君は俺の光

もものみ

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捜索ー陽仁sideー

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(おそらくマンションの方はダミーだ。携帯にGPSがついてることは優月も知ってるから、解約してその辺に捨てたんだろう。)

 優月は頭がいい。本人は自分を卑下するが、謙虚でまじめな性格もあっていろいろなところに気が回る。陽仁から逃げるつもりなら、携帯のGPSを囮にするくらいのことは当然考えるだろう。

(やっぱ秘書とかにしとくべきだったかなあ…。今着いてるやつよりゆづのがよっぽど仕事できるんだけど…。まあ提案したことはあるけど断られちゃったし、俺もゆづをむやみに人前に出したくないしね。)

 優月は頭だけでなく、よく見るとその見た目も抜群なのだ。特に出会った時とは違って陽仁手ずから身なりを整えているので、やせすぎだった体も今は適度に肉付き、ボロボロだった髪や肌も今では本来の美しさを取り戻している。艶やかな黒髪は本人の意思により少し長めで綺麗な顔を隠してしまっているが、その髪の下にある顔はくりっとしたたれ気味の丸い目に鼻や口は小さめ、顔自体が小さく真っ白な肌と少し色づいた頬も相まって小動物を思わせる可憐な顔立ちなのだ。

(まだ瘦せすぎなのがちょっとだけ気になるけど、ゆづはほんとに可愛くなったからなあ。外に出したらすぐ危険な目に合いそうで、俺も無理にゆづを秘書にできなかったんだよな。)

 自身が手ずから整えた優月の見た目だが、陽仁はその結果に満足するとともに少しかわいくなりすぎてしまったのでは、と妙な反省をした。

(ゆづ、危険な目にあったりしてないかなあ…。一応ゆづにつけた他のも変な反応ないから大丈夫だと思うんだけど…。)

 陽仁は画面に映し出された二つの発信器の情報を見て目を細める。

(しかしスマホを犠牲にして囮まで使うとはね…。まあ、もう居場所はわかってるんだし、急ごう。)

 陽仁は目的地に向かって車を走らせた。
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