17 / 46
17.二人きり!?
しおりを挟むヴィユザとマモネークが部屋に戻って行き、僕の部屋の前に残ったのは僕と会長の二人だけ。廊下にも他に学生はいなくて、二人きりだ。
二人きりなんて……いつもならすごく嬉しいのに、どうしよう……会長の顔が見れない!!
だってさっき、生徒会室であんなことがあったばっかりだぞ!! それなのに……また会長と二人きりなんて……い、いや、会長となら、僕はいいんだ!! 会長になら……だけどやっぱりいきなりはっ……!!
まだそんなところまでいくのは怖いけど、それでも会長と一緒にいたい。
恐る恐る振り向いたら、会長も、僕を見下ろしてくれていた。
「可愛いな……そんなに真っ赤になって」
「へっ……!? そ、そんなっ……だ、だって……」
なんで会長はそんなに平気な顔してるんだ……会長のポーカーフェイスはいつものことだけど、今は、今何考えてるかわからなくて困る!
二人きりでこんな風になるの、僕だけ!?? 変に焦って、会長に面倒臭いって思われたらどうしよう!!
「あ、暑いのかなー?? 今日!! 暑いですよね!!」
「そうだね。さっき、ヴィユザに撫でられた時も、ちょっと赤かった」
「へ!? そうですか!? な、仲間なんて言うから、照れただけです…………う、嬉しかったのかな!? あんなこと言うから……あ、あははは」
「ふーーーーん……」
「……」
なんだろう……今、一瞬、会長が怒った時の目になったような気がしたんだけど……気のせいかな??
気のせいに決まってる。だって会長は、僕の頬にちゅってキスをして、優しく微笑んでるから。
「明日からまた忙しいんだから、早く部屋に戻って休んだほうがいいよ」
「あっ……そ、そうですね……」
キスされたところがくすぐったい。だけど、ちょっと寂しい。
ここでお別れなんだ。もう少しそばにいたいのに。
二人きりでこれから何かあるかも、なんて考えてたの、僕だけか。
「す、すみません。会長!! 気がつかなくて……お、送ってくれて、ありがとうございました!」
「うん。じゃあ、部屋に入ろうか」
「…………へ??」
「へ? って、なに? 早く部屋に入ろう?」
「え、えっと……」
部屋にって、どういうことだろう……僕の部屋に入るの?
僕の、部屋に……き、来てくれるのか!?
「い、いいんですか……?」
「うん? 当然だろ? それとも、嫌?」
「い、嫌じゃありません! そ、そうだ! 僕、お茶入れます! お菓子も……か、会長が大好きなもの、買い付けてきました!」
「本当? 嬉しいな……そんなに気を遣わなくてもいいのに……」
「い、いいんです! だって、生徒会長にここまで送ってもらったんだし……お茶くらい入れておもてなししなきゃ失礼です!!」
「失礼って……そんなことないよ」
「だ、だって、会長が僕の部屋に来てくれるなんて、嬉しい……まるで恋人……いや、恋人なんだ……僕だけが……僕だけが、会長の恋人……」
「え?」
「あ!! いえっ……! ち、違うんです! 僕、幸せだなって思って……」
会長が僕の部屋に来てくれる。それだけで嬉しい。
だ、だけど、そしたら部屋に二人きりで、二人きりで部屋にいたら、当然そこにはベッドもあるわけで……さ、さっきみたいに迫られたら……
恐る恐る、会長に振り向いた。そしたら、目があってしまう。
会長はニコって笑ってくれるけど、僕は恥ずかしくてびっくりして、もう真っ赤だった。
11
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
セカンドライフ!
みなみ ゆうき
BL
主人公 光希《みつき》(高1)は恵まれた容姿で常に女の子に囲まれる生活を送っていた。
来るもの拒まず去るもの追わずというスタンスでリア充を満喫しているつもりだったのだが、
ある日、それまで自分で認識していた自分というものが全て崩れ去る出来事が。
全てに嫌気がさし、引きこもりになろうと考えた光希だったが、あえなく断念。
従兄弟が理事長を務める山奥の全寮制男子校で今までの自分を全て捨て、修行僧のような生活を送ることを決意する。
下半身ゆるめ、気紛れ、自己中、ちょっとナルシストな主人公が今までと全く違う自分になって地味で真面目なセカンドライフを送ろうと奮闘するが、色んな意味で目を付けられトラブルになっていく話。
2019/7/26 本編完結。
番外編も投入予定。
ムーンライトノベルズ様にも同時投稿。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
同室者の怖い彼と、僕は恋人同士になりました
すいかちゃん
BL
高校に入学した有村浩也は、強面の猪熊健吾と寮の同室になる。見た目の怖さにビクビクしていた浩也だが、健吾の意外な一面を知る。
だが、いきなり健吾にキスをされ・・・?
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる