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バッドエンド回避計画!
第七話
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「不慮の死…。」
エンディングで突然現れるセオドア不慮の死のニュース。あれをどう回避するかなのだが…
(そもそも“不慮”って何だよ…。毎回毎回起こるんだから絶対“不慮の”ではないでしょ…。)
プレイヤーにすっきり終わってもらうため、という運営の都合なのかとも思っていたが、実際この世界に来るとどうも何かがあるような気がしてならない。そもそも、幽閉されてたのに脱走してその先で死亡、などというエンドもあるのだ。
(剣と魔法のこの世界で超強固に封じ込めがされている牢に幽閉されて、脱走できるものなのかな…?)
セオドアはまだ幽閉先やこの世界のそう言った技術については知らないが、そもそも一介の貴族令息なんかが脱獄なんてできるかと言われると疑問を感じる。
(やっぱり何かありそうだよなあ…。例えばー--誰かが手助けした、とか?)
色々な可能性を考えて、セオドアはため息を吐く。
(うーん、やっぱり情報が少なすぎる…。単にゲームの強制力っていうのも考えたけど…どうもそんな理由ではない気がするんだよなあ。)
セオドアがこう考えるのには理由がある。女神の言った言葉に、”悪意に打ち勝ち”とあったことだ。
(”悪意”…そう言ってる時点でシステムの都合的な何かではないように思うんだよなあ…。それに、運命はある程度決まってるとはいえ、例外はあるってわざわざ言ってたし。”悪意”か…。いったい誰の…?)
セオドアは自身に悪意を持つ可能性のある人物を考えてみる。
(う…ゲームのテオだといろんな人から悪意を持たれてもおかしくないかも…。ちょっとわがままだし不器用だったからあんまり好かれてなかったし…それこそ攻略対象キャラたちにだってーーー)
そこまで考えてセオドアは、はっとする。
(攻略対象のキャラ達ならテオに悪意を抱いていてもおかしくないし、それにみんな身分や能力が高いから、テオを事故に見せかけて殺したりも……)
ないとは言い切れない可能性に思い当たり、セオドアは愕然とする。ゲームで見ていた攻略対象たちは、みんなヒロインに好意を抱く。そんなヒロインを害するセオドアに悪意を持ってもおかしくはないし、それに彼らがやろうと思えば断罪後のセオドアをバレずにどうこうすることくらい、簡単なことに思えるのだ。
(それは最悪だな…。でも、ゲームのメインキャラ達なだけあってどのルートでも必ず全員登場するし、全員テオとの接触もある。ということは…今のところ一番可能性が高いかも……。)
セオドアは軽くショックを受け、思ったより難易度が高くなるかもしれない自身のバッドエンド回避に若干憂鬱な気持ちになった。
(うう、でも絶対幸せにするからね…!…それに、まだこれだけの情報では分からないよね。こっちはとりあえず保留して、とにかく今は断罪回避のために頑張ろう。そもそも断罪さえされなければ少なくとも国外追放になって事故にあうだとか、幽閉されて脱走することになるだとか、ゲームの中と同じエンドは大体避けられるし。)
セオドアは結局今の情報だけでは不慮の死の真相を突き止めることはできないと判断した。憶測で考えすぎるのはよくないし、今はまだ情報不足なのだ。
(うん、そうだな。とりあえず今は断罪回避のために、第一王子の婚約者にはならず断罪回避のために動くとして、少なくとも学園を卒業するまでーーーーー断罪イベントまでには十分な情報を集めよう。…特に攻略対象キャラたちのことはしっかり調べた方がいいかもしれないな。あまり関わらない方がいいかとも思ったけど…仕方ない。これも推しを救うため。テオの死には何か裏がありそうだし…いや、なかったならそれはそれでいいんだけど…。情報は多いに越したことはないよな。)
セオドアはいったん情報の整理を終え、ぐっと伸びをする。
「よし、頑張るぞ…!」
バタン!!!
