくれねーか?」
「・・・わかりました。」
シンがそう言い、ショウを含めた他の部員たちもノリの言葉に、納得のいかない顔で頷くのであった。
ノリの言葉に、重清達4人が声を揃える。
ノリは『協会』として言っていないものの、それが忍者を取りまとめている『忍者協会』であることを理解したためだった。
「そんなの、アリなんですか!?」
重清が声を荒げて立ち上がる。
「だから、お前らうるさいって。ここが図書室の隣ってこと、忘れてねーか?
それにな、アリも何も、事実起きてんだからしょーがねーじゃねーかよ。今の協会なんて、それくらい腐ってんだよ。」
ノリがそう言って舌打ちする。
「でも、暴力事件だったら、警察なんかもでてくるんじゃないんですか?」
「アカ、正解。もちろん警察も出てきたさ。そこも含めて、揉み消してんだよ、協会は。」
「そ、そんなことが可能なんですか?」
聡太があまりのことに言葉を詰まらせながらそう言うと、
「お前ら、雅様の力を目の当たりにしてんだろ?さすがにあそこまでのばけも・・・じゃなくて実力者はそうはいないけどな、それでもそれなりの奴らが協会には揃ってんだ。そのくらい、訳ないさ。」
ノリはそう言って再び深いため息をつく。
((((思ってた以上にデカい案件だった。))))
ただただそう思う1年生4人は、そのまま黙り告ってしまう。
「とりあえず、お前ら一旦座れ。」
ノリはそう言って、立ち上がっている重清達に座るよう促す。
((よかった、座れて。))
座るタイミングを見計らっていた重清と茜は、内心そう思いながら素直に座る。
もう少し緊張感を持ってほしいものである。
それに対してケンとノブは、神妙な面持ちで立ち続けていた。
そして、ノブが口を開く。
「コウさんは、どうするんですか?」
「何もしない。」
「はぁ!?」
ノリの言葉に、シンが声を上げて立ち上がる。
「お前らなぁ。学園ドラマじゃねーんだから、いちいち立ち上がるなよ。ちゃんと説明すっから、とりあえず座れ。」
そう言われて3人は、渋々といった様子で腰を下ろす。
ふと重清がショウに目を向けると、ショウはただ、黙って手を組み、真剣な表情でノリを見ていた。
「俺はさっき、保健室に行ってきた。なんとか被害者から話を聞くことができたんだが・・・」
そこまで言って全員を見回して、
「どうやら被害者は、何も覚えていないらしい。」
「はい???」
ノリの言葉に、全員の上にハテナマークが現れる。
「えっと、それはショックで何が起きたかわからないっていう意味で?」
シンが言うと、ノリは首を振って、
「違う。『いじめられていた』という事実自体、完全に忘れてしまっている。今日だけでなく、これまでのこともな。」
「コウさんに脅されている可能性は?」
とノブ。
「いや、目に怯えの色は見えなかった。俺の勘でしかねーが、おそらくそれはない。」
「記憶喪失?」
ケンが呟くと、
「花園先生の見解はそうらしい。」
「『花園先生の見解は』ってことは、ノリさんの見解は違うんですね?」
ノリの言葉に、これまで黙っていたショウが、そう言ってノリを見つめる。
「あぁ。俺は、力が使われたんじゃないかと思ってる。まぁ、確証はないし、そんな力、聞いたことないけどな。」
「ってことは、コウが・・・」
ショウが思いつめたように言葉を漏らしていると、
(いいえ、それはないわ。)
「うぉいっ!!びっくりした。チーノ、急に話しかけんなよ!」
(いや、重清いい加減慣れろよ。)
重清の中で待機していたチーノの突然の声に驚いた重清の声に、その場の全員がビクッと反応してしまう中、プレッソは静かに重清につっこんでいた。
「あー。チーノが言うには、コウさんから力は感じられなかったらしいです。確実に、『部員』ではなかったって。」
「チーノが言うなら、間違いない、か・・・」
重清の通訳に納得したように頷いたノリが、ショウに頷いて一同を見渡す。
「とりあえず、コウの力によるものではなさそうだな。だが、コウについてはもう放っておけ。」
「その理由は?」
シンがノリを睨むように見つめている。
「当初のお願いであったイジメに関しては、被害者が無かったと思っている以上、対処ができない。それはわかってくれるか?」
「・・・はい。」
「すまねぇな。そのうえでだ。ヤツが部員でない以上、お前らがヤツを気にする必要性がない。
ヤツは俺が目を光らせておくから、俺を信じちゃくれねーか?」
「・・・わかりました。」
シンがそう言い、ショウを含めた他の部員たちもノリの言葉に、納得のいかない顔で頷くのであった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる