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毒蛇との邂逅
第二十五話
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「ん?君は…」
イケメンが声の方へ振り返り、そう呟く間に声の主が俺の腕を引き、王子様イケメンからやや距離をとったところに引き寄せられた。
「ねえ、探したんだよ?一緒に買い物する約束でしょ。そろそろ行こ。」
話に割り込んできた人物、俺にとっては救世主、お狐様が俺に話しかける。
「あ、ああ、狐塚くん。そうだね、そろそろ…」
幸い俺は救いのお狐様の方を向かされているので王子様イケメンからは顔は見えていないはずだ。もしかして助けてくれた…?
俺が狐塚のファインプレーに拝むような気持ちになっていると、また後方から声がかかった。
「ちょっと、まだ話は終わってないよ?」
ぞわぁっ、と寒気を感じる。ひいい、こわいこわい…そんなん振り返りたくても怖すぎて振り返れないぞ…!
「ん?あれ、センパイいたんですか?何か用ですか?」
狐塚はブリザード吹雪く先輩にお構いなく振り返り、さらにしれっと煽って見せた。ちょっ、何でそんなこと言うんだよ、恐れ知らずめ!怖いだろ…!俺が!!
「君に用は無いんだよ狐塚くん。ちょっとそっちの彼の方にね。というか、不良の君がここにくるなんてこともあるんだね。明日は雪かな?」
くすっと王子様イケメンが笑う。こっわ。やっぱりこっわ。ナチュラル嫌味こっわ。言葉の端々が刺々しいぞ…!
「んー、まあ俺も用はないんですけどね。俺はこの子探しに来ただけなんでー。こいつ俺のツレなんすよー。」
「へえ、一匹狼気取ってる君にツレなんていたんだね?僕てっきり君は、ぼ っ ち なんだと思ってたよ、ごめんね。」
「やだなぁ、それはセンパイの方じゃないですか?」
にこっ。
にこっ。
ひゅうぅぅぅぅぅぅ
がくがくがくがく。
にこっ、って効果音つきの笑顔で全然笑ってない顔するのやめてよ二人…!!寒いいい……。また吹雪が吹いてるんだって…いま春だったよね…?何でこんな吹雪てんだよお…。
「てかこいつになんの用なんですか?」
「それは君には関係ないでしょ?」
なんかバチバチ聞こえるなあ。なんだろうなあ。帰りたいなあ。やっぱりお仕事って難しいなあ……
「まあそうですねー。じゃあ、俺はあんたには関係ないんでこの子連れてきますね。俺、不良ですし。」
俺が恐ろしさと寒さに現実逃避をして意識を飛ばしていると、突然狐塚がにやりと笑ってそう言った。かと思えばくるっと俺の方を向く。
「走るよ。」
そして先程の冷たいものとは違う優しい笑顔をこちらに向けながらそう呟くと、ぱっと俺の手を取り、手を引きながら階段の方へダッシュしたのだ。
イケメンが声の方へ振り返り、そう呟く間に声の主が俺の腕を引き、王子様イケメンからやや距離をとったところに引き寄せられた。
「ねえ、探したんだよ?一緒に買い物する約束でしょ。そろそろ行こ。」
話に割り込んできた人物、俺にとっては救世主、お狐様が俺に話しかける。
「あ、ああ、狐塚くん。そうだね、そろそろ…」
幸い俺は救いのお狐様の方を向かされているので王子様イケメンからは顔は見えていないはずだ。もしかして助けてくれた…?
俺が狐塚のファインプレーに拝むような気持ちになっていると、また後方から声がかかった。
「ちょっと、まだ話は終わってないよ?」
ぞわぁっ、と寒気を感じる。ひいい、こわいこわい…そんなん振り返りたくても怖すぎて振り返れないぞ…!
「ん?あれ、センパイいたんですか?何か用ですか?」
狐塚はブリザード吹雪く先輩にお構いなく振り返り、さらにしれっと煽って見せた。ちょっ、何でそんなこと言うんだよ、恐れ知らずめ!怖いだろ…!俺が!!
「君に用は無いんだよ狐塚くん。ちょっとそっちの彼の方にね。というか、不良の君がここにくるなんてこともあるんだね。明日は雪かな?」
くすっと王子様イケメンが笑う。こっわ。やっぱりこっわ。ナチュラル嫌味こっわ。言葉の端々が刺々しいぞ…!
「んー、まあ俺も用はないんですけどね。俺はこの子探しに来ただけなんでー。こいつ俺のツレなんすよー。」
「へえ、一匹狼気取ってる君にツレなんていたんだね?僕てっきり君は、ぼ っ ち なんだと思ってたよ、ごめんね。」
「やだなぁ、それはセンパイの方じゃないですか?」
にこっ。
にこっ。
ひゅうぅぅぅぅぅぅ
がくがくがくがく。
にこっ、って効果音つきの笑顔で全然笑ってない顔するのやめてよ二人…!!寒いいい……。また吹雪が吹いてるんだって…いま春だったよね…?何でこんな吹雪てんだよお…。
「てかこいつになんの用なんですか?」
「それは君には関係ないでしょ?」
なんかバチバチ聞こえるなあ。なんだろうなあ。帰りたいなあ。やっぱりお仕事って難しいなあ……
「まあそうですねー。じゃあ、俺はあんたには関係ないんでこの子連れてきますね。俺、不良ですし。」
俺が恐ろしさと寒さに現実逃避をして意識を飛ばしていると、突然狐塚がにやりと笑ってそう言った。かと思えばくるっと俺の方を向く。
「走るよ。」
そして先程の冷たいものとは違う優しい笑顔をこちらに向けながらそう呟くと、ぱっと俺の手を取り、手を引きながら階段の方へダッシュしたのだ。
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