おれは忍者の子孫

メバ

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修行と依頼

第50話:相性の問題?

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古賀の合図に、ノブとソウ、重清とプレッソがそれぞれ組んで動き出す。


ノブとソウが森を駆け抜けていくと、1つの人影が前方に現れた。

「うわぁー、よりにもよって、ノブさんと出くわすなんて、あたしくじ運良いわぁー。」
目の前の影、アカがいつもどおりの口調でそう呟く。

「アカか。くじ運が良いなんて、舐められたもんだ!ソウ、援護しろ!」
そう言ってノブが、アカへと迫る。

「早速すぎですよっ!」
アカが焦りながらも、術を発動してノブを迎え撃つ。

火鎧の術を纏うアカと、金鎧の術を纏うノブの拳が激突する。
「キャァっ!」

勢いに負けたアカが吹き飛ばされる。
「やっぱり、パワーじゃ勝ち目はない!けど、ショウさんの言うとおりなら、わたしはノブさんに勝てるはず!!」

アカが炎拳の術を発動して、拳に炎を集中させる。
「もう一回!行きます!!」
そう言ってアカが、再度、ノブに襲いかかる。

それを見ていたソウは、アカが自信たっぷりにノブへ迫るのを見て不安を感じ、レーダーの『迎撃』をタップしてアカへ木砲の術て攻撃を仕掛ける。

ソウの側に現れたな花から、種が発射され、アカの拳へと直撃する。
種の勢いがアカの拳を弾くと思われたその瞬間。

「ボォっ!!」

アカの拳に灯る炎の勢いが増し、そのままノブへと迫る。

「なぁっ!?」
ソウの援護に安心していたノブは、アカの炎が勢いを増したのを確認すると、攻撃を諦めて防御に徹することにする。
「こいやぁっ!!」

アカの拳が、ノブの腹へと直撃する。

「がぁっ!」
アカの拳は、ノブの金鎧の術を突き破ってノブへとダメージを与える。
ノブはダメージを負いながらも、その場を離れ、腹部へと手を当てる。

「俺の金鎧が破られただと!?体の力も防御にまわしてて助かったわ!」
「やっぱり、わたしの力じゃノブさんの体の力までは破られないか!でも、ショウさんが言っていた事は、証明されましたね!」
「だな。」
アカが誰かに話しかけると、ノブの背後にケンが現れる。

「ケン、いつの間にか!?」
「ずっと隠れてたって。気付けよ。」
ケンがそう言いながらノブに刀を振るう。

「くそぉっ!」
ノブがそう叫んだとき、ケンの腕に種が直撃し、ノブへの攻撃を弾く。
「チッ、ソウはおれの存在に気付いてたか。」
ケンが呟く隙に、ノブはソウの元へと飛び、体制を整える。

「ソウ、助かった!それにしても、どうなっとるんだ!?アカの術、ソウの術で威力を増して、ワシの鎧を破ったぞ!」
「ショウさんがなんとか、とか言ってましたよね。もしかしたら、属性には相性があるのかも。ノブさん、古賀先生から何か教わってないんですか?」
「いや、そんな話は聞いたことない!とりあえず、このままじゃまずい!一旦引くぞ!」

「させるとでも?」
突如、2人の前にケンが現れ、蹴りでノブを吹き飛ばす。

「うぐぉーーっ!」
吹き飛ばされたノブは、その勢いのままその場から離脱する。

「ソウ!一旦バラけるぞ!お前はシゲのところへ行け!」
ノブの声を聞いたソウは、ノブを蹴り飛ばしたあとに迫ってきていたケンの攻撃を避け、その場から離れる。

「逃さないわっ!」
そこへ攻めてくるアカに対して、
「ぼくをなめないで!油断さえしなければ、一度感知した相手の居場所はわかるんだっ!」
そう言って木砲の術で攻撃しながら、2人から距離を取る。

木砲の術を受けたアカの火鎧の術の火が強くなったのを確認したソウは、
(やっぱり、アカの炎の勢いが増した。木は火を強める、か。)
そう考えながらも、
「2人とももう感知しました!隠れて追ってきても、もう無駄ですからねっ!」
そう強がりを言って逃げていった。

「逃げられちゃいましたね。どうします?」
ソウの背が遠ざかるのを見ながら、アカがケンに話しかける。
「ソウがシゲと合流するなら、おそらくおれたちの方が相性はいいだろう。でも、あっちはあの2人に任せて、ゴリラを追うぞ!」
「はい!」
アカがナチュラルにノブをゴリラだと受け入れながらそう答えて、2人はノブの去った方へと走り出していく。


なんとかケンとアカから逃れたソウは、立ち止まって周りを確認する。
「ふぅ。とりあえず、2人はノブさんを追ったみたいだね。シゲは・・・あっちか。近いね。ショウさんたちの居所、わからないかな?」
そう呟いて、試しに忍力を広範囲に広げようとしたところ、ソウの頭の中で機械的な声がする。

(『探索』の機能が追加されました。実行しますか?)
「『はい』だ!」
その声を聞いたソウは、迷わずそう呟く。
すると、忍力が少なからず失われていくのを感じつつ、ソウはレーダーに目を落とす。

「うわぁ。多分この2つの点って、ショウさんとツネだよね・・・誰かまではわからないけど、感知してない人までレーダーにでてきちゃった。こっちの点は・・・あー、これ、またツネからチートって言われちゃうなぁ。」
そう苦笑いしながらレーダーを見つめていると、3つの点はレーダーから消えてしまう。

「あれ?もしかして、『探索』で分かるのは少しの時間なのかな?しかも、『同期』はずっと使ってたのに、ぼくには2人の居場所が伝わらなかったし、忍力もそれなりに使うみたい。これは・・・ギリギリチートとは呼べない、かな?」
そう呟きながらも、先程見えた点の事に思考を向けるソウ。

「さっきの2つの動く点は、確実にシゲに向かってた。ひとまずシゲと合流しよう。」
そう言って、ソウは重清のいる方向へと走り出す。
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