君は俺の光

もものみ

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決意ー優月sideー

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 不安な心持ちで待つ優月に、医師は告げた。検査後なぜか産婦人科に通された時からおかしいと思ってはいたが、この時は医師の言葉が理解できなかった。

「にん、しん…?」
「ええ、五週目ですね。おめでとうございます。」

 五週目…ちょうど前のヒートの時だ。そういえば今月はヒートが来ていないなと思っていたところだった。前のヒートの時もちゃんと避妊していたはずなのだが…。

「そ、そんな…。」
「…?…もしかして、望まないことですか?今でしたらまだ、手術も可能ですよ。」

 望まないこと?無論だが、相手は陽仁だ。優月は生まれてこのかた陽仁以外と行為に及んだことがない。つまり、お腹にいるのは陽仁との子供。それが、望まないこと?

「いえ!!その、」

 気がついたら否定の言葉が出て、目の前が滲んでいた。目が潤んで大粒の涙が溢れ出す。陽仁と美女のことを知った時とは比べ物にならないほど、優月は泣いていた。

「え?!西原さん?大丈夫ですか?」

 担当していた女医が慌てて言う。女医は男のΩである優月への偏見もないようで、とても親切にしてくれていた。

「大丈夫、です…。…産みます。産ませてください。」

 優月が女医に向かって頭を下げる。涙はまだ止まらなかったが、これは決して悪い感情からではなかった。むしろその逆、嬉しくて、嬉しくて。優月は初めての感情で心がいっぱいになり、涙を溢れさせていた。

「西原さん…。もちろんですよ、頑張りましょうね。」

 そう言って女医は優月に涙を拭うためにガーゼを差し出してくれた。それからも女医は親身に話を聞き、優月が相手と自分は番ではなく、自分はすぐに引っ越すことになるかもしれないと言うと、複雑な事情を察してか何も聞かずに遠方の婦人科を紹介してくれた。

「そこはΩの出産のサポートに優れた病院なので、きっとここより設備が整っているはずです。…事情は分かりませんが、あなたの健康と幸せを祈っています。頑張って。」

 優月は女医に感謝を告げて病院を後にした。
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