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病院ー優月sideー
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(あ、危なかった…!)
優月は曲がり角を曲がってすぐの診察室への道を心臓をバクバクさせながら歩く。
(やっぱり陽仁くん家の人だった…)
優月はほっとため息を吐く。先ほどの男が差し出してきた写真は、やはり優月のものだったのだ。
(でも話しだことはない人だったから、声とかでバレなくてよかった。それに、俺のことを患者として探してくれてたのも大きかったかも。)
優月は時間がないながらもいつも通り、制服を着て来た自分の判断に感謝する。優月は自身の身につけている制服をじっと見た。
(この制服、首のとこまであってチョーカー隠れるし良かったんだけどな…。でもそろそろお腹大きくなってくるって言ってたから、この方法ももう無理かな。)
優月が着ていたのは本物の制服だった。優月は早朝の、まだ外来を受け入れていない時間帯に本当に清掃員として働いている。優月は、朝は清掃、昼は食堂、夜はもともとの在宅の請負仕事をと三つの仕事を掛け持ちでこなしていたのだ。もともとは昼と夜だけだったのだが、病院に見たことのある顔が見え始めてから偽装の制服を入手するためにこのアルバイトを始めた。
(さっきのはほんとドキドキしたけど、おかげで何とかなって良かった…うまく誤魔化せたよね?)
男は去って行ったので誤魔化せたとは思いつつも、まだ近くにいるかも知らないので優月は慎重に周りを伺いながら歩く。が、そこからは誰かとすれ違うこともなかった。優月はほっとしながら馴染みの診察室の扉を開ける。
「失礼します。」
優月はチラリと時計を見たが、なんとか遅刻は免れた様だった。ほぼ約束の時間時間ぴったりだ。
「いらっしゃい、優月くん。」
穏やかな笑顔で出迎えてくれたのは優月の担当医だった。さらさらストレートの黒髪が爽やかな彼はまだ三十歳くらいに見えるが、大変優秀ですでにこの病院のΩ婦人科の取りまとめを任されているそうだ。優月は早川に、自分の後輩にあたると人物だと紹介されていた。
「新田(にった)先生。よろしくお願いします。」
「うん、今日は検査とか説明とか多くて大変だけど頑張ろうね。」
新田が見る者に安心感を与える笑顔で言う。その言葉の後早速問診が行われ、検査が着々と検査が進んだ。
「経過は良好だね。これ、エコー写真。」
新田が写真を提示する。そこには確かに髪や手足らしきものが映っていた。
「わあ……!」
優月は思わず感嘆の声を漏らす。
(すごい、これが、おれの…俺とはる君の子供……)
「すごい…ほんとにいるんですね……」
「ふふ、性別は…………男の子みたいだね。」
新田がほほ笑みながら優蘭に告げる。
「わああ、そうなんですね…!男の子かあ…元気な子だといいなあ。」
とにかく元気に生まれてさえ来てくれればいい、そんな思いでお腹を撫でる。
「これからどんどんお腹も大きくなってくるからね。これからも大変な日が続くと思うけど一緒に頑張ろうね。」
新田がさわやかな笑顔で優月にほほ笑みかける。それから、新田はこれからの生活で気を付けることや必要になるものなど、優月の今の状態からこれから出産に向けてのことを細かく説明した。それに加えて、Ωの妊娠はこれからが特に大変なので最低月に一回でよかった来院の頻度を倍にした方がいいとか言う話もあり、これからの診察も今までとは少し違ったものになりそうだった。
優月は曲がり角を曲がってすぐの診察室への道を心臓をバクバクさせながら歩く。
(やっぱり陽仁くん家の人だった…)
優月はほっとため息を吐く。先ほどの男が差し出してきた写真は、やはり優月のものだったのだ。
(でも話しだことはない人だったから、声とかでバレなくてよかった。それに、俺のことを患者として探してくれてたのも大きかったかも。)
優月は時間がないながらもいつも通り、制服を着て来た自分の判断に感謝する。優月は自身の身につけている制服をじっと見た。
(この制服、首のとこまであってチョーカー隠れるし良かったんだけどな…。でもそろそろお腹大きくなってくるって言ってたから、この方法ももう無理かな。)
優月が着ていたのは本物の制服だった。優月は早朝の、まだ外来を受け入れていない時間帯に本当に清掃員として働いている。優月は、朝は清掃、昼は食堂、夜はもともとの在宅の請負仕事をと三つの仕事を掛け持ちでこなしていたのだ。もともとは昼と夜だけだったのだが、病院に見たことのある顔が見え始めてから偽装の制服を入手するためにこのアルバイトを始めた。
(さっきのはほんとドキドキしたけど、おかげで何とかなって良かった…うまく誤魔化せたよね?)
男は去って行ったので誤魔化せたとは思いつつも、まだ近くにいるかも知らないので優月は慎重に周りを伺いながら歩く。が、そこからは誰かとすれ違うこともなかった。優月はほっとしながら馴染みの診察室の扉を開ける。
「失礼します。」
優月はチラリと時計を見たが、なんとか遅刻は免れた様だった。ほぼ約束の時間時間ぴったりだ。
「いらっしゃい、優月くん。」
穏やかな笑顔で出迎えてくれたのは優月の担当医だった。さらさらストレートの黒髪が爽やかな彼はまだ三十歳くらいに見えるが、大変優秀ですでにこの病院のΩ婦人科の取りまとめを任されているそうだ。優月は早川に、自分の後輩にあたると人物だと紹介されていた。
「新田(にった)先生。よろしくお願いします。」
「うん、今日は検査とか説明とか多くて大変だけど頑張ろうね。」
新田が見る者に安心感を与える笑顔で言う。その言葉の後早速問診が行われ、検査が着々と検査が進んだ。
「経過は良好だね。これ、エコー写真。」
新田が写真を提示する。そこには確かに髪や手足らしきものが映っていた。
「わあ……!」
優月は思わず感嘆の声を漏らす。
(すごい、これが、おれの…俺とはる君の子供……)
「すごい…ほんとにいるんですね……」
「ふふ、性別は…………男の子みたいだね。」
新田がほほ笑みながら優蘭に告げる。
「わああ、そうなんですね…!男の子かあ…元気な子だといいなあ。」
とにかく元気に生まれてさえ来てくれればいい、そんな思いでお腹を撫でる。
「これからどんどんお腹も大きくなってくるからね。これからも大変な日が続くと思うけど一緒に頑張ろうね。」
新田がさわやかな笑顔で優月にほほ笑みかける。それから、新田はこれからの生活で気を付けることや必要になるものなど、優月の今の状態からこれから出産に向けてのことを細かく説明した。それに加えて、Ωの妊娠はこれからが特に大変なので最低月に一回でよかった来院の頻度を倍にした方がいいとか言う話もあり、これからの診察も今までとは少し違ったものになりそうだった。
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