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兎と犬の関係は?
第十五話
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「??え、どういうことですか?」
「いや、しかもそいつらを手玉にとろうってんだから俺はどんな美人が来るのかって思ってたんだよ。」
「いや、は?まじ?」
「まじまじ。」
え、マジ?難易度SSSのゲームどころじゃなくね?本気で乙女ゲームみ増してんな?俺、ヒロイン?乙女ゲームのヒロインなの?いや、♂×♂だからBLゲームか?いやいやどっちでもいいわ!!!そこじゃねえ!!
「え、俺ノンケです。」
「あー、……お前が混乱してるのはよく分かった。いや、ほんと、気の毒だなとは思うよ、うん…。いや、お前でもメガネとって髪あげりゃいけんことも…」
そう言いながら犬飼が近づいてきて、メガネをはずされる。俺の頭は現在混乱を極めているのでされるがままだ。いや、ちゃんと相手を理解してるからだけどね。
「ほら、メガネはずしたら…」
言いながら犬飼が俺の顎をつかみ上を向かせ、座っている俺は立っている犬飼を見上げる形にさせられた。
顔をさらけ出され、パチリと犬飼と目が合う。ターゲットがド級イケメン×9と知らされてしまって意気消沈中の俺の顔はおそらく眉が下がって情けないことになっているだろうが、相手はこちらの協力者らしいし、ターゲットでもないし、別にいいだろう。
「おいおい、こりゃ…。」
「…なんですか?文句は受け付けませんよ。
いや、俺だってメガネ外して髪整えるとそこそこ見れる顔だと思ってたんですけどね…。ターゲットみんなあんなんって…せめてもうちょっと普通レベルのイケメンなら俺にもどうにかなるかなって思えたのに…。あんなんを前にして勝てる顔面なんてあるんですか?ねえ?」
思わず勢いで愚痴ってしまう。いや愚痴ってもいいよな仕方ないよな。あんなん芸能人顔負けイケメン×9だぞ?!たたでさえ色々大変そうだなあと思ってたのに…。ていうかもはやこの学園なら俺レベルの顔のやつなら普通にいる気がする。わざわざ地味に装わなくてもいいんじゃないか?
「パッとしないと思ってたら、メガネはずした素顔がこれとはね…。お前漫画か?漫画くんなのか?」
「何を言ってるんですか先生。この学園が既に漫画です。」
一周回って冷静に突っ込んでしまった。
「というか、この学園美形率高すぎますよね?俺わざわざ変装しなくてもいい気がしてるんですけど。」
「いや、それはした方がいいと思うぞ、切実に。たぶん素顔バレした瞬間自由がなくなると思った方がいい。」
「は?」
「なんでそこの自覚はないんだよ…。いや、まあいい。かえってその方がいいかもな…。」
ぶつぶつと犬飼は何言か呟き、俺の髪とメガネをもとに戻した。
「うん、まあそのままの方がいいと思うぞ。目立たないに越したことはないだろ?それからほら、お前ちゃんとかわいいから。自信持てって。正直お前がスパイとして送り込まれたのも納得したぐらいだから、な。」
犬飼が頭をぽんぽんと撫でる。
「う”……ありがとうございます、気休めでも嬉しいです…強く生きます…。」
思わず暖かい手にすり寄ってしまうのは許してほしい。
「おまっ…それはわざとか?」
「何がですか?」
「……いや、そうか、うん…お前なら適任だろうな…。」
何だ?はっきりしない言い方だな。
「まあなんだ、とにかく、困ったら言えよ。できる範囲で協力する。」
何でも、だとか言わずに『できる範囲で』と言うところが逆に信用できる。
「はい、ありがとうございます。…仕事はきちんとこなします。」
「ん、お前なら大丈夫だと思うぜ。」
なぜそう言えるのだろうか、まあやるしかないのでやれるだけのことはやるつもりだが。
「…。」
「そう不安そうな顔するなよ、大丈夫、そりゃあいつらは顔面偏差値バグってるけど、お前だって大概だよ。」
「それは悪い意味で?」
「ばか、可愛いってことだよ。」
犬飼が目を細めてキザったらしく言った。む、やる気か?
