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プロローグー優月sideー
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(荷物は全部ある…よな。手紙はダイニングの机の上に置いたし、あとはこれを…)
西原 優月(にしはら ゆづき)は手の中のものを見つめる。
(この鍵も、もう使うことないんだなあ…)
もう七年も住んだ部屋の鍵を見つめていると切なくなってきてしまった。
(いや、だめだ。もう決めたことだし、早く、はるくんを自由にしてあげないと。)
何度も思い悩んで決めたことをもう一度頭の中で繰り返す。東条 陽仁(とうじょう はると)。高校生の時に付き合って、卒業以来ずっと同棲している優月の恋人だ。…恋人だった、が今となっては正しい言い方かもしれないが。
(ここまで準備したんだ、きっと上手く行く。はるくんを騙すことになっちゃうのは申し訳ないけど…この方がはるくんにとってもきっといいはず。)
鍵についたマスコットを外し、鍵をそっと玄関の棚に置く。優月は音を立てないようにそっと扉を開けた。後ろからオートロックの鍵が閉まる音がする。
(…幸せになってね。)
西原 優月(にしはら ゆづき)は手の中のものを見つめる。
(この鍵も、もう使うことないんだなあ…)
もう七年も住んだ部屋の鍵を見つめていると切なくなってきてしまった。
(いや、だめだ。もう決めたことだし、早く、はるくんを自由にしてあげないと。)
何度も思い悩んで決めたことをもう一度頭の中で繰り返す。東条 陽仁(とうじょう はると)。高校生の時に付き合って、卒業以来ずっと同棲している優月の恋人だ。…恋人だった、が今となっては正しい言い方かもしれないが。
(ここまで準備したんだ、きっと上手く行く。はるくんを騙すことになっちゃうのは申し訳ないけど…この方がはるくんにとってもきっといいはず。)
鍵についたマスコットを外し、鍵をそっと玄関の棚に置く。優月は音を立てないようにそっと扉を開けた。後ろからオートロックの鍵が閉まる音がする。
(…幸せになってね。)
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