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兎と狐のランチタイム
第十八話
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「あはは、まあそんな顔しないでよ。俺は親衛隊なんかいないし、俺と仲良くしよ?」
ほら、ルームメイトだしね?なんて言って目尻を下げて微笑みかけてくる。うっ、美形が眩しい…。そうだな。関わらないっていうのは無理だが、バレないように変装したりなんだりで親衛隊に見つからないようにこそこそやればいいんだよ、うん。生徒会に手を出したとしても、この状態の俺がおとなしくしてさえいればまさかこんか地味なやつが手を出したとはバレないだろうし。うん、一旦思考を放棄しよう。
思考放棄したら急激にお腹すいてきたな。お昼の時間だもんな。もう寮に着くし、寮には食堂があったはず。
「狐塚くん、」
「…ねえ白兎くん、その"狐塚くん"っていうの、やめない?」
「え?」
「ほら、俺たち同室なのにずっとよそよそしいのも嫌だなと思って。俺とも仲良くしてよ?」
狐塚がにこっと微笑みながらこちらを見つめる。…威圧されてる。こちらに選択権があるようで答えは一択しか用意されていない。なんだ?何が狐塚の気にさわったんだろうか。
「あ、白兎くんのこと、"ゆき"って呼んでもいい?」
「…いいよ!確かに、同じ部屋で過ごすんだもんね。俺も、"唯くん"って呼ぶね!」
「呼び捨てでもいいのに。」
「ええ?!そ、それだと周りのみんながびっくりするでしょ?下の名前で呼びあってるだけでもびっくりするだろうに、俺狐塚くんのこと呼び捨てにしてたら怒られちゃうよ。ね、唯くん?」
「……まあ、それもそうだね。」
よかった、納得してくれたみたいだ。下の名前呼びしてる時点でアウトな気もするが、呼び捨てにするときっともっと注目を浴びるだろうし、狐塚の隠れファンとかいう人たちににらまれても面倒だ。下の名前呼びは、『同室だから余所余所しいのは嫌だと言われた』という事実をなんとかこねくりまわせば周りを説得できるだろう。たぶん。ていうか、そのファンの方々は狐塚のこと普通に下の名前呼び捨てかもしれないし。ひょっとすると"唯サマ"とかかも…?いや、ないか。うん、わからんことはグダグダ考えないでおこう。
「それで、ゆきはなに言おうとしてたの?」
「あ、えっと、お昼どうする?って聞きたかっただけ。先約とかある?」
「いや、いつも一人で食べてる。ゆき、よかったらお昼一緒に食堂行かない?」
「行く!」
金持ち学園の食堂とか普通に気になる…!どんななんだろう?俺は色々なことを考えるのをやめにして、ともかく今日のご飯へと思考をチェンジした。
ほら、ルームメイトだしね?なんて言って目尻を下げて微笑みかけてくる。うっ、美形が眩しい…。そうだな。関わらないっていうのは無理だが、バレないように変装したりなんだりで親衛隊に見つからないようにこそこそやればいいんだよ、うん。生徒会に手を出したとしても、この状態の俺がおとなしくしてさえいればまさかこんか地味なやつが手を出したとはバレないだろうし。うん、一旦思考を放棄しよう。
思考放棄したら急激にお腹すいてきたな。お昼の時間だもんな。もう寮に着くし、寮には食堂があったはず。
「狐塚くん、」
「…ねえ白兎くん、その"狐塚くん"っていうの、やめない?」
「え?」
「ほら、俺たち同室なのにずっとよそよそしいのも嫌だなと思って。俺とも仲良くしてよ?」
狐塚がにこっと微笑みながらこちらを見つめる。…威圧されてる。こちらに選択権があるようで答えは一択しか用意されていない。なんだ?何が狐塚の気にさわったんだろうか。
「あ、白兎くんのこと、"ゆき"って呼んでもいい?」
「…いいよ!確かに、同じ部屋で過ごすんだもんね。俺も、"唯くん"って呼ぶね!」
「呼び捨てでもいいのに。」
「ええ?!そ、それだと周りのみんながびっくりするでしょ?下の名前で呼びあってるだけでもびっくりするだろうに、俺狐塚くんのこと呼び捨てにしてたら怒られちゃうよ。ね、唯くん?」
「……まあ、それもそうだね。」
よかった、納得してくれたみたいだ。下の名前呼びしてる時点でアウトな気もするが、呼び捨てにするときっともっと注目を浴びるだろうし、狐塚の隠れファンとかいう人たちににらまれても面倒だ。下の名前呼びは、『同室だから余所余所しいのは嫌だと言われた』という事実をなんとかこねくりまわせば周りを説得できるだろう。たぶん。ていうか、そのファンの方々は狐塚のこと普通に下の名前呼び捨てかもしれないし。ひょっとすると"唯サマ"とかかも…?いや、ないか。うん、わからんことはグダグダ考えないでおこう。
「それで、ゆきはなに言おうとしてたの?」
「あ、えっと、お昼どうする?って聞きたかっただけ。先約とかある?」
「いや、いつも一人で食べてる。ゆき、よかったらお昼一緒に食堂行かない?」
「行く!」
金持ち学園の食堂とか普通に気になる…!どんななんだろう?俺は色々なことを考えるのをやめにして、ともかく今日のご飯へと思考をチェンジした。
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