「いや、しかもそいつらを手玉にとろうってんだから俺はどんな美人が来るのかって思ってたんだよ。」
「いや、は?まじ?」
「まじまじ。」
え、マジ?難易度SSSのゲームどころじゃなくね?本気で乙女ゲームみ増してんな?俺、ヒロイン?乙女ゲームのヒロインなの?いや、♂×♂だからBLゲームか?いやいやどっちでもいいわ!!!そこじゃねえ!!
「え、俺ノンケです。」
「あー、……お前が混乱してるのはよく分かった。いや、ほんと、気の毒だなとは思うよ、うん…。いや、お前でもメガネとって髪あげりゃいけんことも…」
そう言いながら犬飼が近づいてきて、メガネをはずされる。俺の頭は現在混乱を極めているのでされるがままだ。いや、ちゃんと相手を理解してるからだけどね。
「ほら、メガネはずしたら…」
言いながら犬飼が俺の顎をつかみ上を向かせ、座っている俺は立っている犬飼を見上げる形にさせられた。
顔をさらけ出され、パチリと犬飼と目が合う。ターゲットがド級イケメン×9と知らされてしまって意気消沈中の俺の顔はおそらく眉が下がって情けないことになっているだろうが、相手はこちらの協力者らしいし、ターゲットでもないし、別にいいだろう。
「おいおい、こりゃ…。」
「…なんですか?文句は受け付けませんよ。
いや、俺だってメガネ外して髪整えるとそこそこ見れる顔だと思ってたんですけどね…。ターゲットみんなあんなんって…せめてもうちょっと普通レベルのイケメンなら俺にもどうにかなるかなって思えたのに…。あんなんを前にして勝てる顔面なんてあるんですか?ねえ?」
思わず勢いで愚痴ってしまう。いや愚痴ってもいいよな仕方ないよな。あんなん芸能人顔負けイケメン×9だぞ?!たたでさえ色々大変そうだなあと思ってたのに…。ていうかもはやこの学園なら俺レベルの顔のやつなら普通にいる気がする。わざわざ地味に装わなくてもいいんじゃないか?
「パッとしないと思ってたら、メガネはずした素顔がこれとはね…。お前漫画か?漫画くんなのか?」
「何を言ってるんですか先生。この学園が既に漫画です。」
一周回って冷静に突っ込んでしまった。
「というか、この学園美形率高すぎますよね?俺わざわざ変装しなくてもいい気がしてるんですけど。」
「いや、それはした方がいいと思うぞ、切実に。たぶん素顔バレした瞬間自由がなくなると思った方がいい。」
「は?」
「なんでそこの自覚はないんだよ…。いや、まあいい。かえってその方がいいかもな…。」
ぶつぶつと犬飼は何言か呟き、俺の髪とメガネをもとに戻した。
「うん、まあそのままの方がいいと思うぞ。目立たないに越したことはないだろ?それからほら、お前ちゃんとかわいいから。自信持てって。正直お前がスパイとして送り込まれたのも納得したぐらいだから、な。」
犬飼が頭をぽんぽんと撫でる。
「う”……ありがとうございます、気休めでも嬉しいです…強く生きます…。」
思わず暖かい手にすり寄ってしまうのは許してほしい。
「おまっ…それはわざとか?」
「何がですか?」
「……いや、そうか、うん…お前なら適任だろうな…。」
何だ?はっきりしない言い方だな。
「まあなんだ、とにかく、困ったら言えよ。できる範囲で協力する。」
何でも、だとか言わずに『できる範囲で』と言うところが逆に信用できる。
「はい、ありがとうございます。…仕事はきちんとこなします。」
「ん、お前なら大丈夫だと思うぜ。」
なぜそう言えるのだろうか、まあやるしかないのでやれるだけのことはやるつもりだが。
「…。」
「そう不安そうな顔するなよ、大丈夫、そりゃあいつらは顔面偏差値バグってるけど、お前だって大概だよ。」
「それは悪い意味で?」
「ばか、可愛いってことだよ。」
犬飼が目を細めてキザったらしく言った。む、やる気か?
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