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19.俺だけでいなきゃ、許さない
しおりを挟む強く押さえつけられた手首が、ひどく痛んだかと思えば、会長は一気に僕と距離を詰めて、唇を奪っていく。驚いて戸惑う僕の唇はこじ開けられて、深くまで舌を入れられた。
さっきはすごく優しくて、僕を包むように、くすぐるようにキスしてくれたのに、今度は全然違う。
まるで、襲われているみたいだ。無理矢理奥まで舌を突っ込まれて、中をぐちゃぐちゃに舐められて、舌を絡められて。苦しくても、もっと差し出せって言われてるみたいに、奥まで突かれてる。苦しくて、咳き込みそうになるけど、それすら許してもらえない。
息もできない。そんなに強くしたら苦しい。
せめて少しだけでも呼吸させてほしくて暴れようとしたけど、すでに会長は、僕の体を自分の体で押さえつけている。体格のいい彼に、そんな風に捕まったら、僕に逃れる手立てなんかない。
全身で覆いかぶさってきた会長が、初めて怖く見えた。
どうしたんだ? そんなに怒ったの……? 苦しい……
「…………っ!! ……っ!! …………っっ!! はぁっ……!」
やっと会長の唇が離れて、僕は押さえつけられたまま咳き込みそうだった。長く唇を塞がれていたせいで、頭がクラクラしてきた。会長の顔が霞んで見えたけど、ひどく冷たい顔をしていたような気がする。
会長の足が、僕の股間に擦れて、まだフラフラしている体に、怖いくらいの快楽が走った。
「あっ……!」
突然の甘い刺激に耐えきれず、背中は反り返り、あられもない声が出てしまう。
悶える僕を楽しんでいるのか、会長は、僕の膨らみかけた欲の塊に、恐ろしいくらい優しい手つきで、掌を絡めてきた。
「うあぁぁっ……!! や、やめて……!! か、会長っ!」
こんなの耐えられない。
敏感になったそこを丁寧に包まれて、煽るように扱かれて。そこに欲が溢れるごとに、耐えきれないくらいの快感が体に広がって、体を捩って泣き続けた。
苦しいくらいの快楽に夢中になって、やめて、なんて言いながら、腰だけは無意識に、会長の手に縋るように揺れてる。
そんないやらしい僕に、会長は狂気じみた顔で、囁いた。
「俺だけでいて。他のものに気を取られるなんて、許さない」
「あぐっ……」
勃ち上がった竿の先あたりに、会長の指先が食い込んでくる。もうそれは、はしたないくらいにズボンを押し上げて、会長を求めていた。
会長が先をぐりぐり抉るたび、かすかな疼痛と、電撃のような刺激に襲われてしまう。愉悦だけで、体ごと溶かされそう。
すっかり体は会長に酔っていて、何度も喘ぐ僕の口の端からは、涎が垂れていた。
「あっ……やっ…………やあっ……! あ、あんっ……あぁぁっっ……や、やだぁっ……! も、もうっ……!」
「可愛い……俺に喘いでる? 俺に感じてる? 今、俺以外のこと、考えてないだろ?」
「あっ……あっ!」
「もっと俺に溺れて。俺だけでいて? 他のもの、全部どうでも良くなるくらい」
「ひあああっ……わ、分かったからぁぁっ、もうっ……」
「俺だけでいなきゃ許さない。ディトルスティは、これからずっと、俺に管理されるんだ。ここの躾もしてあげるね?」
「そ、そんなっ……あっ……!」
僕の欲望を弄んだ手が離れていく。だけど、僕はまだイってない。こんな中途半端なところでお預けされたら、我慢なんてできない。
すっかり快楽に飲まれた僕は、すでに理性も奪われていて、会長の前なのに、自分でそれに手を伸ばそうとした。
けれど会長は、僕の両手を頭の上に持って行ってしまう。両方の手首にくるくる魔法のリボンが絡み付いてきて、そのまま縛られてしまった。リボンなのに、僕がどんなに暴れても、全然解けない。
両手の自由を奪われ、抵抗の手段を奪われた僕は、震えながら会長を見上げた。
会長は、僕の縛られた手首に手を添えて、僕が全く動けないくらいに体を近づけてくる。彼と体が擦れあうたびに、気持ちいいのに苦しくて、早く解放して欲しくてたまらない。
涙まみれの僕の頬に、会長はそっと、触れるか触れないかくらいの距離で、手を添えた。
「勝手に触ることはもうできないよ……トイレ行きたくなったら、俺に言って。自慰したくなった時も」
「そんな…………」
「勝手にするのは、もう禁止だから」
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