13 / 519
忍者部
第12話:心の試験の恐怖
しおりを挟む
シゲの叫びを聞いた3人は、顔を強ばらせてお互いを見る。
そしてすぐに、シゲが一人言を言いながら、小屋から出てくる。
「いやだ、もうスベりたくない。もう、いやだ・・・」
と、涙を流しながら。
その様子で、3人はシゲがどんな幻術にかけられたかを理解する。
(((幻術エグっ!)))
3人は、なんとなくかけられる幻術を理解した。
おそらく、軽いトラウマを呼び起こすものであろうと。
「さ、次は?」
シンが笑顔で3人に声をかける。
ソウとアカがしり込みをするなか、ツネが前に出る。
「次はおれが。おれには、シゲみたいな嫌な記憶は、多分ないはずだ。だったらなんとかなる!」
そう言って、小屋へと入っていく。
そして数分後。
「ノォーーーーーーーーーーっ!」
ツネの叫びがこだまする。
ツネは、「違う。おれはムッツリなんかじゃない。違う、違うんだ・・・」と頭を抱えて呟きながら小屋から出てくる。
(どんな幻術かけられたのよ)
アカが若干引きぎみに心の中でつっこむ。
「よし、ビビっててもしょうがない!次はわたしが行くわ!」
アカが男らしく(?)、小屋へと突っ込んでいく。そして。
「いやぁぁーーーーーーーー!」
この世の終わりのような叫びが、響きわたる。
「男は誰もわたしに見向きもしない。わたしは、1人寂しく生きていくのよ・・・」
と、泣きながら出てくるアカを見て、ソウの顔が青ざめる。
次は自分の番なのだと。そして、自分が小屋に入った場合どうなるのかを想像して。
「さて、最後はソウだね?準備はいいのかな?」
シンが声言うその声も耳に入らず、震えてすらいるソウに、やっと幻術から解放されたシゲが声をかけてくる。
「ソウ、お前はやめとけ!お前が入ったら・・・」
そこで口ごもるシゲを見て、ソウの震えは止まり、笑顔でシゲに言葉を返す。
「シゲ、ありがとう。でもぼく、ここで一歩踏み出さないと、いつまでも変われない気がする。ぼく、行ってくるよ!」
そう言って、シゲに笑みを向けて小屋へと歩き出す。
ソウが小屋に入るとすぐに、ソウは心の力を感じることができた。
(わかる、忍力と心の力を感じられてる。)
そう思っていると、目の前に、先ほど自分を心配してくれていた、
シゲが立っていた。
「シゲ、どうしたの?ここには1人しか入れないんじゃ・・・」
「はぁ、話しかけんなよ。いつまで友達面してんだよ。お前なんて、おれがいなかったらまたいじめられっ子に逆戻りの弱虫のくせに!」
突然、シゲはソウに辛辣な言葉を投げ掛ける。
それを聞いたソウは、顔を青ざめてシゲを見る。
すると、シゲの後ろには、忘れられるはずもない彼らの姿があった。
「なんだよ弱虫!お前まだそんな弱虫のままなのかよ!こいつだってほんとは、お前のことなんて友達だとは思ってなんかないんだぜ!」
昔ソウをいじめていた彼らが、そう言いながらシゲと肩を組む。
シゲも、そんな彼らと仲良く笑いあっていた。
ソウは、そんな親友の姿に涙を浮かべながらも考える。
(違う、これは幻術だ!心の力、さっき感じた心の力を高めるんだ!)
