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バッドエンド回避計画!
第五話
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さて、セオドアが決意を改めて最初にしたことは、セオドアのバッドエンド回避のための情報の洗い出しだった。
(ええっと、まず不慮の死は置いておいて、断罪されて死刑になるのだけは絶対に阻止しないと…。そうするためには…ヒロインを第一皇子以外のルートに導く?いや、そもそもヒロインを虐めなければいい話ではあるんだけど、ゲームでもセオドアは第一皇子と折り合いの悪い婚約者として有名だったから結構周りに裏切られて罪も被せられたりしてたし、それだけでは当てにならない、かな?)
考えれば考えるほど推しが不憫に思えてくるが、今やその推しは我が身のこと。悲しんでいる場合ではない。
(そもそも第一皇子の婚約者にならない、っていうのはどうだろう?今はテオは自分のことだし、甘やかされてはいるけどそんなに我儘に育つとも思わない。中身は二十歳超えているわけだし。だから実はゲームほどは婚約者と折り合いが悪くならない可能性もある。……でもそれはあくまでも可能性の話だし…。やっぱりゲームのテオには悪い気もするけど、背に腹はかえられない。婚約回避ルートで行こう。それでヒロインには虐めたりせず、普通に過ごしとけばきっと断罪は回避できる、はず。)
と、断罪回避のために婚約をしないととりあえずの方針を決めたセオドアは、より多くの情報を得て精査するためにも今知っている前世の知識をまとめることにした。
ゲームの舞台は王立魔道学園。15の歳になると魔力を持つ者たちは集められてこの学園に入ることになる。この世界では魔力を持つ者のほとんどが貴族なので、自然と学園には貴族ばかりが集まり、魔道学園は未来を担う貴族令息たちの大きな社交の場となっていた。そんな学園に平民ながらに珍しい光の魔力を持ったヒロインが入学した時がゲームのスタートだ。セオドアはヒロインより一つ年上なので、ゲームのシナリオが始まるのは16の時ということになる。それまでの情報はゲームに詳しくは描かれていない。
(特にテオの幼少期の情報なんてないしなあ…。分かっているのは、生まれてすぐに母を亡くして公爵にとにかく甘やかされて育ったってことと、7歳の時にこの国の第一皇子と婚約するってこと、かな。)
元々セオドアが第一皇子に初めて出会うお茶会にはフォーサイス公爵だけの招待だったはずだ。ということは、わがまま言わず王家主催のお茶会にはいかなければ大丈夫だろう、とセオドアは思う。というのもこのセオドア、ゲームでは詳細に描かれていなかったのだが、幼少期は病弱らしく今現在セオドアは療養のためフォーサイス領の王都から馬で半日ほどかかる別荘にいるのだ。普通に過ごしていたら皇子と出会うことも、体の弱いセオドアと婚約することにも、ならないだろう。
「うんうん。」
ということで第一皇子との婚約回避は意外と簡単かもしれないな、とセオドアは思った。
(ええっと、まず不慮の死は置いておいて、断罪されて死刑になるのだけは絶対に阻止しないと…。そうするためには…ヒロインを第一皇子以外のルートに導く?いや、そもそもヒロインを虐めなければいい話ではあるんだけど、ゲームでもセオドアは第一皇子と折り合いの悪い婚約者として有名だったから結構周りに裏切られて罪も被せられたりしてたし、それだけでは当てにならない、かな?)
考えれば考えるほど推しが不憫に思えてくるが、今やその推しは我が身のこと。悲しんでいる場合ではない。
(そもそも第一皇子の婚約者にならない、っていうのはどうだろう?今はテオは自分のことだし、甘やかされてはいるけどそんなに我儘に育つとも思わない。中身は二十歳超えているわけだし。だから実はゲームほどは婚約者と折り合いが悪くならない可能性もある。……でもそれはあくまでも可能性の話だし…。やっぱりゲームのテオには悪い気もするけど、背に腹はかえられない。婚約回避ルートで行こう。それでヒロインには虐めたりせず、普通に過ごしとけばきっと断罪は回避できる、はず。)
と、断罪回避のために婚約をしないととりあえずの方針を決めたセオドアは、より多くの情報を得て精査するためにも今知っている前世の知識をまとめることにした。
ゲームの舞台は王立魔道学園。15の歳になると魔力を持つ者たちは集められてこの学園に入ることになる。この世界では魔力を持つ者のほとんどが貴族なので、自然と学園には貴族ばかりが集まり、魔道学園は未来を担う貴族令息たちの大きな社交の場となっていた。そんな学園に平民ながらに珍しい光の魔力を持ったヒロインが入学した時がゲームのスタートだ。セオドアはヒロインより一つ年上なので、ゲームのシナリオが始まるのは16の時ということになる。それまでの情報はゲームに詳しくは描かれていない。
(特にテオの幼少期の情報なんてないしなあ…。分かっているのは、生まれてすぐに母を亡くして公爵にとにかく甘やかされて育ったってことと、7歳の時にこの国の第一皇子と婚約するってこと、かな。)
元々セオドアが第一皇子に初めて出会うお茶会にはフォーサイス公爵だけの招待だったはずだ。ということは、わがまま言わず王家主催のお茶会にはいかなければ大丈夫だろう、とセオドアは思う。というのもこのセオドア、ゲームでは詳細に描かれていなかったのだが、幼少期は病弱らしく今現在セオドアは療養のためフォーサイス領の王都から馬で半日ほどかかる別荘にいるのだ。普通に過ごしていたら皇子と出会うことも、体の弱いセオドアと婚約することにも、ならないだろう。
「うんうん。」
ということで第一皇子との婚約回避は意外と簡単かもしれないな、とセオドアは思った。
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