王道学園のハニートラップ兎

もものみ

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毒蛇との邂逅

第二十二話

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《白兎side》

「あ、そうだ、晩ごはん何か食べたいものある?」
  食堂でおいしい昼食をいただいたあと、俺たちは部屋に戻って来ていた。昼食べた直後にこの質問はよくなかったかな。
「なんでもいいよ。道具はある程度あるけど道具が足りるかも、俺ほとんど買い物行かないから食材も何があるのかよく知らないし…。」
  今日の夕飯は案内のお礼に俺が手料理を振る舞うことになっていたので質問してみたが…。確かにそれもそうだな。今ざっとキッチンを見てみた感じ、キッチンは大きいだけあってかなり設備は整っていた。調味料とかお玉とか備品としておいてくれているのも非常にありがたい。前の住人が、というかめったに自炊をする生徒はいないからか、道具も新品同様だし。いや、もしかすると本当に新品に買い換えているのかもしれない。とにかく道具を見た感じなんでもできそうだけど、食材の品揃えとかは分からないもんな。
「うん、わかった、じゃあ買い物行ってみて作れそうなやつにするね。」
「うん、それでお願いするよ。そうだ、買い物俺も一緒に行っていい?」
「いいよ!じゃあ俺は買い物行く前に荷物片付けてくるね。晩ごはんは何時ごろがいい?」
「うーん、何時でもいいけど、いつもは19:00ごろ食べてる。」
「じゃあそれに合わせるね。」
  そこまで言って俺は部屋に入った。さて、これから着替えて荷物を片付けて、買い物行って何があるかみて、作れそうなもの考えて、ご飯作って…いや、まだ14:00前だからもう少し時間あるか?時間あったら寮内の設備確認したり内部を自分の目で一通り見ておきたいな。あー、それからパソコン繋がるかも確認しないと。通販は自由なのでそれで必要な物資を買ったりするためにも使えるし、…あと、あの人に定期連絡もしなければならないし。
  俺はぱぱっと頭のなかで今日の午後の予定を組み立てて、ぱぱっと荷物から普段着を1セット取り出して着替える。目立たないように背格好を隠せるオーバーサイズの黒のパーカーだ。ほっこりした時間を過ごすとつい忘れそうになるが、俺は一年で9人の弱味を握らなければならない。ぼんやりしている暇はない。





「よし…。」
  もともと荷物はスーツケース一つだけだったので荷物整理は比較的すぐに済んだのだが、軽く掃除や部屋を整えたり部屋の中からできることを確認しているとそこそこ時間がたってしまった。
「15:00か…。」
  微妙な時間だな…パソコンの確認でもするか。ここは学園のWi-Fiが通ってるから山奥でも電波環境は問題ないはずだ。
  持参したノートパソコンを立ち上げてみる。よし、Wi-Fi接続できるし問題ないな。というか全寮Wi-Fi完備ってすげえよな、さすが金持ち学園。インターネットにもちゃんと入れるし、これでなにか必要なものがあればこっそり買えるな。
「普通にネットも使えるみたいだしまだ時間あるな…。」
  思ったより早く自室の環境整備が整って暇になった。うーん、なら少し寮の探索に行くか…。いざというときに廊下の長さや部屋の詳細は実体験として持っておくと使えるだろうからな。
  そうと決めた俺は同じく自室に入ったらしい狐塚に気づかれないようにそっと部屋から出て寮の散策を開始した。
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