「なんだよ、まただんまりかよ弱虫!」
彼らの言葉が、ソウを動揺させる。
それでもソウは、シゲに目を向けながら心の力を高める。
すると、シゲの顔が一瞬だけ、いつもの優しいシゲになった。
(足りない、これじゃ足りないんだ!忍力、忍力を上乗せ・・・)
「なんだよ、ソウ。お前やっぱり弱虫じゃん!こいつらに全然言い返せねーんじゃん。」
シゲが、ニヤニヤしながらソウに話しかける。
「やっぱ、お前なんか友達になる価値ねーよ!」
その言葉を聞いたとき、ソウの忍力が大きくなり、心の力へと上乗せされる。
すると、いじめっ子達の姿が無くなり、シゲだけが残る。
「なんだよ、それで勝ったつもりかよ弱虫!お前なんか、おれひとりでどうとでもできるんだぜ?」
しかしもはや、ソウの心にその言葉は響かない。
「わかってないなぁ。」
と、ソウは呟く。
「シゲはね、『友達になる価値がない』なんて絶対言わない!人に価値を見出して付き合いを考えるなんて器用なこと、出来るわけないんだ!あいつは、僕なんかにも優しく声をかけてくれた。こんな幻術なんかで、僕の親友を貶めるなー!!!」
そう、ソウが叫ぶと、シゲの姿は無くなっていた。そして。
「テッテケテー」
微妙な音が鳴り響く。
ソウが小屋を出ると、シゲ、ツネ、アカが駆け寄ってくる。
「ソウ、スゲーじゃん!早速クリアしちゃってんじゃん!」
シゲが笑顔でソウに話しかける。
「うん、なんとかクリアできた。シゲのお陰だよ!」
「おれの??」
ソウの言葉に、不思議そうにしているシゲに、
「何でもない!気にしないで。」
と、誤魔化しながらソウが笑う。
「初日でクリアかぁ。ソウ、やるなー。」
と、シンが話しかけてくる。
「ありがとうございます、シンさん。」
「どうする、みんないろいろとダメージ受けたみたいだけど、今日はこの辺にしとく?」
ショウが提案するも、4人は揃って首を横に振る。
「このままでなんて終われないです!次!次こそはーー!」
シゲが気合いを入れて叫ぶも、
「いや、順番でいったら次は技の試験だろ?お前はもう恥・・・・」
「やめて、それ以上は言わないで!心の試験の幻術のバリエーション増えちゃうから!」
ツネのつっこみに嘆くシゲを見てソウが笑っていると、
「あ!ソウまで笑ってる!見てろよ!今度は失敗しないからなー!よし、皆の衆、出陣じゃーーー!」
と、叫びながら走り出すシゲの後ろ姿を見て、
(やっぱ、シゲはこうじゃなくっちゃね)
と笑いながら、
「おぉーーー!」
と、シゲを追って走り出す。
ソウがシゲに乗ってしまったのを見たツネとアカも、少し視線を合わせたあと、
「おぉー!」
と、小さめの声を出して駆けていく。
「ふふっ、若いねぇ。」
「いや、おれらもそんな変わりませんからね?」
ショウの呟きに、シンが思わずつっこむのであった。
そしてすぐに、シゲが一人言を言いながら、小屋から出てくる。
「いやだ、もうスベりたくない。もう、いやだ・・・」
と、涙を流しながら。
その様子で、3人はシゲがどんな幻術にかけられたかを理解する。
(((幻術エグっ!)))
3人は、なんとなくかけられる幻術を理解した。
おそらく、軽いトラウマを呼び起こすものであろうと。
「さ、次は?」
シンが笑顔で3人に声をかける。
ソウとアカがしり込みをするなか、ツネが前に出る。
「次はおれが。おれには、シゲみたいな嫌な記憶は、多分ないはずだ。だったらなんとかなる!」
そう言って、小屋へと入っていく。
そして数分後。
「ノォーーーーーーーーーーっ!」
ツネの叫びがこだまする。
ツネは、「違う。おれはムッツリなんかじゃない。違う、違うんだ・・・」と頭を抱えて呟きながら小屋から出てくる。
(どんな幻術かけられたのよ)
アカが若干引きぎみに心の中でつっこむ。
「よし、ビビっててもしょうがない!次はわたしが行くわ!」
アカが男らしく(?)、小屋へと突っ込んでいく。そして。
「いやぁぁーーーーーーーー!」
この世の終わりのような叫びが、響きわたる。
「男は誰もわたしに見向きもしない。わたしは、1人寂しく生きていくのよ・・・」
と、泣きながら出てくるアカを見て、ソウの顔が青ざめる。
次は自分の番なのだと。そして、自分が小屋に入った場合どうなるのかを想像して。
「さて、最後はソウだね?準備はいいのかな?」
シンが声言うその声も耳に入らず、震えてすらいるソウに、やっと幻術から解放されたシゲが声をかけてくる。
「ソウ、お前はやめとけ!お前が入ったら・・・」
そこで口ごもるシゲを見て、ソウの震えは止まり、笑顔でシゲに言葉を返す。
「シゲ、ありがとう。でもぼく、ここで一歩踏み出さないと、いつまでも変われない気がする。ぼく、行ってくるよ!」
そう言って、シゲに笑みを向けて小屋へと歩き出す。
ソウが小屋に入るとすぐに、ソウは心の力を感じることができた。
(わかる、忍力と心の力を感じられてる。)
そう思っていると、目の前に、先ほど自分を心配してくれていた、
シゲが立っていた。
「シゲ、どうしたの?ここには1人しか入れないんじゃ・・・」
「はぁ、話しかけんなよ。いつまで友達面してんだよ。お前なんて、おれがいなかったらまたいじめられっ子に逆戻りの弱虫のくせに!」
突然、シゲはソウに辛辣な言葉を投げ掛ける。
それを聞いたソウは、顔を青ざめてシゲを見る。
すると、シゲの後ろには、忘れられるはずもない彼らの姿があった。
「なんだよ弱虫!お前まだそんな弱虫のままなのかよ!こいつだってほんとは、お前のことなんて友達だとは思ってなんかないんだぜ!」
昔ソウをいじめていた彼らが、そう言いながらシゲと肩を組む。
シゲも、そんな彼らと仲良く笑いあっていた。
ソウは、そんな親友の姿に涙を浮かべながらも考える。
(違う、これは幻術だ!心の力、さっき感じた心の力を高めるんだ!)
