おれは忍者の子孫

メバ

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雑賀(さいが)の血

第29話:今後の方針と男子トーク

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「さて、今日の4人の動きを見て、これからの方針を話すよ。とりあえず明日から3日間、4人には1人ずつ先輩たちと組んで修行をしてもらうよ。
そして4日後に、同じ相手と改めて模擬戦をやってもらう。ってことで、修行相手と併せて、今日の評価をおこないまーす。

まず恒久。誰かさんのせいでしっかりとは動きが見られなかったけど、それでも言えることが1つ。きみは術の使い方がなっていない。使うタイミングなんかがまだまだなんだ。だからきみには、ケンと組んでもらう。ケンは、術の使い方が一番うまいからね。いろいろと勉強になるよ?」
そう言われた恒久は、表情に若干悔しさを滲ませたが、土穴の術を失敗したことを思い出し、何も言わずに頷く。

「次にアカ。試験の時から思ってたけど、きみは心の力が苦手気味だね。実際さっきの模擬戦でも、ケンが心の力だけを使って攻撃をしたことがあったけど、アカはそれを見破れずにガードしてたからね。ということで、アカはシンと組んでもらうよ。シンは4人の中では一番心の力が得意だからね。」
古賀の評価に納得し、アカがシンにペコリと頭を下げ、シンも片手を上げてそれに応じる。

その2人の様子を見て頷いた古賀が、ソウに目を向けて続ける。
「ソウ、きみはまず、その忍力の扱いに磨きをかけるべきだ。特にきみの武具は、効果としては凄く有能だ。しかし、やはりそのサイズがどうしても邪魔をしている。実際にシンとの模擬戦でも、それを持ったままシンの攻撃を避けるのは大変だっただろう?だからこそまずは、そのレーダーの小型化が最優先事項になる。そこできみは、ショウと組んでもらう。ショウは忍力の扱いが飛び抜けてるからね。しかもそれだけでなく、それ以外の力の扱いも上手い。確実にきみの力を上げてくれるはずだよ。」

ソウがショウを見ると、プレッソを抱きしめたままのショウが笑顔でソウに手を振っていた。
それに対してソウは、
「よろしくお願いします!」
と、ショウに頭を下げる。

「最後に重清。きみの忍術のことを何も教えてなかったのはすまなかったね。まぁ、それでもあのグダグダさ加減はひどいけど。それはさておき。きみはまず、金の属性の力の扱いに慣れるべきだね。今のきみの忍術はどちらも金の属性のものだけど、どちらもまだまだだったからね。
それと同時に、接近戦についても力を身につける必要がある。ショウが近付いたとき、全く対応できていなかったからね。だからきみにはノブを付ける。ノブは、体の力の扱いが上手いし、属性もきみと同じ金だから、うってつけだよ。」

古賀の言葉を聞いていたいところを突かれたと思った重清がノブを見ると、ノブが重清に向けて盛大な笑顔で親指を立てていたため、重清も負けずに笑顔で親指を立て返す。

「ということで、今伝えた組み合わせで明日から3日間修行してもらうから、よろしくね。特に質問もなさそうだから、これで解散!じゃぁね~~」

そう言って古賀はそのまま掛け軸から社会科研究部の部室へと出ていき、それぞれも解散となった。


その後、アカを除く3人の姿は、『中央公園』へと集まっていた。

「うわぁー。シゲもツネも、大変だったね~!」
と、2人の昨夜の出来事を聞いて、改めてソウが言う。

「っていうかツネ、あのとき割った窓って、大丈夫だったのかよ?」
重清が、昨夜(ただし重清の体感では4日前)のことを思い出して恒久に尋ねる。
「あぁ、あれだろ。あの後、古賀先生から親父んとこに修理代の請求が来たらしいよ。その分、おれのおこずかいから引かれちまったよ。」
恒久がすねながらそう答えるのであった。

「そういえばシゲ、おばあさんの修行ってどんなことしたの??」
ソウの何気ない質問に、重清だけでなくプレッソもガタガタと震えだす。
「え、ええ!?そんなに!?ちょ、なんかごめん、シゲ!もう聞かないから!」
ソウが慌てて重清にそう返す。重清とプレッソにとって、その会話はタブーなのだと、2人は理解するのであった。

「はぁはぁ。つ、ツネは修行そんなにつらくなかったのかよ!?」
重清が何故か息を切らし、少し恨みがましそうに恒久に聞く。
「いや、お前みたいにトラウマになるほどじゃねーよ。まぁ、今日は今日でいろいろと親父に聞きたいことあるから、また修行したいんだけどな。」
「聞きたいこと?ていうか、だったらここに寄らずに帰らなくてよかったの?」
ソウが不思議そうに恒久に聞き返す。

「あぁ、とりあえずここでしっかり宿題できれば、帰って修行に専念できるからな。親父からも、親父の仕事終わるまでに宿題終わるように言われてるからな。」
「ふ~~ん。で、親父さんに聞きたいことって?」
重清が聞く。
「あぁ、今日の模擬戦で幻刀の術を使おうとしたんだけど、使えなかったんだよ。何か理由があるんだろうけど、早くその辺聞いとかねーと怖いからな。」
「あ、そういえばそれだけ使ってなかったもんね!」
ソウが模擬戦のことを思い出して、そう返す。

「あんたたち、しゃべりに来たの?勉強しに来たの??」
突然、あけみ姉さんが現れる。

「うぉっ、あけみ姉さん!急に現れないでよ!びっくりするじゃん!」
忍者部でのことを聞かれていないかと慌てた重清が、焦ったように大声を上げる。
「そんなにびっくりしなくてもいいじゃない。あんたたちが注文したもんもってきてんだから。なになに、好きな女の子のことでも話してたのかい?もしかして、この前来てた茜って子かい?」

あけみ姉さんがニヤニヤしながらそう聞いてくる表情に、今までの会話を聞かれていなかったことを安心する3人を代表して、重清があけみ姉さんに笑いながら返す。
「いや、茜にはおれらのうち既に3分の2、フラれてんだよ~」
「ちょ、おれは告白してなんか!」
重清の言葉に恒久が言い返すが、重清がそれを無視して続ける。
「ま、おれらはこれからそんなん関係なしに活動していく予定だから、変な噂立てないでよね~」
「あら、活動って、何か始めるのかい?」
「あ、あぁ、言ってませんでしたっけ?ぼくたち4人、社会科研究部に入部したんですよ。だから、これから、色々と調べ物が必要だったりするんですよ。」
と、ソウが重清に代わって慌ててフォローするのであった。

「あら、そうなのかい。あの子なかなか可愛いから、狙うんなら早く行動するんだよ~」
そう言いながら、あけみ姉さんがカウンターへと戻っていくのであった。
3人は、
「ない、よな?」
「ないない。」
「え、でも可愛くはあるよね?」
そんな男子トークをしつつ、宿題へを戻っていくのであった。
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