セオドアがひとり呟いた直後、突然セオドアの部屋の扉が開いた。
「テオ!!」
エンディングで突然現れるセオドア不慮の死のニュース。あれをどう回避するかなのだが…
(そもそも“不慮”って何だよ…。毎回毎回起こるんだから絶対“不慮の”ではないでしょ…。)
プレイヤーにすっきり終わってもらうため、という運営の都合なのかとも思っていたが、実際この世界に来るとどうも何かがあるような気がしてならない。そもそも、幽閉されてたのに脱走してその先で死亡、などというエンドもあるのだ。
(剣と魔法のこの世界で超強固に封じ込めがされている牢に幽閉されて、脱走できるものなのかな…?)
セオドアはまだ幽閉先やこの世界のそう言った技術については知らないが、そもそも一介の貴族令息なんかが脱獄なんてできるかと言われると疑問を感じる。
(やっぱり何かありそうだよなあ…。例えばー--誰かが手助けした、とか?)
色々な可能性を考えて、セオドアはため息を吐く。
(うーん、やっぱり情報が少なすぎる…。単にゲームの強制力っていうのも考えたけど…どうもそんな理由ではない気がするんだよなあ。)
セオドアがこう考えるのには理由がある。女神の言った言葉に、”悪意に打ち勝ち”とあったことだ。
(”悪意”…そう言ってる時点でシステムの都合的な何かではないように思うんだよなあ…。それに、運命はある程度決まってるとはいえ、例外はあるってわざわざ言ってたし。”悪意”か…。いったい誰の…?)
セオドアは自身に悪意を持つ可能性のある人物を考えてみる。
(う…ゲームのテオだといろんな人から悪意を持たれてもおかしくないかも…。ちょっとわがままだし不器用だったからあんまり好かれてなかったし…それこそ攻略対象キャラたちにだってーーー)
そこまで考えてセオドアは、はっとする。
(攻略対象のキャラ達ならテオに悪意を抱いていてもおかしくないし、それにみんな身分や能力が高いから、テオを事故に見せかけて殺したりも……)
ないとは言い切れない可能性に思い当たり、セオドアは愕然とする。ゲームで見ていた攻略対象たちは、みんなヒロインに好意を抱く。そんなヒロインを害するセオドアに悪意を持ってもおかしくはないし、それに彼らがやろうと思えば断罪後のセオドアをバレずにどうこうすることくらい、簡単なことに思えるのだ。
(それは最悪だな…。でも、ゲームのメインキャラ達なだけあってどのルートでも必ず全員登場するし、全員テオとの接触もある。ということは…今のところ一番可能性が高いかも……。)
セオドアは軽くショックを受け、思ったより難易度が高くなるかもしれない自身のバッドエンド回避に若干憂鬱な気持ちになった。
(うう、でも絶対幸せにするからね…!…それに、まだこれだけの情報では分からないよね。こっちはとりあえず保留して、とにかく今は断罪回避のために頑張ろう。そもそも断罪さえされなければ少なくとも国外追放になって事故にあうだとか、幽閉されて脱走することになるだとか、ゲームの中と同じエンドは大体避けられるし。)
セオドアは結局今の情報だけでは不慮の死の真相を突き止めることはできないと判断した。憶測で考えすぎるのはよくないし、今はまだ情報不足なのだ。
(うん、そうだな。とりあえず今は断罪回避のために、第一王子の婚約者にはならず断罪回避のために動くとして、少なくとも学園を卒業するまでーーーーー断罪イベントまでには十分な情報を集めよう。…特に攻略対象キャラたちのことはしっかり調べた方がいいかもしれないな。あまり関わらない方がいいかとも思ったけど…仕方ない。これも推しを救うため。テオの死には何か裏がありそうだし…いや、なかったならそれはそれでいいんだけど…。情報は多いに越したことはないよな。)
セオドアはいったん情報の整理を終え、ぐっと伸びをする。
「よし、頑張るぞ…!」
バタン!!!
セオドアがひとり呟いた直後、突然セオドアの部屋の扉が開いた。
「テオ!!」
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