「なんだよ、まただんまりかよ弱虫!」
彼らの言葉が、ソウを動揺させる。
それでもソウは、シゲに目を向けながら心の力を高める。
すると、シゲの顔が一瞬だけ、いつもの優しいシゲになった。
(足りない、これじゃ足りないんだ!忍力、忍力を上乗せ・・・)
「なんだよ、ソウ。お前やっぱり弱虫じゃん!こいつらに全然言い返せねーんじゃん。」
シゲが、ニヤニヤしながらソウに話しかける。
「やっぱ、お前なんか友達になる価値ねーよ!」
その言葉を聞いたとき、ソウの忍力が大きくなり、心の力へと上乗せされる。
すると、いじめっ子達の姿が無くなり、シゲだけが残る。
「なんだよ、それで勝ったつもりかよ弱虫!お前なんか、おれひとりでどうとでもできるんだぜ?」
しかしもはや、ソウの心にその言葉は響かない。
「わかってないなぁ。」
と、ソウは呟く。
「シゲはね、『友達になる価値がない』なんて絶対言わない!人に価値を見出して付き合いを考えるなんて器用なこと、出来るわけないんだ!あいつは、僕なんかにも優しく声をかけてくれた。こんな幻術なんかで、僕の親友を貶めるなー!!!」
そう、ソウが叫ぶと、シゲの姿は無くなっていた。そして。
「テッテケテー」
微妙な音が鳴り響く。
ソウが小屋を出ると、シゲ、ツネ、アカが駆け寄ってくる。
「ソウ、スゲーじゃん!早速クリアしちゃってんじゃん!」
シゲが笑顔でソウに話しかける。
「うん、なんとかクリアできた。シゲのお陰だよ!」
「おれの??」
ソウの言葉に、不思議そうにしているシゲに、
「何でもない!気にしないで。」
と、誤魔化しながらソウが笑う。
「初日でクリアかぁ。ソウ、やるなー。」
と、シンが話しかけてくる。
「ありがとうございます、シンさん。」
「どうする、みんないろいろとダメージ受けたみたいだけど、今日はこの辺にしとく?」
ショウが提案するも、4人は揃って首を横に振る。
「このままでなんて終われないです!次!次こそはーー!」
シゲが気合いを入れて叫ぶも、
「いや、順番でいったら次は技の試験だろ?お前はもう恥・・・・」
「やめて、それ以上は言わないで!心の試験の幻術のバリエーション増えちゃうから!」
ツネのつっこみに嘆くシゲを見てソウが笑っていると、
「あ!ソウまで笑ってる!見てろよ!今度は失敗しないからなー!よし、皆の衆、出陣じゃーーー!」
と、叫びながら走り出すシゲの後ろ姿を見て、
(やっぱ、シゲはこうじゃなくっちゃね)
と笑いながら、
「おぉーーー!」
と、シゲを追って走り出す。
ソウがシゲに乗ってしまったのを見たツネとアカも、少し視線を合わせたあと、
「おぉー!」
と、小さめの声を出して駆けていく。
「ふふっ、若いねぇ。」
「いや、おれらもそんな変わりませんからね?」
ショウの呟きに、シンが思わずつっこむのであった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる