おれは忍者の子孫

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修行と依頼

第32話:重清の修行

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そして、翌日。

作戦その1
新しいあだ名を浸透させよう作戦!

朝、クラスの前では、重清たち4人姿があった。

恒久『お前、忍者ってあだ名なのかよー。なんか呼びにくいなぁー。』

茜『確かにー。なんか、もうちょっと呼びやすいのないのかなぁー。』

聡太『忍者からとって、シノビのシノとかはー?』

重清『おぉ、それカッコいいなぁ!それにしてくれよーー!』

それぞれが、重清のクラスに聞こえるように、そんな会話を繰り広げる。

「どうしたんだよ忍者、朝っぱらから下手な芝居なんかして。」
重清のクラスメイトの後藤が、呆れた顔で話しかけてくる。

「もしかして、忍者ってあだ名変える作戦か?っていうか、ほんとにその呼ばれ方嫌なんだったら、言ってくれよ!これじゃイジメになっちゃうじゃんか!」
そう言った後藤は、教室にいるクラスメイトへと呼びかける。

「おーいみんなー!!鈴木、忍者って呼ばれるの嫌らしいから、他の呼び方にした方がいいぞーー!」
後藤の声に、数名が「うーい。」と反応する。

「よし、これで今日中には、このことがクラス中に伝わるだろ。今まで悪かったな、重清。」
そう笑って、後藤が教室へと入っていく。

「「「「えぇーーーーー!」」」」

後藤の行動に、4人はただただそう叫ぶ。

「いやいやいやいや、昨日の作戦は!?あと3つもあったのに!?なんだったの、昨日の時間はなんだったの!?」
「言うな、シゲ。おれも、こんなに呆気なく依頼が終わるとは思ってなかったよ。」
「まさか、朝イチで終わっちゃうとは思わなかったわね。でも、結果オーライじゃない!」
「ほんとだね。下手したら、アカはみんなの目の前でシゲから告白される羽目になってたんだからねー。」
「おいソウ、おれからの告白を罰ゲームみたいに言うなよ!田中琴音さんに謝れ!」
『いやー、そりゃ十分罰ゲームだよ。』
「プレッソ、お前もわざわざ外からつっこんでくんなよ!」
朝から騒がしい忍者部一行は、それでも、初の依頼を完了させるのであった。

※田中琴音さんは、小学校卒業後の春休みに、重清から告白されました。

-------
依頼
クラスでの重清の呼び名を変えさせろ

結果
後藤の活躍により、無事にクラスメイトからは重清と呼ばれるようになった

評価
完全に後藤くんの一人勝ちです。
友人に恵まれたことに感謝しましょう。
-------



そんなこんなで、無事?、依頼を終わらせた4人と1匹は放課後、忍者部の部室へと集まっていた。

「よし、今日も全員揃ってるね。それぞれ依頼はしっかりとこなしたみたいだし。1年生組には、色々とつっこみたい気持ちもあるけど、方法はどうであれ依頼を無事に終わらせたんだから良しとしよう。
早速だけど、今日から前に言った組み合わせでそれぞれ修行をしてもらうよ。みんな、準備はいいかな??」

古賀の言葉に全員が頷いたのを確認して、
「じゃぁ、それぞれ適当に散って修行始めて。あ、3日後にまた模擬戦やるから、それぞれの修行は盗み見しないようにねー。」
と、全員に告げる。


古賀の言葉のあとみんなと別れた重清とプレッソは、ノブとともに森の一画へと陣取る。
「この辺でいいだろう。さてシゲ、何したい?」
「ノープランっすか!?」
「ハッハッハ!冗談だ!というわけで、今回の修行でお前が目指すのは二つだ!一つ、接近戦でおれとまともにやりあえるようになること。もう一つは、おれの本気の攻撃を、お前の術で防ぐことだ!」

大声でそう言い切るノブに対し、重清は一瞬ポカンとした後、ハッとして言い返す。
「一つ目はなんとなくわかりました。二つ目は、どういう意味ですか??」
「いや、まんまの意味なんかねーのか?」
プレッソが横やりを入れる。
「ショウとの模擬戦の時、お前の盾、思いっきり曲がってたからな。」
プレッソが笑ってそう言うと、
「シゲだけじゃない!プレッソ、お前もだ!ショウさんに打ち返されたとき、思いっきり痛がってただろう?ありゃ、ちゃんと金の力を使い切れてないからだ。シゲだけでなく、プレッソにもおれの攻撃を受けてもらうから、そのつもりでいるんだぞ!」
「うぇ~~!重清と違って、オイラは打たれたら痛いんだぞー!!」
「だからこそ、修行に身が入るってもんだろうが!」
そう言って笑うノブ。

「ん~、とりあえず理解しました!どっちの修行からやりますか?」
「最終的には、二つまとめてやるつもりだが、まずは二つ目をやってみるか。その前に、おれの力を見せてやろう。」

そう言ってノブは白い忍力を放出し、「鉄拳の術!!」と叫びそれをそのまま拳へと集中させる。
そして、体の試験の際に使用していた岩の2倍もある岩に拳を叩きつける。
ノブの拳が当たった岩は、粉々というには言葉が足りないくらい、粉砕される。

(え、これ防がなきゃいけないの!?)
(オイラ、これに殴られなきゃいけねーのか!?)

重清とプレッソが、ノブの攻撃力に唖然としたまま、これからの修行に不安を募らせる。

そんな重清とプレッソの様子に気づいたノブは、
「安心せんか。最初から思いっきりやるつもりはないわい!始めは体の力だけしか使わん。ちょっとずつ力を入れていくから、徐々に慣れていけばいい!」

「おぉーノブーー、見た目と違って繊細な仕事するな~~」

「うるさいわ!おれはギャップの男なんだよ!」
「ノブさんすみません、プレッソが生意気な口きいて。」
「まぁ気にすんな!どうせこれから、いやって程殴られるんだ!そんくらい大目に見てやるわい!!」
そう言って笑うノブなのであった。

「よし、まずはシゲ!攻撃するから鉄壁の術で防いでみろ!いいか、金の属性は金属の属性だ!より硬く、より強い金属をイメージしろ!そのイメージを忍力に流し込むんだ!!」

そう言いながらノブは、ナックルを着けた拳に体の力を集中させる。

「行くぞ!!」
「よぉし!鉄壁の術!」

重清の前に現れた鉄の盾に、ノブの拳がぶつかる。
その途端、鉄の盾はグニャリと拳の形に曲がり、そのまま消滅してしまう。

「まだまだだな!硬く!強く!イメージしろ!!」
そう言ってノブは、再度拳を突き出す。

(硬く、強く!!)

そうイメージした重清は、再度術を発動する。「鉄壁の術!」

「ガキィン!」

鉄の盾とノブの拳の間で、そんな音を立てる。
と同時に、鉄の盾がその衝撃で吹き飛ばされ、重清へとぶつかる。

「ぶへっ」

ノブの拳の勢いがついた盾にぶつかった重清が、そんな声を出して吹き飛ばされる。

「あ、すまんすまん!シゲ、大丈夫か?」
「今のは痛そうだなー。重清、生きてっか~?」
「痛たたた。な、なんとか大丈夫です。」
そんな重清の様子を見て、ノブが考え込む。

「ノブさん??」
突然黙って考え出したノブに重清が声をかけると、
「すまんシゲ、いきなりで悪いが、ちょっとだけ方針変えてもいいか?」



------
あとがき

ちなみに、依頼達成のための他の作戦は、

作戦その2
公衆の面前でアカに告白し、盛大にフラれて「フラれキャラ」の印象を強くしてあだ名をつけさせよう!

作戦その3
思いっきり滑って転んで、「スベリキャラ」の印象をつけよう!

作戦その3
悪漢に襲われる女子(アカ)を華麗に救い、ヒーローになろう!
※悪漢役にはノブの応援を既に取り付けており、ノブの方もノリノリで叔父からサングラスを借りていたそうです。

2つ目、3つ目の作戦でネガティブイメージで攻め、それでだめだった場合は逆にポジティブイメージで巻き返そうという、アカプロデュースの作戦でした。

ちなみに重清は、4つ目でかっこいいあだ名となることを望んでいたようです。
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